Weekly Column
2001/7/14


Devil's Night / D-12

エミネム率いるD-12が、いったんアリシア・キーズに首位を譲った後、1位返り咲き。2位のアリシア・キーズとの差は数百枚という僅差のようですが。
このアルバムは日本盤が出るのが早かったにも関わらず、全曲歌詞・対訳のついた気合いの入ったパッケージ。ラップはとにかく歌詞の量が多いので、全曲対訳つきってのはかなりの大物じゃないとやってもらえない待遇ですが、流石にエミネムならこのぐらいやってもらえるんですね。しかも、これだけ素早い日本盤リリースはちょっとお見事でした。その分解説がショボいのにも目をつぶりましょう。
エミネムが無名時代からつるんでる仲間たち、6人組のラップグループがD-12。6人それぞれが「別人格」を持ってるので、「ダーティな12人衆」ということでD-12なんだそうな。
こういう、ソロで大成功してる奴が混じってるグループというのは、意識してそのソロの奴とは違う音楽性を打ち出すのことが多いでしょ。だから、このアルバムはエミネム色を排除してくると思いました。ら、外された。ドクター・ドレを筆頭に、エミネムの作品でお馴染みのプロデューサーがそのまま参加して、アルバムのオープニングもエミネムの2枚のソロアルバムとシリーズ物になってます。曲の雰囲気もエミネムそのまんまで、これは「ゲストの多いエミネムのソロアルバム」だと思って聴けてしまうでしょう。その割にはあまり爆発的なヒットになってませんが、今のところヒット曲が出てないので、一般人が飛びついていない(様子を見てる)からでしょう。たぶんこのまま爆発的なヒットにはならずに終わるんでしょうが、この手の作品としては少し長めに売れ続けるのかも。
The Invisible Band / Travis

トラヴィスの3作目、初登場以来4週目の1位をキープ。イギリスではデビュー作もそこそこヒッ トしましたが、前作「The Man Who」の成功は別格。この1枚で彼らはステレオフォ ニックスらと共に「今のUKでいちばんビッグなロックバンド」としての認知度を高め たと言えるでしょう。 ただ、それはあくまでも、ロックが好きな若者の間での話。イギリスでごく一般の消 費者にアンケートをとったら、トラヴィスの音楽そのものは認知度が高かったもの の、「トラヴィス」という名前はシンガーの個人名で、こいつらがバンドだとは知ら なかった、という人が異様に多い、という結果が出ました。今回のタイトル 「Invisibile Band」ってのは、その辺の意味を含んでるんでしょう。アンケートの エピソードは単なる一例で、彼らは日頃から「バンドはいつかいなくなっても、音楽 は残る」といった発言をしてることだし。 で、今回。ううむ。前作と同じプロデューサーで、基本的には前作の路線を踏襲して ますが... ちょっと泣きが入りすぎというか、作りすぎ、意識しすぎ、という感じ がします。「The Man Who」のような淡々としたアルバムの中だったからこそ 「Turn」の叙情的なメロディは美しく映えたわけで、今回のアルバムの中では 「Sing」は歌謡曲に聴こえてしまいます。一般消費者は「わかりやすい」ってことで 本作を推すかもしれませんが、前作に惚れた人間にとっては今回は「作り過ぎ」が偽 らざる感想。「Sing」が好きな人はこのアルバムも気に入るでしょうし、 「Driftwood」のような瑞々しく繊細な美しさを求める人には、ちょっとToo Muchで しょう。
以上、聴き始めてから3日目ぐらいの感想でしたが、その後何度か聴いて「そんなに悪く もないかも。やっぱいいバンドだね。でも前作にはやっぱり及ばない」と考え到る ようになりました。
(以上・しんかい kaz@meantime-jp.com



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