Janet Jackson
Biography

 アルバム「Control ('86)」と5曲のTOP5を含む一連のシングルの大ヒットで、「マイケルの妹」という説明ぬきで十分認知される存在となった彼女は、再びジャム&ルイスとがっぷり四つに組んだこの年のアルバム「Rhythm Nation 1814」で、遂にその偉大な兄に並びえる存在にまで至った。アルバム自体、前作を上回る4週1位、600万枚を超えるセールス、そして翌90年度の年間ナンバー1を獲得、シングルも下記の2曲を含め、実に計7曲ものTOP5(史上初にして未だ並ぶもの無し。TOP10ヒット7曲は兄やブルース・スプリングスティーンも記録したが)を記録し、うち4曲をナンバー1に送り込んだ。その後も「janet ('93)」「Velvet Rope ('97)」と、寡作だが4年毎に必ず大ヒットアルバムをリリースし、シングルヒットも都度量産してるのは周知のとおり。このペースだと次の登場は2001年か?(窪田)


Hit List

'89 #1 Miss You Much
 緊張感、不気味、不思議、屈折..。曲調を一言でいうとそんな印象。音楽経験のある人なら、全編不協和音だらけなことに気付くだろう。そう、この不協和音が、その変な曲調の元凶。バッキングは短調なのに、その上にのるメロディは、同主の長調。しかも長調を特徴づける「ミ」の音が冒頭から強調される。クラシック畑(除く現代音楽)の人ならこういうハーモニーには生理的に耐えられないかもしれない。それでいて詞は、タイトルどおり、男への激しい想いを歌ったわりと普通のラブソング。これでは“Miss You Much”じゃなくて“Mis Match”だ。冗談はさておき、ジャネット3年ぶりの新譜からのファーストシングルで、引き続きジャム&ルイス参加とくれば、実際の曲の出来以前に期待度だけで、ヒットは約束されてしまうのだが、冷静に聞いてみると、ほんとうに何でこんな変な曲が大ヒットしたんだろうとも思えてしまう。??、インパクトの強さとという意味では紛れもなく彼女やジャム&ルイスの代表といえるだろう。

'89 #2 Rhythm Nation
 セカンドシングルもファースト同様、不協和音が多いのに加え、ゴリゴリの硬質なサンプリング音主体の打込みビートが全編通して強調された、癒しとは対極に位置する曲調の曲。よくも悪くも、これが当時のダンス系の先端の音だったのは確か。モノクロ画面で、ナチスみたいな軍隊コスチュームのダンサーが、ある種アンドロイド的に、一糸乱れぬ統率のとれたダンスを披露する"極右"プロモビデオも、かなり話題になった。TRF、安室など小室系アーチストのダンスって、未だにこの辺の模倣から脱せていない気がする。

 尚、サードシングル以降は一転、ポップなメロディや多少人間味のあるリズムが心地よいポップス、ダンス、バラード、ロックと様々な曲調のすごくわかりやすい曲が続き「まだこんないい曲もあるんだぜ!」と言わんばかりに、あい次いでチャートに登場して、アルバムの存在感を長期にわたって維持することに成功した。この「名曲出し惜しみ」商法は、彼女の特許でもあり、次作の「janet」でも披露された(兄は「Dangerous」でこれを盗用し、無残にも失敗に終わっている)。



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