Weekly Column
1999/7/13


●Billboardポップアルバムチャート(99/7/17付)

by K.Shinkai

今週の 恐怖の大王
[Rear End]
Rear End / Mercedes (No.72)

遂に遂に遂に登場!全世界60億のNo Limitファン待望のメルセデス!
No Limitのアルバム(及び一部シングル&ビデオ)は、そのブックレットや裏ジャケなどに今後No Limitから発売予定の作品の「予告編」がズラリと並んでいることで有名で、最近は各レーベルも真似するまでになっています。No Limitの凄いところは実際の発売から何ヶ月も前からジャケが決定していて、それを延々と見せ続け、いい加減みんながその図柄を覚えてしまったところでど〜んと現物を販売するところ。しかも自分の製品に広告を出してるんだから、宣伝費はゼロ。
で、その予告編にはず〜っと以前から登場して「coming soon」と書かれてるのに、いつまでたっても現物が登場してこなかったのがモーBディックとメルセデス。モーBディックは今年春にようやくリリースされ、これで残るはメルセデスのみとなりました。何と2年以上前にリリースされているNo Limit初のトップ5ヒット「I'm Bout It」サントラのブックレットで既にこの広告の存在が確認されてます。しかもこのジャケ(笑)。これを2年以上、No Limit作品を買うたびに毎回毎回見せられればいやでも覚えるでしょう(まあそもそも日本の普通の音楽ファンはNo Limit作品など買わないという説もある)。

ドキュメント:No Limitファンは本作のリリースまでいかにジラされたか
(職場でこれを見てる人、誤解される恐れがあるので人前で見ないように+かなり重いので覚悟して開くこと)

ひたすら宣伝だけで、実物が一向にリリースされる気配がない。しかも、いつも軍団メンバー総出演のコンピなどでも、このメルセデスという奴は全然登場してこない。これは、一部狂信的No Limitマニアの間で「メルセデス死亡説」や「初めからいなかった説」「何とかリリースを引き延ばして1999年7月に世界が滅びるのを待ってる説」といった噂が流布し、混乱に拍車をかけていたのも仕方のないことだろう。広いロック界には、作品完成後2〜3年リリースを待たされたなんて話はよく聞くが、ここで問題になっているのは他でもない、あのNo Limitである。「アルバム1枚作るのに2週間は長過ぎる」と宣い、実際に隔週で新作を出す(しかも毎作品ほとんど同じ参加メンバーで)というPの、あのNo Limitである。彼らにとっての2年とは、さしずめ我々凡人にとっては、土星まで行って帰ってくるといった、気の遠くなるような時間だったに違い無い。

そして今週、ついに現物が登場!世界各地のNo Limitファンが、生きていて良かったと感慨に浸ると同時に、これがとうとうリリースされてしまったのは何かを暗示しているのではないか、そういえば奇しくも1999年7の月だぞ... と恐れ戦いている。しかし恐れることはないのだ。恐怖の大王とは、コレのことなのだ。一説によればノストラダムスもNo Limitファンだったらしく、自分が生きているうちにはコレが聴けないのを知ってわざと意地悪な予言を遺したらしい。
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◆今週のニューエントリー

[Beneath The Surface] Beneath The Surface / Genius/GZA (No.9)

ウータン関連では昨年末のメソッド・マン以来のトップ10ヒット。ボビー・デジタル名義のRZAのソロや、やたらと出てくる有象無象の関連グループやコンピが今いち売れないので、いよいよウータン人気もここまでかと思ってました。が、メンバーの中でも割と地味なGZAがこれだけのヒットになるということは、やっぱりまだまだ人気はあるのかな。個人的には早くレイクウォンに活動再開して欲しいんですが。
これはGZAの3枚目のソロ(ウータンのメンバーになってからは2枚目)。メソッド・マン、オール・ダーティ・バスタード、RZA、キラー・プリーストなどお馴染みの面々がゲスト参加。
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[Nothing Safe-Best Of The Box] Nothing Safe - Best Of The Box / Alice In Chains (No.20)

アリス・イン・チェインズのベスト盤が登場。95年のセルフタイトルドアルバムを最後に、96年にスタジオライヴ盤を出しただけで休眠状態のAIC。ボーカルのレイン・ステイリーがドラッグで廃人になってしまってるので活動できない...という状況らしく、97年にはギタリストのジェリー・カントレルがソロを出してました。しかしこのバンドには根強いファンが非常に多く、今もっとも復活が待望されているロックバンドと言えるかもしれません。
ニルヴァーナやパール・ジャム、サウンドガーデンなんかも含めて「グランジ」などと呼ばれるシアトル出身のバンドのひとつ。80年代から活動していて、当時はLAメタルっぽい音だったそうですが、90年のファーストアルバム「Facelift」では、ダークでヘヴィで、うねるようなサウンドを展開。それが完成されたのが92年の名作「Dirt」で、このアルバム以降は「Jar Of Flies」「Alice In Chains」が1位になったのをはじめ、全作品がトップ10ヒットになってます。とりあえず「Dirt」はあまりにも名作で、持ってないとヤバいので、持ってない人は今すぐ買いましょう。うねうねのヘヴィなサウンドだけでなく、「SAP」「Jar Of Flies」などアコースティックな曲だけを集めたEPも出してます。暗いサウンドの割にはメロディがわかりやすいのが特徴で、そこにレイン・ステイリーの呪術的なボーカルがのっかるともうたまりません。
ところでこのバンド名、文字で書く時はAICと略称で書けるんですがしゃべる時は「エーアイシー」と言っても何だかよくわからんし、「アリス・イン・チェインズ」と言うのも長いので、ついつい「アリチェン」になっちゃうんですよね。あんまかっこ良くないから好きじゃないんだけどなあ。

さて。これは彼らの3枚のフルアルバム+2枚のEP+ライヴ盤から選曲され、未発表曲を加えたベスト盤。但し。ファンは焦ってはいけません。秋には、ボックスセットの発売が予定されています。一応これはそのボックスのダイジェスト版という位置づけなので(タイトルはそういう意味と、初期のヒット曲「Man In The Box」をかけていると思われる)、ボックスを買う気のある人は、秋まで待って、ここに入っている未収録曲がボックスのほうにも入っていることを確認し、入ってなかったらこっちも買う、というつもりでいたほうがいいでしょう。ただ、このアメリカ盤はエンハンスドCDなので、その映像の部分はこれを買わないと見られないとは思いますが(日本盤ではいつものごとくエンハンスド部分はカットか?)。
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[Classics In The Key Of G] Classics In The Key Of G / Kenny G (No.23)

なんか随分久しぶりという気のするケニーGの新作。97年のベスト盤以来で、オリジナル作としては96年の「The Moment」以来。まあ、これも全曲カバーなので「オリジナル作」と呼べるかどうかは疑問ですが。
タイトルは「クラシックス」ですが、いわゆるクラシック音楽のことではなく、スタンダードナンバー集と言ったほうが通りがいいでしょう。「Over The Rainbow」とか「The Girl From Ipanema」とか... そういう感じ。「What A Wonderful World (with Louis Armstrong)」という非常に反則くさいのが目につきますが(ナタリー&ナット・キング・コールの「Unforgettable」と同じ手法なんでしょう)。
なんか90年代前半までは売れまくってた人だけに、カバー集とは言え23位ってのはずいぶん低い気がしますが、これはもうマーケティング戦略上のミス以外の何者でもないでしょう。ケニーGのスタンダードソングのカバー集なんて、クリスマスシーズンに出せばヒットは間違いないし、それ以外の時期に出してもヒットするわけないのは素人の私にさえ明白なのにねえ。
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[Monster Ballads] Monster Ballads / Various (No.29)

こんなのが初登場29位とは、よっぽど宣伝しまっくてるんでしょうねえ(実際、アメリカではテレビコマーシャルが流れてるらしいけど)。80年代のハードロック/ヘヴィメタ系バンドの、バラード曲集。ポイントは、収録曲がみんなヒット曲であること。こんな感じです。

1. Heaven - Warrant
2. Something To Believe In - Poison
3. High Enough - Damn Yankees
4. Almost Paradise - Mike Reno/Anne Wilson
5. Is This Love - Whitesnake
6. To Be With You - Mr. Big
7. Carrie - Europe
8. Don't Know What You Got (Till It's Gone) - Cinderella
9. More Than Words - Extreme
10. Headed For A Heartbreak - Winger
11. When I Look Into Your Eyes - Firehouse
12. Wind Of Change - The Scorpions
13. I'll Never Let You Go (Angel Eyes) - Steelheart
14. When I See You Smile - Bad English
15. Don't Close Your Eyes - Kix
16. When I'm With You - Sheriff

お見事、全部トップ40ヒットですよ(大半はトップ10)。やっぱスティールハートの収録はポイント高いでしょう。この手のコンピはけっこう何種類も出てますが、往々にしてこういうバンドは「ファンの好きな曲」と「アメリカでヒットした曲」が違うことが多く、今までのコンピはたいてい前者を集めたものでした。しかしこれはもう完全に「全米ヒット曲であること」 が収録の条件。コアなHR/HMファンに言わせれば何じゃこりゃという選曲でしょうが、これでいいのです。門外漢には (^^)
しかし実はこれは2枚組バージョンが存在し、更にオイシイ選曲なのです。初期プレス分以外は1枚モノになってしまったのか、今CDnowやamazon.comを見ても1枚モノバージョンしか出てきません。
が、Razor & Tieレコードから直接なら買えるようです。流石に値引き販売はしてくれないので26.99ドル+送料と、若干高いですが。ここでチェック。2枚組バージョンでは、更に以下の曲が入ってます。

Love Is On Thw Way - Saigon Kick
Ballad Of Jayne - L.A.Guns
Goodbye - Night Ranger
Can't Fight This Feeling - REO Speedwagon
This Could Be The Night - Loverboy
Never Tear Us Apart - INXS
Second Chance - 38 Special
Eternal Flame - Bangles
Angel Song - Great White
Eyes Without A Face - Billy Idol
Amanda - Boston
House Of Pain - Faster Pussycat
More Than Words Can Say - Alias
Honestly - Stryper
Missing You - John Waite
Only Time Will Tell - Nelson
Waiting For A Girl Like You - Foreigner
Take Me Home Tonight - Eddie Money
Don't Walk Away - Danger Danger

バングルス、ジョン・ウェイト、REOなど、別にハードロックでもないし超ありふれた曲というのもありますが、サイゴン・キック、LAガンズ、ストライパーあたりは非常にいい線を押えてますね。デンジャー・デンジャー以外は全部トップ40ヒットというのもポイント高いです。
さらにこれは「Monsters of Rock」というロック系の曲を集めた姉妹編も出ていて、こっちにはオートグラフの「れいでぃおUSA (Turn Up The Radio)」!なんてのも入ってます。
チャートイン直後から、meantime関係者にはおなじみのけいさんいけださんとすっかり盛り上ってしまいましたが、とりあえず懸案事項としては「シングルバージョンで収録されてるのか?(多分違うだろ)」という点しょうか。やだなぁマニアは (^^;
これを出してるRazor&Tieというのはニッチ市場を狙った再発物が得意なレーベルで、おお、こんなのが!というマニアックなアイテムを色々とリリースしていることで知る人ぞ知るレーベルです。私はボビー・ウォマックの80年代の名作(名もなきインディからリリースされてる上に決して売れ筋アイテムではないのでCD化は諦めていた)を初(?)CD化してくれた時にはマジで感動しました。最近はずいぶんコンピレーションに力を入れているようで、1年ぐらい前のヒット曲集(NOWみたいなの)も何種類か出してますね。
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[Running With Scissors] Running With Scissors / Weird Al Yankovic (No.35)

パロディ&ノベルティ一筋で4枚組ボックスセットまで出してしまった男・ヤンコヴィック、久しぶりの新作。もう「Eat It」の大ヒットから15年ですか。
相変わらず何が言いたいのかわからないアルバムタイトルですが、「Pretty Fly For A Rabbi」とか「It's All About The Pentiums」なんていう、タイトルを見ただけで何のパロディかわかる曲も入ってます。スウィング・ブームやスパイス・ガールズ、エディ・ヴェダー(パール・ジャム)、ナイン・インチ・ネイルズと、ネタが一回り古いのが何とも寂しいところですが。
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[Live In Texas] Live In Texas - Lyle Lovett (No.94)

カントリー系シンガーソングライター、ライル・ラヴェットのライヴ盤。昨年は自分の音楽的ルーツを遡りつつ、先輩達の作品をカバーした非常に意欲的な2枚組「Step Inside This House」を出してました。この人はカントリーチャートでもそんなに大ヒットを連発するような人ではありませんが、ソングライターとして評論家筋を中心に非常に高い評価を受けている、まさに通受けの人です。
これは近いうちに聴くと思うので、実際に聴いてから書き足しましょう。
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◆Pick-Up

[Big Daddy] Big Daddy / Soundtrack (No.55)

アダム・サンドラー主演のNo.1ヒット映画「ビッグ・ダディ」のサントラが、映画公開に伴って急上昇。収録アーティストの系統もバラバラだし、新曲・既発表曲が入り交じった何とも中途半端な作りですが、けっこう強力な新曲も入っていて侮れません。
まず冒頭、シェリル・クロウによる「Sweet Child O'Mine」のカバー。そう、あのガンズン・ローゼズの88年のNo.1ヒットです。これはいかにも話題になりそうなカバーですが、今一つ騒がれてないのは何で?
そしてスパイス・ガールズで最も才能があると言われるメルCのソロデビュー曲も収録されています。ブライアン・アダムスとのデュエット「When You're Gone」がイギリスで大ヒットしたことはありましたが、純粋なソロはこれが初めて。これももっと話題になっていいぞー。
アダム・サンドラー自身が何度も登場するほか、イボンヌ・エリマンの「If I Can't Have You」〜ファーサイドの「Passin' Me By」〜BADIIの「Rush」〜スティクスの「Babe」と続く非常に無気味な流れもサントラならではでしょう。
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[Bailamos] Bailamos / Enrique Iglesias (No.96)

リッキー・マーティンに続いてブレイク目前のラテンのトップ・スター。名字を見ればわかる通り、あのフリオ・イグレシアスの息子です。
タイトル曲は「Wild Wild West」サントラにも収録されていることから、そっち方面から火がつきそうな雰囲気になってますね。この曲は無理して非ラテン(英語圏)市場を狙ったという嫌味な感じが全然ないのがいいですね。
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[WOW Worship] WoW Worship: Today's 30 Most Powerful Worship Songs (No.97)

毎回必ず90位ぐらいに入ってくる「WOW」シリーズの新作。コンテンポラリー・クリスチャン系のポップスや、最近のゴスペルなんかを集めて年に何枚か30曲入り2枚組コンピレーションとして出してます。今回のタイトルのworshipとは礼拝という意味なので、いつものこの「WOW」シリーズよりももっと純粋に宗教的なモノのようです。日本でもクリスチャンの人はこういうのを聴いたりするのだろうか?
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●UKアルバム・チャート

by T.Nosaka


1 (2) BY REQUEST / BOYZONE
2 (4) COME ON OVER / SHANIA TWAIN
3 (1) SURRENDER / THE CHEMICAL BROTHERS
4 (3) SYNKRONIZED / JAMIROQUAI
5 (6) MY LOVE IS YOUR LOVE / WHITNEY HOUSTON
6 (5) ABBA GOLD / ABBA
7(14) TALK ON CORNERS / THE CORRS
8(12) THE PARTY ALBUM / VENGABOYS
9 (7) THE BEST OF-CAPITAL/REPRISE YEARS / DEAN MARTIN
10 (8) BABY ONE MORE TIME / BRITNEY SPEARS

今週は上位にニューエントリー無し。ということでやはり安定したセールスをあ げているボーイゾーンが首位返り咲き。遂に2位まで上昇して首位を窺うシュナ イアも不気味です。アメリカで1位を取れなかったこのアルバムが果たしてイギ リスでナンバー1を取ることができるのか。
6月末のグラストンベリーを皮切りにいよいよフェスティヴァルのシーズンが本 格化してくるので、フェスに出演していいライヴを見せたバンドのアルバムがポ ーンと上昇するという現象が来週あたりから出てくるでしょう。

で、今週はめぼしいニューエントリーが無く無風状態なので、11位以下で動き の目立つものを簡単に見ていきましょう。

今週の謎のリエントリーPART 1
NO.16 WELCOME TO THE PLEASUREDOME / FRANKIE GOES TO HOLLYWOOD
なぜかいきなり再登場してきた84年リリースのこのアルバム。廉価版で再発した とかなんでしょうか?ボーナストラックなり特典をつけた新装版が出るという話 も聴かないし、これは謎。
93年には「Bang!」と題するベストが出たり、リミックスされたシングルがチャ ートをにぎわせたり、というリヴァイヴァル現象が起こったことがあってたんで すが、やはり根強い人気があるんでしょう。
84年にリヴァプールから登場したこのバンドはデビュー曲「Relax」がそのきわ どい歌詞のため放送禁止になりながらも爆発的なセールスを上げ、セカンド・シ ングル「Two Tribes」はワムを蹴落として初登場1位。その後9週間に渡って首 位をキープし、それにつられて再上昇した「Relax」とともに7月7日、14日付 の2週間1ー2位独占という快挙を成し遂げます。
何種類ものリミックス・シングルを連発したり、「Frankie Says...」というフ レーズを使ったTシャツがバカ売れしたりというまさに社会現象的な、ポップ・ ミュージック史上稀に見る爆発的な人気を獲得。予約だけで100万枚以上に達し たというこのアルバムからさらに「The Power Of Love」(1位)、タイトル曲 (2位)のヒットが生まれます。
しかしその人気は長続きせず、86年の「Liverpool」は不発に終わり、険悪な状 態にあったバンドは「これ以上一緒にいたら殺し合いになる」とコメントを残し 解散。シンガーのホリー・ジョンソンは89年にソロでヒットを出しますが、その 後エイズに感染している事を告白した後は目立った活動はしていません。 このグループに関しては音楽的な評価うんぬんよりもその話題作りのうまさやメ ディア戦略の斬新さなど、その存在の特異性を評価すべき(これは90年代初めの KLFに受け継がれている)であり、当時を知らない若い世代の人が音だけを聴い てどれだけ面白がれるかというのは疑問ではありますね。

今週の謎のリエントリーPART 2
NO.27 THE FINAL / WHAM!
そのフランキーの「Two Tribes」を倒して1位になったのがジョージ・マイケル の「Caress Whisper」(イギリスではソロ名義)だったんですよね。ちなみに80 年代で一番売れたシングルはバンド・エイドの「Do They Know It's Christmas? 」なんですが、2位が「Relax」3位が「Last Christmas/Everything She Wants 」4位がスティーヴィー・ワンダーの「I Just Called To Say I Love You」5 位が「Two Tribes」と上位5枚全て84年に集中しています。その84年、まさに絶 頂期にあったワム!「Wake Me Up Before You Go-Go」「Caress Whisper」 「Freedom」と1位に送り込み(「Last Christmas」はバンド・エイドに阻まれ て2位)、無敵の強さを見せていました。これは彼等の解散に合わせて発表され た新曲+ベストの編集盤。その後何種類かベストが編まれていますが、やはりこ れが基本なんでしょう。解散コンサートも「The Final」と題されウェンブリ ー・スタジアムで行われたんですが、最近ジェリ・ハリウェルがインタヴューで 「私もワム!の『The Final』みたいにウェンブリーを最後にグループをやめよ うと思ってたのにー。」と語っていたように20代後半〜30年代前半の世代にとっ ては強烈な印象を残しているみたいですね。
しかしなぜこれがいきなり売れてるのか謎。

今週のニュー・エントリー
NO.37 SLIPKNOT
NO.40 DA REAL WORLD / MISSY ELLIOTT
N0.55 A PLACE IN THE SUN / LIT
NO.56 BENEATH THE SURFACE / GZA/GENIUS
いずれもビルボードの方に登場済なので解説は割愛します。

Pick-Up
NO.15 RICKY MARTIN
先週の37位からジャンプアップ。初登場こそ低かったものの、その後着実にラン クアップ、「Livin' Da Vida Loca」も大量エアプレイが始まっており、シング ルチャートでも1位を狙う勢いのようです。イギリスにも遂にラテン旋風が上陸 してしまうのか。

NO.25 BLUE LINES / MASSIVE ATTACK
先月廉価版で再リリースされて以来、着実なセールスを上げ続けている91年発表 のファースト。そういえば当時は湾岸戦争の真只中で「このご時勢にアタックと はけしからん」ということでグループ名の表記を「マッシヴ」に変えさせられる という理不尽な事件もあったっけ。
「Unfinished Sympathy」「Safe From Harm」「Daydreaming」といった名曲目白 押しのクラシック。今年から来年にかけて「90年代の名作」が選ばれるときには 間違いなく上位に選出されるであろう(逆に言えばこれを選ばないようなところ は信用しなくてよい)名作なので、未聴の人は今年中に聴いておきましょう。

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