80年代にブラック界のサウンドを席巻したヤマハのドラム・マシーンの名器TR-808(通称ヤオヤ)のサウンドをこれほど印象的かつ効果的に自らのスタイルとしてしまったアーティストも少ない(ジャム&ルイスは別格だ)。ニュージャージー出身の3人組R&Bグループ、サーフェスは1983年のデビュー以来、R&Bの世界を中心にTR-808のいかにもシンセっぽい音色を美しいメロディに乗せた大ヒットを次々に放った。1989年はその彼らが初のプラチナアルバムであるセカンドの『2nd Wave』でポップフィールドでも大ブレイクした年。といってもやってることが変わったわけでなく、TR-808を中心としたかなり音数の少ないトラックに美しいコーラスを乗せるというマイペースのやり方がマーケットに受け入れられたに過ぎない。この後彼らは3作目『3 Deep (1990)』から遂に全米ナンバー1ヒット(「First Time」)を放ち、頂点を極めるが、これを最後にシーンからはフェイドアウト。やはりヤオヤの音は80年代と運命を共にしたのか。ちなみにリードボーカルのバーナード・ジャクソンは1995年にソロを出しているが、R&Bチャートでもあまりヒットしていない。(阿多)
Hit List
'89 #5 Shower Me With Your Love
彼らが初のポップチャートのTOP10入りを果たした曲で、ポップフィールドでのブレイクを名実共に果たした彼らの代表曲。ダイヤモンドがちりばめられたようなTR-808をベースとした得意のトラックに、あくまで清らかで美しい3人のコーラスがメロディを奏でる。この頃のクラブではクール・ダウン・タイムに必ずと言っていいほどかかったのがこの曲。80年代クワイエット・ストーム・フォーマットの代表選手といっていい大ヒットだった。
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