Top40 New Entries Apr.2003

◆ 2003/4/5 21 Questions - 50 Cent feat. Nate Dogg
◆ 2003/4/5 Bring Me To Life - Evanescence feat. Paul McCoy
◆ 2003/4/12 Sing For The Moment - Eminem
◆ 2003/4/12 Unwell - matchbox twenty
◆ 2003/4/19 If You're Not The One - Daniel Bedingfield
◆ 2003/4/19 Girlfriend - B2K
◆ 2003/4/19 Put The Woman First - Jaheim
◆ 2003/4/19 Clocks - Coldplay
◆ 2003/4/26 American Life - Madonna
◆ 2003/4/26 Like A Stone - Audioslave
◆ 2003/4/26 Say Yes - Floetry

 

21 Questions - 50 Cent feat. Nate Dogg

Top40 debut  2003/4/5
Peak Pos  #1
Top40 wks  -wks
Imprint  Shady/Aftermath
Meantime Rate NA
1. If I feel off tomorrow would you still love me?
2. If I didn't smell so good would you still hug me?
3. If I got locked up and sentenced to a quarter century,
Could I count on you to be there to support me mentally?
4. If I went back to a hoopty from a Benz, would you poof and disappear
like some of my friends?
5. If I was hit and I was hurt would you be by my side?
6. If it was time to put in work would you be down to ride?
7. If I ain't rap 'cause I flipped burgers at Burger King would you be
ashamed to tell your friends you feelin' me?
8. And in bed if I used to my tongue, would you like that?
9. If I wrote you a love letter would you write back?
10. Now would you leave me if you're father found out I was thuggin'?
11. Do you believe me when I tell you, you the one I'm loving?
12. Are you mad 'cause I'm asking you 21 questions?
13. Are you my soulmate? 'Cause if so, girl you a blessing
14. Do you trust me enough, to tell me your dreams?
15. If I was down would you say things to make me smile?
16. If I was with some other chick and someone happened to see?
17. And when you asked me about it I said it wasn't me, Would you believe
me? Or up and leave me?
18. How deep is our bond if that's all it takes for you to be gone?

あれ、18個じゃんか。
この他にサビでネイト・ドッグが歌う部分も含めると

19.Girl...It's easy to love me now
Would you love me if I was down and out?
20.Would you still have love for me?

さらに曲の終盤でネイトが歌う。

21.Could you love me in a Bentley?
22.Could you love me on a bus?

あれれ22個になっちゃったよ。
まあ、19と20はひとつの質問と解釈するほうが自然なので、そうすれば21個になるけど、たぶん違う気がする。

ということでどうカウントすれば「21 Questions」なのかよくわからんが、まあとにかく、50セントが女の子に対して"○○でもオレのこと好きでいてくれる?"と延々と問い掛けるこの曲。これまで、9発撃たれても生き残ったとか何とか、ハードコアな側面が強調されてきた50セントだが、実はここ2、3ヶ月で明らかになったその素顔は、やけにフツウの好青年。どんなに売れてもドレとエミネムのお陰だと謙遜し、トゥパックと比較されると"そんなのとんでもない"と辞退する。ちょうど、喧嘩相手のジャ・ルールが何かと自分をトゥパックに擬えているのとは好対照だ。DVDでは、自宅の前の路上に、実のおじいちゃんやおばあちゃんを連れ出して談笑する(もともと片親で、母親は殺されているので、彼は祖父・祖母に育てられた)。9発の銃弾をぶち込まれた事件についても、映画のワンシーンを再現するが如く、アクションつきで語ってみせ、大口を空けてその傷跡まで見せてくれる(顔を貫通したので、一部の歯がない)。なんかめちゃめちゃいい奴じゃんか。
そのタイミングで出てきた、この、フツウのラブソング。これはずるい。売れるに決まっている。案の定HOT100の1位を独走し、アルバムもその間ずっとトップ5内をうろうろ。そうしてる間にリル・キムの曲に客演した「Magic Stick」も売れてきたし、彼自身の「P.I.M.P.」もチャートに入ってきたし、「In Da Club」もまだ上位に残ってるし、と大変なことになっている。

先日の日本公演(前座:エミネム)ではエミネムへの大歓声に比べるとえらく寂しかった50セント人気。なんか、D-12にさえ負けてたような気がする。単に「まだ日本盤が出てなかった」から、一般人は誰も50のことを知らなかったというだけなのかもしれないけど、このエミネムの異常人気を見るにつけ、ちょっとは50にもおこぼれがあるといいなー、と思う。

(しんかい)

リストへ戻る

Bring Me To Life - Evanescence feat. Paul McCoy

Top40 debut  2003/4/5
Peak Pos  #5
Top40 wks  -wks
Imprint  Wind-up
Meantime Rate NA
ロンビアは、一度サントラで成功すると同じパターンを繰り返す。84年の『Footloose』の翌年に、ほぼ同じ手法で『Top Gun』を成功させたのはご存知のとおり。2002年に空前のヒットとなった「スパイダー・マン」だが、早くも翌年には二匹目のドジョウを狙い、同じマーヴル・コミックのヒーローを題材に「デアデビル」が映画化された。映画も映画ならサントラもサントラということで『Spider-man』では、コロンビアがインディ・レーベルのロードランナーと手を組んだことが話題となったが、『Daredevil:The Album』での新たなパートナーはワインドアップ。しかし異なる点は、前者の主役がロードランナーの稼ぎ頭であるニッケルバックとスリップノット(のメンバー)だったのに対し、後者にワインドアップの主力であるクリードの名はなく、代わりにエヴァネッセンスという無名バンドのナンバーが2曲収録されていた。

アーカンソー州リトル・ロック出身のベン・ムーディとエイミー・リー。地元のイベントでエイミーがミート・ローフの「I'd Do Anything For Love」を歌い、ベンと意気投合したというエピソードはもうおなじみ。現在はフル・バンドの5人組となったが、最初は2人のユニットだったためライブもできず、インディ音源がヒットするも誰も観たことのない謎のバンドとして話題になる。そんな彼らに対しワインドアップがオファー、新人としては異例のプロモーションを仕掛けた。年明け早々「デアデビル」の予告編が公開されるとバックに流れたのはサントラの目玉だったフュエルでもニッケルバックでもコーリングでもなく、彼らエヴァネッセンスの「Bring Me To Life」。また映画の中ではこの曲だけでなくもう1曲の収録曲「My Immortal」も効果的に使われ、バンドのイメージが1曲に集中することを避けている。ボックスオフィス初登場1位クラスの映画に全くの新人がリードトラックに選ばれるのは、もしかして「ポケモン」のM2M以来?(←適当だけど)。

ビョークやトーリ・エイモスが好きなエイミーの幻想的なヴォーカルワーク(ちなみにビッグ・ディスマルというバンドにゲスト参加してるので要チェック)、ヘヴィ・メタリックなベンのギター、ストリングスや聖歌隊まで登場する大胆なアレンジ。(少なくともアメリカでは)ありそうでなかった組み合わせが話題を集め、サントラの1か月後にリリースされたデビュー・アルバム『Fallen』は初登場7位。ちなみに「新人」と称されるバンドの初登場順位は、

 ●Linkin Park "[Hybrid Theory]" (16位)
 ●A Perfect Circle "Mer De Noms"(4位)
 ●Puddle Of Mudd "Come Clean"(10位)
 ●The Vines "Highly Evolved"(11位)
 ●Audioslave "Audioslave"(8位)
 ●Zwan "Mary Star Of The Sea"(2位)

このように元○○という肩書きもない、全くの新人としては大健闘といえる。またその後も、あっという間にチャートを落ちていったサントラを尻目に、TOP10に居座るロング・セラーとなった。

そんなゴス/シンフォニック色の強いアルバムの中では異色なのが1stシングル「Bring Me To Life」。12ストーンのポール・マッコイがゲストで参加してラップから絶叫まで器用にこなすモダン・ロック風ナンバーで、映画ではエレクトラとデアデビルの戦闘準備シーンに用いられ、男女ヴォーカルが交錯する構成が映像に合っていた。またビデオクリップも映画を思わせる未来都市を舞台に、夢から抜け出したエイミーがビルの外壁を登り、ポールとバンドに出会うというストーリー。夢から現実に引き戻してほしいという歌詞のとおり、最後はビルから落下したエイミーが再び眠りにつくというオチがついている。

アメリカだけでなくUKチャートも制覇、一躍世界的人気となった彼らは早くも来日が決まり、期待と不安が高まる。果たしてエイミーは写真映りが良いだけなのか、と。

ちなみにさらに深入りしたレビューを読みたい方はこちら

(松本)

リストへ戻る

Sing For The Moment - Eminem

Top40 debut  2003/4/12
Peak Pos  #14
Top40 wks  -wks
Imprint  Web/Aftermath
Meantime Rate NA
の人気沸騰ぶりが朝日新聞でも取り上げられるくらい、日本では今まさに時の人となったエミネム。好評を博した来日公演に加え、映画「8 MILE」が興行収入初登場1位、そしてサントラ『8 MILE』(通常盤)も、昨年10月リリースから半年以上かけ、ついに6/9付のオリコンで(日本の作品も含め)アルバム1位獲得、これにて日本完全制覇という盛上り。CD売上の相場の低い昨今とはいえ、1位は1位だし、さらに同日付で『8 MILE』(Special Edition)が10位、『Eminem Show』(通常盤)、『Eminem Show』(Special Edition)も11位、24位と、この辺の"上位同時ランクイン"ぶりも、洋楽では異例。

それに対しどうも冴えないのが、本国でのここ2作のシングルのチャート・アクション。最高位が「Superman」15位、本作も14位。まあ、同じアルバムから3、4曲もシングルヒットがでること自体珍しい昨今、4曲目のTOP20入りだから健闘している方だが、彼の昨年の爆走ぶりと比べると、低迷と言うしかない。しかも、何でこんな曲がシングルに? と思った「Superman」に対し、本作は、アルバム発売当初から結構話題になり(個人的には、多分セカンド・シングルだと思っていた)、勝負曲とも言える程、キャッチーな曲なのに。

これぞ大ネタ使い、エアロスミスの名バラード「Dream On」を大フィーチャー。メイン・トラックは、原曲のサビのコード進行のバリエーション。原曲のイントロと、サビそのもの(スティーヴン・タイラーの歌付)も、大々的にフィーチャー。詞も、エミネムの"生まれてこのかたツライ事ばかりで夜中に泣きながらもう死にたいと思ってるガキどものために/聴きながら共感してもらえるように俺たちはラップしてるんだよ"(メルマガの阿多さんの記事より抜粋)に対し、原曲は"Sing with me. Sing for the year. Sing for the laughter. Sing for the tear… Maybe tomorrow, the good lord will take you away…" と、何やら共通の世界観。バラードとラップって、基本、相性がいいとは思えないが、この曲に関しては、原曲のヒットをほぼリアルタイムで耳にし、バンドでも演奏したくらい愛着のある僕でも、悪くない感じだと思う。贅沢を言えば、原曲の最後近くの断末魔のような"Dream On…"の連呼の雰囲気(スティーヴンが、もともと高いキーのメロディからさらにオクターブ上げ、血管がぶち切れんばかりに絶叫!)が、何らかの形で再現されると、もっとよかった。例えば、ただでさえ早口のエミネムのラップが、倍速モードになるとか。ありえないか?

※蛇足ながら、原曲は、エアロスミスのデビューアルバムからのシングルで、一度小ヒットし(73年59位)、その後、彼らがサードアルバムでブレークしてから再発され、大ヒットを記録(76年6位)。ランD.M.C.のカバーで知られる「Walk This Way」(77年10位)と並び、彼らの初期の名曲として名高い。

(窪田)

リストへ戻る

Unwell - matchbox twenty

Top40 debut  2003/4/12
Peak Pos  #-
Top40 wks  -wks
Imprint  Atlantic
Meantime Rate NA
ンタナとのコラボの辺りから臭い出した、微妙な歌謡路線を上手く大ヒットに繋げなかった「Disease」では、その「サザン桑田路線」とでも言うべきか、従来のジョン・クーガー辺りの「古き良きアメリカ」を継承した作風からは一歩嫌な方向に入った感じが個人的にはした。実際最新作『More Than You Think You Are』は、ファーストやセカンドとは微妙に違った作風に感じられたし、このまま地味になって、作品発表毎にセールスを落とすフーティー・アンド・ブロウ・フィッシュ方式になるかとまで思った。しかし盲点があった。それがこの曲「Unwell」のカットである。まるで前作からの大ヒット「If You're Gone」のセンスなのである。そうだ、宜しくどうぞ!

そんなことで、この曲はバラードであるが、最新作の方針とも言える、華美な装飾は減らし、シンプルに歌を聴かせるスタイルに徹した作品である。最初に売れたバンドがよく陥りがちな、ルーツ回帰やブルージー指向なんていう新譜の聴きたいリスナーを馬鹿にしたものではない。ロブ・トーマスの作曲(特にメロディー面での)した原曲を生かす為の工夫・知恵が細かい編曲の部分や、各パートの演奏の仕方に現れている気がする。何か良い意味でリスナー迎合しない骨太なサウンドながら、しっかり聴くものに重要なメッセージを残すやり方には正に脱帽だ。恐らくシングル・コイルのギターとディストーションと5度コードだろうが、簡単なリズム・ギターが泣ける。流石にここまでよく出来ていると、バンドの勢いに関係なくビルボードのシングル・チャートのトップ10入りを果たすことが出来るというものだ。今のトップ40で、俺のような80年代に楽しかったチャートの魅力にハマッて、以後「惰性」でというか、もう一度夢を見たくてチャートをそれとなく追っている人にとっては、この曲が唯一の救いになっていると思う。決して新しくはないが、安心して聴ける曲。こういうのがあるから、今迄何度も止めようと思ったチャート・ファン生活を完全には止められない。宜しくどうぞ!

(洋楽STAY UP LATE 奥村裕二)

リストへ戻る

If You're Not The One - Daniel Bedingfield

Top40 debut  2003/4/19
Peak Pos  #15
Top40 wks  -wks
Imprint  Island
Meantime Rate NA
室のベッドルーム発のスタイリッシュなダンスチューン「Gotta Get Through This」を世界中で大ヒットさせてしまったダニエル・ベディングフィールド。たった一人で完成度の高い曲を作り上げてしまった才能は、当初「白いクレイグ・デイヴィッド」「ネクスト・アートフル・ドジャー」などとクラブ界の話題を席巻した。その人気は一瞬にしてポップフィールドにも飛び火し、UKではお約束の「Top Of The Pops」出演が決定。

しかし。現れた本人は色白でやや小太りのつぶらな瞳をした青年。数々の大物が歩いてきた長寿番組のステージを踏める喜びいっぱいでデビュー曲をはつらつとプレイするダニエルは、「何か違う」感を抱かれながらも暖かく迎えられた。そして遂にその予感を確信させるセカンドシングルが登場。今回は何とアイドルも真っ青のお星様きらきら系純愛バラード。大切な人への思いをファルセットで歌い上げるこの曲はせつなさいっぱい。彼の不器用そうなルックスもあいまってこちらの路線のほうがハマってるかも?とUKでも順調にヒット済み。更にUKではギターポップか?とも言わせてしまう爽快ナンバー「I Can't Read You」もヒットさせてしまい芸域の広さを証明済み。名実ともにポップスターとなったダニエルはキメ視線で雑誌のグラビアを飾ってみたり、故郷ニュージーランドに里帰りして「将来子どもが生まれたらここで育てたいから来年はニュージーランドで家を買いたい」などと言ってみたりとこの成功を満喫中。そういえば隣国オーストラリアには、方向性は違うもののやはりキャッチーなダンスナンバー「I Want You」をもって世界に飛び出し、一発屋と思わせながらも実は「Truly Madly Deeply」などの良質なバラードで実力を発揮したサヴェージ・ガーデンなんて先輩もいたような・・・。

(中村)

リストへ戻る

Girlfriend - B2K

Top40 debut  2003/4/19
Peak Pos  #30
Top40 wks  -wks
Imprint  T.U.G.
Meantime Rate NA
・ディディの力を借りて初のNo.1ヒットとなった「Bump, Bump, Bump」に続き、B2Kがシングルとしてリリースしたのは、『Pandemonium! (Special Edition)』に新たに追加されたうちの1曲、「Girlfriend」。

B2K(グループ名はBoys of 2000 [2K]の略)はオマリオン(18歳)、J・ブーグ(17歳)、ラズ・B(17歳)、リル・フィズ(17歳)の4人組。
曲・プロデュースは"Bump, Bump, Bump"と同様にR・ケリーが担当。曲全体を通して流れるフルートの音色が、心の物悲しさを一層高めている。曲の内容はオマリオンの最初の言葉に集約されている。
"I've got everything I want in my life except a girlfriend"
(ほしいものは何でも手に入れたけど、あとはガールフレンドだな)
人気も出てきて、興業収益もそこそこ稼ぐようになったとはいえ、平均年齢が17歳の彼らにとって「ガールフレンドがほしい」と思うのは自然なことだろう。

この曲のビデオクリップはB2Kの歌とダンスが中心の通常のものに加え、6分半のMedium Version、さらに8分半のLong Versionがあり、あとの2つのバージョンではウィル・スミス、ヴィヴィカ・A・フォックス、ロニー・アイズレー、フレックス、ジェニファー・フリーマン、ビッグ・ボーイが参加するストーリータッチに仕上っている。

チャートアクションとしては「Bump, Bump, Bump」のような大ヒットには至らなかったが、豪華な出演陣のビデオの力も手伝ってか、アメリカMTVのTRL(トータル・リクエスト・ライブ)カウントダウンでは見事No.1に輝いている。

これまでB級アーティスト的な扱いをされがちな彼らだが、MTVミュージック・アワードおよびアメリカン・ミュージック・アワードにそれぞれ2回ノミネート、BETの視聴者投票で最優秀賞、さらにソウル・トレイン・アワードではベストR&B/ソウル シングル・アルバム(グループ、バンド、デュオ部門)受賞しており、夏にはマルケス・ヒューストン、マリオ、ニック・キャノンとともにScream IIIという名のコンサートツアーを行うなど大活躍の彼ら。リードボーカル担当のオマリオンも「ここまで来られたのはファンのお陰。このままがんばってサードアルバムも作りたい」と意気揚々。このままB級路線を続けるのか、それとも新たな路線を見つけるのか。これからのB2Kの動きに要注目!

(かん)

リストへ戻る

Put That Woman First - Jaheim

Top40 debut  2003/4/19
Peak Pos  #-
Top40 wks  -wks
Imprint  Divine Mill
Meantime Rate NA
在アメリカツアー中のジャヒ−ム。今回の曲「Put that woman first」はツアーの表題にもなっている。さて一聴するとこの曲、カーティス・メイフィールドの「People Get Ready」にメロディーがそっくりだが、そこはジャヒ−ムの60年代、70年代に対するリスペクト、オマージュだと善意にとらえておきましょう(笑)。前回のシングル「Fabulous」ではゲットーに対する温かい眼差しが感じられ、そこには彼独特の優しさが垣間見れたが、対して今回の曲はちょっといつもと様子が違うようだ。恋人であろう女性の様子が微妙におかしい。やたら彼女が自分の昔の"あら"を持ち出してきて顔を合わせればケンカをはじめ二人の状況は悪くなるばかり。しかし思い当たる原因が無いわけではない。この歌の主人公がそりゃ平日は仕事にかまけて彼女の相手を放棄し、日曜日もオールスターゲームに夢中で彼女を無視。シャツには見覚えのない化粧品の跡なんかあったりして、さらに他の女性のケツを追いまわしているのでは、彼女がリングをはずして"little Games"(この場合は他の男に走る)のも無理はない。歌詞に出てくる"I forgot to be your lover"君の恋人でいようとすることをつい忘れていた"という表現、いや関係を継続するということは努力が必要でそれこそが大変なのよ、といったところだろうか。ジャヒ−ム君が忠告として、夜遅く仕事から帰ってきたら、まず"あの女"を優先させたほうがいいぞ、とのこと。"あの女"って表現から主人公の気持ちが幾分か彼女から離れていると解釈出来なくもないが、まず相手と直に接することからしか相互理解はない、といったところでしょうか。
古今東西を問わずどこでも問題は同じなのね、といったところかなぁ。今回彼のツアーにこの曲が表題に選ばれたのも、ファンと実際に顔を突き合わすライヴの大切さを思ってのことかもしれない。

(田鍋)

リストへ戻る

Clocks - Coldplay

Top40 debut  2003/4/19
Peak Pos  #29
Top40 wks  -wks
Imprint  Capitol
Meantime Rate NA
ールドプレイのここアメリカでのブレイクの仕方はなかなかユニークだ。彼等が最初ロンドンのシーンに登場した時は、そのアコースティックなサウンドと ドリーミーな曲調によるブリットポップの再来的作風から、「次のトラヴィス」等と呼ばれて一部に支持を獲得したものの、どちらかというと先進性を好む UKシーンから登場したバンド、と言うイメージからはややずれていたものだ。ただディランやニール・ヤング、そして時にはジェフ・バックリーや往年のバーズをもふと思わせる独特の作風と個々の楽曲の質の高さがじわじわとUKシーンでの支持を増やしていき、前作の『Parachute』では本国UKでもマーキュリー・ミュージック・プライズ(新進気鋭のアーティストを賞する)にノミネートされたばかりか、アメリカでも静かなブレイクを見せ始め、シングル「Yellow」がABCテレビのCMスポットに使われたり、大御所ロック雑誌の『ローリング・ストーン』誌が全面的な支持の姿勢を見せるなどの相乗効果もあって、全米のロック系およびアダルト・フォーマット系のFM局で「Yellow」がかなりのエアプレイを集めて大学生やヤング・アダルト(しまけん先生ご指摘のトリプルAフォーマット、というやつですな)を中心に一気にメジャーな存在となり、アルバム『Parachute』も昨年プラチナ・アルバム(100万枚売上)を記録するほどのヒットとなった。

前作のアルバムレビューでも書いたが、こいつらの作風は特に斬新とか、スルドクかっこいいとか、パワーがあるとか、そういうおよそロック的な褒め言葉がことごとく当てはまらないのだけど、何だか思わず繰り返しプレイヤーにCDをかけたくなるという不思議な魅力がある。前作の成功を踏まえて昨年夏にリリースされた新作『A Rush Of Blood To The Head』も前作同様ローリングストーン誌の力強い支持を得て(★★★★)いきなりアルバムチャート5位に飛び込んでくるという力強い盛り上がり振りを見せて、発売1か月足らずでゴールド・ディスク(50万枚)という、最近のUKバンドではレディオヘッドくらいしか成し遂げていない偉業を達成。しかしそういうのがハイプでないと言い切れるくらいに、今回も楽曲の粒が揃っている上に、何やら前作よりもやや骨太になった感すらある。この「Clock」も前作からブレイクした「Yellow」なんかと同じ路線なんだけど、「Yellow」がやや大時代的なギターストロークをフィーチャーして気張り気味だったのに対して、この曲はボノをちょっと彷佛させるようなクリスのボーカルが訥々とコールドプレイの世界を醸し出していると言う風情がいいのよね。前評判の盛り上がりに見事に答えた『A Rush Of Blood To The Head』の中でも特に目立った曲、と言うわけでもないのだけど、それはあのアルバムの曲が全体的に質が高いから、この曲が殊更には目立たない、ということなのだろう。

今年5月初旬にダウンロード・ミュージックの世界を一変させるような出来事があった。アップルがiTune Music Storeなるダウンロード・ミュージックのキオスク・サービスを一曲99セントという価格設定でスタートしたのだ。これだけなら従来のインターネット・ダウンロード・サブスクリプションとあんまり変わんないじゃん、という声が出そうだが、このサービスの凄いのは「5大レコードレーベル・メジャーと完全提携」「全曲30秒の試聴可能」「次世代サウンド・デコーディング・フォーマットAAC(ドルビー開発でCDよりも音質がいいそうだ)」といったこれでもか、というベネフィットを音楽メジャーと提携しながら提供していると言う点。残念ながらまだウィンドウズをサポートしてないとか(年内にはサポート開始するとか)、アメリカ国内住所のクレジット・カードしか使えないとか制限はあるが、ここ数年業界とユーザーとアーティスト三つ巴の争いとなっていた本問題へのきわめて有効な解決策を提示したという点で画期的と言っていい。で、何がいいたいかというと、このサービスが開始して1週間の間に約100万曲がダウンロードされたというが、そのベスト10のトップにしばらくこのColdplayの「Clock」が君臨していたのだ。これからの音楽消費の フォーマットにいち早く存在感を見せているコールドプレイ、この夏のマジソン・スクエア・ガーデンでのコンサートも全席完売だというし、久しぶりのUKバンドとしてのスーパースターへの道を突っ走ってるなあ、と感心することしきりなのであった。

(阿多)

リストへ戻る

American Life - Madonna

Top40 debut  2003/4/26
Peak Pos  #37
Top40 wks  -wks
Imprint  Maverick
Meantime Rate NA
ビューして20年以上が過ぎた。常に音楽シーンの先頭集団で話題の中心に居座り続けてきたマドンナ。その力は未だ衰えることがないが、今、その彼女に異変が起こっている。

マドンナといえば音楽界におけるアメリカン・ドリームの象徴のような存在であった。無限の可能性を信じ、わずか35ドルを片手にニューヨークに飛び出して来たというエピソードはあまりにも有名だが、自身の曲「Material Girl」でのパフォーマンスその他、何かと物議を醸し出す派手な立ち居振舞いといい、自らの努力で確固たる地位を築き上げ、ありとあらゆるものを次々に手に入れてゆくさまは際立っていた。その彼女が、そんな生き方に疑問符を投げかけている。これまでの自分自身の生き様を否定するかのように。

"Do I have to change my name? / Will it get me far? / Should I lose some
weight? / Am I gonna be a star?"
この冒頭のフレーズは曲中で執拗に繰り返される。その他、先端を行くこと、トップの座を守ること、役を演じ切ること等々、彼女がこれまで続けてきた行動に疑問の眼差しを向ける。一体それは何のためだったのか、と。

彼女はこれらの生き方を"this type of modern life"と表現している。そして、それは自分には合わず、むしろ代償が大きいと訴える。そして圧巻は彼女がラップを披露するパートだ。自分が手に入れたものを羅列し、見かけ通りのものなど何も無いと切り捨てる。ただ、アメリカン・ドリームを自ら体現しているにすぎないのだと。そこには、モノや名声といった世俗的満足を超越した価値を見出そうとする思いが込められている。

一方で巷の評価は芳しくない。
2000年の『Music』以来、2年半ぶりとなる最新作『American Life』からの先行シングルとしてカットされたこの曲は、4月26日付けのBillboard Hot100で最高位37位を記録したまま、チャートを一気に下降してしまった。アルバムからのファーストシングルがTop10を逃したのはデビュー曲の「Holiday」(84年16位)以来。Top20にも入らなかったのはこの曲が初めてだ。

確かにこれまでの彼女のヒット曲といえば分かりやすくキャッチーなサビメロを中心に構成された曲ばかりで、それらに比べれば地味な印象は拭えない。前作に引き続いてミルウェイズが曲作りに参加しているが、前述のラップを挿入した箇所を除けば特筆するほど変化した点もない。さらには、ブッシュ大統領風の人形に爆弾を投げつけるというビデオクリップ(結局その後お蔵入り)が、戦時中ということもあって不評を買ったというのもあるだろう。

しかしこの曲はその程度の理由で埋もれさせてしまうにはあまりにも重い。もはや彼女は20年かけて築き上げた確固たる地位を清算しようかという勢いだ。これまで何度となく社会に対してメッセージを放ってきた彼女が、今度はそのような自分、そして彼女を取り巻く全ての環境に対してそのあり方を問うている。過去に一度でも彼女に惹かれたことのあるリスナーはもちろん、初めて彼女に触れる人も是非じっくり堪能してもらいたい。これは我々に向けた言葉でもあることはもちろん、今現在の彼女自身を何より如実に表現し切っているからだ。

(小川ボ)

リストへ戻る

Like A Stone - Audioslave

Top40 debut  2003/4/26
Peak Pos  #31
Top40 wks  -wks
Imprint  Interscope
Meantime Rate NA
1997年、サウンドガーデン解散。80年代前半からシアトルのインディ・シーンを牽引し、90年代半ばに新時代のメインストリーム・ロックとして君臨したバンドは静かに眠りについた。その後はヴォーカルのクリス・コーネルがイレヴンのメンバーを迎えてソロ・アルバム『Euphoria Morning』をリリースするくらいで、メンバーはさほど目立った活動を行っていなかった。

2000年、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンからザック・デ・ラ・ロッチャ脱退。ロサンゼルスから発信されつづけた怒りのメッセージは、皮肉にもイデオロギーの対立により肝心なメッセージの発言者を失った。しかも残された3人のメンバーはレイジの名前を使うことも出来ず、バンドの活動は宙に浮いた、かにみえた。

3人がザックの後任者としてクリスと交渉中という話が伝わったのが2001年。ラップ主体のザックからヴォーカリストのクリス。あまりにも唐突なメンバー交代とも思えたが、考えてみれば最強のバンドに最強のヴォーカリストが加入するという、ロック界久々のスーパー・バンドが誕生したことになる。バンドはシヴィリアンズという名でレコーディングを開始するが、リリース前に音源がネット上に流出したために一旦活動を停止。このニュースを聞いたとき「やっぱりダメだったか」とがっかりしたファンも多かったはず。しかし彼らはあきらめなかった。バンド名をオーディオスレイヴに変更してついにアルバム『Audioslave』をリリース。アルバムチャートの初登場順位は8位といまいちだったものの、第一週の売上は20万枚以上となった。

アルバムからの最初のシングルは「Cochise」。ネイティヴ・アメリカンの英雄をテーマにしたダイナミックなハード・ロック(ツェッペリンの「Whole Lotta Love」のパクリだろという指摘は無視。というかツェッペリン自体パクリだろ)だったが、続く2ndシングルは一転してミディアム・スロウの「Like A Stone」。プロデューサーがリック・ルービンということでイントロの音色はレッチリを思わせるが、さすがバンドの力量が桁違い。ひとつひとつのプレイの正確さ・力強さは音数が少ないナンバーでもしっかり伝わってくる。伸びやかなクリスのヴォーカルや、トムのトリッキーなギター・ソロなど聴きどころも多く、ロック局(メインストリーム、モダン・ロックともに1位)だけでなくポップ局でも人気となり、メンバー全員にとっても初のTOP40ヒットとなった(サウンドガーデンはエアプレイでのTOP40あり、詳しくはこちら)。

今年初めには早くも来日、ライブ会場ではイラク空爆への反対書名を行うなど、サウンドに変化があっても彼らの基本姿勢は何も変わってないところを見せてくれた。ただし期待通りのテクニカル・ロックを聴かせてくれたものの、レイジやサウンドガーデンほどのバンド・マジックは残念ながら感じられず。この部分は欧州・北米とツアーを重ねるうちに格段に成長しているようなので再来日が待たれるところ。

(松本)

リストへ戻る

Say Yes - Floetry

Top40 debut  2003/4/26
Peak Pos  #-
Top40 wks  -wks
Imprint  Soljaz
Meantime Rate NA
2001年秋にリリースされたがたいして売れなかったマイケル・ジャクソンのアルバム『Invincible』に収録されていた曲で、第2弾シングルにもなってトップ40ヒットにもなった(今のところ彼の最後のトップ40ヒット)「Butterflies」という曲がある。彼がクインシー・ジョーンズと組んでブレイク作となった1980年の『Off The Wall』の頃をふと思わせるようなドリーミーでマイケルのファルセット気味のボーカルがよく映えるスローミディアムの佳曲だったと思うが、この曲の作
曲者に名を連ねていたのが、この「Say Yes」で初のトップ40ヒットを決めたイギリス出身の黒人女性デュオ、フロートリーの片割れ、マーシャ・アンブローシアスだ。

ピアノとジャズっぽいリズムセクションに絡むつぶやくようなボーカルといい、全体を包むスモーキーな感じのするスロウジャムな雰囲気といい、いかにもここ数年流行りの、フィラデルフィアを中心としたメディア言うところの「オーガニック・ソウル」の典型的な感じがするのだが、この曲を含むアルバム『Floetic』の製作に参加してるフィラデルフィア系のスタッフは、歌でビラルとジル・スコットが参加している以外は5人いるプロデューサーの2人が主にジル・スコットやミュージックと仕事をしている人であるくらいで、御大ジェイムズ・ポイザーが全面サポート!という感じではない。控えめに地味に身内の気のあったメンバーで作りました、という手作りな感じがなかなか好感持てるアルバムになっている。その中でもマーシャともう一人の片割れ、ナタリー・スチュアートとプロデューサーのアンドレ“ダーティ”ハリスのペンによるこの「Say Yes」はかなり地味でジャジーな感じのする、それでいて香り高い曲だが、よくまあこんな地味な曲がポップ・チャートのトップ40まで昇って来たな、とちょっと意外なのも事実。ドリームワークスがプロモーションを地道に重ねた賜物だろう。

共にロンドン子であるマーシャとナタリーが知り合うきっかけはお互いにバスケが好きだったことだったという。マーシャはバスケの奨学金でアトランタにあるスポーツ名門校、ジョージア工科大学を目指していたが怪我で断念したというから、結構本格的だ。そんな2人がお互いのもう一つの共通点がマーシャは音楽、ナタリーはスポークン・ワードによる自己表現であると気が付くのにはさほど時間がかからなかった。音楽の趣味もマーシャがレゲエ、ナタリーがファンクとソウル、と巧い具合に補完しあってるし、方やマーシャが大学でビジネスやファイナンスを勉強しながら発声レッスンなど音楽修行に励む一方、詩人のナタリーは演劇やレコーディング関係の仕事をしながら地で音楽の素養を充実させていくという、好対照なスタイルを持った2人だったこともよかったようで、1997年頃には二人で曲を書き、地元ロンドンでライヴをこなすようになっていたという。2000年にはキャリアステップアップを狙って渡米(この辺りがビジネスを勉強していたマーシャらしい)、フィラデルフィアに拠点を置くや、ア・タッチ・オブ・ジャズ一派の総帥、DJジャジー・ジェフと邂逅、フィリーでのいろんなセッションに駆り出されるように。2002年には晴れてメジャーのドリームワークスと契約、今回のアルバムリリースに至ったというわけ。

根がロンドンということもあってか、いわゆるアメリカ正統派R&B路線を微妙に外しながら、ジャジーな雰囲気を最大限自分らの音の強みとしているあたりがこの2人の存在感のあるところ。それもデビューに至る経歴からしても決して気張ってないところがいい。冒頭に触れた「Butterfly」、今回の自らのデビューアルバムでセルフカバーしているが、これが簡単なドラムマシーンとフェンダーローズだけのスカスカのアレンジ(デモバージョンらしい)ながら見事なグルーヴを生み出している。マイケルのあのひたすらなスムーズなアレンジなんかどこへやら、しっかりと自分らの音世界で表現している。今後の活動に要注目、である。

(阿多)

リストへ戻る

copyright (c) 2003 by meantime, All rights reserved.