Album Chart New Entries Archive
June 2002


2002/6/29 No.2 New Entry (US) Sales: 434,000
Untouchables / KoRn
ああ、ちょっとショック。2位ですか。もう発売から4週目になるエミネムにも負けちゃいますか。
セールス的には決して悲観するような数字ではなく、前作「Issues」には及ばなかったとは言え、KoRnにとってこれまでで二番目の好成績だし、2002年の全アルバムの中で発売第1週にこれ以上売ったのはアシャンティとセリーヌ・ディオン(と、実質的にエミネム)だけです。要は、単なるタイミングの問題で、充分1位に相当するだけのセールスを上げてはいるんですが...
リンプを筆頭に、後輩バンドたちがバリバリに売れて、商業的にはKoRnを越える存在になってしまっているので、親分にもここで一発ガーンと売れて欲しかったんですけどね。

ヘヴィロックバンドの先駆者、KoRn(コーン、ロゴではRを左右反対向きに表記する)の5作目。2作目「Life Is Peachy」が3位→3作目「Follow The Leader」が1位(初登場週26万枚)→「Issues」が1位(初登場週57.5万枚)と、商業的にはぐんぐん上り調子で来たので、ここで失速してしまったのは惜しいですが、まあピークというのはいつか必ず訪れるものですからね。言い方は悪いけどいわゆる“女子供”にウケるバンドではないし。

今回も彼らは「ネクスト・レベル」を目指してこれまでと違う方向性で来ました。吠えまくジョナサンのボーカルがぐっと後退し、非常に真面目に歌ってるのが印象的。バンドの音も、べこんべこんのベースに導かれるギターサウンドだけでなく、サンプリング音を多用したりして、いわゆる従来のヘヴィロックっぽさから脱却しています。
なおタイトルは映画「アンタッチャブル」とかとは意味が違い(こちらは「手を出せない存在」という意味)、インドのカースト制度における最下層を指しており、つまり社会の底辺で差別される者、という意味で、ルックスやイメージだけで差別されてしまう自分たちの姿を重ねあわせているようです。

2002/6/29 No.4 New Entry (US) Sales: 91,000
Sticks And Stones / New Found Glory
これは意外。ニュー・ファウンド・グローリーの新作がいきなりアメリカで売れちゃいました。日本では既に名が知られてるバンドだし、このアルバムも売れてますが、本国ではまったく無視されてる存在だったたけに、このいきなりのブレイクは意外です。
99年メジャーデビューの、フロリダ出身の5人組。2000年の「New Found Glory」がアメリカでも割と長期間チャートインするものの、順位としては100位にも入ることができず、むしろ日本の輸入盤店で好調なセールスを上げてることで我々にはお馴染みの存在でした。
で、ちょっと前までこういう音ってアメリカでは全国レベルではなかなか売れなかったんですが、最近はウイーザーなんかも好調だし、よく売れてるんですよね。

2002/6/29 No.13 New Entry (US) Sales: 57,000
The Osbourne Family Album
アメリカで大評判になっているMTVの番組「Osbournes」から派生したアルバム。オジー・オズボーン家の一家四人をテレビカメラが追いかけるドキュメンタリーで、みんなキャラ立ちしてる人たちだけに相当面白いらしく、アメリカでは大ヒット。今になってオジーが雑誌のカバーを飾りまくったりしてます。イギリスでも放送が始まるほか、日本のMTVでも放送が決まったみたいですね。
このアルバム自体は、何曲かの目玉+昔のヒット曲集といった内容で、番組のファン以外にはちょっと手を出しにくい内容かも。いちばんの話題はオジーの娘、ケリー・オズボーンによるマドンナのカバー「Papa Don't Preach」。
ところで。この「Papa Don't Preach」って選曲、80年代(以前)から洋楽を聴いてる世代にとっては「ベタな選曲だなあ」と笑ってしまうのですが、歌ってる当人のケリーにとってみればこれはリアルタイムで聴いた記憶のない、オールディーズなんですよね。この曲のヒットは1986年、ケリーが生まれたのは1984年ですから...

オジーのご近所さんだったという理由でパット・ブーンに白羽の矢が立ち、「Crazy Train」をカバーさせられてるってのが笑えます。まあ彼はこういうこと好きなんでしょうけど。

2002/6/29 No.14 New Entry (US) Sales: 55,000
Heathen / David Bowie
デイヴィッド・ボウイの、前評判の高かった新作が14位に登場。彼のアルバムがトップ20ヒットになるのは、なんと1984年の「Tonight」(11位)以来18年ぶり!その間活動休止期間があったんならまだしも、ずっと現役ミュージシャンとして活動し、新作も出してきたわけですから、「18年ぶりのヒット」は、重みがあります。
今回なぜ前評判が高かったかと言うと、ボウイの初期〜中期作品を手掛けたトニー・ヴィスコンティとの約20年ぶりのコラボレーション作だから。まあ、最近は、そうじゃなくても、大ベテランの久々の新作ってのはけっこうコンスタントに上位に登場するようになってるし。
けっこう地味な作品だとは思うので、実はまだこのアルバムの良さがわかるほどには聴きこんでないんですが、どこのレビューを見てもだいたい5点満点中4点ぐらいはついてるので、かなり評判がいいのは確かみたい。
ボーナスディスク付き2枚組と、通常の1枚物があって、輸入盤だとどちらかを選べますが日本盤は初回は値段の高い2枚組盤だけみたいですね。ただ、これ、Disk 2はリミックスとかなので、かなりのファンだけが聴けばいいと思うんですが。

2002/6/29 No.25 New Entry (US) Sales: 44,000
Instant Vintage / Raphael Saadiq
日本ではラファエル・サディークってディアンジェロとかマックスウェルとかと同格の人気があると思うんですが、アメリカではどうも今いち売れないですねえ。ルーシー・パールがアメリカでは全然売れなかったのも、日本から見てたら意外でしたが、今回のラファエルの初ソロ作品も同じような成績になりそうです。
ラファエルはトニ・トニ・トニ在籍時に「Sons Of Funk」「House Of Music」という二大歴史的傑作アルバムを残し、最近“オーガニック・ソウル”と呼ばれてもてはやされてるような音の先駆者となりました。例によってトニ3はメンバーの不仲で活動を停止するものの、ラファエルは今度は元ア・トライブ・コールド・クエストのアリ、元アン・ヴォーグのドーン・ロビンソンという、この分野の最強メンバーと組んでルーシー・パールを結成。日本では凄い話題になり、かなり売れましたが、本国のアメリカではさーっと流されてしまった感じで、シーンに何のインパクトも残せませんでした。
その後ドーンの電撃解任、ジョイの加入など色々ニュースはありましたが、結局今は「ジョイとはルーシー・パール名義のツアーをやった。今もいい友人。でも彼女はメンバーではない。アリとはもう一緒に活動していない」という状態らしく、結局ルーシー・パールも空中分解。で、届いたのが、ラファエルのソロ作。
先行シングルはディアンジェロとの共演!ってことでもっと話題になりそうなもんでしたが、これが妙に通受けの曲で、あまり盛り上がらないうちにアルバムが出てきちゃった感じ。まあ冒頭で書いた通り、こういうのは今のアメリカでは売れないんでしょう。

2002/6/29 No.29 New Entry (US) Sales: 41,000
Aziatic / Az
ナス周辺から出てきたラッパー、AZの4作目。前作は昨年出たばかりなので早いペースです。
もともと彼の芸名の“AZ”(アズではなくエーズィーと読む)は、ネイション・オブ・イズラム的発想から出てきた名前。彼らは自分たちのルーツがムーア人であり、アジア(まあ、我々から見れば中東)にあると主張。だから彼らにとって“あるべき姿”はクリスチャンではなくイスラム教徒である、と。まあとにかく、彼らは自らを“アジア人(Asiatic)”と表現し、その派生形が“AZ”。
ってことで今回のタイトルは自分の名前をそのままタイトルにするのに近い感覚なんでしょう。

2002/6/29 No.31 New Entry (US) Sales: 37,000
The Ultimate Collection / The Who
お。これ、いいかも。実はフーって今までいいベスト盤がなかったんですよね。1枚物を買って物足りない思いをするか、トゥ・マッチだと思いつつ4枚組ボックスセットを買うか、どちらかの極端な選択肢しかなかったのですが、手ごろな2枚組が出てきました。これは売れて当然でしょう。
“今”の音楽シーンと全然関係ない人のベスト盤がいきなりこれだけ売れた例としては、最近ではバリー・マニロウが鮮烈でした。あれほど鮮烈な売れ方ではないにしろ、こうして“昔のバンド”のベスト盤としては非常に高い位置に初登場したのは、やっぱり“これを待っていた”人が多かったからでしょう。
ほぼ全キャリアを年代順に網羅。ディスク1で「Who's Next」まで到達し、それ以降でディスク2を占める、という構成、全35曲。CDnow価格で21ドルほどなので、これはお買得でしょう。

2002/6/29 No.57 New Entry (US)
Disney's Lilo & Stitch / Soundtrack
ディズニー映画のサントラ。LiloとStichってのは女の子と犬のキャラで、これも往年のディスニーっぽくない、“今風”のアニメみたいです。
内容は、子供たちのコーラスによるいかにもな曲と、エルヴィス・プレスリーの曲が、ほぼ半々。っていうとめちゃめちゃな組み合わせみたいですが、どうも敢えて“今の子でもエルヴィスに夢中”になるような作りを狙ってるようですね。ワイノーナやA*ティーンズがエルヴィスの曲をカバーするという、これまたよくわからない人選のオマケつき。

2002/6/29 No.99 New Entry (US)
Live In The Classic City / Widespread Panic
グレイトフル・デッド亡き後のジャム・バンドの頂点はフィッシュに完全にさらわれてますが、地道に頑張るワイドスプレッド・パニック。まあ、音楽性から、こちらのほうはオールマン・ブラザーズ・バンドになぞらえられたりして、きちんと違う個性を確立してます。生粋のライヴバンドであることには違いはなく、今回を含む最近5作品のうち3作品がライヴ盤ということになりました。 しかし先日はライヴ会場で大量のドラッグ絡みの逮捕者を出してしまい、きっと世間の風当たりは強くなっているんでしょう。

2002/6/22 No.2 New Entry (US) Sales: 137,000
Totally Hits 2002 / VA
「Totally Hits」シリーズの通算5作目。最初の3枚はだいたい半年間隔で出てたのに、前のやつが「Totally Hits 2001」なんて名前だったので年に1枚しか出さなくなった→やる気がない→NOWシリーズに負けて撤退か?なんて思ってたんですが、実はこの“年タイトル”にしてから急に売れるようになってるんですよねえ。

99年11月「Totally Hits」14位 ▲
00年5月「Totally Hits 2」13位 ▲
00年11月「Totally Hits 3」25位 ▲
01年9月「Totally Hits 2001」3位 ▲
02年2月「Totally Country」12位 ●
02年6月「Totally Hits 2002」2位(今回)

という発売間隔のバラつきを見ると、まだ、今後どういうシリーズにしたいんだかよくわかりません。このネーミングじゃ、今年中は続編は出せないわけですが、「Totally Country」みたいな番外編をはさみながらやっていくんでしょうね。

で、内容ですが、かなり充実してます。全部ヒット曲と言ってもいいです。実際にはBillboardのHOT100チャートではトップ40に入ってない曲もいくつかありますが。リアン・ライムス「Can't Fight The Moonlight」、バスタ・ライムス「Pass The Courvoisier Part II」といったリミックス・ヒットが収録されてるのがおいしいポイントでしょう。今回は「NOW」よりもいいですね。それだけに、売上げで全然「NOW」に及ばないのは、やっぱり“ブランドイメージの確立”がいかに大事かということでしょう。

2002/6/22 No.3 New Entry (US) Sales: 110,000
Life Goes On / Donell Jones
R&Bシンガー、ダネル・ジョーンズの3作目。デビュー作はあまり大きなヒットにはならなかったものの、エディーFを起用した「U Know What's Up」が前作から大ヒットしてブレイク。しかしアップテンポの曲で知名度を上げたものの、この人の持ち味はスローな曲のほうで、今回はそれが存分に発揮された作品。アヴァントで12万枚、ミュージックで26万枚ですから、これも15万ぐらいは売れてもよかったと思うんですがね。
しかしこの分野の先輩たちにはR.ケリーやモンテル・ジョーダン(←数か月前に日本で出たアルバムはいったいいつアメリカで出るんだ?)をはじめとして失速している人が多いので、実力のしっかりしたこの人なら今後まだこの分野のトップを狙えるでしょう。

2002/6/22 No.7 New Entry (US)
Dirty Vegas
うわ、出た。久々にこういう売れ方の奴が来ました。評判になってる曲があるんだけど、シングルとしては売られていない→需要が高まったところでアルバムを発売→「1曲の力」だけでアルバムが売れる→別に実力派でも何でもないので、その曲が流行り終わるのと同時に一生消える→いわゆる“一発屋” という公式を即座に当てはめてやりたくなるパターンです。
アメリカでは三菱自動車のCMソングとして人気が高まってるそうで、まったく同じパターンで昨年ワイズガイズがシングルヒットを出しました。ただワイズガイズはアルバムのヒットにまでは到らなかったのに対し、こちらは随分売り方がうまく、いきなりアルバムが7位に初登場しました。
ダーティ・ヴェガスはロンドンをベースにするクラブ系の3人組。それぞれにキャリアのある3人が集まり、デビュー曲「Days Go By」は昨年UKチャートで20位台の、そこそこのヒットになりました。で、それがCMソングに起用され、一気にアメリカ進出。もともとこのタイプの音楽はアメリカでは売れない(たまーに売れるが一発屋として消える)し、音楽性の高さ、作品の質云々とは全然別の次元で、彼らは(アメリカでは)一発屋となることが運命付けられた存在と言ってよいでしょう。てな予想を裏切って2曲目をヒットさせてくれると、それはそれで面白いですが。

2002/6/22 No.8 New Entry (US)
Let Go / Avril Lavigne
ブリトニー、アギレラ、マンムー、ジェシカと続々とアイドルが登場してきたのとはまた一味違うムーヴメントが起こりつつある。同じ10代の女の子でも、自分で曲を書き、自分で楽器も弾く。で、ルックスもちゃんと可愛い。それなりに。
最初はやっぱりミッシェル・ブランチ(最高位28位)。続いてヴァネッサ・カールトン(5位)。そしてこの子、アヴリル・ラヴィーン。まだ、出てくるでしょう。
どんな世界でも先駆者は苦労するもので、ミシェブラは最高位こそ低いですが、既にチャートインから10ヶ月経ってるのにまだ42位にランクされてます(6/22付)。ヴァネカルはアルバムが出た時点で既に「A Thousand Miles」が大ヒットしていたのでアルバムがいきなり売れたのも、まあわかりました。が、この子の場合。まだ先行シングル「Complicated」は話題になってるとは言え、HOT100チャートではようやく今週トップ40入りを果たしたばかり。まだデビュー曲がチャートを上昇中で、知名度の広まりも決して充分ではない状況でのアルバムのリリース。普通に考えればアルバム出すのはまだ早すぎると思うんですが、これが見事ヒットになりました。
内容的にはヴァネカルはもちろんミシェブラよりもぐっとハードにギターが鳴って、アラニス・モリセットと比較されたりなんかしてますね。とは言え「Complicated」のサビの早いテンポでたたみかけるところなんか、いかにも10代の子が作ったっぽい青臭さが漂ってて新鮮です。

2002/6/22 No.23 New Entry (US)
Rawkus Records Presents: Soundbombing III / Cipha Sounds/Mr. Choc
RAWKUSレーベルは一時期ほどの勢いを感じませんが、コアなヒップホップ・リスナーから無条件の支持を集める“通ウケ”で、かつ、それが一般人にもなんとか手が届くぐらいのちょうどいいマニア度なので、日本のメディアでは「これを聞いてれば通」という便利アイテムとして重宝されてきました。
このシリーズはミックステープ風のコンピで、RAWKUS所属アーティスト以外も大勢参加してます。ミッシー・エリオット、ルーツ、Q-ティップの参加が今回の目玉かな。もちろんタリブ・クエリとかファロアチェ・モンチとか、このレーベルのお馴染みの人はちゃんと参加してます。しかし思えば前の「Soundbombing II」(99年30位)にはメジャーデビューしたばかりのエミネムが参加してたんですよねえ。あれから、随分経ったんですねえ。

2002/6/22 No.27 New Entry (US)
Under Tha Influence / DJ Quik
うーん。残念。DJクイック。今、彼がプロデュースを手掛けたトゥルース・ハーツの「Addictive」が大ヒット中だし、今回のアルバムはDr.ドレも参加してるってことで、今まででいちばん売れる要素があったと思うんですが... 蓋を開けてみれば全然ダメで、本人も認める商業的失敗作「Rhythm-al-ism」に次ぐ商業的失敗作となってしまいました。

91年「Quik Is The Name」29位 ▲
92年「Way 2 Fonky」10位 ●
95年「Safe + Sound」14位 ●
98年「Rhythm-al-ism」63位
00年「Balance & Options」18位

ジャケをぱっと見ても全然クイックのアルバムだとわかんないのが、売れなかった要因としてけっこう大きいんじゃないかと思いますが...。「即買い」を決めていた私でも、店頭で人に教えてもらうまで、これがクイックのアルバムだとは気付かなかったし。
内容的には悪いはずはなく、いつもクイックのからっと乾いた西海岸ファンク全開。ドレ製作曲があまりにも典型的なドレの音なのもご愛嬌。逆に、ドレが参加しててもその他の曲は彼の影響をまったく受けずにクイックの独自色が貫かれているところに頼もしさを感じるべきでしょう。
逆に日本では「BMR」誌が2号連続で特集記事を組むという大プッシュ中なので、日本ではこれが彼の最大のヒットになるかもしれませんね。とにかく、あまりにも過小評価されがちな偉大なる才能なので、どんな形であれ注目されて欲しいものです。

2002/6/22 No.44 New Entry (US)
The Private Press / DJ Shadow
これまた“通受け”のヒップホップが登場。とは言え、RAWKUSを支持する人とはまた違う層に支持されている気はします。このDJシャドウという人はその名の通りDJで、ラッパーではありません。で、こういう人が自分名義でアルバムを作る場合は、DJが用意したトラックに乗せていろんなゲスト・ラッパーがラップをのっけるという、オムニバス風の作りになるものですが、この人の場合はラップをのっけずにインストなんですよね。
そういう意味では“ヒップホップ”という括りに入れられずに、“クラブ系”という括りにされることもあり、特に初期はアメリカよりもイギリスで圧倒的に評価されてたりするのも特徴。
それなりに色々活動はあったものの、まともなアルバムのリリースは96年の「Endtroducing」以来実に6年ぶりとなります。ボーナスディスク付2枚組限定盤もあるのでファンは要注意。

2002/6/22 No.44 New Entry (US)
Scooby-Doo / Soundtrack
ジャンルごちゃまぜ型のサントラ。メインテーマンはシャギーで、他に参加してるのがアウトキャスト、シュガー・レイ、カイリー・ミノーグ、MxPx、バハメン...。まあ、どの人も、その分野のメインストリーム一番人気を微妙に外してるところが興味深いと言えなくもないですが。

2002/6/22 No.67 New Entry (US)
Cookie: The Anthropological Mixtape / MeShell Ndegeocello
93年デビュー以来3年に一作のペースを守ってきているミシェル・ンデゲオチェロの4作目。今回はベスト盤?ミックステープ?とタイトルに惑わされますが、普通の新作みたいです。で、内容的には今までのファンキーでグルーヴィな彼女の路線を守りつつ、これまでのベスト!と評判がいいですね。

2002/6/22 No.82 New Entry (US)
Good Morning Aztlan / Los Lobos
ロス・ロボス、99年の「This Time」以来3年ぶりのオリジナルアルバム。90年代の彼らはミッチェル・フルーム&チャド・ブレイクと組んで、非常に凝ったスタジオ作品を作るバンドという印象があったけど、今回はずいぶん開放的で、いい意味でちょっとラフな、ルーズな雰囲気が戻ってきました。
ラテン風、ブルーズ風、ルーツ・ロック風と、これまでの彼らの音楽性の集大成のような内容も相まって、“「Kiko」以来の傑作”との声も聞かれます。実は彼らのアルバムが100位以内に入るのは、La Bambaより後ではまだこれが二度目(96年「Colossal Head」が81位)。多少は評判がセールスに結びついているのでしょうか。未だに“ロス・ロボスといえばLa Bamba”しか知らないという人向けの入門版としても、まあイケるでしょう。
アメリカ版初回はボーナス曲+映像入りのボーナスディスク付き2枚組。歌詞カードもついてるし、値段も高くないし、ぜひこちらを。

2002/6/22 No.83 New Entry (US)
The Last Broadcast / Doves
おお。UKのバンド、ダヴスが登場。マンチェスター出身で98年にデビュー。これが2作目。イギリスでは既にブレイク済みで、このアルバムもUKチャート1位になっています。
UKでどんなに人気のあるバンドでもアメリカでは苦戦するのが通例でしたが、トラヴィスやコールドプレイが比較的好成績を収め、彼らにも通じるゆったりしたヨーロッパ的な叙情性をもつダヴスも100位以内に初登場と、まずまずの成績でデビューしました。今後頑張ってツアーしたりすればコールドプレイみたいに細く長く売れるんでしょうが、どこまでアメリカで売る気があるか次第でしょう。マニックスやプライマルみたいに完全にアメリカにそっぽを向き、むしろ敵視してるようなバンドも多くいるのがイギリスですからね。

2002/6/22 No.93 (Up from No.111) (US)
Thug Misses / Khia Featuring DSD
また怪しげな奴が入ってきました。エロを売りにする女性ラッパーも世代交代が進み、フォクシー・ブラウン、リル・キム、ギャングスタ・ブーの時代は去ってトリーナの時代に入りつつありますが、そこに参戦しようとしているのが、フロリダ出身の、このキーア。ヒット中のシングルのタイトルが「My Neck, My Back (Lick It)」ですから。アホです。いや、これがマイアミの醍醐味ですが。

2002/6/22 No.98 New Entry (US)
Bad Company / Soundtrack
バッド・カンパニーと言ってもあの70年代のバンドとは関係ないです。映画のほうはアンソニー・ホプキンス&クリス・ロック主演という、おそろしいミスマッチ(を狙った)キャスティングですが、サントラのほうはクリス・ロックの趣味が前面に出てる感じ。
アリ(セント・ルナティクスの)、ネクスト、ジャギド・エッジ、ブルー・カントレル、既発表曲だけどアウトキャスト。ちょっと変化球でゴリラズとトリッキー。あとはあんまりよく知らない人と新人、って感じ。

2002/6/15 No.77 (Up From No.115) (US) Veni Vidi Vicious / The Hives
これは珍しい。イギリスを中心にプレス受けしているスウェーデンのガレージ・ロック・バンドが、アメリカのチャートに登場。イギリスのバンドならまだしも、イギリス以外のヨーロッパのロックバンドがアメリカで売れることは滅多にないですからね。
ハイヴスは5人組のロックバンドで、全員が揃いのスーツに身を包むあたりや、音そのものも、60年代のビート・バンド〜ガレージ・パンク風。ヘタウマなボーカルはミック・ジャガーあたりを思わせるし、“昔のバンドそっくり”と言われつつもちゃんと評判がいい辺りはストロークスの高評価に通じるものがありますね。
このアルバムはオリジナル2作目だけど、今日本でプッシュされてるのはこれではなく「Your New Favorite Band」というコンピ(ベスト?)盤のほうですね。もちろんこのアルバムも日本盤でちゃんと出てます。日本はこういうのに飛びつくのは早いですから。

2002/6/15 No.99 New Entry (US)
Divine Secrets Of The Ya-Ya Sisterhood / Soundtrack
同名小説の映画化というこの作品、何と言っても話題は、サントラのプロデュースを務めるのがあのTボーン・バーネットだということ。そう、あの「オー、ブラザー」を大ヒットさせた彼です。その割には全然話題になってないし売れてませんが、それだけに却ってあれは単なる一時的な流行だったんだなあ、と思わされます。
今回は「オー、ブラザー」ほどめちゃめちゃに渋い内容でもなく、引き続き参加してるのはアリソン・クラウスぐらい。ボブ・ディラン、ローリン・ヒルといった超メジャーアーティストも新曲を提供して、むしろ「オー、ブラザー」よりもこっちのほうが話題になって然るべき作品なんですが。あ、いや、スリム・ハーポだのマハリア・ジャクソンだのタージ・マハールだの、渋い面子が多い作品ではありますが。

2002/6/8 No.1 New Entry (US) Sales : 284,000
The Eminem Show / Eminem
エミネムのメジャー3作目。当然のように初登場1位ですが、今回はちょっとチャート的には特殊な事情があります。
普通、アメリカでは、アルバムの発売日は火曜日という業界の慣習があり、まず間違いなくほとんどの作品は火曜日に発売されてきています。で、ビルボードのアルバムチャートの集計対象期間は、前週の月曜日から日曜日。だから、火曜日発売なら、ほぼ丸1週間分(月曜日を除く6日分)の売上げがチャートに反映されることになります。
ところが今回のエミネムは、当初発売予定日だった6月4日を一旦5月28日に早め、それを土壇場になって更に26日へと繰り上げました。でも26日ってのは日曜日。
これを“チャートの集計期間”で考えると、前週の月曜日から日曜日が対象ですから、日曜日だけが対象としてカウントされます。だから、今週のチャートは、他のアルバムはみんな5月20日から26日までの7日間の売上げの累計ですが、エミネムだけは26日、1日分だけのセールスなのです。
まあ、実際には土壇場での発売日変更ということで、小売店のほうでも日曜日を待たずに金曜日ぐらいから売り出してしまってたようですが。
今回こうしてガンガン発売を繰り上げたのは、公式には“海賊盤が大量に出回っており、その被害を少しでも食い止めるため”とされています。もちろんそれはとても大きな理由でしょうが、敢えて業界の慣例に反して日曜日発売にしたのは、ここがちょうど米国の祝日であるメモリアル・デイが重なる三連休で売上げ増が見込めたことが大きいでしょうし、シングルが凄い勢いでチャートを上昇していますが、これが陳腐化してしまう(飽きられてしまう)前に発売しておきたいという意図もあったでしょう。
しかしこうして発売が繰り上げられたのはExplicitバージョン(過激な歌詞も修正していない版)だけで、Cleanバージョン(歌詞修正済み)は6月4日発売のまま変わりません。小売店によっては、特にエミネムみたいに世間の親たちから嫌われてる存在だと、Cleanバージョンしか取り扱いません宣言をしている店が少なくなく、ウォルマートもその筆頭です。だから、最大規模の小売店であるウォルマートにはまだこのアルバムは並んでないのです。
丸一週間分のセールスがカウントされる来週と、Cleanバージョンの売上げがカウントされる再来週、今後少なくとも2週間は、エミネムが首位を明渡さないでしょう。ちなみにアメリカではDVD付限定盤が200万セット、通常盤が100万セット、初回出荷されたそうです。

かく言う私は6月5日発売のDVD付日本盤の発売を待っているので(DVDなしの通常盤は5月30日に発売済み)、まだ聴いてません。「Without Me」は好きじゃないですが、ああいうタイプの曲を第1弾シングルにするのはいつものお約束だし、アルバムには期待してます。

2002/6/8 No.3 New Entry (US) Sales : 111,000
Mended / Marc Anthony
マーク・アンソニーの英語アルバム第2弾。この人は最初クラブ系のシンガーとしてデビューしてアルバムを1枚、ニューヨリカン・サルサ系シンガーとして再デビューして4枚のアルバムを出し、99年に初めての英語作品をリリース。ちょうどリッキー・マーティンやエンリケ・イグレシアスなどが相次いで英語作品デビューして“ラテン・ブーム”が起きてる頃だったので、マーク・アンソニーも彼らと同格と見なされることもありました。が、とんでもない。実力が桁違いです。同じ「Unplugged」を出したからと言ってローリン・ヒルとクラプトンのギターの腕前を比較してるようなもんです。

さて、ラテン・ブームが一段落して。
リキマが「Ricky Martin」でラテンの一番人気の地位を確立したものの、「Sound Loaded」で急速に地味になり、落ち目感が漂ってしまい、むしろ、いちばんの非実力派であるエンリケのほうが成功している状態。911テロ直前に発売した「Hero」があの時の時代の空気にちょうどハマって、大ヒット。続く「Escape」も英米でヒットして、今だけに限って言えばリキマよりも“大物”と言っていいでしょう。
そしてマーク。彼は昨年、いつもの彼らしい、スペイン語のサルサ作品「Libre」を出していて、これがラテンチャートでは大ヒット、各種の賞も受賞しています。いわば、ポップ市場から見てるといちばん地味だったけど、地に足のついた活動をしていたのが彼でした。

ということで、リキマ、エンリケよりだいぶ遅れての“英語版第2弾”。やっぱり英語作品となるとバラードが多くなったり、アレンジが装飾過多になったり、マーク・アンソニーのせっかくのボーカリストとしての技量を生かしきれてない、という悪い評判は聴こえてきます。「文句のつけようがあるはずがない。でも全然エキサイティングでもない」というamazon.comのレビューは、うまいところを突いてるでしょう。このアルバムを入り口に、マーク・アンソニーを気に入ったら、ぜひ昨年の素晴らしいサルサ・アルバム「Libre」に挑戦して下さい。

2002/6/8 No.12 New Entry (US) Sales : 65,000
Box Car Racer
ブリンク182のトラヴィス(ドラマー)とトム(ギタリスト)によるサイド・プロジェクト。いわゆるサイド・プロジェクトがこれほど売れるのってア・パーフェクト・サークル以来?
ブリンクよりもハードなサウンドで、最近のブリンクのメインストリーム化を嫌っている初期のファンからは支持されてるみたいですね。しかしこういう形で初期のファンを取り込みつつ、本体ではメインストリーム路線を推し進める、ってのは巧いやり方ですね。両方とも売れてるだけに、なおさら。

2002/6/8 No.13 New Entry (US) Sales : 64,000
NOW: Off The Hook / Various
こないだ「Totally Hits」シリーズのカントリー編で「Totally Country」というのが出てましたが、こちらは「NOW」シリーズの番外編で、R&B〜ヒップホップ系を集めたもの。ヒット曲が揃ってるし、他の「NOW」シリーズに比べるとかなり収録対象曲が新しく、まさに“今ヒットしてる曲”って感じがするし、割とお買い得感はあります。が、大ヒット曲がない。「I'm Real (Remix)」以外はトップ20にも入ってない曲ばかりで、これが、「NOW」シリーズにしては今ひとつ伸びなかった理由でしょう。
そうは言っても大ヒットよりも中ヒット〜小ヒットをたくさん網羅してくれてるコンピのほうが“使える”ように感じてしまうのがコレクターというもの。いわゆる“音集め”にはかなり便利な1枚ではないかと思います。

2002/6/8 No.21 New Entry (US) Sales : 46,000
Legacy Hymns & Faith / Amy Grant
一時はポップ市場でもやたらと売れてたエイミー・グラントですが、このところまたすっかりクリスチャン系の人として活動しています。今回は、古くから歌い継がれてきた賛美歌〜ゴスペルを集めたもので、いわばスタンダード集みたいなもんですかね。
なおこのアルバムはボーナスディスクとしてDVDのついた2枚組版も存在するようです。
この後、今年は全キャリアを総括するボックスセットや、全曲新曲のニューアルバムの発売も予定されているとか。

2002/6/8 No.39 New Entry (US) Sales : 28,000
Never A Dull Moment / Tommy Lee
元モトリー・クルーのトミー・リー、ソロ名義では初めてのアルバム。アルバムタイトルはロッド・スチュワートの同名作を意識してるんでしょうねえ。これは歴史に残る「カッコいいタイトル」ですからね。
トミー・リーはモトリー・クルーのドラマーとして80年代に活躍。普通、ロックバンドで音楽的な主導権を握ってるのってギタリストで、ルックスが一番いいのがボーカリスト、ってのが一般的な構図ですが、モトリーの場合は才能があるのとルックスがいいのがベーシストとドラマーという変なバンドでした。
ボーカリストとバンドの不仲→ボーカルが脱退→どちらも活動は継続→でも、どっちも人気は落ち目、というお約束のパターンで急速に落ち目になったモトリー。トミー・リーはその後メソッズ・オブ・メイヘムを結成してそこそこ売れますが、他のメンバーの去就は聞きませんね。

2002/6/8 No.79 New Entry (US)
There & Back Again / Phil Lesh & Friends
1995年のジェリー・ガルシアの死をもって活動を停止したグレイトフル・デッド。しかしそのメンバーは色んな形で活動を続け、ベーシストのフィル・レシュは元デッドのメンバーとジ・アザー・ワンズを結成したり、ソロ名義でツアーをしたり、活発に活動してきました。この“&フレンズ”名義では99年にライヴ盤を出してますが、これが初のスタジオアルバムとなります。これまた、初回版はボーナスディスクがついてるみたいですね。

2002/6/8 No.80 New Entry (US)
45 Or 46 Songs That Weren't Good Enough To Go On Our Other Records / NOFX
これはむしろ日本でお馴染みのアイテム。パンク・バンド、NOFXの未発表曲集。2枚組にたっぷり曲が入ってる割には値段が安くてお買い得感があるせいか、日本の輸入盤ショップではかなり売れてます。まあ、アメリカでは、こんなもんでしょう。
NOFXは、結成は1983年、インディデビューは87年という超ベテラン・パンク・バンド。まあこれだけキャリアがあれば、このぐらいの未発表曲があるのも納得ですな。しかし47曲収録なんですが、このタイトルって...

2002/6/8 No.87 New Entry (US)
Use Once And Destroy / Superjoint Ritual
これもフィル・アンセルモのサイド・プロジェクト?こないだダウン名義のアルバムを出したばっかですが。とにかくゴリゴリにハードコアな曲で押し通す凄いアルバムみたいです。パンテラのスタイルに近いってことで、そちらのファンには評判が割といい一方、同じような曲ばっかだとか、ただ叫んでるだけじゃねえかとかいう意見もあるようですね。

2002/6/8 No.89 New Entry (US)
Spirit: Stallion Of The Cimarron / Soundtrack
ブライアン・アダムスが全編を手掛けたことで話題のサントラ。ロックっぽい、いかにもブライアン・アダムスという曲もあることはあるけど、大半は静かな曲みたいです。

2002/6/8 No.90 New Entry (US)
NASCAR On Fox: Crank It Up / Various Artists
テレビ番組絡みのコンピなのかな?これまたよくあるパターンで、ヘヴィ系のバンドが勢揃い。車やドライブがテーマになってるようで、スレイヤーの「Born To Be Wild」、タイプ-O-ネガティヴの「Highway Star」、フィア・ファクトリーの「Cars」(元曲はゲイリー・ニューマン)、ダーウィンズ・ウェイティング・ルームの「Fast Car」(元曲はトレイシー・チャップマン)などなど、有名曲のカバーが多いですね。それ以外はスリップノット、ロブ・ゾンビなどが既発表曲のリミックスを提供。割と面白そうでちょっと聴く気をそそります。やっぱ、単なる寄せ集めではなく、何かテーマがあったほうが興味を引きますね。

2002/6/1 No.1 New Entry (US) Sales : 255,000
We Invented The Remix / P.Diddy
「We Invented The Remix」。「俺たちがリミックスを発明した」。発明ですか(笑)。確かにBad Boyは昔から非常に良質なリミックスをたくさん生み出してきて、昨今のリミックスブームの先駆者である、ということは認めてあげますけどね。
ジェニロペの「J To Tha L-O!」に続くリミックスアルバムの1位ということで、今後ますますリミックスブームに拍車がかかるでしょう。しかしパフィ、やっぱジェニロペを意識してるんだろうなあ。元カノジョが、自分の昔からの得意技である「リミックス」を前面に出して売れちゃったもんだから、黙ってられなかったんだろうなあ。
このアルバムもジェニロペ同様単なるリミックス集ではなく、こちらのバージョンのほうがヒットしている、いわば最新ヒット曲コンピに近い位置付けのもの。言ってみれば、このアルバムが売れるのと、「NOW」シリーズが売れるのの根本的な要因は同じではないかと。
潔いのは、97年ぐらいの全盛期のリミックス作品には目もくれず、ここ1〜2年の作品にネタを限定していることでしょう。曲間のMCではやたら「最初に手掛けたジョデシのリミックスが売れまくってよ〜」なんて言ってますが、収録曲自体は新しいものばかり。
アシャンティの「Unfoolish」(大ヒット曲「Foolish」にビギーのラップを乗せたもの)、メアリーJブライジの「No More Drama」はそれぞれのオリジナルアルバムで既発表ですが、これらを収録することで“お得感”が増しているのは事実。大ヒット中の「I Need A Girl」を筆頭に、昔のような“ベタなネタ物”とは無縁の洗練された作りで、パフィも随分変わりました。思えば97年ぐらいの商業的全盛期はベタベタなカバー物ばかりで、バカ売れする一方で酷く叩かれていて、次作「Forever」がコケた時には“ざまあみろ”的空気が支配的でした。いわば、ここまでなら彼はハマーやヴァニラ・アイスの二の舞でした。
ところがパフィはやっぱりセンスのある人で、今までのような派手派手路線を諦め、地道にイメチェンを図ります。昨年のアルバム「The Saga Continues」は大ヒットとは呼べないものの、熱心なヒップホップ・リスナーをさえも“あれ?パフィなかなかやるじゃん”と振り向かせた作品。ただ、この頃ジェニロペと別れて、いじいじグズグズしてたもんで相変わらずナヨいイメージはつきまといましたが。
そしてこの1年。授賞式の司会者、あちこちへの客演、大ヒットこそないものの、コンスタントなシングルヒット。そして、ついに、自分の名前を冠した久々の大ヒット「I Need A Girl」。まあアッシャー人気に助けられてるとは言え、いい曲ですからねえ、これ。
ということで、一度は落ちぶれた男の見事な復活劇。一発で華々しくガーンと復活するんではなく、良質の作品を積み重ねて少しずつ評価を取り戻してきたところに彼の底力を感じます。いや今回はほんとお見事。拍手。

2002/6/1 No.2 New Entry (US) Sales : 225,000
Come Home With Me / Cam'Ron
キャムロン。あまり大物って感じのしないラッパーですが、売れました。これが3作目。人脈的にはロックスとか本作でも共演してるビーニー・シーゲルとかとつながるようです。今回ジェイZのRoc-A-Fellaへ移籍したのが商業的成功へと結びついたのは間違いないでしょうが、ジェイZとはお互いかなり警戒して、緊張気味に接していたようです。
今、デビューアルバムの日本盤解説を見てみたら冒頭に凄いことが書いてありました。「DMX、BIG PUN、CANIBUSといった若手MC四天王のひとりとして注目を集めているのがキャムロン」。若手MC四天王だったんですか...。幼馴染みのメイス→そのレーベルメイトのビギー→その仕事つながりでランス“アン”リヴェラと紹介され、ランスのレーベルUntertainmentからデビュー。で、そのUntertainmentが広告デザインをめぐってNBAから訴えられたりしてゴタゴタしてるうちに、親会社のEPICから切られてしまい、インディ落ち。で、ようやく新しいレーベルから出直したのがこのアルバム。ところが、ね。99年の暮れにランス“アン”リヴェラって刺されてるんですよ。その容疑者とされたのが、Roc-A-FellaのジェイZとデイモン・ダッシュ。ジェイZの音源を流出させて海賊版を流通させたのにランスが絡んでて、それを恨んだジェイZの犯行、なんて噂されたけど、何にしろこいつらは宿敵同士。で、キャムロンのこの移籍。ジェイZが彼を“警戒”したのも、この移籍がやたら話題になったのも、こういう背景があったからでしょう。
このタイミングにあわせてUntertainmentに残した音源を編集したベスト盤も出たので、これを機にキャムロンに興味を持った人はそっちもぜひ。

2002/6/1 No.3 New Entry (US) Sales : 152,000
Maladroit / Weezer
いつのまにアメリカでこんな大物になったんだろう。ウイーザー。確かに1stの頃から「Buddy Holly」のヒットでアメリカでもちゃんと売れてましたが、日本での熱烈な受け入れられ方に比べると、アメリカではone of themという感じだったと思います。
94年 "Weezer" 16位 ▲3
96年 "Pinkerton" 19位 ●
01年 "Weezer"(1stと同タイトルなので通称"Green Album") 4位 ▲
と来て、今回さらに最高位を更新。このバンドって楽曲の良さはもちろんあるとして、リヴァース・クオモがトラウマの固まりみたいな奴で悶々としてるのが面白がられてウケてる側面が少なからずあると思うんですが、そのトラウマ爆発度が最高潮の2作目がアメリカでは全然売れなくて、“脱・泣き虫宣言”とか言われてる前作からまた急に売れ始めた... つまり彼らが日本で面白がられてる要因が、アメリカでは売れない要因だったりするんですね。まあonly the strong surviveな国ですからな。
ちなみにタイトルは“不器用な”とかいった意味のフランス語で、“まらどろわ”と読みます。

2002/6/1 No.4 New Entry (US) Sales : 126,000
2002/5/19 No.1 New Entry (UK)
18 / Moby
前作「Play」が超ロングセラーの大ヒットになったことで、まあ今回のヒットは当然といえば当然でしょう。しかしこれ自体はあまり売れそうなアルバムではないですねえ。まあ、そもそもモービーという人の佇まいが、アメリカで大物になることは有り得ないと物語ってますが。
意外なのは、スローで静かな曲が多いこと。もともとモービーはポップ・テクノとも言うべきアップの曲と、ポップ・アンビエント風のスローな曲と、大まかに言って2パターンを得意としてましたが、シングルヒットするのは専ら前者なので、今回もその路線で来るのかと思ってました。モービー自身も時々歌うけど、ゲストの女性ボーカルをフィーチャーした曲と、インストが多いですね。
ところでエミネムが新曲「Without Me」の中で「今どきテクノなんて誰も聴いてねえよ」とモービーをディスってますが、まー現実にはあまりモービーを「テクノ」だと思って聴いてはいけないでしょう。

2002/6/1 No.6 New Entry (US) Sales : 108,000
Vapor Trails / Rush
6位かあ。ラッシュは、初チャートインから27年になります。これが24作目。本作はオリジナルアルバムとしては6年ぶり。メンバーの家族に不幸があったという事情があるにせよ、こんなに間が空いたのは、もちろんバンド史上初めて。そして、そのキャリアや音楽性を考えれば、今後今まで以上にバカ売れするとは考えにくい。ということで、今回が、彼らにとって初のNo.1をゲットする最後のチャンスだと思って応援してました。が、全然届きませんでしたねえ... せめてこの激戦の週じゃなければ... でもこの枚数じゃ1位はどっちにしろ無理か。
プログレッシブ・ハードロック・バンド。トリオ編成ながら高度な演奏テク、インテリ心をくすぐる哲学的な歌詞、まったく流行に流されない独自のスタイル、といった色んな要素で非常に根強いファンの多いバンドですね。商業的には全盛期は80年代前半でしょうが、90年代もずっと支持され続けてました。ちなみに彼らのチャート成績ベスト5は、
93年 "Counterparts" 2位 ●
91年 "Roll The Bones" 3位 ▲
81年 "Moving Pictures" 3位 ▲4
80年 "Permanent Waves" 4位 ▲
96年 "Test For Echo" 5位 ●
となっています。

2002/6/1 No.25 New Entry (US) Sales : 36,000
Down The Road / Van Morrison
ソロ名義の新作は99年の「Back On Top」以来3年ぶり。1967年のソロデビュー以来、70年代に3年間の“引退”期間があったのを除くとほぼ1年1作ペースで、ずーっとコンスタントな活動を続けてきたヴァン・モリスン。流石に今回の3年間は“引退”を匂わせた。いい加減いい年だし、このところ似たような作風の作品が続いている。もともと“業界”が大嫌いで、飛行機が嫌いだからツアーにも出ない。こんなオヤジが35年間コンスタントに活動を続けてきたことが、奇跡なんだけど。
今回は、まあ、いつも通りの作品。最近の作品に比べるとブルーズ色が薄く、AOR風味付けで、聴き易い。と言ってポップになってしまったわけでもなく、ヴァン・モリスンのファンが失望するような内容でもない。バランスのとれた作品だ。

私はヴァン・モリスンを師と仰いでいた。大学生のときに「Astral Weeks」と「Moondance」と「Veedon Fleece」に出会って以来、これほど凄いミュージシャンは他にいないと思い続けていた。「Veedon〜」は今でも自分にとってのオールタイム・ベスト・アルバムだ。それから10年が経ち、流石に“現役感”の薄れた彼への思い入れは昔ほどではなくなった。同じ“ベテランの新作”ならトム・ウェイツやジョン・ハイアットのほうがいいと思う(彼らのほうがずっと若いけど)。でも、ボブ・ディランがあんなに神のように崇められるんなら、ヴァン・モリスンだってもっと評価されていいと思う。いっそ、こういう口当たりのいい作品ではなく、思いっきり趣味に走ったブルージーな渋々の作品を作れば、案外グラミーとか受賞しちゃって売れちゃったりするのかな。
しかし、売れる見込みがないのはわかるけど、日本盤発売予定なし、ってのは酷いなあ。

2002/6/1 No.27 New Entry (US) Sales : 36,000
Someone to Love You / Ruff Endz
デビュー作から「No More」が大ヒットしたR&Bデュオの、2nd。どうしても男性R&Bデュオという時点でK-Ci & JoJo(何となくカタカナで表記しづらい)との比較は避けられず、その結果どうしても彼らに次ぐ“二番手”の存在ってことになってしまいます。しかしこっちのほうがジャケ写は洗練されてますねー。オシャレですねー。というかK-Ci & JoJoのこないだのがダサすぎたという話もありますが。

2002/6/1 No.57 New Entry (US) Sales : 19,000
On A Wire / Get Up Kids
エモ系ロックバンド、ゲット・アップ・キッズの99年以来の新作。通算3作目?前作リリース後にグリーン・デイやウィーザーとツアーしたことでファン層を広げた模様で、本作で初の100位入り。しかしamazon.comのカスタマー・レビューを見ると失望してる意見が多いですねえ... このアルバムから聴き始めるのは良くないのかも。

2002/6/1 No.72 New Entry (US) Sales :
Lost Angel / 3rd Strike
南カリフォルニア出身のラップ・ロック・バンドのデビュー作。ギタリストがトッド・デグチという名前なのでたぶん日系人でしょう。ペニーワイズのメンバーの紹介で契約にこぎつけた、ってのと、このアルバムにDJマグスが参加してる、ってことで、まさにパンク寄りのロックと、ヒップホップと、両方の影響を受けたバンドなんでしょう。

2002/6/1 No.82 New Entry (US) Sales :
WWE Tough Enough 2 / Various
WWE。あの、天下のWWFが。
アメリカ史上最強のスポーツ・エンターテイメント団体、World Wrestling Federation。略称WWF。ところがこのWWFってのはパンダのマークの自然保護団体(World Wide Fund for Nature)と同じ。ってことでパンダのマークのほうが提訴してしまい、WWFはWWE(World Wrestling Entertainment)と名称を改めました。既に公式サイトもwwe.comになってます(wwf.comにアクセスするとリダイレクトされます)。
ま、それはさておき。今までWWF関連アルバムって年に1作、せいぜい半年に1作ぐらいのペースだったんですが、こないだヘヴィロック満載の「WWF Forceable Entry」が出たばかりなのに、もう次が出ました。しかし、同じようなメンバーを集めてるのに、こちらは全然売れませんでしたねえ。どうしちゃったんでしょう。WWEのトップ人気レスラー、ザ・ロック主演の映画「The Scorpion King」サントラも同じようなメンバーだったから、流石に似たようなのが続きすぎて飽きられたか?
ちなみにこれはWWEとMTVがタイアップした「Tough Enough」というオーディション番組(の続編)のサントラという位置付け。

2002/6/1 No.100 New Entry (US) Sales :
Commencement / Deadsy
これ、再発なのかな?もともとこのアルバムって1999年の作品みたいなんですが。メタル〜インダストリアル系のバンドで、KoRnのレーベルと契約してるようです。


以上・しんかい (kaz@meantime-jp.com)



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