Weekly Column
2000/6/27


●Billboard アルバム・チャート ニューエントリー全作品紹介

No.3 New Entry: Riding With The King / B.B.King & Eric Clapton
はいはい。と軽く流してしまいたいんですが。これ。
98年にコステロがバカラックと組んでアルバム出してましたが、あれと同じですね。アーティスト本人にとっての夢の共演。ブルーズ界最大の巨人の一人であるB.B.キングは、ブルーズ一筋30数年のクラプトンにとってまさに「憧れ」以上の存在でしょう。なんとなくニューヨークとかのコンサバなビジネスマンの必須アイテム的な、ファッショナブルなトレンド・アイテムという感じがしてしまって私は聴く気が起きません。まあ、偏見ですが。
ほぼ同時にB.B.キング単独の新作も出てますが、こっちのほうに高い評価を与えてるメディアが多い気がします。

No.6 New Entry: When The Smoke Clears / Three 6 Mafia
遂にブレイクしたHypnotize Minds(レーベル名)。ニューオーリンズ出身ラッパーが多くを占める(現在の拠点はLA)No Limit、同じくニューオーリンズのCA$H MONEYがブレイクして南部ラップが全米を席捲していますが、Hypnotize Mindsもメンフィスを拠点とする南部のインディ・ラップ・レーベル。
で、そのHypnotize Mindsの中心となるグループが、この3-6-マフィア。ソロアルバムも出している紅一点・ギャングスタ・ブー、他のグループのプロデュースも手懸ける音作り担当のDJポールとジューシーJが中心。いかにも南部ラップ然とした猥雑な雰囲気が全編に漂う、相当怪しい代物ですが、今のNo LimitやCA$H MONEYが失ってしまったプリミティブな、「なんかよくわかんないけど、凄い」というパワーが漲っています。

No.9 New Entry: Crush / Bon Jovi
イギリスで初登場1位、日本でミリオンセラー間近という熱烈歓迎ぶりに比べると、本国アメリカでは随分と冷めて迎えられました。もともと90年代はアメリカよりイギリスなどヨーロッパでのほうが売れてたし、日本はアメリカでブレイクする前から熱心なファンが多数いた「彼らを育てた国」なので、この結果も肯けるものではあります。
今回は80年代(売れてた頃)に戻ったというもっぱらの評判だったのですが、あんまり80年代そのまんまという感じではないですね。メロディアスで分かりやすい曲が増えたのは確かですが、スローな曲が多いのは、流石に年齢を感じさせます。別に悪い意味じゃなく。

No.22 New Entry: Shaft / Soundtrack
映画は、70年代初頭のブラックシネマ作品のリメイク。今回はサミュエル・L・ジャクソンが主演。で、サントラのほうはとりあえずR.ケリーが2曲提供してるのが目を引きますが、あとはこれと言って特徴はないです。何度か聴きましたがやっぱりいちばん盛り上るのは冒頭に収められたアイザック・ヘイズの「黒いジャガーのテーマ」(オリジナルの映画のメインテーマで、そのままのバージョンで今回も収録)。これじゃ新しいサントラ作っても意味ないやんけ...。ところで映画のほうは、日本公開するとき「黒いジャガー」と邦題をつけてくれるのでしょうか。「シャフト」よりはかっこいいと思うのですが。

No.50 New Entry: MTV's Return Of The Rock / Various
これ、凄いです。収録アーティストが。キッド・ロック、スリップノット、メソッズ・オブ・メイヘム、KoRn、P.O.D.、ステインド、マシン・ヘッド、システム・オブ・ア・ダウン、キティ、インキュバス、コール・チャンバー、スタティックX、ボイラー・ルーム、セヴンダスト、パパ・ローチ、リキッド・ギャング、パワーマン5000、ドープ。3組ぐらいを除いては、みんな最近ゴールド〜プラチナぐらいのヒット作を出したヘヴィ系ロック。しかもこの手のバンドはシングルヒットがあまりないので、日頃はあまり耳にする機会はない。ということでかなりお得なコンピです。この世界ではメジャーなRoadrunnerレーベルから出てますが、同レーベル所属以外の人もたくさん入ってます。

No.55 New Entry: Faith & Courage / Sinead O'Connor
このアルバム発売直前になって、レズビアンであることをカミングアウトしたシニード。どうもこの人はクソがつくぐらい真面目なのがとっつきにくいところで、今回も若くして家を飛出してしまったことについて「お父さんごめんなさい」という懺悔ソングとか入ってます。一言で言ってしまえば重いです。もちろんこういう真摯な姿勢は、これはこれで評価されるべきですが。

No.61 New Entry: Pump Up The Valuum / NOFX
ジャケの絵といい、駄洒落のタイトルといい、ブリンク182を意識してるんでしょうか。今年始めには「プログレッシヴ・パンク」と評される実験的なEPを出してましたが、今回はふっきれて、速い、短い、メロディアスの三拍子揃った作りのようです。ブリンクがあれだけ売れたんだから、何かきっかけさえあればブレイクするんでしょうが、今回もまた一部のマニアに支持されるだけで終っちゃうのかな。30分ちょっとでアルバムが終っちゃうところがいかにもEpitaph作品らしいです。

No.69 New Entry: Gone In 60 Seconds / Soundtrack
非常に不思議な選曲のサントラ。冒頭、カルト(懐かしい!)、ゴメス、モービーと来れば、まあUK物がメインなんだろうと思う。ところが6曲目にメソッド・マンが登場すると、次の曲はアイス・キューブだし、DMXも入ってる(既発表曲)。しかも後ろのほうにはシチズン・キング(ヒットした曲のリミックス)なんてのまで出てくる。まあ白人の若者はこのぐらいメジャーなラップなら聴くでしょうから、いちおうターゲット設定的には間違ってはいないんでしょうが...



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