New Kids On The Block
Biography

 ボーイズグループが再びブームとなっている昨今のチャート、そんな中でひっそりとリリースされた(US盤)ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックのベスト盤のコピーが「バックストリート・ボーイズ/イン・シンクの前には彼らがいた!」・・・ごもっとも。さてニュー・キッズだが86年のバブルガムポップ全開デビューから3年、急速なレベルアップ(子供は成長が早い!)を図って堂々トップアイドルの座についたのがこの年。セカンドアルバムからはヒットを連発し、ティファニーのオープニングアクトとして全米ツアーをしているうち彼らの人気がティファニーを上回ってしまって、ティフが前座となってしまったのも有名な話。まだまだメタルが幅をきかせるシーンの中でPTA推賞のごとき存在のニュー・キッズ、コンサート会場では少女ファンが次々と失神するほどの人気ぶりだった。90年に入りサードアルバムからも順調にヒットをとばしたが、どんどん黒くなっていく90年代初頭のミュージックシーンの中で彼らのポジションは低迷。ドニーの弟マーキー・マークがラッパーとして大成功を収める一方で、ニューキッズといってももう子供じゃないし、とグループ名をNKOTBに変えてリリースした4枚目のアルバムからはヒットが出ず、その後姿をひそめた・・・と思いきや、99年にいきなりジョー・マッキンタイア(ジョーイと改名)とジョーダン・ナイトの2人がそれぞれソロデビューを果たしともにTOP10 入りするヒットを記録。ドニーやダニーも彼らのアルバム制作陣に名を連ね、見事なカムバックを果たした。しかし全盛期にもツアー生活に馴染めていなかったジョナサンは今はショウビズ界から退き、平穏な暮らしをしているとか。活躍中のメンバーもジョーダンには99年に息子が誕生、俳優としても活躍するドニー(だいぶ弟に水をあけられてはいるが)ももう学校に通う年の子供がいるらしく、かつてのアイドルたちもパパになりつつある。(なかむら)


Hit List

'89 #3 You Got It (The Right Stuff)
 アルバム「Hangin' Tough」からのセカンドシングルとなったこの曲は今までのシングルとは一味違うライトファンク・テイストが新鮮な、ニュー・キッズのその後の快進撃を予感させる出来映え。「Oh, oh, oh, oh〜×3 The right stuff♪」のフレーズが耳に残るので、当時を知ってる人なら誰でも口ずさめるはず。ヴァース部分からサビへの部分もまとまりがよく、プロデューサーのモーリス・スターが目指す「白人版ニュー・エディション」への試みが成功している。ガラの悪い奴らが歌えばかなりいやらしく聞こえそうな歌詞もニューキッズの個性で健全そのもの。アルバムにもきちんと「No To Drugs」「Peace」の理念が掲げられていて、少年少女たちのロール・モデルとしての自覚も十分。

'89 #1 I'll Be Loving You (Forever)
 ニュー・キッズの代表作ともいえる王道のバラードナンバー。タイトルどおりベタベタのラヴソングでティーンエイジャーの純愛賛歌ってとこ。とはいえここで聞かせるジョーダンのスタイリスティック風のファルセットが注目を集め、彼を「ネクスト・ジョージ・マイケル(ともにアイドルグループ出身ってことで?)」と称してソロデビューを噂する業界内の声も聞かれた。メンバーのうちダニー、ドニー、そしてジョーダンは「クリケッツ」という名でソングライター/プロデューサー活動も行っており、モーリス・スターの統率下に収まりきれない成長期にあったことは確か。結局ジョーダンのソロ活動はぐっと遅くなったが、当時同じレーベルのANAとのデュエットで課外活動をしている(一方ドニーがデュエットしたのはご存知SEIKOの全米デビュー曲)。

'89 #1 Hangin' Tough
 アルバムのタイトルトラックとなるこの曲の邦題は「NEW KIDS、ストリート・タフ宣言」。ここではラップも披露、アイドルらしからぬ重いビートに挑戦の意欲作。「Oh, oh, oh, oh, oh!(活字にすると「You Got It」と同じで申し訳ない)」とたたみかけるリフにグループ内で一番ストリート感覚を発揮するドニーがリードをとっていく。ドニーは後に弟のマーキー・マークのバックアップで指揮をとったり、ニュー・キッズ内でもラップはもちろん、ラガマフィン・テイストな曲も取り入れたりと一番アイドル離れした音楽性を持っていた。ニューキッズの結成当初に在籍していたものの結局参加せずにソロとなった弟のマーク・ウォルバーグが、ラッパー→カルヴァン・クラインの下着モデル(股をつかんでるポーズや裸でケイト・モスと絡む広告が有名)→映画俳優へと独自の道を歩むというニューキッズの枠に縛られない活躍ぶりなだけに、ちょっと羨ましい思いをしているかも。

'89 #2 Cover Girl
 アルバム中でも最もアイドルのりのポップソングがこの曲。高めのキーではじまる歌いだしから80年代な音を出すキーボードから、全てがキャンディ・カラーに包まれた楽しいナンバー。好きな女の子に夢中な気持ちをポップに歌いこなすのはドニー。普段のヒップホップ・アティチュードなたたずまいから女の子たちにはちょっと怖い存在に思われていた彼が、客席から小さい女の子をステージに上げて、じっと目を見つめて歌うのを見てまたまたファンが急増。「僕にとっては雑誌のグラビアのモデルたちより君のほうがずっときれいに見える、君こそ僕のカヴァー・ガールだよ」という直球アイドルチューンはいつの時代もティーンの需要が絶えない。


'89 #8 Didn't I (Blow Your Mind)
 邦題は「ドキっとしたかい」。この曲はもともと86年発表のデビューアルバム「New Kids On The Block(このアルバムの邦題も「ドキっとNEW KIDS」)」に収録されていたナンバー。これが89年に「Hangin' Tough」のB面に収録されて再リリース、見事両面ヒットを決めた。オリジナルは数年前に映画「Foxy Brown」で使用されてちょっとだけリバイバルしたデルフォニックス70年のヒット(こちらの邦題は「愛をなくして」)。ここでもジョーダンがお得意のファルセットヴォイスでリードをとっている。アドリブを喋っているのはダニー・ウッド。彼はニュー・キッズで目立つ存在ではなかったが、スポーツ万能でダンスは一番うまいとの定評があった。グループ内ではファニーな3枚目役。ちなみにジョーは最年少でマスコット的存在、ジョナサンはもの静かなお兄さん役、そしてちょっとワルなかかんじのドニー、中心となるハンサムガイがジョーダン、というのが基本キャラ。


'89 #7 This One's For The Children
 この年の子どもたちのサンタさん宛ウィッシングリストで軒並み上位に挙がっていたであろうプレゼントはニュー・キッズのクリスマスアルバム「Merry Christmas」。そしてしっかりとその中のシングルをTOP10内に送り込んでいる。この曲の邦題は「クリスマスは僕らのために」。子供たちのコーラスをフィーチャーし、クリスマスシーズンにぴったりのロマンチックなナンバー。コンサートのフィナーレにペンライトを持って大合唱がおこりそうな雰囲気ただようこの曲は、ファンにとってもひときわ思い入れの深いヒット。



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