Weekly Column
2001/12/15




2001/12/22付け

No.1 of the Week: Weathered / Creed (3rd Wk)
クリードの3作目。「1作目がロングセラーになり、2作目で大 ブレイク」というこの手のバンドの王道パターンでブレイク。しかも彼らの場合 「Higher」「With Arms Wide Open」と2曲の大ヒットシングルを伴ったこと もあり、セカンド「Human Clay」はアメリカで1000万枚の出荷を越えています。
しかしこれだけ売れまくりながらも、どうも垢抜けないんですよねえ。スター然 として気取った振舞いをすれば、それはそれで世間から叩かれるでしょうが、 アメリカでは、素のままで垢抜けなさが抜けない人も批判されがち。フーティ& ザ・ブロウフィッシュがブレイクした時は、何の謂れもない、いちゃんもんと しか言い様のない批判にさらされて、とても可哀相でした。
で、このクリードのボーカル、スコット・スタップも、その微妙に勘違いした たたずまいがバカにされがちで、雑誌のお遊び系コーナーの「ウザいものリスト」 で筆頭に挙げられたり、最後にオチとして挙げられたりしてます。
 しかし、有名になれば、それだけ反対勢力が大きくなるのは付き物。前作は 初登場週セールスは32万弱でしたが、今回はその3倍近い数字を記録し、圧倒 的に支持されているところを見せつけました。 確かにキャッチーな、よく出来た曲を書くバンドなので、現代版の「産業ロック」 として支持されているのでしょうが、一方、彼らはデビュー当初「クリスチャン・ ロック」のジャンルに入れられかかったぐらい、宗教的に真面目なバンド。 先般ブレイクしたクリスチャン・ヘヴィ・ロック・バンド、P.O.D.のセールスが 好調なのは、9.11テロ後の雰囲気が影響しているようですが、クリードにもその 空気がプラスに作用しているのかもしれません。
No.17 New Entry: America: A Tribute To Heroes / Various
9.11テロ復興の ためのチャリティイベントを収録したライヴ盤。もともとTV放映されたもので、 音楽だけじゃなく映画、TV、スポーツ関係有名人も参加してるので、これは音 だけではなく映像版で見たいところ(ビデオ、DVDも発売されてます)。
No.26 New Entry: New Old Songs / Limp Bizkit
リンプのリミックス集。リンプと言えども企画物だとこのぐらいの順位 になっちゃうんですね。日本ではかなり売れてるようですが。
リミキサーとしてはかなり豪華なメンバーが集まっていて、ヒップホップ系 の人がやけに多いのは、やっぱりリンプらしいですね。
No.31 New Entry: Big Boi & Dre Present... OutKast
アウトキャストのベスト。新曲4曲入りということで、これまでのアルバ ムを揃えてる人にもアピールする作りではあります。が、やっぱり彼らはアルバ ム全体で素晴らしい作品を作れる人たちなので、オリジナルアルバムで聴きたい ですねえ。
ただ、これも11曲目の「Ms.Jackson」から「Player's Ball」「Elevators (Me & You)」 とヒット曲を連発し、その後「Spottieottiedopaliscious」へと続くこの流れは、 ちょっと曲目を見てるだけでもわくわくさせられます (^^;
このアルバムと同時に、ビデオクリップを集めた映像版も出るって話があったん ですが、ちゃんと出てますか?CDnowで検索しても発見できませんでした。
No.32 New Entry: Music & Me / Nate Dogg
なぜか今日本でプチ・ネイト・ドッグ・ブームが起きてますがアメリカでは32 位に登場。いや、でも、この順位ってかなり高いですよ。この下にずらっと登場 してる顔ぶれを見るにつけ。ちなみに日本では最近この新作とは別のアルバムが 出てますが、あれは廃盤になってるソロ1作目「G Funk Classics Vol.1 & 2」(2枚組) から曲を抽出して1枚にまとめたものなんだそうです。なんでそんなことをするかと 言うと「G Funk Classics〜」が廃盤だから...と聞いたんですが、それって単に 日本盤が廃盤ってことなんですかね?CDnow.comでは普通にアメリカ盤新品を約20ドル で買えるようですが。
No.37 New Entry: J.O.S.E. (Jealous One's Still Envy) / Fat Joe
37位、ファット・ジョー。弟分のビッグ・パンを亡くし、キューバン・リンク と喧嘩別れし、上昇気流にあったテラー・スクワッドがばらばらと空中分解して しまったファット・ジョー親分。彼自身「ビッグ・パンのスキルには全然敵わな い」と認めている通り、ラッパーとしての実力は一流とは言えない人なので、 この売れ方は充分「健闘」と呼ぶに値するでしょう。
なおこのアルバムタイトルは、彼の95年の2作目「Jealous One's Envy」(頭文字を とるとJOE)にひっかけたもの。
No.43 New Entry: / Yolanda Adams
43位にはゴスペル系シンガーのヨランダ・アダムス。力任せにガナるタイプで はなく、どちらかと言えば繊細なタイプの人。昨年「Open My Heart」という 素晴らしいバラードがヒットしたことで広く名が知られ、今回はいい位置に登場 しました。その「Open My Heart」を含むアルバム「Mountain High... Valley Low」以後、昨年末はクリスマスアルバム、今年はライヴ盤を出しており、この 2年半ほどの間で4枚目のアルバムということになります。
「Open My Heart」を手がけたジャム&ルイスが今回も参加してるようですが、 果してまたヒット曲を出すことができますかねえ。
No.48 New Entry: Bang Or Ball / Mack 10
またこれは微妙な位置に(笑)。かつて「小物と言えば マック10」が私の仲間内での共通認識でしたが、勢いが落ち目になっている CA$H MONEYへの電撃移籍後初の作品が、成功とも失敗とも言えないこの微妙な 順位に登場しました。
97年の「Based On A True Story」が14位、98年の「The Recipe」が15位、 昨年の「The Paper Route」が19位と、万年10位台を保ってきたので順位は がくんと下げてるんですが、この時期なので、ある程度は仕方のないこと。
西海岸コネクションの強いマック10。まあ西の人なので当然ですが。ところが 南部・アトランタ出身のTLCのT-Bozと結婚したことで「南部に行きましょうよ」 ってなことになって、CA$H MONEY移籍をT-Bozが薦めたんだとか。
とは言えCA$H MONEYってのはアトランタではなくニューオーリンズのレーベル だし、今までCA$H MONEYってのは外部との交流がほとんどなかった連中なので マック10も別にコネはなかったと思うし、単に「南部で勢いのあるレーベル」 ってだけで選ばれたんでしょうかねえ。
No.52 New Entry: Greatest Hits / Mariah Carey
マラキャの2枚組ベスト。ちょっとねえ。こないだ「No.1s」を出したばっ かじゃないですか。2枚組にびっしりヒット曲が並び、こないだのやつに収録さ れなかった曲も入ってて、おいしい作りではあるのですが、アルバムも映画もコ ケて本人は神経衰弱、などと下り坂を転げ落ちている時に、追討ちをかけるよう に売れないアイテムを出すのは、どんなもんなんでしょう。もっと周到にマーケ ティングして、このベスト盤は絶対に大ヒットさせなきゃいけなかったのでは? まあ発売元が、移籍前のコロンビアですから、レーベルとしてはそんなこと気に しちゃいないんでしょうが、彼らだって「今のマライアは売れないけど過去の 音源は売れまくり」ってところを見せ付けたかったでしょうに。
最新作「Glitter」にしても、アルバム中ベストトラックであるミスティカル 共演曲を、せっかくビデクリップまで作っておきながら全然プッシュしてる 気配がないし(私はこの曲が大ヒットすることで多少なりとも落ち目のイメージ が払拭できるだろうと思ってたのに)、もうとにかくマラキャ本人と言うよりは 関係者すべての不手際のせいで、彼女は没落の一途をたどってると言っていい でしょう。わざとか?
No.54 New Entry: Greatest Hits / Ice Cube
アイス・キューブのベスト。もう俳優業が板につきすぎてしまって、 ラッパーとしては完全に現役感を失ってる?その結果がこの順位でしょう。シン グルヒットも多い人なので、そこそこ便利なアルバムなんですけどね。
No.64 New Entry: Stoned Raiders / Cypress Hill
なんかだんだん別のバンドになっていくような気 がするんですが、今回は一層ロック化が進んでいるようです。
レイジやらリンプやら、ラップ・メタル系のバンドはみんなサイプレス・ヒルの 影響を受けている、なんて言われてますしUKのメタル専門誌「Kerrrang」でも 巻頭特集で取上げられちゃったりしてます。が、やっぱり私には サイプレス・ヒル=ヘヴィロックとヒップホップを融合したイノベーター、と いう意識はあまりなくて、荒涼とした音像が衝撃的だった1st、マリファナ賛美 のどよ〜んとした空気を見事なまでに分かりやすく、「売れ線」になるギリギリ 一歩手前でで表現した2nd、行くところまで行ってしまった3rd、ここまでなんです よね、思い入れが抱けるのは。
2枚組で、それぞれで「ヒップホップ」と「ヘヴィロック」を表現していた前作が 売れたので、ちゃんとそういうところを支持している人はたくさんいるのかと 思いましたが、今回はここまで落ちてしまいました。単にグループそのものの 存在が飽きられてしまったのか、それとも私のように初期のイメージを求める人 が多いせいなのか。
No.90 New Entry: The Essential / Neil Diamond
これは全然ダメです。今までニール・ダイアモンドの手軽なベスト盤と言えば 「The Greatest Hits 1966-1992」っていう2枚組がありました。が、版権の関係で 彼の中期のヒットはオリジナルバージョンでは収録できず、ライヴバージョンで 収録されていました。それが1曲や2曲ならいいんですが、めちゃめちゃヒット曲 の多い人だけに、それが10曲以上にも及んでしまっていまい、しかもそれが 70年代前半、ヒットチャート上では彼の全盛期にモロにかぶってるんですよね。
で、今回彼のキャリアを総括するベストが出し直されたってことで、期待して 曲目を見たら... 相変らずライヴバージョンの嵐。しかも2001年10月収録って、 おいおいめちゃめちゃ最近やんけ。ってことでわざわざこれを買う理由は別に ないでしょう。




2001/12/9付け

No.1 of the Week: Swing When You're Winning / Robbie Williams (3rd Wk)
通算4作目となる本作は、前作「Sing When You're Winning」のタイトルにひっかけた オールディーズのカバー集。たぶん、きっかけになったのは今年UKで大ヒットした 「ブリジット・ジョーンズの日記」サントラ。ロビーはここに2曲提供してましたが、 うち1曲はシナトラのカバーで、オリジナルそのまんまの40〜50年代風ビッグバンド・ スタイルでキメてました。で、これが案外評判良かったか、ロビー自身が気に入った のでしょう、そういうスタイルでのライヴをやり(テレビ中継された)、更にアルバム 丸1枚作ってしまったのが、これ。
シングルはフランク&ナンシー・シナトラの父娘デュエット「Something Stupid」を ニコール・キッドマンをデュエットパートナーに迎えて共演。二コールはもちろん女優 が本業ですが「ムーラン・ルージュ」で実は歌もかなりイケるところを披露したばかり なので、これはいいタイミングでの共演でした。


以上・しんかい (kaz@meantime-jp.com)



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