Richard Marx
Biography

 87年にデビューした彼は、89年早くもキャリアのピークを迎える。前年のナンバー1ヒット「Hold Onto The Night」から1年、満を持して発表されたセカンドアルバム「Repeat Offender」からは、前述の曲から3連続ナンバー1ヒットの離れ業を含め、デビュー以来7連続TOP5ヒットを記録し、アルバム自体もナンバー1を獲得、まさに破竹の快進撃だった。90年以降は、そのアルバムからさらに2曲のTOP20ヒット、そしてサードアルバム(91年)、4枚目(94年)からも手堅く計5曲のTOP20ヒットを出したものの、ヒット度合は徐々に小粒になり、5枚目とベスト盤(ともに97年)は話題にものぼらなかった。作品のクオリティ自体、そう落ちてはいないだけに悔やまれる。曲の提供やバックボーカル等、他者の作品での実績も豊富な実力派でもあり、ぜひまた一線に復活してもらいたいところ。(窪田)


Hit List

'89 #1 Satisfied
 2曲めのナンバー1となったセカンドアルバムからのファーストシングルは、軽快なギターのリフにのったシンプルで疾走感のあるロックナンバー。「わかる? 俺は、満足するまではあきらめないし、立ち止まったりなんかしないんだ!」といった大変シンプルでポジティブなメッセージも、向うところ敵なしの若武者然としていた当時の彼を象徴している。もともとデヴィッド・フォスターやTOTO関係の人脈と親交の深い人だけあり、こういうロックっぽい曲でも粗削りにならず、音作り・アレンジ等、細部まで計算されてて、聞いててほんとに心地がよい。

'89 #1 Right Here Waiting
 3曲連続ナンバー1を達成したセカンドシングルは、ファーストとうってかわった極上のラブソング。実生活でもツアーなどで新妻シンシア・ローズとの別居が多そうな彼が「君がどこにいようと、何をしようと、僕はじっとここで君を待ってるから..」と、淡々と本心を吐露しているかのよう。主旋律をモチーフにしたシンプルなピアノの前奏が始まり、その後もコード進行、曲の作り共に全く種も仕掛けもないのだが、人の心をグッとひきつけて離さない美しいメロディーと詞は絶品。彼の最大のヒットのみならず「Hard To Say I'm Sorry (Chicago)」や「Every Breath You Take (Police)」と並ぶ、80年代を代表するバラードであり、来世紀、新ミレニアムにも残る価値のある名曲(ちょっと言い過ぎかな?)。

'89 #4 Angelia
 そしてサードシングルはまた趣向を変え、マイナーキー、ミディアムテンポでちょっと重めのAOR。重めといっても、要所要所でマイケル・ランドウのシャキッとした音のギターが冴え、いかにもウエストコーストといった感じの音。去っていった恋人への想いを切々と歌い上げる詞はちょっと女々しいが、メロディーは相変わらず奇麗。間奏とエンディングのサックスソロも、その詞の雰囲気をよく出してる。並のアーチストならキャリアに残る名曲になったかもしれないが、さすがに「Right Here Waiting」の後では分が悪く、残念ながら4曲連続ナンバー1は逃す。シングルカットの順番を入れ替えてたら、ひょっとして..



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