Robbie Nevil
Biography

 1960年ロサンゼルス生まれのロビー・ネヴィルは、11歳でギターを手にし、TOP40バンドやジャズ系のセッションを通じて腕を上げた後自作曲も手掛けるようになる。83年にソングライターとして出版社と契約した彼はポインター・シスターズやエル・デバージ、アース、ウィンド&ファイアといったアーティストたちに作品を提供、そのR&Bセンスが注目されてソロ・パフォーマーとしてのデビューの機会を得た。

 ファースト・アルバム「Robbie Nevil」の成功により新感覚のR&Bソングライター/パフォーマーとして注目された彼だったが、88年暮に発表したセカンド・アルバム「Place Like This」では彼を成功に導いたプロデューサー、アレックス・サドキンを事故で失ったことにより作品が精彩を欠いたものとなり、以降徐々に失速。90年代に入るとその名を聞かなくなってしまった。以降彼はソングライター/プロデューサーとして主に活躍、松田聖子のアメリカ進出アルバムにも参加し、週刊誌に「第2のジェフ君か!?」なんて書かれたこともあった。近年ではジェシカ&アシュレー・シンプソン、非カントリー路線時のリアン・ライムスなどの作品でクレジットを見かけることがある。(八亀)


Hit List

'87 #2 C'est La Vie
 世界中にロビー・ネヴィルの名を知らしめた「セ・ラ・ヴィ」は、この前年にクール&ザ・ギャングに提供するため書かれた曲だそうだが、当時の彼らにはややプログレッシブ過ぎたのか、結局ロビー本人が録音することになった。派手なドラムとシンセサイザーが織りなすダンス・サウンドはオーソドックスなR&Bと、スクリッティ・ポリッティあたりのデジタルな感覚のダンス・ミュージックの中間といった趣で、新しいタイプのクリエイターの登場を強く印象づけた。プロモーション・ビデオに登場した彼の“耽美系”なルックスも人気を呼んで、彼はたちまち人気アーティストの仲間入りを果たすことに。

'87 #14 Dominoes
 セカンド・シングルはややマイナー調のメロディで、ロック・サウンドを前面に押し出したもの。曲の中程では彼のファルセット・ボイスも聴くことができるが、余りソウルフルという印象はなく、彼流のロック・ナンバーという解釈が妥当か。「セ・ラ・ヴィ」に続くシングルとしてはやや異質で、前曲の大ヒットの勢いを上手く引き継ぐことが出来なかった・・という印象は否めない。

'87 #10 Wot's It To Ya
 「セ・ラ・ヴィ」のフォロー・アップとしてはこちらの方がパーフェクトであったと言えるだろう。サウンドはより派手さを増し、トロピカルなビートも当時のリスナーが彼に対して抱いていたイメージ“新しいセンスを持ったダンス系アーティスト”をよく現している。個人的には前の「Dominoes」の印象は全く残っていなくて、「セ・ラ・ヴィ」とこの曲が立て続けにヒットしたものだとばかり長年思い込んでいた。当時余り細かくチャートをチェックしていなかったこちらの怠慢ではあるのだが、シングル・リリースの順番を間違えると、リスナーにはそういった印象が残ってしまうのだ、といういい例ではないかと、勝手ながら思っている。


'89 #34 Back On Holiday
 アレックス・サドキンの死を乗り越え制作された“新生ロビー・ネヴィル”サウンドは、残念ながらファーストアルバムの焼き直し(しかもクオリティの落ちる)でしかなく、曲も魅力にかけるものであったため多くの音楽ファンを落胆させる結果しか生み出すことはできなかった。今聴くと以前より“クロさ”が増し、それなりのカッコよさがあった(AORの佳作と評価できるかも知れない)こともわかるが、前作が大成功を収め、大変な期待を集めていた“ポップ・スター”の新作としては弱すぎた、ということなのだろう。彼はその後91年にアルバム「Day 1」を発表、カットされたシングル「Just Like You」が最高25位を記録したがアーティストとしてはそこまで。裏方としての活動が現在まで続いている。



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