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Music Magazine 【 meantime 】 Mail Magazine Edition
[Vol.47] 1998/9/29 2,073部発行
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☆先日お伝えしたU2初のベスト盤に15曲入のB面曲集がボーナスCDとしてつい
た限定版が発売されることになった。これはリリース日の11月2日から最初の
1週間のみの発売となる。以前14曲入とお伝えしたベストの方も15曲収録。
曲目は 「Pride」「New Year's Day」「With Or Without You」「I Still
Haven't Found What I'm Looking For」「Sunday Bloody Sunday」「Bad」
「Where The Streets Have No Name」「I Will Follow」「The Unforgettable
Fire」「Desire」「Angel Of Harlem」「When Love Comes To Town」「Sweetest
Thing」「All I want Is You」。バンドはこれを含めたベスト3枚に対して3000
万ポンドという大金をアイランド・レコードから受け取ることになる。何でもこ
れまでの契約にはベスト盤に対する条項がなく、金を積まなければ別のレコード
会社から出す、とU2側がかなり強硬な態度で交渉に望んだ模様。
なお、B面集には'When Love Comes To Town'のB面だったパティ・スミスのカヴ
ァー「Dancing Barefoot」や'All I want Is You'のB面「Unchained Melody」な
どが収められる。
☆スーパー・ファーリー・アニマルズも以前から予定されていたB面集をリリー
ス。タイトルは「Out Spaced」で11月16日イギリス発売。これにはBBCセッショ
ンやクリエイション移籍前に地元ウェールズのアンクスト・レーベルから発表し
たシングル、そしてライヴでの定版ながら限定版リリースだったため入手困難で
ファンを嘆かせてきた名曲「The Man Don't Give A Fuck」も収録される。
バンドは来年夏のリリースに向けてサード・アルバムの製作中。
☆こちらは来年早々の発売になるサードを完成したジーン。彼等はヒルズボロー
事件の被害者の遺族のためのベネフィット・コンサートを行うことを発表した。
これは89年サッカー場の暴動により96人の犠牲者を出した事故で、警備に不手際
があったとする遺族が証拠であるヴィデオテープの公開や保障を求めて現在でも
警察当局と争っている問題で、マニック・ストリート・プリーチャーズも新作の
中で「SYMM」(South Yorkshire Mass Merderer)というタイトルの曲でこの問
題を取り上げたことでも話題になっている。
ジーンのシンガー、マーティン・ロシターは「サッカー・ファンである僕達にと
って大切なことでもあるし、この運動を持続させるために少しでも役にたちたい
んだ。犠牲者の家族達は今以上の助けが必要なんだよ。」とコメント。このコン
サートでは新作からの曲も披露されるが、そちらについては「僕はこのアルバム
に完璧に満足している。凄く若々しい音なんだ、まるで髭を剃り始めた頃のよう
なね!」プロデューサーはドッジーやブルートーンズを手懸けたヒュー・ジョー
ンズ。先行シングル「As Good As It Gets」は来年1月のリリース予定。
☆ビョークが映画に出演する。これは来年4月に撮影開始予定の「Dancing In
The Dark」というミュージカル・コメディーで、彼女は東ヨーロッパから映画ス
ターを目指してアメリカにやってくる女性を演じるとか。 「この映画の音楽を
凄くやりたかったの。そうしたら監督が出演もしてくれって。」「映画の中で私
はたくさん歌うことになるわ。この映画の女の子は妙に私に似てるのよね。」と
のこと。現在彼女はこの映画のサントラをアイスランドで製作中。
☆レディング・フェスでの演奏が非常に評判が良かった再結成ニュー・オーダー
が年末にあと2回コンサートを行うことを発表。12月29日には地元マンチェスタ
ーのG-MEXスタジアムで、そして大晦日にはロンドンのアレクサンダー・パレス
でショーを行う。また来年にはアメリカ・ツアーも計画している上、なんと新作
のレコーディングにもとりかかるらしい。ピーター・フックは「来年はニューア
ルバムを作るよ。今俺達は凄くうまくいってるんだ。一緒にいてこんなに楽しん
でるのは本当に久しぶりだし、俺も凄く嬉しいんだ。新作を作るのが凄く楽しみ
だよ、なんてセリフ、俺はなかなか言わないんだけどな!」とコメント、一方バ
ーナード・サムナーは「俺達は1日づつ進んでいく、って感じかな。あまり先の
事を考えるとストレスがたまるからね。今のところ計画しているのはギグをやる
ってことだけ。これがうまくいけば一緒に曲作りすることを考えるさ。」と発
言。かなり言葉に温度差はあるものの、久しぶりの新作に向けて動き出したのは
間違いないところ。
ピーター・フックいわく「大事なのは俺達が一緒に仕事をしてるってことだ。
『Republic』の頃は別々に仕事してたからな。」
また待望のボックス・セットも来年1月の発売がほぼ決定。タイトルは
「Recycle」。この皮肉なタイトルは何ともこの人達らしいが、ここにはいくつ
か未発表曲も収録される予定。
一方エレクトロニックも3作目を1月にリリース、タイトルは「Twisted
Tenderness」。またモナコもセカンドを完成させた模様。いつになく精力的な活
動を行っているようでファンにとっては期待がふくらむところだ。
(以上、担当は野坂)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
■ Billboard ポップシングルチャート速報(98/10/3付)
01 (02) The First Night / Monica (1)
02 (01) I Don't Want To Miss A Thing / Aerosmith
03 (初) One Week / Barenaked Ladies
04 (03) Crush / Jennifer Paige
05 (07) I'll Be / Edwin McCain
06 (04) My Way / Usher
07 (06) Time After Time / Inoj
08 (05) The Boy Is Mine / Brandy & Monica
09 (08) Daydreamin' / Tatyana Ali
10 (11) When The Lights Go Out / Five
11 (09) Too Close / Next
12 (13) This Kiss / Faith Hill
13 (10) You're Still The One / Shania Twain
14 (17) I Still Love You / Next
15 (16) Thinkin' Bout It / Gerald Levert
16 (15) Never Ever / All Saints
17 (14) I Can Do That / Montell Jordan
18 (12) Lookin' At Me / Mase (feat. Puff Daddy)
19 (18) Adia / Sarah McLachlan
20 (22) Lately / Divine
1位が遂に入れ替わり。宿敵(?)ブランディとの「The Boy Is Mine」が
歴史的な大ヒットとなったモニカの「The First Night」がエアロスミスを蹴
落としてナンバー1を獲得。これはソロとしては彼女にとって初めてのことで
す。おめでとう、モニカちゃん。
今週のヒットチャート最大のトピックはカナダのロックバンド、ベアネイキ
ッド・レディーズが3位に初登場したことでしょう。彼らのバンド結成は88年
というからもう10年選手。地元バンクーバーでは91年にインディ・レーベルか
ら発表したシングル「Be My Yoko Ono」が評判となり人気バンドの仲間入りを
果たしてメジャー契約を獲得、ファーストアルバムはカナダで8週間1位とな
る大ヒットを記録したそうです。
そんな彼らがアメリカで知名度を得るようになったのは97年にドラマ「ビバ
リーヒルズ青春白書」にゲスト出演してから。飛躍的に観客動員数が増したア
メリカツアーを記録したライブアルバム「Rock Spectacle」は“ブライアン・
ウィルソンみたいにベッドの中で寝てる”という歌詞がビーチボーイズファン
の胸を揺さぶるシングル「Brian Wilson」とともにロングセラーを記録、続い
て今年になって発表したアルバム「Stunt」はアルバムチャートで初登場3位を
記録するヒットとなって遂にブレイクを果たしました。この「One Week」は現
在ラジオのエアプレイチャートでナンバー1を窺う勢いで上昇中、その歌詞も
“フライパンを使った料理なんか作ったことないからワサビのたっぷりきいた
スシが食べたい”とか“いつかクラサワ(クロサワ?)みたいな凄げぇサムラ
イ映画を作ってみたい”とか“今アニメが流行ってるからセーラームーンを見
とかなきゃ”などと変に日本人の琴線をくすぐるハチャメチャな内容がユニー
クなモダンロックです。アルバムの内容も彼らの本領である滅茶苦茶ポップな
メインストリームロック満載で80年代ロックファンの方には超お薦め。
先週7位に初登場したエドウィン・マッケインの「I'll Be」も順調に上昇し
て今週は5位。今週1位から陥落したエアロスミスの「I Don't Want To Miss
A Thing」は'91年のミスター・ビッグ「To Be With You」以来7年ぶりのロッ
クバンドによるナンバー1ヒット(!)だったそうですが、TOP5にロック
バンドが3組もいるチャートというのもかなり久しぶりな気がします。最近急
にヒットチャートがロック色の強いものになってきましたね。
ベアネイキッド・レディーズの他に、今週TOP20内の新顔は20位のディ
ヴァイン「Lately」のみ。以前お約束した通り彼女たちのプロフィールを御紹
介しましょう。幼い頃からスターになることを夢見て鏡の前で歌っていたとい
うトニア、スタジオシンガーとして働いていたニッキ、教会で歌っていたキア
の3人はいずれもニューヨーク出身の17〜18歳の女の子。あるマネージメント
会社の企画によるディヴァイン結成のためのオーディションに合格した彼女た
ちは、ディガブル・プラネッツなどを手がけたプロデューサー、ルーベン・ロ
ドリゲスの下でデビューアルバム「Fairly Tales」を録音、今回のデビューと
なりました。この曲「Lately」は幼い頃の友人を懐かしむ内容の曲で、感じの
いいバラードに仕上がっています。
続いてTOP20圏外の上昇曲の御紹介。今週いきなり21位に初登場してき
たのはTQの「Westside」。このアーティストは詳細不明ですが、どうもロサ
ンゼルス出身のコワモテR&Bシンガーの模様。来週以降追加情報が判り次第
お知らせします。もう一曲、26位には昨年「透明人間(Invisible Man)」を
ヒットさせたモータウンの白人ボーカルグループ、98ディグリーズの「Be-
cause Of You」がチャートイン。彼らは先週末から公開されたディズニーのア
ニメ映画「ムーラン」の主題歌「True To Your Heart(スティーヴィー・ワン
ダーと共演)」が日本でプロモーションされていますが、アメリカではこの曲
をB面として「Because Of You」の方がヒット。現在バックストリート・ボー
イズらと共にティーン雑誌のピンナップに登場しまくりの彼ら、今回はいまど
きのアイドルお得意のミディアム系ナンバーで勝負しています。
あともう一曲。カポーン&ノリエガの片割れとしてハードコアなラップファ
ンを獲得しているラッパー、ノリエガのソロシングル(相方は現在獄中だそう
です)「SuperThug」が今週47位→40位と上昇してTOP40入り。グループ活
動も通してこれが彼にとって初のTOP40ヒットです。
(以上、担当は八亀 yakame@meantime-jp.com)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
■ Billboard ポップアルバムチャート速報(98/9/26付)
1 ( -) Mechanical Animals / Marylin Manson 223,000 NEW
2 ( 1) The Miseducation Of Lauryn Hill / Lauryn Hill 194,000 ↓
3 ( 4) Hello Nasty / Beastie Boys ▲2 111,000 ↑
4 ( -) Musical Chairs / Hootie & The Blowfish 110,000 NEW
5 ( 3) 'N Sync ▲ 108,000 ↓
6 ( 6) Stunt / Barenaked Ladies ▲ 92,000 ↓
7 ( -) Rush Hour / Soundtrack 89,000 NEW
8 ( 8) Backstreet Boys ▲6 84,000 ↓
9 (11) The Dirty Boogie / The Brian Setzer Orchestra 80,000 ↑
10 ( 9) Celebrity Skin / Hole 79,000 ↓
今週1位初登場は予想通りのマリリン・マンソン。今の音楽シーンで、これほど
一般人に忌み嫌われている人もなかなかいないので、逆にそこがロック・ファン
を惹きつけるんでしょうね。
これはマリリン・マンソン(という人物を中心とする、バンドの名前でもある)
の3作目のアルバム。かつてのアリス・クーパーやキッスと存在感が似ていて、
ケバケバの悪魔的メイクに、激しくうるさいサウンド、そして意外とキャッチー
な楽曲群なんていうあたり、時代は変わっても押さえてるポイントは同じですな。
しかし前作のタイトルをずばり「Antichrist Superstar」なんてつけてしまう、
ちょっと「やりすぎ」のところもあり、全米各地でクリスチャン団体が「俺達の
町ではマリリン・マンソンにライヴなんかやらせねえぞ」と抗議運動、ボイコッ
ト運動を呼び起こしました。バンド側は裁判を繰り返しながら(かなりの割合で
勝訴してるらしい)全米ツアーを続けるという強攻策を続けてきましたが、やっ
ぱり宗教を敵に回してしまうとその苦労は半端じゃないっすね。
まあ、今の世の中、ここまでやってしまわないと「過激」とは思ってもらえない
んでしょうな。20年早く生まれてれば、ステージで血糊を吐いたり火を吹いたり
する大道芸で済んだものを、宗教を敵に回しちゃうと命がけでしょう。我々には
見えない裏の部分で物凄く苦労してそうなバンドです。
続いて、マリリン・マンソンと1位を張り合うかと思ったのですが、結局4位と
今ひとつ奮わなかったフーティ&ザ・ブロウフィッシュ。94年のメジャーデビュー
作「Cracked Rear View」がシングルヒットを量産しながらアルバムチャートの
1位となり、結局1500万枚以上も売ってしまうメガ・ヒットとなりました。
しかし、やってる音楽はごくオーソドックスなアメリカン・ロックで、バンド自
体もスター性に乏しい普通のお兄ちゃんたち、ということで「なぜこいつらがこ
んなに馬鹿売れするんだ!」と、本人たちは別に悪くないのに変に難癖をつけら
れて、風当たりが強かったのも事実。セカンド「Fairweather Johnson」も1位
にはなったもののトータル売り上げでは前作に遠く及ばず、これをもって「もう
フーティも落ち目」という世間一般の見解に落ち着いたようです。
というわけで今作も、「今ひとつ奮わなかった」と私は書きましたが、アメリカ
のメディアでは「予想外に強かった」などと表現しているところもあります。
あまりにも売れすぎてしまったので変な敵対心を生み出してしまった不幸なバン
ドだけに、そんな逆風に負けずに細く長く活動を続けて欲しいものです。
7位に登場の「Rush Hour」サントラは、Def Jamレーベルからの発売、と言えば
お分かりのように、よくあるヒップホップ系のオムニバス。ドゥルー・ヒルの曲
が先行シングルで、他にウータン・クラン、ジェイZ、トゥー・ショート、ファッ
ト・ジョー&ビッグ・パニシャーなんかが参加。映画本体は、ジャッキー・チェ
ン主演のアクション物のようです。黒人はカンフーとか大好きだからねえ。
先週9位初登場のホールは、10位へとワンランクダウンで粘りました。1位のマ
リリン・マンソンと同じプロデューサーであることから、マリ・マンと購買層が
重なって助けられたのかもしれません。が、笑っちゃうのは先週2位に初登場の
カニバス。今年の新人ラッパーとしてはDMXに次ぐ好成績でしたが、今週一気に
20ランクダウンの22位。上位からこれだけ大幅に落ちた例は、ちょっと最近では
記憶にないですねえ。去年の7月まで溯ると、4位初登場→翌週30位にダウンと
いうモトリー・クルーの例がありますが。
そして今週の注目は、ブライアン・セッツァー・オーケストラ、ついにトップ10
入り!初登場以来じわじわと順位を上げてとうとうここまで来ました。
ブライアン・セッツァーにとっては、ストレイ・キャッツ時代の「Built For
Speed」が82年に2位になって以来、実に15年ぶりのトップ10ヒットとなります。
流行に媚びずに、ひたすらやりたいことをやり続けてきての再評価だけに、これ
は本人も嬉しいでしょう。
トップ10以下を見ると、あらま、今週も出てました、マスターP関係。15位初登場
のマジックってのがそう。これで3週連続でNo Limit物が10位台に初登場。
しかし、もういい加減飽きられてきているのに加え、いくら何でも毎週リリース
は供給過多なので(ちょっと前までは隔週リリースだったのに)、このところ大
きなヒットにはなりませんね。やっぱり数ヶ月前に私が断じた通り、「スヌープ
をピークに、あとは落ち目」になるんじゃないかな。やっと日本配給も決まった
ようですが、これほどタイミングを逸してしまうと売り方が難しいでしょう。
45位にベテラン・シンガー/女優のベット・ミドラー、58位にNBAのスター・プレ
イヤー兼ラッパーのシャキール・オニールが初登場してますが、どちらも今ひと
つ、伸び悩みましたね。
さて来週ですが、トップ10に2、3枚は飛び込んで来そうな感じ。
中でも頭一つ抜けているのがグー・グー・ドールズ。前作でやっとブレイクした
感がありますが、この夏エアプレイチャートのトップを独走した「Iris」効果も
あるので、これは1位を狙えるでしょう。他にもキース・スウェット、オリジナ
ル・メンバー再集結のキッス、初ヒットを狙うラス・カス、前作が馬鹿売れした
だけに不気味な存在のカーク・フランクリン、デビューアルバムがR&Bファン
の間で大絶賛されたソロ、バスタ・ライムスを中心とするプロジェクト、フリッ
プモード・スクワッドなどなど強力な新作が目白押し。
既に日本盤、英盤は出ているシェリル・クロウ、久々の登場となるサイプレス・
ヒル、ア・トライブ・コールド・クエストあたりはどうもリリース日がはっきり
しないので出てくる可能性もありますが、おそらく翌週以降になるでしょう。
いずれにせよ久々に賑やかなチャートになりそうです。
(以上、担当は真貝 kaz@meantime-jp.com)
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■今週のUKチャート
1 (-) I WANT YOU BACK / MELANIE B featuring
MISSY "MISDEMEANOR" ELLIOTT
2 (1) MILLENIUM / ROBBIE WILLIAMS
3 (2) SEX ON THE BEACH / T-SPOON
4 (5) CRUSH / JENNIFER PAIGE
5 (3) NO MATTER WHAT / BOYZONE
6 (4) FINALLY FOUND / HONEYZ
7 (6) ONE FOR SORROW / STEPS
8(14) I DON'T WANT TO MISS A THING / AEROSMITH
9 (-) SOMEONE LOVES YOU HONEY / LUTRICIA McNEAL
10(10) TO THE MOON AND BACK / SAVAGE GARDEN
今週ナンバー1に飛び込んできたのは、つい先日結婚式を挙げたばかりのスパイ
ス・ガールズのメルB、初のソロ・シングルでした。これはアメリカ・ツアー中
にミッシー・エリオットから声をかけられて録音に参加したもので、本来この曲
の主役はどちらかといえばミッシーの方だと思われるのですが、そこはやはりス
パイス・ガールズ人気をあてこんで、ということなのでしょう、メルBの曲とし
てここイギリスではリリースされ、当然のごとく1位に初登場。無敵と思われた
ロビー・ウィリアムスもあっさり首位の座を明け渡してしまいました。
音作りをしているのはミッシーですから、いつものスパイス・ガールズと違って
かなりR&B、ヒップホップ色の強い曲になっているようですが、それでもこうし
てしっかり1位になるあたり、その人気にはいささかの衰えも見られないのは凄
いところ。グループとしても既にクリスマス用のシングルを録音した、なんて話
も伝わってきてますし、まだまだこの無敵状態は続きそうです。
そして8位にはトップ10圏外からエアロスミスがランクアップ。この前「ヒッ
トが多いのにトップ10ヒットがないアーティスト」部門で2位になった、とお伝
えしたばかりですが、これでこの不名誉な記録ともおさらばですね。エアロスミ
スが初めてイギリスでヒットを出したのは1987年の「Dude(Looks Like A Lady
)」ですから初のトップ10ヒットまで11年かかった計算。これは初ヒットか
ら1991年に「Should I Stay Or Should I Go」がナンバー1になるまで14年か
かったクラッシュに次ぐ史上2位の記録になります。
9位には「Ain't That Just The Way」、「Stranded」に続きデビューから3曲
連続トップ10ヒットとなるルトリシア・マクニールの新曲が登場。アメリカで
は今一つ大きなヒットになりませんでしたがここイギリスでは順調にヒットを続
けています。こういうポップで少し軽めのR&Bサウンドというのはイギリスや日
本のFMなんかでは受けがいいんでしょうが、アメリカの細分化されたマーケット
では中途半端な存在になってしまうのかもしれません。「Stranded」なんて凄く
わかりやすくていいポップソングだと思うんですけどね。
さて11位以下を見ておきましょう。
19位には新作「Fin De Siecle」からのファースト・シングルとなるデヴァイ
ン・コメディの新曲「Generation Sex」が登場。「世紀末」と題されたアルバム
の冒頭に収められたこの曲は昨年のダイアナ妃の事故をきっかけに書かれた曲
で、セックスにとりつかれたマスコミとそれに踊らされる大衆が皮肉をこめて描
かれています。アルバムもかなり力の入った内容になっています。
23位はセカンド・アルバム「Electro-Shock Blues」がリリースされたばかりの
イールズの新曲、「Last Stop:This Town」。デビュー作からは「Novocaine For
The Soul」、「Suzan's House」という2曲のトップ10ヒットを出した彼等です
が、今回はこの位置に止まりました。実の姉を始め周囲の人間が次々と亡くなっ
ていく中製作されたというこのアルバム、以前にも増して暗い作風なので仕方な
いのかもしれません。ですがアルバムは地味ながら凄くきれいなメロディーを聴
かせてくれていてお薦めです。
25位には久しぶりの新作「Is This Desire?」を発表するPJハーヴェイの「A
Perfect Day Elise」がエントリー。これが彼女にとって最大のヒットになりま
した。
26位は新作「Neo Wave」が日本先行発売中のシルヴァー・サンの「I'll See You
Around」。前回は「Too Much Too Little Too Late」のカヴァーという意表をつ
いた曲で攻めてきましたが、今回はいつものパワーポップに戻ってスカッと聴か
せてくれます。
32位にはドッジーの新曲「Every Single Day」が登場、ベスト盤からのシングル
となるこの曲はヴォーカルのナイジェルの脱退によりこれがオリジナル3人とし
て最後のヒットになります。音楽誌上で舌戦を繰り広げている彼等ですが、好き
なバンドだっただけにこういう終わり方は実に残念。ぜひ今後の活動でも頑張っ
てもらいたいと思いますが。
そして35位にはなぜか今ごろになってベストが発表されるOMDの「THE OMD
REMIXES」というシングルが登場。以前にもベストが編まれている彼等、それと
の差別化を図るために収録されたのでしょうか。リミキサーにはモービー、アポ
ロ440が参加、そしてリード・トラックとなる「Enola Gay」はSASH!が手懸け
ていますが大きなヒットにはなりませんでした。ちなみにこれが彼等にとって最
初のヒットから18年目にして18曲目のトップ40ヒットになります。
そして今週リアン・ライムスの「How Do I Live」は遂に30週目に到達。30週を
超えたのはフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「Relax」(37週)以来14
年振り。しかもこの曲、最高位は7位止りですからかなり異例のロングセラーと
いうことになります。今週32位にダウンしたこの曲、果たしてさらに記録を伸ば
せるんでしょうか。
さて来週ですが、また1位が交替しそうな強力な2組のシングルがリリースされ
るため、大激戦のチャートになりそうです。1曲は2年振りの新作「Quench」か
らの先行シングルとなるビューティフル・サウスの「Perfect 10」。かなり前評
判が高く、エアプレイも既に好調のというこの曲、90年の「A Little Time」以
来の1位も狙えるのではないか、と予想されています。
そしてもう1曲はデビュー曲「C'est La Vie」をナンバー1にしたB*witchedの
セカンド・シングル「Rollercoaster」。こちらも売れ行き好調と伝えられてお
り、侮れません。
それから新作「Nu-Clear Sounds」からの先行シングルとなるアッシュの「Jesus
Says」がどのくらいの位置で飛び込んでくるかも注目したいところです。
それではまた来週。
(以上、担当は野坂)
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┃ 全米ヒットチャート***FLASHBACK!! ┃
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この間の週末の雨で一気に秋が身近になった感のある今日この頃、熱いロックや
ヒップホップ、心温まるバラードが恋しくなる季節が近づいてきました。今週は
先週から一気に20年今に近づいて、10年前の1988年に FLASHBACK!!
1988年10月1日付シングルチャートトップ10
順位 前週 週数
1 ( 1) (10) Don't Worry, Be Happy●(ドン・ウォリー・ビー・ハッピー)
- Bobby McFerrin
* 2 ( 5) ( 8) Love Bites (ラブ・バイツ)- Def Leppard
3 ( 3) (17) I'll Always Love You●(オールウェイズ・ラブ・ユー)
- Taylor Dayne
* 4 ( 7) (11) One Good Woman(ワン・グッド・ウーマン)- Peter Cetera
* 5 (13) (23) Red Red Wine●(レッド・レッド・ワイン)- UB40
* 6 (10) (10) Don't Be Cruel(冷たくしないで)- Cheap Trick
7 ( 2) (15) Sweet Child O' Mine●(スウィート・チャイルド・オブ・マイン)
- Guns N' Roses
* 8 (12) (15) I Hate Myself For Loving You - Joan Jett And The Blackhearts
9 ( 4) (14) Simply Irresistible(この愛にすべてを)- Robert Palmer
*10 (17) (12) What's On Your Mind (Pure Energy)●(ピュア・エナジー)
- Information Society
この年は8月第1週に80年代プレ企画ということで、私の代わりに窪田さんにお
願いしましたが、その時の顔ぶれからはガラッと入れ替わってます。この頃は結
構いろんなアーティストのいろんな曲が次々に登場していた結構刺激的な時代で
もあったということでしょうかね。
1位はトム・クルーズ主演の映画「カクテル」の挿入歌で、ジャズ・ボーカリ
ストのボビー・マクファーリン唯一のHot 100ヒット。もともと「ヒューマン・
インストゥルメント」と言われた楽器を模したスキャットで有名で、80年代の人
気TVシットコム「ザ・コスビー・ショウ」(一時期NHKでも放映)のテーマソン
グも手がけてました。アルバム「Simple Pleasure」収録のこの曲のカリブ風の
アレンジが映画の製作スタッフの耳に止まったのが使用のきっかけ。なお、この
年の大統領選で、ジョージ・ブッシュがこの曲をキャンペーンソングに使ったの
ですが、当のボビーは対立候補のマイケル・デュカキスのサポーターだったので
弁護士を通じてクレームをつけたという逸話もあります。この週まで2週ナンバー
ワン、年間は37位でした。2位にぐいっと上昇してたのはデフ・レパードの大ヒッ
トアルバム「ヒステリア」からの5曲目のシングルカットでこの翌週見事ナンバー
ワンに輝いた彼ら最大のヒット。1984年にドラマーのリック・アレンが自動車事
故で左手を失うという大ピンチを克服して達成した成功だけにメンバーとファン
にとっては喜びもひとしおだったことでしょう。年間は30位。3位はこの週最高位
を付けていた、テイラー・デインの3曲目のトップ10ヒット。最初の2曲のヒット
と雰囲気を変えて、スケールの大きいパワー・バラードをカットしたのが成功、
この時点での彼女の最大のヒットとなりました。年間は20位にランク。
4位に好調にアップしていたのは、シカゴを離れたピーター・セテラの3枚目の
ソロアルバム「One More Story」からのファースト・シングル。ナンバーワンの
2曲と趣向を変えて、若干アップテンポの曲で、マドンナの「トゥルー・ブルー」
「ライク・ア・プレアー」などのアルバムを手がけたパット・レナードが曲・プ
ロデュースに参加、キャッチーな出来でした。最高位はこの週の4位で年間は69位。
続いて5位にどーんとトップ10入りしていたのは、UB40の「レッド・レッド・ワイ
ン」。この曲、1983年にリリースされたジャマイカン・レゲエのカバー集「Labour
Of Love」からシングルカットされ、一旦34位まで上がるヒットになったんです
が、4年後にアリゾナのFM局でのエアプレイをきっかけに人気再燃、とうとうこの
2週間後に1位になってしまったという『マカレナ』みたいなヒットパターンを見
せた曲です。なお、この曲のオリジナルはニール・ダイアモンドの1968年のヒッ
ト曲ですが、彼らが手本としたのは、ジャマイカのトニー・トライブというシン
ガーのバージョンとのこと。また、最も1位になるまでにチャート週数を費やした
(25週)曲の記録を持っていましたが、この間『マカレナ』(33週)に抜かれて
しまいました。年間は39位。6位にジャンプアップしていたのは、チープ・トリッ
クによるプレスリーのナンバーワンヒットのカバー。ナンバーワンの『The Flame』
に続いてアルバム「Lap Of Luxury」からカットされた曲で最高位は4位。この頃
が彼らの2回目(最後?)のキャリア・ピークでしたね。年間は70位でした。
7位にダウンはボビー・マクファーリンの前に2週1位に輝いていた、ガンズのデ
ビュー・シングル。当時ボーカルのアクセル・ローズのガールフレンドだった、
エリン・エヴァリー(あのエヴァリー・ブラザーズの片割れ、ドンの娘)のこと
を歌ったというこの曲、見事デビューでナンバーワンを飾ったわけですが、残念
ながら二人は結婚後1ヶ月で離婚してしまうというオチが付いてしまいました。
年間は堂々5位。8位にトップ10入りしていたのは、80年代女性ハードロッカーの
代表選手、ジョーン・ジェットの最後のトップ10ヒット。デズモンド・チャイル
ドのプロデュースによるアルバム「Up Your Alley」からのシングルで、彼女独特
のスロウ・ライド・タイプのポップなハードロックナンバーでした。最高位はこ
の週の8位で年間は85位でした。9位は4位からダウン、ロバート・パーマーのアル
バム「Heavy Nova」からの大ヒット、『この愛にすべてを』。パワー・ステイショ
ンでの音作りを引きずってか、ドタスカしたヘヴィーなナンバーでした。最高位
2位で年間23位。最後に17位から大きくトップ10入りしていたのは、ミネアポリス
出身の4人組、インフォメーション・ソサエティのデビューヒット。ニューヨーク・
テクノ・ダンスとでもいうべき、クラブ向けのトラックでした。最高3位まで上が
り、年間も52位と健闘。
この頃からまたミリオン・セラー・マークが増えてきましたが、アメリカ経済
が上向きになっていた時期だけに、それを反映してのことでしょう。また傾向と
してはこの頃からカセット・シングル・オンリーの曲がロック系を中心に増えて
きてコレクターを悩ませた時期でもありました。今は殆どCDシングルですがね。
ではまた来週。
(担当:阿多)
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