Weekly Column
2001/4/7


2位初登場の112の追撃をかわして、今週も1位を守ったのはシャギー。超強敵のデブマに2週間首位を明け渡したものの、エアロスミス、クラプトン、EVEといった強敵を後目に先週1位返り咲き。ここまで売れまくるのはひとえに「It Wasn't Me」「Angel」の2大ヒットシングルのおかげだとは思うのですが、ここ数年、こういうちょっとトロピカル風味があり、ちょっとノヴェルティ風の軽いダンス物が年に1〜2作売れる傾向にあるので、その一連の流れにうまく乗ったんでしょう。そのお陰で、ようやくアメリカでブレイクを果たしたバハ・メンが風化するのが速かった気がします。 まったくイギリスってのは何が売れるかわからないですねえ。アメリカの女性シンガー、エヴァ・キャシディの「Songbird」がじりじりとチャートを上昇し、1位の座に就きました。
このアルバム自体は98年にリリースされており、エヴァさんも、実は96年に他界しています。ライヴ盤を含む3枚のアルバムをインディに残しており、それらから選曲したベスト盤が、このアルバム。これの後、2000年にも「Time After Time」という編集盤が出てます。存命中は商業的に成功することは全くなく、無名の存在でしたが、98年にこのアルバムが出ると評論家の耳にとまり、じわじわとその評判が広まった、という感じ。とにかく声の優しさ、美しさに評価が集中しています。
曲そのものはフリートウッド・マック「Songbird」やスティング「Fields Of Gold」、「枯葉」や「Over The Rainbow」などのスタンダード・ナンバーといった具合にほどんどがカバーで、あえて何かのジャンルにあてはめるなら「ヴォーカル」ということになるんでしょう、日本盤CDの帯の隅っこに書いてあるやつで言うと。
ちょっとイギリスではこのところめぼしい新作リリースがなかったので、発売から足掛け3年目に入っているダイド、同じく4年目のこのアルバム、というめちゃめちゃ古いアイテムが相次いで1位になりました。でも、こういう売れ方もまた、イギリス市場の一面でしょう。



No.2 New Entry (UK) : Know Your Enemy / Manic Street Preachers
96年作「Everything Must Go」で国民的人気バンドの地位を確立し、99年の前作「This Is My Truth Tell Me Yours」も大ヒットさせたマニックス。もともと反米的な態度をとっていた彼ら、前作は「暗すぎる」と言われてアメリカ発売を見送られるという憂き目にあってますが、きっと理由は「暗すぎる」せいだけではなかったんでしょう。今回もアルバム発売に先駆けてかなり露骨に反米・親キューバ的な言動を見せてました。そういう政治的な言動にはやっぱり一般人はちょっと引いてしまうんでしょうね。ここからの先行シングルは2枚(2曲)同時リリースという変則的なリリースのせいか、妙にポップで爽やかな「So Why So Sad」が8位、ロックしてる「Found That Soul」が9位と今一つ奮いませんでした。そして今回、アルバムが2位。新作リリースが少ない時期でこの結果なのは痛いですねえ。
ただ、内容的には大きく路線が変わったわけでもないし、質が落ちてるわけでもありません。妙にコーラスが爽やかだったり、音に鋭さがなかったりして、柔らかい印象を受ける曲が多いので、むしろサウンド的には聴きやすい作品です。あくまでも、歌ってる内容を気にしなければ、という前提つきですが。しかし、本人たちは皮肉っぽくやってるんでしょうが、大胆にディスコ・サウンドを導入した「Miss Europa DIsco Dancer」とかは批判されるんだろうなあ。



No.4 New Entry (USA) : Thugs Are Us / Trick Daddy
ようやく売れました。トリック・ダディの4作目。名曲「Nann Nigga」収録のセカンド「www.thug.com」で(私に)注目されて熱い支持を受けて以来、所属レーベルのSlip-N-Slide共々全米でその名を轟かせ、満を持して3作目「Book Of Thugs - Chapter AK Verse 47」をリリースしますが、これが意外に売れず、やっぱりこいつはこのままB級のまま終わってしまうのかと思わされました。が、やっぱり面白いものはウケます。今回、初登場4位という大ヒット。ま、売れたからと言ってB級には変わりないんですが、それがこいつの持ち味ですから。
マイアミを拠点とする彼。マイアミのラップといえばベースですが、彼のサウンドにはベースの影響はほとんどなく、むしろ、ブラスバンドをサンプリングしたりする音使いのセンスがニューオーリンズあたりからの影響を感じさせます。リリックはギャングスタ的なものから意外と真面目なものまで幅広いですが、何と言ってもこいつは言いたい放題のエロネタが面白いですね。
(以上・しんかい kaz@meantime-jp.com



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