Weekly Column
2000/7/25


●Billboard アルバム・チャート ニューエントリー全作品紹介

No.4 New Entry: Nutty Professor II - The Klumps / Soundtrack
かなり豪華なメンバーが参加したサントラ。映画のほうにも出演しているジャネット・ジャクソンをはじめ、DMX、Jay-Z、エミネム、R.ケリー、メソッドマンなどなどラップ/R&B系の大物が大挙参加していて、客演も含めると、全米TOP10アルバム保持者が14組も参加してます。が、これだけのメンバーを揃えてて、ジャネットの曲も順調にチャート上昇中なんだけど、セールスは15万枚と、あまり伸びませんでした。ヒップホップ系雑誌などでは何ヶ月も前から「この夏最大の話題作」としてけっこう煽っていたのでことを考えれば、ハズしたと言ってしまっていいかも。
まあ、この手のサントラにありがちなことですが、凄い豪華メンバーが揃ってても、中身はあまり大したことないです。むしろサントラって、お蔵入りさせといた音源から適当な曲を蔵出して提供してくる大物よりも、「この1曲に賭ける」という意気込みで、自分たちのベスト曲を提供してくる無名の新人のほうがいい曲をやってくれることが多いので、必ずしも「豪華メンバー勢揃い」=いいアルバム、ではないんですよね。

No.9 New Entry: Songs From An American Movie Vol.1 - Learning How To Smile / Everclear
アメリカの3人組ロック・バンド、エヴァークリアの4作目。タイトルがちょっと紛らわしいですが、カバー集とかではなく、オリジナルアルバムです(カバーは1曲だけ収録)。いかにもパンク/グランジを通過した世代らしい、初期の荒っぽいギターサウンドがだんだん整理されてきて、今回は随分すっきりしたサウンドになりました。むしろアコースティックな風合いの曲のほうが多いと言ってもいいかも。
セカンドアルバム「Sparkle And Fade」から「Santa Monica (Watch The World Die)」、前作「So Much For The Afterglow」から「I Will Buy You A New Life」がそれぞれヒットして(エアプレイチャートではトップ40入り)、アルバムもロングセラーになってました。が、今回はアルバムが初のトップ10入り、シングル「Wonderful」もHOT100チャートで初のトップ40入り。実にめでたいです。
エヴァークリアはそのサウンドもさることながら、歌詞の世界が非常に味わい深く、鋭いところを突きながらも単なる「言いっぱなし」に終ってなくて、「言いたいことがあるから曲を作ってる」んだという真摯な姿勢がよく伝わってくる、すごくいいバンドです。彼らはアメリカのバンドですが、私はキンクスとか、比較的最近のバンドではパルプに通じるものを感じます。
このアルバムはシンガーのアート・アレクサキスのソロアルバムになる予定だったそうですが、秋には早くも続編の「Songs From An American Movie Vol.2」が出るそうなので、こちらも期待。

No.41 New Entry: New Tattoo / Motley Crue
ヴィンス・ニールに愛想を尽かしてメソッズ・オブ・メイヘムを結成したトミー・リー抜きのモトリー・クルーの新作。89年ぐらいまでの全盛期は、この1.5流っぽいいかがわしさが魅力だったと思うのですが、最近はこの1.5流っぽさ故に哀れに見えてしまう損なキャラではあります。もう全盛期から10年以上ですからねえ。
最近80年代が全盛期だったハードロックバンドが昔のまんまの音で復活する例が多いですが(デフ・レパードとかボンジョヴィとか)、モトリーもその路線を狙ってるようですね。もっとも彼らはヴィンス・ニールが抜けて新ボーカリストが加入したアルバムとか、ヴィンスが復帰したアルバムとかで何度か「復活」を試みてはハズしてきてるので、もうそろそろ開き直って、自分達にできることを素直にやっただけなのかもしれません。これはこれで、いい結果に結びつきがちな姿勢だとは思いますが。



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