Johnny Kemp
Biography

 バハマのナッソーに生まれたジョニー・ケンプは、13歳の時既に地元のナイトクラブのステージに立っていたという早熟少年であった。1979年にニューヨークに移住し、ダンサー/シンガー/ソングライターとして修行の後レコード契約を獲得。ファースト・アルバムは不発に終わったが88年に「Dancing With Myself」がR&BチャートでTOP10ヒットを記録してブレイク。その勢いはポップの世界にも波及し続く「Just Got Paid」でTOP40に登場し“ニュー・ジャックブーム”に華を添える形となった。

 ニュー・ジャックブームが一段落すると彼はチャートから姿を消し、以降は主に裏方シンガーとして活躍。90年代後半にはキャロル・キングとジェリー・ゴフィンの実娘、シェリー・ゴフィン・コンドール(キング1975年のアルバム「おしゃまなロージー」で歌っていた少女)が立ち上げたユニット「シュガー・ビーツ」にレギュラーで参加、オールディーズをファミリー層向けにモダンなサウンドでリメイクするというこの企画にケンプは6枚連続で登場しており、全米ツアーにも同行しているという。(八亀)


Hit List

'88 #10 Just Got Paid
 多くの音楽ファンにとっては“一発屋”ジョニー・ケンプ唯一のヒット曲として知られるこの曲は、元々はテディ・ライリーがキース・スウェットのために書いた曲だという。ケンプと知り合ったスウェットは彼をレコーディング・スタジオに招き、未完成のインスト・トラック「Just Got Paid」に印象的なサビを書き足すよう依頼。結局完成した曲はスウェットのアルバムには入らず、ケンプが録音することになった。カシーフのホーム・スタジオで録音されたバージョンは歌詞が未完成で、一部仮歌として“スクラッチ・ボーカル”が入れられていたが、レーベルはこれを完成版としてリリース。この部分が逆に“フック”となってリスナーの耳を捕らえ大ヒットを記録、現在ではこの時代の古典的ヒット曲と見なされているのだから、世の中何が功を奏するかわからない。ケンプにとっては二重、三重のラッキーがあっての代表作である。


'89 #36 Birthday Suit
 翌90年にマーティン・スコセッシ監督の「グッドフェローズ」で印象的な演技を見せるロレイン・ブロッコが主演する映画「Sing(ロック・イン・ブルックリン)」のサントラに収録されたこの曲は、如何にも1989年のR&B、といった感じのニュー・ジャック・クラシック。当時日本でも盛んにこの手のサウンドはコピーされ、商品化されていた覚えがある。今この曲を思い出すと、何故かジョニー・ケンプではなく岡村靖幸の姿が浮かんできてしまうのは、恐らくそんな事情からなのだろう。



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