Weekly Column
2001/12/8




2001/12/15付け

No.1 of the Week: Weathered / Creed (2nd Wk)
クリードの3作目が2週目の1位をキープ。「1作目がロングセラーになり、2作目で大 ブレイク」というこの手のバンドの王道パターンでブレイク。しかも彼らの場合 「Higher」「With Arms Wide Open」と2曲の大ヒットシングルを伴ったこと もあり、セカンド「Human Clay」はアメリカで1000万枚の出荷を越えています。
しかしこれだけ売れまくりながらも、どうも垢抜けないんですよねえ。スター然 として気取った振舞いをすれば、それはそれで世間から叩かれるでしょうが、 アメリカでは、素のままで垢抜けなさが抜けない人も批判されがち。フーティ& ザ・ブロウフィッシュがブレイクした時は、何の謂れもない、いちゃんもんと しか言い様のない批判にさらされて、とても可哀相でした。
で、このクリードのボーカル、スコット・スタップも、その微妙に勘違いした たたずまいがバカにされがちで、雑誌のお遊び系コーナーの「ウザいものリスト」 で筆頭に挙げられたり、最後にオチとして挙げられたりしてます。
 しかし、有名になれば、それだけ反対勢力が大きくなるのは付き物。前作は 初登場週セールスは32万弱でしたが、今回はその3倍近い数字を記録し、圧倒 的に支持されているところを見せつけました。 確かにキャッチーな、よく出来た曲を書くバンドなので、現代版の「産業ロック」 として支持されているのでしょうが、一方、彼らはデビュー当初「クリスチャン・ ロック」のジャンルに入れられかかったぐらい、宗教的に真面目なバンド。 先般ブレイクしたクリスチャン・ヘヴィ・ロック・バンド、P.O.D.のセールスが 好調なのは、9.11テロ後の雰囲気が影響しているようですが、クリードにもその 空気がプラスに作用しているのかもしれません。
No.3 New Entry: Word Of Mouf / Ludacris
デビュー作は4位初登場だったので一歩前進。でも実は売上げ枚数では倍以上になってます。まあ、この1年間での彼の活躍ぶりを見てれば、この躍進も当然でしょう。
自分名義で「What's Your Fantasy」「Southern Hospitality」「Area Codes」を次々にヒットさせたのに加えてフットワーク軽くあちこちにゲスト参加しまくり、メジャーデビューから1年余りの間に実に7曲ものHOT100ヒット(ゲスト含む)を放っています。
デフ・ジャムが遂に南部進出!スカーフェイスを社長に据え、新たに構えたデフ・ジャム・サウスが送り出す第1弾ラッパー!ということで登場したリュダクリス。地元ではそれ以前からDJとして名の知れた存在で、インディではアルバムデビュー済でした。で、メジャーデビューした途端に冒頭のようにヒットを連発。
なんと言っても彼の売りは「笑い」。本人がコミカルなキャラで、曲やビデオもちょっとお笑い入ったものが多い、というのはラップの世界では少数派ですし、これだけ満面の笑顔で写真に写りまくるラッパーもなかなかいません。DMXなんかはああいうコワモテのキャラを確立しすぎてしまったせいで、「(地元の)NYじゃろくに街も歩けねえ。俺が友達と笑ってたりすると、すぐ“あ、DMXが笑ってるぜ。いつものあのシリアスな顔は演技なんだ”っていちゃもんつけてくる奴がいるからな」などとボヤいてます。まあリュダのほうは、なかなか本気だと受取ってもらえないっていう逆の悩みがあるのかもしれないけど。
ラップのスキルそのものは、決して下手ではないけど特筆するほど巧いってわけでもなく、まあ所詮はキャラ勝負。飽きられて売れなくなる前に思う存分稼いでもらいましょう。
No.7 New Entry: Genesis / Busta Rhymes
で、リュダクリス登場の煽りを受けていると思われるのが先輩のバスタ・ライムス。もうそろそろ、ラッパーとしては中堅を越えてベテランの域に入り始めてますが、相変らずコンスタントに新作を届けてくれます。
初登場週のセールスも、前作「Anarchy」より若干増えてて、安定した人気ぶりが現れてますが、どうもこの人は今いち爆発力がないんですよねえ。いや、キャラ的には充分あるんですが、セールスが。シングルはそれなりにヒットするのに、アルバムは大きなヒットにならないし、あまり傑作として評判にになることもないんですよね。
今回はJレコーズ移籍第1弾ということで多少は今までと違う売れ方をするのかな?シングルが間もなくトップ40入りしそうなので、この曲のヒット動向と合わせてアルバムの売行きを見守りましょう。
ところでこのアルバムをジェネシス(というバンド)のアルバムだと勘違いして買ってしまう人は世の中にどのぐらいいるもんなんでしょう?ジェネシスだと思って聴いて、かかったのがいきなりバスタだったら、かなりショックだろうなあ。
No.27 New Entry: The Concert For New York / VA
10月に行われたテロ復興支援コンサートのライヴ盤、2枚組。このライヴはもともと大ベテラン勢の参加が多く、ここでもデイヴィッド・ボウイ、ビリー・ジョエル、ミック・ジャガー、フー、ポール・マッカートニーなど、その辺の人々が中心。ジェイZやデスチャ、バックスといった若手も混じってることは混じってますが、間でぽつぽつと登場する程度。
しかし、やっぱり、こういう普通の選曲なんですねえ。各アーティスト1曲ぐらいは事件を意識した曲を取上げてるようですが、ジェイZが「Izzo」、ボンジョヴィが「Wated Dead Or Alive」、バックスが「Quit Playing Games」なんかをやってるのを見ると、もう滑稽に見えてきますねえ。あ、ボンジョヴィのはもしかしてビンラディンのことを歌ってるのか?
そういう意味ではデイヴィッド・ボウイが「America」(サイモン&ガーファンクルのカバー)と、自身のヒット「Heroes」ってのは綺麗な選曲のような気がします。まあでもこれも「We can be heroes / just for one day」というサビに問題があるような気もしてきた。ポールが「Let It Be」をやったのも、ちょっと考えようによっては残酷な気もするし、案外難しいんですね、「相応しい選曲」ってのは。
No.48 New Entry: Smash Mouth
レニクラ、ワイクリフ、スマシュマってのが現役アーティストとしては私の3大天敵でして。正直言って彼らのこの3作目が前作「Astro Lounge」に比べて全然売れなかったことについては「当り前じゃん。」というのが偽らざる感想です (^^;
まあ真面目な話、このタイプのバンドがシングルヒット無しにアルバムを売ろうと思っても無理なわけで、その通りの結果になっただけですね。今後このアルバムからヒット曲が出れば、多少はアルバムも売れるんでしょうし。
メジャー1stアルバムでは基本的にメロコア・バンドでしたが、「Walkin' On The Sun」が大ヒットしたことで、そういうポップ路線を強調してみたのが2nd。で、これが狙い通りヒットしたことで、シュガー・レイと並んで「本質はもっとハードなんだけどポップな曲で客引きしてるバンド」の二大巨頭になるかと思ってたんですが...
「シュレック」サントラに提供したモンキーズのカバー「I'm A Believer」。あれ、やっぱマズかったでしょう。このアルバムにも収録されてて、多くの人にとってはこのアルバムの中で唯一聴いたことがある曲でしょう。ちょっと、あれは、まずいです。何がどうまずいかはブレイクアウトのコーナーの12月分投票結果(まだアップされてない)を見て欲しいんですが(←まだ結果は知らないけど最下位に決まっとると決めつけてる)。




2001/12/2付け

No.1 of the Week: Swing When You're Winning / Robbie Williams (2nd Wk)
通算4作目となる本作は、前作「Sing When You're Winning」のタイトルにひっかけた オールディーズのカバー集。たぶん、きっかけになったのは今年UKで大ヒットした 「ブリジット・ジョーンズの日記」サントラ。ロビーはここに2曲提供してましたが、 うち1曲はシナトラのカバーで、オリジナルそのまんまの40〜50年代風ビッグバンド・ スタイルでキメてました。で、これが案外評判良かったか、ロビー自身が気に入った のでしょう、そういうスタイルでのライヴをやり(テレビ中継された)、更にアルバム 丸1枚作ってしまったのが、これ。
シングルはフランク&ナンシー・シナトラの父娘デュエット「Something Stupid」を ニコール・キッドマンをデュエットパートナーに迎えて共演。二コールはもちろん女優 が本業ですが「ムーラン・ルージュ」で実は歌もかなりイケるところを披露したばかり なので、これはいいタイミングでの共演でした。
No.2 New Entry: All Rise / Blue
80年代後半ぐらいから常に何組か「新曲を出せば必ずトップ3ヒット」ぐらいのボーイズ・アイドル・グループを抱えているイギリス。ボーイゾーンが活動を停止し(?)、ファイヴが解散して、ウエストライフの天下になるかと思ったら、また新しい勢力が出てきます。ネクストの「Too Close」のカバーが初のNo.1ヒット... ってことでアホ系のグループかと思ってましたが、最新シングル(これも1位)の「If You Come Back」は英国的正統派バラードで、テイク・ザットの「Back For Good」を思わせる、サビで裏声使いの切ないメロディが何とも憎たらしいぐらいに泣かせます。これ、マジでいい曲だわあ。
ブルーは黒人1人、白人3人のボーイズグループ。編成的には男版オール・セインツですが、シャズネイに才能が集中していたようにブルーも黒人:実力派、白人:ルックス担当かというと、そうでもないようです。あまりこういうグループについて細々と書いているとあらぬ誤解を受けるので、このぐらいにしておきましょう。
No.3 New Entry: Sunshine / S Club 7
もともとTV番組から生れた男女7人グループ。名曲「Bring It All Back」を始め、デビューアルバムからは大ヒットを連発しましたが、セカンドでは明らかにその勢いは落ちていました。まあ、こういうグループが短命に終るのはしょうがないでしょう。と、私は勝手に彼らのことを「終った」ことにしてたのですが、昨年末の「Never Had A Dream Come True」、初夏の「Don't Stop Movin'」、つい先頃の「Have You Ever」と連続No.1にしてすっかりその人気を盛返してます(3曲とも本作に収録)。「Don't Stop Movin'」とか全然いいと思わないんですが、UKにしてはかなりのロングセラーになってたので年間トップ10ぐらいは堅いでしょう。
No.14 New Entry: Freak Of Nature / Anastacia
デビュー作「Not That Kind」の大ヒットぶりを思うとちょっと俄には信じがたい順位ですが、アナスタシアの2作目はこんな順位に登場。あんまり低いんで昔の発掘音源集とか、次作への場つなぎのミニアルバム的なものかと思いましたが、どうも、ちゃんとした新作みたいですね。
とにかくパワフルなディスコ・ディーヴァ的な人で、個性が強いだけに好き嫌いがわかれるでしょうが、ちょっとまだ消えていくには惜しいキャラですねえ。


以上・しんかい (kaz@meantime-jp.com)



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