Benny Mardones
Biography

 シェリフ現象その2。今度は80年に11位まで上がったベニー・マードンスの「Into The Night」がターゲットになった。9年間の間にシーンは随分と様変わりし、この曲を共作したロバート・テッパーは自らもTOP40ヒットを放っている。ブリティッシュ・インヴェイジョンは一段落し、マイケル・ボルトンをはじめとする大人向けのロックの居場所も確立されていた。そしてラジオでは再びこの曲がオンエアされ始め、この機会を逃すまいとベニーはカーブからアルバム「Benny Mardones」をリリース、さらにこの曲の再録ヴァージョンもシングルカットする。結局実際にラジオでかけられたのはポリドールのオリジナルヴァージョンであり、便乗商売は失敗に終わるが、しかしこのアルバムの評価は決して悪くなく、今でも名盤と推す人は多い。その後90年代に入ると“AOR”という言葉がアメリカで使われるようになる。それも本来の意味ではなく、80年代の日本で使われた意味に近く。メロディック・ロック、メロウ・ロックと表現される場合もあるが、つまりは彼のような音楽のこと。マーケットは縮小したが、少なくなったリスナーの熱意は反比例的に上昇し、ライブに何十回も通っているというベニーの熱心なファンも多い。おかげで今でも彼は活動を続けており、昨年もニューアルバムをリリースしている。(松本)


Hit List

'89 #20 Into The Night
 すでに80年にTOP40入りしているので、曲自体の解説は5年後の本誌を参照してもらうとして、ここではカーブからリリースされた新ヴァージョンについて触れておく。全体的にキーボードをはじめとする音色が現代的になったものの、譜割りとしてはオリジナルと大きな違いはない。参加ミュージシャンはトトのジェフ・ポーカロに元タッチのマーク・マンゴールド、そして後にマークとドライヴ,シー・セッドを結成するアル・フレッチなど。ミキシングには今ではアリス・イン・チェインズやセヴンダストを手がけている売れっ子トビー・ライトの名も見ることができる。決して悪い出来ではないが、あくまでも昔の曲をエアプレイするというのがラジオ局の目的であった以上、中途半端に今風になった新ヴァージョンが無視されたのは当然だろう。



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