'89 #3 You Got It (The Right Stuff)
アルバム「Hangin' Tough」からのセカンドシングルとなったこの曲は今までのシングルとは一味違うライトファンク・テイストが新鮮な、ニュー・キッズのその後の快進撃を予感させる出来映え。「Oh, oh, oh, oh〜×3 The right stuff♪」のフレーズが耳に残るので、当時を知ってる人なら誰でも口ずさめるはず。ヴァース部分からサビへの部分もまとまりがよく、プロデューサーのモーリス・スターが目指す「白人版ニュー・エディション」への試みが成功している。ガラの悪い奴らが歌えばかなりいやらしく聞こえそうな歌詞もニューキッズの個性で健全そのもの。アルバムにもきちんと「No To Drugs」「Peace」の理念が掲げられていて、少年少女たちのロール・モデルとしての自覚も十分。
'89 #1 I'll Be Loving You (Forever)
ニュー・キッズの代表作ともいえる王道のバラードナンバー。タイトルどおりベタベタのラヴソングでティーンエイジャーの純愛賛歌ってとこ。とはいえここで聞かせるジョーダンのスタイリスティック風のファルセットが注目を集め、彼を「ネクスト・ジョージ・マイケル(ともにアイドルグループ出身ってことで?)」と称してソロデビューを噂する業界内の声も聞かれた。メンバーのうちダニー、ドニー、そしてジョーダンは「クリケッツ」という名でソングライター/プロデューサー活動も行っており、モーリス・スターの統率下に収まりきれない成長期にあったことは確か。結局ジョーダンのソロ活動はぐっと遅くなったが、当時同じレーベルのANAとのデュエットで課外活動をしている(一方ドニーがデュエットしたのはご存知SEIKOの全米デビュー曲)。
'89 #1 Hangin' Tough
アルバムのタイトルトラックとなるこの曲の邦題は「NEW KIDS、ストリート・タフ宣言」。ここではラップも披露、アイドルらしからぬ重いビートに挑戦の意欲作。「Oh, oh, oh, oh, oh!(活字にすると「You Got It」と同じで申し訳ない)」とたたみかけるリフにグループ内で一番ストリート感覚を発揮するドニーがリードをとっていく。ドニーは後に弟のマーキー・マークのバックアップで指揮をとったり、ニュー・キッズ内でもラップはもちろん、ラガマフィン・テイストな曲も取り入れたりと一番アイドル離れした音楽性を持っていた。ニューキッズの結成当初に在籍していたものの結局参加せずにソロとなった弟のマーク・ウォルバーグが、ラッパー→カルヴァン・クラインの下着モデル(股をつかんでるポーズや裸でケイト・モスと絡む広告が有名)→映画俳優へと独自の道を歩むというニューキッズの枠に縛られない活躍ぶりなだけに、ちょっと羨ましい思いをしているかも。
'89 #2 Cover Girl
アルバム中でも最もアイドルのりのポップソングがこの曲。高めのキーではじまる歌いだしから80年代な音を出すキーボードから、全てがキャンディ・カラーに包まれた楽しいナンバー。好きな女の子に夢中な気持ちをポップに歌いこなすのはドニー。普段のヒップホップ・アティチュードなたたずまいから女の子たちにはちょっと怖い存在に思われていた彼が、客席から小さい女の子をステージに上げて、じっと目を見つめて歌うのを見てまたまたファンが急増。「僕にとっては雑誌のグラビアのモデルたちより君のほうがずっときれいに見える、君こそ僕のカヴァー・ガールだよ」という直球アイドルチューンはいつの時代もティーンの需要が絶えない。