Skid Row
Biography

 彼らの結成そのものは1986年であるが、メンバーチェンジだ何だでデビュー時のメンバーに固まったのは1987年からである。そのメンバーとは、ニュージャージー出身で同郷のジョン・ボン・ジョヴィの幼なじみであるリーダーのデイヴ・セイボ(G)、カナダのトロント出身で元マダムX(ヴィクセンのメンバーも在籍していた)のセバスチャン・バック(Vo)を中心とした5人組である。そんな彼らは幸運にもジョン・ボン・ジョヴィとリッチー・サンボラが設立した「ニュー・ジャージー・アンダーグランド」という著作権管理や印税管理を行う会社による、新人バンドのマネージメント部門の送り出す第一弾アーチストとなった。既にジョン・ボン・ジョヴィはシンデレラを発掘した時点で天才的な新人発掘能力を発揮しており、HM/HRの世界では「シンデレラの次はどのようなアーチストを彼らが送り出すのか?」ということに大きな注目が集まっていた。そんなことも手伝い、スキッド・ロウはデビュー前から完璧な環境整備が実現していた。したがって「ボン・ジョヴィがバックにいる」という信頼感がレコード会社にも分かり易く、容易なデビューが可能であった。実際1989年のボン・ジョヴィのツアーのオープニング・アクトの座(結局同年後半にはエアロスミスとのツアーも行ってしまう)にも決定していたのだから、本当に完璧な状況である。と、いった訳で最強の新人へヴィメタルバンド、スキッド・ロウは登場した。(奥村)


Hit List

'89 #4 18 And Life
 実は「Youth Gone Wild (99位)」がこの前にあるのでデビュー曲ではないけど、初の大ヒットとなった超パワー・バラードである。ボン・ジョヴィ等が作曲やレコーディングの最中にアドヴァイスを施したこともあり、新人とは思えない高いクオリティを感じさせる。何といってもセバスチャン・バック(Vo)のハイトーン・ヴォイスとシャウトは、聴いている者を究極のエクスタシーの境地に誘ってくれる(少し言い方が大袈裟かもしれないが本当だ)。しかも今聴いても当時の他の似たようなバンドの曲と比べて、何も「古さ」を感じさせないところも素晴らしい。兎に角曲全体に強い破壊欲を満たしてくれる凄みがあり、不良性が高く、ロックとしての機能を完璧に発揮している。これぞ正真正銘のHM/HR界の名曲である。いいから聴きなさい!!

'89 #6 I Remember You
 デビューアルバム「Skid Row」が好調なセールスを記録し、エアロスミスとのツアーも大好評。そんな絶好調な彼らが送り出すシングル第三弾。この曲も「18 And Life」同様パワー・バラードであるが、こちらの方がアコースティックな音色が入っていたりするのでややソフト(といっても充分へヴィであるが、、)な印象であろう。やはりこの曲も後半部に多発するセバスチャン・バックのシャウトが可也鬱憤を発散させる力に満ちている。「なんでこんなに力強いのだろうか?」と思ってしまう程の歌唱力は兎に角「素晴らしい」としか言えない。1980年代は本当にいいバンドやいい曲が多かったと思うが、そう思っている人ほど辛い1990年代に向けて、この曲はヒットした(1989年末リリース、1990年に入ってもヒット)。

 その後彼らはこの手のバンドにありがちな暴力事件や、ボン・ジョヴィ側とのビジネス上の問題(印税の未払いなどのトラブル)等があり、ゴシップネタが多いバンドということでガンズ&ローゼズのような騒がれ方をした。1990年大晦日のボン・ジョヴィ等とのカウントダウン・イヴェントの為に来日したり、1991年には約2年ぶりのアルバム「Slave To The Grind」を発表して、当時非常に希少だったビルボード・アルバムチャート初登場1位を記録するなど高い人気振りを見せたが、結局エアプレイヒットに甘んじた「モンキー・ビジネス」に代表される、へヴィメタル・バンドとして「コア」の精神性の追求を重視した作風は、逆にデビューアルバムを支持したと思われるメインストリーム層からの反発を買うカタチとなり、人気はチャート的な部分では大きく失速し、その後シングルカットしたスピーディな「Wasted Time」も88位と振るわず、ビルボード・シングル・チャートからはこれをもって「引退」してしまった。そして1992年にはレア・トラック集「B-Side Ourselves(58位)」をゴールドディスクにするヒットもあったが、その後は同年の来日公演を最後に不仲説なども浮上し、活動を停止させ沈黙を守ることになる。その後約2年間何も無かったが、1995年「Subhuman Race(35位)」を発表。しかし発表前の評判と実際の内容のクオリティーにはあまりの差があり、シングルヒットも生まれずロングヒットも出来ず、人気は下降線の一途を辿ることになる。そして1998年には初のベスト盤「Forty Seasons Best Of Skid Row」がリリースされるが、もはや話題にはならなかった。更にセバスチャン・バックは1999年過去のスキッド・ロウの名曲等をセルフ・カヴァーしたソロ作を創るも、評論家などからの評価も低く、昔のファンにとっては購買意欲をそそる作品ではなかった。まだ解散したわけではないので、スキッド・ロウとしての新作(力の入った良いもの)を早く創って、シーンに戻って欲しいと俺は切望する。



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