'89 #4 My Heart Can't Tell You No
「アウト・オブ・オーダー」からの3枚めのカット。曲を書いたのはサイモン・クライミーとデニス・モーガン、プロデュースはロッド、アンディ・テイラー、バーナード・エドワーズの3人による作品。他の誰かを愛している彼女への思いを振り払うために彼女と距離を置きたい、でも心は「NO」と言うことはできないという女々しい内容。終盤の印象的なアコギのソロはアンディでなく「Foot Loose & Fancy Free(明日へのキック・オフ - 77年)」から彼のバンドのギタリスト兼ソング・ライターをつとめているジム・クリューガンが弾いている。80年代の彼はコンスタントに毎年ヒット曲を出し続け、HOT100に10年の間途切れることなく20曲をランクインさせ、その内TOP40入りしたのが13曲(TOP40ヒットがなかったのは85年と87年のみ)というのは、80年代に入って次々に失速していった70年代活躍した他の大物ミュージシャンたちと比較すると彼のすごさを改めて認識させられる。
'89 #11 Crazy About Her
「アウト・オブ・オーダー」からなんと4曲めのヒットでロッド、ジム・クリューガン、デュアン・ヒッチングスの共作。1枚のアルバムから4曲もシングルヒットが生まれ、TOP10入りしたのは1曲のみにしても、あとの3曲すべてTOP10直前まで上ったというのは彼にしてみればすごい記録である。アルバムもこのおかげでロングセラーとなった。シングルはChris Lord AlgeのRemixヴァージョンとなっており、オリジナルよりも各楽器のサウンドのメリハリが増し、より緊張感を与えてくれる作りになっている。残念ながら国内盤シングルが発売されなかったため、日本では未発表のヴァージョンとなってしまっている。セントラル・パークでジョギングしているところを見かけた女性を勝手に「自分のオンナになる運命」だと決め付け、自分のことなど気づきもしない彼女を求めて街を徘徊し、時には後をつけたり、住んでいるマンションの前で待ち伏せしてしまうというストーカーまがいのアブナイ男のことを唄っている。この曲のハイライトはロッドのセリフのパートにビシバシ絡むバーナードのベースが歌詞の内容同様、最高にファンキーなところ。歌詞の最後には、何故この男が彼女に対してこっそりつけまわす以上のことが出来ないのか?というと、“彼女がボスの女だから”というオチがついている。