Weekly Column
2001/3/17


デイヴ・マシューズ・バンドの、スタジオ録音の新作としては3年ぶりとなる作品が、当然のように初登場1位の座に。そのセールスたるや、73万枚。貫禄です。この数字はメタリカの全盛期を凌駕し、リンプの「Significant Other」に匹敵する言えば、その勢いがわかるでしょう。
ワールドミュージックやジャズの要素を多く取り込んだ雑食性の高いバンドで、職人的なところがあるので、リンプとか、今どきのロックを聴いてる人々からは「ロックではない」と認識されることが多いバンドだと思います。まあ、たぶん、存在感としては80年代のダイアー・ストレイツなんかが近いでしょう。日本の洋楽メディアは大半が「若者向けロック(或いはヒップホップなど)」の味方なので、彼らにはエアロスミスやAC/DCを持ち上げるのが精一杯でしょうが、そういう懐の浅い人々がオヤジくさいとか偏見で言ってるのに洗脳されずに、自分の耳で聴いて、自分の体で気持ちいいかどうか判断しましょう。
70〜80年代はよくロックを聴いてたけど、最近のロックにはついていけないよ、というオヤジ(おばさん)も、これならイケる可能性あり。逆に、色んな国の色んなジャンルの音楽がボーダーレスに街に溢れることで、こういう音も違和感なく受け入れられる感性をもった若い人たちにも聴いてみて欲しいですね。←おやじくさい文章だ (^^;
ダイドさん、5週目の1位をキープ。地味なキャラながらも全世界的なヒットになってます。しかしこのアルバム、99年の発売ですから今頃になってこんなに売れるとは、本人も驚いていることでしょう。
シンガーソングライターなので、そういう意味ではジュエルとかサラマクとかと比較するのが順当でしょうが、この音はむしろ、エニグマとかマイク・オールドフィールド(のボーカル入り作品)と比較したくなります。私は。
やっぱり注目を集めるきっかけになったのは、彼女の曲「Thank You」がエミネムにサンプリングされて「Stan」という名曲が生まれたことでしょう(イギリスでは昨年末に1位)。それまでは一部の人だけに知られる地味な存在でしたが、ブリット・アウォードにノミネートされたり、急に彼女の名前を聴く機会が多くなりました。ちょうど1年前のメイシー・グレイみたいに、音楽賞授賞式シーズンに一般メディアに祭り上げられることによるバブル人気っぽさは否定できませんが。



No.4 New Entry (USA) : Mista Don't Play / Project Pat
よっしゃ!これだけ胡散臭い奴がチャート上位に登場するのは久しぶりです。プロジェクト・パットが4位初登場という超快挙。これはグループ名ではなく個人名で、その正体は3-6-マフィア絡み。メンフィスの大物ラップグループ・3-6-マフィアのブレーンの一人であるジューシーJの兄貴である彼は、99年のデビュー作に続いてこれがセカンド。
で、これがいきなり売れたのは、プロジェクト・パットという個人がどうのこうのではなく、やはり「3-6-マフィア関連」だから、でしょう。一時期No Limitなら何でも売れて、最近ではCA$H MONEYレーベルから出るものが同じような状況ですが、これから注目すべきは、この3-6関連のHypnotize Mindsレーベルです。既に昨年、3-6本体がアルバムをトップ10入りさせています。4月には3-6の紅一点、ギャングスタ・ブーの3rdソロが出る予定なので、これも大ヒットするでしょう。
そもそもここからのリードシングル「Chickenhead」がシングルチャートでHOT100入りしているというのも大事件です。3-6関連がHOT100に入るなんて、いったい誰が予想したでしょう。あんま大した曲じゃないですけどね。
全体に、いかにも3-6-マフィアという感じの音作り。まあ、DJポール&ジューシーJという、この辺の音作りを一手に引き受けるプロデューサーがいつも通りに担当してるので、そんなに変わり様はないんですが。No Limit同様大ヒットしたからといって特に質が高いわけではなく、たまたま今この周辺が盛り上がってるから、タイミングよく発売されたこれがぽーんと売れてしまっただけ、と解釈したほうがいいでしょう。とりあえずHypnotize Minds/3-6-マフィア入門作としては、3-6本体の「The End」「Chapter 2: World Domination」「When The Smoke Clears - Sixty 6, Sixty 1」(最新作)あたりから入ることをお勧めします。
日本のヒップホップ・メディアも最近ずいぶん南部モノを扱うようになってきて、ネリー、アウトキャスト、CA$H MONEYあたりは情報不足に悩むこともなくなりました。しかしゲットー・ボーイズ周辺、エイトボール&MJG周辺、そしてこの3-6-マフィア周辺など、アングラ臭とアクが強いものは、まだほとんどマトモに扱われてないのが現状。南部好きだけでなく、新しモノ好きの人も今のうちに押さえておきましょう。

(以上・しんかい kaz@meantime-jp.com



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