Weekly Column
2001/5/19


Survivor / Destiny's Child

デスチャの3作目が、2週めの1位をキープ。前作「The Writing's On The Wall」は、大ヒットシングルを量産してロングセラーになったので、すごくヒットした印象がありますが、発売当初はそれほど大きな話題になっていたわけでもなく、初登場も6位でした。あれから2年。あの頃に比べると格段に大物としての風格を身に付けてます。
ブリトニーやバックス、インシンクが軽々と100万枚を超えたように、もうちょっとアイドルっぽい売れ方をするだろうという見方もありましたが、そういう意味では意外と伸びませんでした。今の彼女たちなら、決して存在感も知名度もブリトニーたちに大きく劣ることはないと思うのですが、まあ今まで、ビギー、ウータン、トゥパック、DMX、ジェイZ、アウトキャスト、そしてジャネットと、どんなにビッグスターでも、黒人アーティストは初登場で60万台が限界だったことを思えば、デスチャがそれを破れなかったのも仕方ないんですが(初登場週でなければ、ホイットニーが「Bodyguard」サントラを週に100万以上売ったことはある)。
Survivor / Destiny's Child

英米で同じ作品の同時No.1はビートルズ「1」以来ですね(イギリスではジャネットは2位止まりだった)。
アルバムは「Independent Women Pt.1」で幕を開け、続いて「Survivor」が、更に次のシングルに予定されている「Bootylicious」と、冒頭にいきなり大ヒットシングルを連発するゴージャスな作り。それ以外にも前半にはアップ系が多く、彼女たちの今のポジション、イメージに楽曲的にもうまく合ってます。後半にビヨンセがソロで歌い上げる曲がありますが、これはビヨンセが実力派であることを証明した、というよりは、ビヨンセ以外の二人の重要性を逆説的に認識させる曲で、ちょうどドゥルー・ヒルからシスコがソロデビューした時を思い出しました。
しかしこうして、アメリカでもイギリスでもデスチャのほうがジャネットより売れてる、という姿を見せつけられると、時代の流れを感じさせられます。そして、ジャネットのほうが売れてる日本を見ると、やっぱりいつまでもボンジョヴィを支持し続ける義理堅い国の人たちだよなあ、と思いますね。



No.5 New Entry (USA) : Moulin Rouge / Soundtrack
一昨年「Everybody's Free (To Wear Sunscreen)」で話題をさらったバズ・ラーマン監督の新作「ムーラン・ルージュ」サントラ。映像だけでなく、音楽も含めてトータルな表現を好む彼が手懸けた作品ということで、流石にサントラも凝った作り。既にミッシー+マイヤ+ピンク+リル・キム+アギレラによる「Lady Marmalade」が大ヒット中ですが、他にも変な曲がいっぱい。映画のほうの主役であるニコール・キッドマンが大真面目に歌ってたり(けっこうサマになってる)、もう一人の主役ユワン・マクレガーがオペラ・シンガーとデュエットしてエルトン・ジョンの「Your Song」を歌ってたり、ニコール&ユワンが「I Was Made For Lovin' You」「Silly Love Songs」「I Will Always Love You」「Up Where We Belong」「Pride (In The Name Of Love)」といった有名曲を1フレーズずつ歌って延々とメドレーになってる変な曲があったり。

それにしても「Lady Marmalade」はやっぱりあのビデオですよねえ。何と言うか、スゴいです。ピンクの腹の太さにも目が行きますが、やはりアギレラのディーヴァぶりに注目でしょう。映像としてはアギレラ史上最高傑作か?ミッシーだけ厚着してるのもポイント高いですね。



No.20 New Entry (USA) : Lions / The Black Crowes
音がワンパターンなバンドは、デビュー当初はウケても、3作目ぐらいになると飽きられて、多くの場合はそのまま消えていく(通受けor地元のみで受けるバンドに戻る)んだけど、それをものともせず(かつ、レコード会社にクビを切られることもうまく回避しつつ)あと10年ぐらい活動を続けると、今度はそのワンパターンぶりが板について、彼らになくてはならないキャラとして確立して、また評価が上がったりとかします。AC/DCはその典型的な例でしょうが、近年のクラプトンやエアロスミスの異様に高い評価も、こういう側面があると思います。
彼らに比べればブラクロはまだまだ若手ですが、それでももうデビュー作から10年だし、やってるサウンドは昔っぽいし、ジミー・ペイジと共演してツェッペリンのカバー大会なんてこともやってるので、実際よりもオヤジくさいイメージがあって、前作ぐらいから「ワンパターンなんだけど頑固に個性を守り通してる」的に肯定的に評価され始めてますね。
前作はハードロック系のプロデューサー、今回はアーティストの個性に合わせてポップ系からブルースロック系までツボを押さえるのが得意なドン・ウォズがプロデュースってことで、一般ロックファンにとっては今回のほうが評判がいいようですし、更に先に書いたような「再評価」的な盛り上がりもあって、本作は日本ではかなりいい雰囲気で迎えられました。それに比べるとアメリカでの20位という順位は微妙ですね。どうせ来週はガクンと落ちるだろうし。
まあ基本的に音が変わりようのないバンドなので、概ね「いつも通り」の出来ですが、終盤にスローな曲が妙に連発されるのがちょっと気になります。しかしクリス・ロビンソンは新妻ケイト・ハドソンが買い物してるのを外で何時間もじっと待たされるのを色んなとこで目撃されているそうで。それでいいのか、クリス?


No.23 New Entry (USA) : All Killer, No Filler / Sum 41
サム41。なんかブリンク182みたいな名前ですが、実はスリーピースバンドという構成も、音もそのまんま。スピード感のある、メロディのはっきりしたポップ・パンク。グリーン・デイよりももっと軽い感じで、ちょっとおちゃらけ入ってるあたり、やはりブリンクとキャラがかぶりますが、そのブリンクやオフスプリングの前座をやってたと聞けば納得。 これが2作目ですが、非常にメロディのはっきりした、いい曲を作ってるので、デビュー作が大きなヒットになったという印象はないものの、それなりに評判にはなっていたようで、今回のブレイクにつながりました。
基本的にメロディアスなポップ・パンクなんだけど、時々ふっとハードロック風になるところがあって、昔はハードロックバンドだった時代があるんじゃないかと思わせます。単純明快2分間ポップスが続く中、いきなり複雑な曲展開になってボストンのようなスペイシーなギターソロなんかが入ってしまったり。これは本気なのかおちゃらけてるのかよくわかりません。ラップしてる曲はマイク・リレーの回し方とかリズム感が初期ビースティ・ボーイズそっくりだったり、確信犯的なギャグはブラッドハウンド・ギャングに通じるものがあるのかも。
いずれにせよ、なかなかキャッチーでいい曲が揃ってるので、これは真面目にプッシュすれば売れるでしょう。
(以上・しんかい kaz@meantime-jp.com



copyright (c) 2001 by meantime, all rights reserved.
無断転載を禁じます。