表向きのラインナップと実際のプレイヤーがいつも食い違う白蛇だが、ようやく正式メンバーとなったエイドリアン・ヴァンデンバーグは怪我でレコーディングには参加できず、助っ人としてスティーヴ・ヴァイが全編ギターを弾いたアルバム「Slip Of The Tongue」がこの年発表された。しかし古典的ブルーズ・ロックを追求する白蛇と、元々ロック云々という枠組みすら持っていないヴァイのトリッキーなプレイがかみ合うわけもなく、評価とともにセールスも伸び悩む。やがてバンドは一旦解散、デヴィッド・カヴァーデイルはジミー・ペイジと一時的に合体して世間を驚かせ、エイドリアンを始めとする残りのメンバーはマニック・エデンを結成、ヴァイは再び一匹狼へと戻っていった。皆が待ち望んだカヴァーデイル/ヴァンデンバーグのコラボレーションは、再始動となる97年のアルバム「Restless Heart」でようやく実現するのであるが、喜びもつかの間、白蛇はまたも眠りについてしまったようである。(松本)
Hit List
'89 #37 Fool For Your Loving
80年発表の名盤「Ready An' Willing」収録曲のリメイク。オリジナルではミッキー・ムーディの渋いスライド・ギターのプレイが光るが、今回のリメイクではスティーヴ・ヴァイの曲芸まがいのプレイと、それに張り合うようなデヴィッドのシャウトするヴォーカルによって全く違う曲に生まれ変わった。エイドリアンのプレイが聴けないのなら、せめて彼が関わった曲をシングルにして欲しかったし、何故いつも過去の曲ばかりシングルカットするのかは疑問であるが、この名曲をアメリカ人(またはアメリカのチャートしか知らない日本人)に聴いてもらう良い機会となったのかもしれない。とはいえオリジナルの方が圧倒的に評判が良いので是非聴き比べて欲しいところ。
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