Weekly Column
1999/9/7


●Billboardポップアルバムチャート(99/9/11付)

by K.Shinkai

◆今週のニューエントリー(未完成バージョン)

今週はニューエントリーの数がめちゃくちゃ多いので全体的にさらっと行きます。

[Christina Aguilera] Christina Aguilera (No.1)

とどまるところを知らないアイドル人気。18歳のクリスティーナ・アギレラのデビュー作がパフ・ダディを破って初登場No.1。アメリカのテレビ番組「ミッキーマウス・クラブ」にブリトニー・スピアーズや現イン・シンクのメンバーと一緒に出ていたということで話題になりました。そのブリトニーの初登場週の約2倍のセールスという圧倒的な強さでの登場。まあ、内容はつまんないのでブリトニーみたいなロングセラーにはならないでしょう。って別にブリトニーのほうは内容がいいってわけでもありませんが (:-P

デビュー曲「Genie In A Bottle」がシングルチャートでNo.1になり、ラテンの血が入っていることから、折からのラテンブームにもうまく乗ったという感じで絶好のタイミングでのデビューでした。なんか本人は「スペイン語のアルバムも出したい」とか言ってます。
それにしてもこの子は写真によって写り具合が違い過ぎて怪しいです。ビデオでは可愛く映ってると思うのですが、このジャケ写はどうも。ちなみにこのビデオの撮影はかなり寒い時期だったそうですが、海辺で思いっきりヘソ出して、震えながら撮影したそうで。ブリトニーへの対抗意識か?マライア・キャリーも「若いコたちに負けてられないわ」とばかりに高露出度路線を突っ走るしなあ。普通あの格好で映画館に行くか?
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[Forever] Forever / Puff Daddy (No.2)

パフ・ダディのソロ2作目。これが2位に終ったというの事実は、本当に時代の流れを感じさせます。
ソロデビューは97年。メアリーJブライジやノトーリアスBIGなどをプロデュースして次々に大ヒットさせ、Bad Boyレーベルを率いて90年代中盤のトップ・プロデューサーとして君臨しました。で、いよいよ自分自身もラッパーとしてソロデビューの準備を進めているところで、愛弟子であるノトーリアスBIGの射殺事件。苦悩の末にようやく完成した「No Way Out」は大ヒットになりました。
それから2年。仕事量自体も以前よりは少なくなってますが、ほとんど大きなヒットを出せなくなり、Bad Boyからデビュー作をヒットさせたメイス、112、トータルなどのそれぞれのセカンドアルバムは商業的に苦戦(フェイス・エヴァンスだけは前作並を維持)。ビギーは死んじゃったし、その後の一番弟子であるメイスは信仰に目覚めてラッパー引退を表明、LOXはBad Boyレーベルを離れたがってる、それに相次ぐ商業的不振...と坂道を転げ落ちるようにBad Boy帝国の勢力は弱体化していました。

ということで気合を入れて作ったんでしょうけどねえ。先行シングル「P.E.2000」は通常のバージョン+スペイン語バージョン、ロック・バージョンと3種類用意し、それぞれ用にビデオも3種類作るという力の入れよう。スペイン語バージョンまで作っちゃうところがいかにも商売人らしいあざとさを感じさせますが、本人曰く、ラテンブームに便乗したわけではなく、「リッキー・マーティンがブレイクする前から用意していた」ものなんだそうで。ま、確かにヒップホップの世界ではポップ界よりも一足早く、ビッグ・パニシャーなどのラティーノ系が幅を利かせ始めていたので、これは本当かもしれないけど。
パブリック・エナミーをカバーするという目のつけどころはいいし、今の彼の立場だと(コアなヒップホップファンからは相手にされず、一般大衆からも白い目で見られ始めた)「俺はパブリック・エナミー・ナンバー1だ」と言いたくなる気持ちも分ります。が、あまりにも無理がありました。この曲(のオリジナル)をやってた頃のパブリック・エナミーの圧倒的な迫力を、落ち目になってるパフィが再現できるはずはないのです。おまけに間の手を入れる女の最悪なこと。こんな訳の分らない三流の腑抜けを起用する理由がいったいどこにあったんでしょう。パフィの愛人か?(←またそういう無責任な発言を...)
決してシングルヒットするようなキャッチーな曲とは言えないし、出来も悪いということで、案の定これはヒットせず、アルバム不振の原因の一つとなりました。というかヒット曲の入ってないパフィのアルバムなんて、マスターPのいないNo Limit軍団みたいなもんですからね。いや、そんなに酷くはないか。
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[Melvin Flynt - Da Hustler] Melvin Flynt - Da Hustler / Noreaga (No.9)

カポーン&ノリエガとしてデビューし、カポーンが刑務所入っちゃったんで仕方なくソロ活動を始めたノリエガの2作目。前作は3位になってるので今回ちょっとトーンダウン。
どうもこいつは、かっこいいんだかかっこ悪いんだかよくわからないところが非常にヤンキー的で、面白い存在感ですね。ネプチューンズのプロデュースで音は手堅いし、ノリエガは決して巧いラッパーだとは思わないけど、それなりに聴かせます。しかし「わっわっ(What What)」とか「おーのー(Oh No)」とか妙に知能指数の低いフレーズをサビで連呼するのはどうもなあ。頭悪いと思われるぞ。って顔見ただけでもう思われてるか。

なお彼はどういうわけかCa$h Money軍団と一緒に来日することが決りました。ノリエガはさておき、Ca$h Money軍団は観ておかないとまずいでしょう。これを見逃すと一生後悔します
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[Home] Home / Sevendust (No.19)

ありゃ、こんな高い位置に全然知らない奴が...と思ったら、どうもこれはウッドストック効果のようですね。
セヴンダストはこれがセカンドアルバムとなる人種混成ヘヴィ・ロック・バンド。リズムが強力なのと、ヴォーカルの巧さでライヴは凄いらしく、先日のウッドストック'99への出演で一気にファンを増やしたんでしょう。
何しろ自分で聴いてないので(例によってこのテのはけいさん情報に頼ってます)何ですが、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンかセパルトゥラ(ソウルフライ)かという感じでしょうか。
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[LFO] LFO (No.21)

男3人組のアイドルグループ。いやーこんなのが21位とはねえ。シングル「Summergirls」はなかなか良く出来た曲で、白人なのにさらっとラップをこなしてしまうあたり、いかにも近頃の若者という感じがしますな。私などは完全に80年代世代で、ちょうど日本でも洋楽が盛り上がった83〜86年頃に中学〜高校生だったわけですが、「ニューキッズ・オン・ザ・ブロックがいっぱいヒット曲出してたよね、あの頃」なんて歌われてしまうと「あー俺とは5年ズレてるな」と感じてしまいますね。
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[Title Of Record] Title Of Record / Filter (No.30)

いよいよ待望のナイン・インチ・ネイルズの新作が出るか!?と世間の期待が高まっているところで、自らその前座を勝って出た殊勝な人たち。ごく初期のNINのメンバーだった(で、アルバムデビュー前に脱退してしまった)リチャード・パトリックが結成したこのバンド、NINの大成功劇をどういう気分で見てるんでしょうねえ。
乱暴なくくり方をすればこいつらもNINとやってることは同じですが、こっちのほうがより生音に近く、普通のギターロックに近いそうです。って相変わらずこの手のは自分では聴いてないんですが。今回のアルバムではその路線がいっそう進められ、打込みっぽさがなくなったということです。
で、Vibeでのインタビューなんかを見てみたらごく普通の若者という感じですねえ。
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●UKアルバム・チャート

by T.Nosaka


1 (1) THE MAN WHO / TRAVIS
2 (2) BY REQUEST / BOYZONE
3 (3) COME ON OVER / SHANIA TWAIN
4(17) SOGNO / ANDREA BOCELLI
5 (4) THE HUSH / TEXAS
6(11) PERFORMANCE AND COCKTAILS / STEREOPHONICS
7 (7) ABBA GOLD / ABBA
8 (9) THE PARTY ALBUM! / VENGABOYS
9 (-) FOREVER / PUFF DADDY
10 (6) THE VERY BEST OF / ELVIS COSTELLO

今週もトラヴィスが首位を死守。ブラーもスウェードも1位を取った後怒涛のご とくチャートを駆け落ちていったのに対し、このトラヴィスと今週10位内に復帰 したステレオフォニックスという若手2組の安定したセールスは光ります。
パフィはUSチャートの方で詳しい解説があるでしょうからさっそくニュー・エン トリーへ。

NEW ENTRY
NO.28 MOCK TUDOR / RICHARD THOMPSON
大ベテランながらコンスタントに新作を発表し続けるソングライター/ギタリス ト。60年代はフェアポート・コンヴェンションのリーダーとして、解散後は妻リ ンダ(後に離婚)とのデュオ作やソロなどで常に高品質な作品を作り続けている 鉄人。本作は彼の故郷でもあるロンドンをテーマにしたコンセプチャルな作品に なっているそうです。フォーク/トラッドを基調にした地味渋の世界ですが、相 変わらず評論家筋の評価は高いし、聴く価値のある作品であることは間違いない でしょう。

NO.33 SUPERNATURAL / SANTANA
こちらはアメリカ編で紹介済なので割愛します。

NO.44. J-TULL DOT COM / JETHRO TULL
何か俺達も時代の流れに乗ってるぜ、といいたげなアルバム・タイトルには苦笑 しちまいますが、これが何と純然たる新作ですよジェスロ・タル。リーダーのイ アン・アンダーソンは御年52歳。ちなみにリチャード・トンプソンは55歳、カル ロス・サンタナも52歳。何なんだ今週のチャートは。まぁいいかそろそろ敬老の 日だし。で、この新作ですが、結局やってることはあんまり変わってないみたい ですね、イアンの一本足フルート吹きも健在みたいだし。

NO.47 THE VAULT-OLD FRIENDS 4 SALE / PRINCE
ワーナー時代のボツ曲をまとめたアルバム。でもつい最近「Crystal Ball」とい う3枚組の大盤ふるまいがあった後だけにたった10曲入りってのはチト寂しい 気も。なんかこういうショボイもの出してる場合じゃないんだがなぁ。新作も出 るそうだけどどうなんでしょうねぇ。昔はプリンスの新作といえば飛びついて買 ったものだけにもう一度わくわくさせてほしいところです。

NO.62 BEST OF-I'M EVERY WOMAN / CHAKA KHAN
で現在プリンスのレーベル所属のチャカ・カーンのベスト。何を今さらという気 がしないでもないですが。表題曲は78年に11位、89年にリミックスされて8位ま で上がった人気曲。

NO.75 TITLE OF RECORD / FILTER
こちらもアメリカ編で紹介済なので割愛します。


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●Billboardポップシングルチャート(99/9/11付)

by M.Ata

◆今週のHOT100ニューエントリー

* 5 Lost In You(*) - Garth Brooks as Chris Gaines
*63 There She Goes - Sixpence None The Richer
*75 We Can't Be Friends - Deborah Cox with R.L.
*77 I Need To Know - Marc Anthony
*79 She's In Love - Mark Wills (V)
*81 Higher - Creed
*82 I'm Already Taken - Steve Wariner (V)
*88 Candy(*) - Mandy Moore
*91 Bliss(*) - Tori Amos

一番人気5位初登場は言わずと知れたガース・ブルックス扮するところのクリス・ゲ インズの「ロスト・イン・ユー」。1986年にクラッシュというグループでデビュー、 1989年にソロデビューしたポップ・スター、クリス・ゲインズが今年リリースしたグ レイテスト・ヒッツに収録された新曲の一つ、という設定で、シングルジャケにはク リスデビュー以来の歴史が事細かに記載されていて、なかなか手が込んでます。ガー スもヅラなど駆使してクリスに扮装したジャケが結構ニンマリわらえるこの企画、曲 はアコギ一本でほぼ全編通すバラードで、ちょっと込み入ったメロディとフェイクや 裏声を巧く使ったボーカルがまるで別人のよう。カップリングでカントリーチャート 入りしている「It Don't Matter To The Sun」と比べると発声法から変えているよう な感じでガースの気合いの入り具合が伝わります。ちなみにこれはガースのヒットで、 コマーシャル・シングルのリリースとしては初になります。従ってTop40ヒットは初 めて(Hot100では、昨年12月以降のチャート改編のおかげで『Double Live』からの エアプレイカット「It's Your Song」(最高位62位)のみがチャートイン)という彼 ほどのスーパースターにしては意外なヒットとなりました。

長くなりました。ぐっと下がって63位は「キス・ミー」に続くヒットを送り込んでき たシックスペンス。既に日本のFMでもガンガン流れているのでこの爽やかなメロディー の曲を聴いた人も多いはず。この曲はご存知ラーズの1991年の小ヒット(最高位49位、 UKでは1990年に13位)のカバーですが、オリジナルの飾りのない感じもいいですが、 シックスペンスのカバーもボーカルの声質とマッチしていて、続いてのヒットを期待 したいところです。75位は「Nobody's Supposed To Be Here」の大ヒットで大ブレイ クしたデボラ・コックス嬢、今度はレーベルメイトのネクストのR.L.とのデュエット を送り込んできました。77位はまたまたラテン勢の攻撃。今度はマーク・アンソニー の登場です。ラテン歌謡的味わいの曲とのことですが、柳の下のドジョウ、5匹目は いるか。

79位は先頃「Wish You Were Here」がトップ40入り、すっかりHot100の常連となった 感のある、カントリーの若手マーク・ウィルスの新曲がチャートイン。今98ディグリー ズがカバーしている「I Do (Cherish You)」同様キース・スティーガルとダン・ヒル の共作です。81位は先頃「One」でHot100初見参したクリードの2曲目のヒットがチャー トイン。82位はこれも先頃「Two Teardrop」で初のトップ40入りを果たしたカントリー のベテラン、スティーヴ・ウォリナーの新曲がチャートインしてます。88位は話題の 新人、マンディ・ムーアの「キャンディ」が登場。しかしホントにプロデューサーチー ムの“ワサビーズ”とは何者でしょうか。91位は新作『To Venus And Back』のリリー ス目前のトーリー・エイモスの新曲が登場。変則リズムの入ったしかしトーリーらし いヒタヒタと迫る曲です。マキシシングルにはアルバム未収録の「Hey Jupiter」 「Upside Down」のライヴバージョンが入っててファンにはお得です。

ところでこの週は84位にシャナイアの「Man! I Feel Like A Woman!」がリエントリー で再登場。これには理由が2つあります。一つは誰かも言っていた、レヴロンのコマー シャルに今月から使用されていること。これ、向こうで見てきましたが、タキシード にシルクハットで決めたシャナイアが無茶苦茶かっこよく、とてもカナダ出身のカン トリーシンガーには見えないまるでスーパーモデル並のルックスに衝撃を受けます (まあコスメのCMだからメイクは完璧なんだろうけど)。ビジュアルにあの曲(実は 後述する新バージョン)が見事にはまっていてこれは受けるわ、と言う感じでした。 もう一つはオルタナティブ・バージョンのラジオへのリリース。例によってポップ・ タッチにリミックスされ(「Spirit In The Sky」風のギター・リフが入ってる)ポッ プ・ラジオ向けにまたも戦略がっちりと言う感じですね。何とビデオクリップはロバー ト・パーマーの「Addicted To Love」の男性モデル版だとか。これも必見ですな。
ではでは。

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