Winger
Biography

 80年代アリス・クーパー・バンドで、2枚のアルバムとツアーでべーシストとして参加したキップ・ウインガー(Vo、B)を中心に、同じくアリス・クーパー・バンド出身のポール・テイラー(B)等が中心となり、1986年ニュー・ヨークで結成された4人組のハード・ロック・バンドである。この時期はLAメタル勢を中心とした似たようなグループが多数あったが、彼らはヴァン・へイレンあたりを彷彿させる画期的且つ斬新なポップ・センスで、同時期のそれらとの差別化に図ろうとした。それは1988年にアトランティックから、ボー・ヒルのプロデュースでリリースされる彼らのファーストアルバム「Winger」でいきなりその手法が成功する。それにより、当時既に第一線で活躍していたポイズンやラット、そしてボン・ジョヴィといったメインストリームからも評価の高いバンド達と同様の評価を得ることになる。(奥村)


Hit List

'89 #26 Seventeen
 「俺は未だ17才/でも俺はお前が見たことの無いような愛を見せてやれるぜ/彼女は未だ17才/親父は彼女のこと若すぎると言う/だけど俺にとって彼女は充分大人さ(奥村訳)」という内容の歌詞がサビの、ウインガー氏自らティーンエイジャーに成りすまし歌い上げるメロディアス・ハード・ロック・チューン。この曲が事実上のデビュー曲であり、ファーストアルバム「Winger」からリリース半年を経てのファーストカットとなった。今聴き返すと、確かに当時の「時代の音」感が否めない部分も大いにあるが、70年代頃から一般的になるハードロックソングの構成のされ方(単純なギターリフの組み合わせと、ハイトーンヴォーカルと、テクニカルなギターソロというスタイル)を上手く受け継いだ良く出来た曲と言えそうだ。しかもこういったハード系の曲をメインストリームのフィールドでヒットさせた彼らの仕事は偉業の域に達していると思う。

'89 #19 Headed For A Heartbreak
 デビュー曲「Seventeen」の商業的成功を受けるカタチでのシングルカット第2弾。全体的にドッシリしたムードの重い曲調ながらややAOR的な味付けと、産業ロックにも近い清潔感をもたしたスケール感が魅力のミディアム・ナンバーだ。聴く人の感じ方によっては売れ線狙いの一過性の曲と思うかもしれないが、今聴くと「なんで当時1位2位を競うほどのヒットじゃなかったんだろう」と俺は不思議に思うくらい格好良い。特に後半の曲の展開は、プログレっぽい知的かつ複雑なムードを醸し出すなど非常に創り込まれていて「一体どうなっちゃうんだよ、この曲」と思うほどの適度な緊張感が走る。とは言っても、イエスやジェネシスのファンだけが楽しめる曲と言ってるわけではなく、カッティング・クルーやらグラス・タイガーやらが好きなポップスのファンにもキチンと理解されるであろう優秀な曲。これは必聴だ!



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