Prince
Biography

 この年のショウビズ界の話題は何と言っても映画「バットマン」の大ヒット。封切り最初の週で4,000万ドルの収益をあげ、黄色地にコウモリのマークのTシャツが至るところで見られるフィーバーぶり。映画のほうではジャック・ニコルソンがジョーカー役で登場して話題になったが、そのサントラをプリンスが担当してこちらも最初の週に100万枚、世界中で600万枚を売った。なお、ダニー・エルフマンがスコア盤のサウンドトラックを別にリリースしている。ちなみにこの映画がきっかけでヴィッキー・ヴェイル役を演じていたキム・ベイシンガーとプリンスは当時ラヴラヴ。同アルバムからのカットとなる「Scandalous Sex Suite」のEPではキムのあえぎ声をフィーチャーしたり、タブロイド誌に朝から2人が眠そうな顔をしてダイナーにいるところを撮られたりしていた。後にキムは俳優のアレック・ボールドウィンと結婚するが、待望の赤ちゃんが産まれた時にプリンスがお祝いの紫の花束を贈り、アレック大激怒なんて後日談も。(なかむら)


Hit List

'89 #1 Batdance
 映画のシーンや登場人物が歌詞に続々と登場するこの曲が当時売れないわけがない、ましてやプリンスの曲ならなおさら。UKでは2位どまりだったが、日本ではJ-Waveチャートの首位に10週間も居座り、ホイットニーの「I Will Always〜」の登場までずっと破られない大記録だった。とにかく転調しまくりの曲で、ロックギターとジョーカーのセリフではじまり、蒸気機関車を思わせるキーボードの運び。それからオリジナルのTVシリーズのテーマを引用した「ばっとま〜ん」のフレーズの繰り返し、ドラムスのビート。ファンキーなハモンドオルガンからジョーカーのセリフを挟みギターソロへ。またジョーカーの声でストップ。ファンクに変わってスクラッチ・ギターに乗りヴィッキーの登場、続いてブルース・ウェインの自己紹介。ジョーカーの叫びが入り4分の4拍子のダンス音をちらっと聞かせてリズムギター・・・ってな次第。ジョーカーの声は映画中のジャック・ニコルソンのセリフのサンプリングで曲のつなぎに重要な役割を果たしている。

'89 #18 Partyman
 このナンバーの主人公はジョーカーで、映画の中でもギャラリーに彼が現れるシーンで使われた。ゴッサム・シティで暴れまくるジョーカーが「新しいキングの登場さ」とご機嫌なパーティ・タイムを開催。無政府状態をつくって現状を破壊し、自分の好き勝手なルールで街を統治しようというジョーカーのたくらみがファンキーに歌われる。アクセントで入るピアノ音やホーン・セクションもパーティー気分の盛り上げ役。「Batman」のビデオクリップ同様、ここでも顔を半分にツー・トーンで塗り、緑髪にしたプリンスがコミカルに動きまくる。ジョーカーのワルでどこか愛嬌の感じられるキャラクターはプリンスの生み出すファンク・サウンドにぴったり。UKでは最高14位、J-Waveでは最高3位のヒット。

'89 #36 The Arms Of Orion (with Sheena Easton)
 ヴィッキー・ヴェイルとブルース・ウェインのデュエットという設定のこの曲、ヴィッキー役はシーナ・イーストンが担当。曲も2人の共作というクレジットになっている。UKで最高27位、J-Waveでは最高34位を記録した。非常にオーソドックスなバラードで、シーナとのお馴染みのコンビでもあるので聞いてて安心感がある。というのはこの年にプリンスはマドンナのアルバム「Like A Prayer」の中で「Love Song」という曲をデュエットしているのだが「シーナとの曲のほうが全然気合い入ってるじゃん」という下馬評が聞かれたので。ちなみにシーナ・イーストンは89年東京国際音楽祭でゲストとして来日、ヒット曲満載のステージを披露した。



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