LL Cool J
Biography

 16歳でデビュー、そのデビュー作は「天才ラッパー登場!」という絶賛をもって迎えられたLLクールJことジェームス・スミス。87年にラップで初めてのスロージャムだと言われた「I Need Love(87年)」をヒットさせ、一般レベルでの知名度を上げたが、この女たらし的な姿勢が男性ファンの反感を買い、天才少年ラッパーだと騒がれる一方で「LLなんて格好ばかりつけた軟弱野郎だ」という見方もあった。結局この女たらし路線で押そうとしたレーベルの目論見はハズれて、89年はLLの人気が急下降した時期だった。この時、まさかこのLLが再び90年代になって息を吹き返してヒットを連発するとは思わなかったし、ましてや2000年を迎えてもなお新作が待望されるような、第一線で活躍するアーティストでい続けるとは思えなかった。(しんかい)


Hit List

'89 #15 I'm That Type Of Guy
 なんだかもうすっかり80年代してて、懐かしい雰囲気たっぷりの曲だなこれは。打ち込みビートの作り方がいかにも80年代的な軽さで、せっかくベースラインがかっこいいのに隠し味程度にしか活かされていない。LL自身がどこまでやりたがってたのかわからないが、レーベルはLLに第二の「I Need Love」を求めた。その結果が、アルバム「Walking With A Panther」の為に最後に滑り込みで録音されたにも関わらず、第一弾シングルとしてリリースされたこの曲。曲調は「I Need Love」みたいにモロに狙った作りではないが、LLのニヤけた顔が目の前に浮かんできそうなソフトな猫なで声で「お前みたいな野郎は全然ダメだね、俺みたいな男が女をモノにするのさ」的なことを延々とライムされた日にゃ、もうこりゃ女性ファンだけしか眼中にないんだろうと思わせるに充分。見事なまでの軟派ぶり。この曲はヒットしたのにアルバムが今ひとつ売れなかった(最高6位だがあっという間にチャートから消えた)のも、ハードコアなファンの支持が得られなかった結果だろう。サビでバックコーラスが何の脈絡もなく歌う「おーいーおー」というフレーズが妙に気になるんだけど、これって「オズの魔法使い」からだっけ?



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