99年はラテン・ブームと言われたものだが、今思えば89年周辺のチャートにおけるラテン率もかなりのもの。その中核を担ったのが3人組ガールズグループ。エクスポゼのヒットを皮切りにスウィート・センセーションやカヴァー・ガールズなどのラテントリオが乱立状態。そんな中でデビューを飾ったセダクションもその一つに数えられる。ただし音は完全にラテン色ながらメンバー構成は「私たち国連みたいなグループってよく言われるの」と本人たちも言うように、金髪碧眼のミシェール・ヴィサージ、ココア色の肌のエイプリル・ハリス、そしてプエルトリコ系のアイダリス・リオンから成っている。仕掛人は後にC+Cミュージック・ファクトリーとして名を馳せるロバート・クライヴィルズとデイヴィッド・コール。セダクションは89年に唯一のアルバム「Nothing Matters Without Love」をリリースして複数のシングルヒットを生み出すがそれっきり。92年にデビューしたC+Cによる別ユニット、ソウル・システムのメイン・ヴォーカルがセダクションの一人であることを考えると、解散したのではと思われる。ラテン系グループはメンバーチェンジが激しいので創設メンバーが全くいないがグループは存続というのもありがちなのだが?(なかむら)
Hit List
'89 #23 You're My One And Only (True Love)
派手なシンセサイザー・ベースが耳をひくこのナンバーは全米クラブ・プレイ・チャートで3位、12インチ・シングル・セールス・チャートでは2位を記録。そこからナショナル・チャートにも飛び火した。ここでのリード・ヴォーカルはエイプリルで物憂げな声で情熱的なリリックを歌っている。バックで「おーおっ、おーおっ」とうなるリフレインも効果的だが、実はバックコーラスにマーサ・ウォッシュとシンディ・ミゼールという強力な隠し玉を使っているのが怪しげなラテン・グループ臭漂うところ。
'89 #2 Two To Make It Right
「私とあなた、2人ならきっとうまくいくわ」と歌うこの曲のリード・ヴォーカルはエイプリルとミッシェル。ミッシェルはグループ内で最もギャル声してるのでキャッチーなこの曲によく映える(実はミッシェル、セダクションのラップも担当している)。ずっとテンション高めのミッシェルの歌いっぷりに対しエイプリルはクールにリフを繰り返す。この曲はデイヴィッド・コールのペンによるものだが、クライヴィルズに比べコールの方が若干ユーロ寄りな音づくりをする印象がある。全体の音は良くも悪くも下世話なかんじだが、ドリーミーなイントロはかわいい。この曲はここ日本のJ-Waveチャートでも1位を獲得するヒットとなった。
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