Don Henley
Biography

 言うまでもなく70年代のウェストコーストを代表するバンド、イーグルスのリードボーカル&ドラムス担当だったドン・ヘンリー、バンド解散後、1980年代に入って『I Can't Stand Still』『Building The Perfec t Beast』といった意欲的なソロ作を次々に発表、「Dirty Laundry」や「The Boys Of Summer」といったMTV世代にも共感を呼ぶヒットを重ねていたが、その彼が決定打として放った完成度の高いアルバムが『The End Of Innocence』。彼のソロでも最も商業的に成功したこのアルバムはそれまでの緊張感溢れるサウンドプロダクションとテンションの高い感じの曲調から、どちらかというとレイド・バックした感じの落ち着いたポップ・ロック作に仕上がっていて、本作に先立って発表されたグレン・フライの『Soul Searchin'』同様、元イーグルスのメンバー達による創作活動が円熟という名の淀みに落ち着いたことを感じさせた。この後彼を始めとする解散時のイーグルスのメンバーによって再結成アルバム『Hell Freezes Over』が1994年にリリースされ、MTVスペシャルとなったワン・タイム・ツアーで来日も実現、昔ながらのファン達を喜ばせた。1995にベストアルバムを出して以降、特に目立った活動を行っていないのは寂しいところ。(阿多)


Hit List

'89 #8 The End Of The Innocence
 大ヒットアルバムのタイトル・ナンバーで第一弾シングルのこの曲は、作とプロデュースに名を連ね、ピアノで参加しているあのブルース・ホーンズビーの肌合いが色濃くにじみ出た、リリカルな感じの落ち着いたナンバーに仕上がった。「純粋無垢の終焉」という象徴的なタイトルに相応しく、何やら諦観的な歌詞と曲調が哀愁を誘う。途中に入ってきて情感を盛り上げるソプラノ・サックス・ソロは、あのウェザー・リポートのウェイン・ショーター。

'89 #21 The Last Worthless Evening
 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのマイク・キャンベルがギターで参加した、淡々としたゆったり目のリズムに乗って描写的な歌詞が歌われるこの曲は、収録のアルバム『The End Of The Innocence』の全体の落ち着いたトーンをよく象徴した曲。ここでのドンは丁寧に作られたポップソングをそつなく歌うことに徹しており、それ自体は非常に好感が持てるのだが、『I Can't Stand Still』の頃の尖り気味な様子を知る者にとっては、「ドンも年をとったのかなあ」と、ふっと一抹の寂しさを感じる、そんな曲。



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