Vixen
Biography

 


Hit List

'89 #26 Cryin'
 プロデュースにリチャード・マークスを迎えて制作された88年作品のデビュー作「Vixen」からの2枚目のシングルカットとなる曲で、今後更新されなければ彼女らのキャリアで最大のヒット作ということになる。時代柄HM/HR系でヒットを狙うにはバラードしかないという状況の中、この曲も例外無くバラードである。当然「Cryin'」なので暗いんだ(笑うところだよ!)。さて、今聴くとこの曲は非常にハートあたりの力強い女性ロッカー的センスを感じるなかなかの佳作。90年代に入ってオルタナに汚染(と、ここまで言ってしまおう!)されるまでは、こんな奇麗で格好良い曲がチャートを賑わしていたのかと思うと俺は号泣を免れない。ハイトーンの歌と、テク披露に終始しない5度コード中心のリズムギターに加え、メロディ重視のソロ。そして完全に下地に徹した無駄なおかずの無いベースと、要所ごとに強いアタックを付ける格好良いドラムス。更には外部の起用ミュージシャンによる、曲の清潔感を高める好音色を使ったキーボード。一瞬控えめな演奏かと思ってしまうが、思いのほか中身が充実している。時が経ち改めて聴くからかもしれないが、「この曲凄い良い曲じゃねーか、おい。」と俺は思った。取敢えず中古屋行けば「廉価コーナー」に並んでる可能性が高いので、「一寸聴いてみようかなー」くらい思ってくれた方がいたら、買ってみるといいだろう。アルバムも良いし。

 その後彼女らは、90年にセカンド・アルバムの「Rev It Up(52位)」を発表。そこからは、「Love Is A Killer(71位)」「How Much Love(44位)」等のスマッシュヒットをチャートに送り順調なバンド活動を印象付けたが、メンバーのシェア・ペダーセン(B)が91年にL.A ガンズのトレイシー・ガンズ(G)、マイケル・シェンカー(G)等と「Contraband」という名のプロジェクトを開始したこともあり、バンドとしての活動は停止状態に陥る。そして結局シェアのプロジェクトの方はセルフタイトルのアルバム1枚を発表した(187位)のみであった。その後彼女らに関する情報の一切が絶たれて、すっかり「過去の人々」感が強まった98年、メンバーチェンジはあったが、ようやく3枚目のアルバム「Tangerine」を発表。しかしもう、時代は彼女らのものではないらしく、商業的な意味からは失敗に終わってしまった。一応それまでの活動を総括する内容の「Best Of Vixen-Full Thottle」がその後の99年に発表されるも、俺ですらこの原稿を書く為に調べてて知ったというほどだから、恐らくリリースされたことすら知らされないくらい「小者」と化してしまったっぽい。ただ、調べた限り解散はしていないので、今後も注意深くチェック活動に精を出したい。(奥村)



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