1989年ガンズは、1988年、1987年の「仕込み」が爆発した一年であった。それは1987年発表のファーストアルバム「Appetite For Destruction」のロングセラー、そしてその勢いを受けるカタチで1988年にリリースされたレアトラック集「G N' Lies」(A面が1986年に自主制作された4曲入りEP「Live Like A Suicide」の?発部分で、B面が1988年に収録された新曲)の2枚のヒットが続いていたからだ。そ?他ローリング・ストーンズのオープニングアクトとしてLAのメモリアル・コロシアムに出演したショウを含むライヴ・ツアー等も好評で、正に「飛ぶ鳥を落とす勢い」とは彼らの為にある言葉と言える状況だったのだ。勿論各種ロック雑誌も競って彼らの特集を組み、発行部数を伸ばそうとしていたようだ。(奥村)
Hit List
'89 #5 Paradise City
デビューから足掛け3年目を迎えても尚、ファーストアルバムが好評な彼らは、3枚目のカットとなるこの曲(そもそも1年目はシングル無しでアルバムのみヒットだった為、まだ3枚目のカットだというのに足掛け3年を要した)。ライヴさながらの臨場感を展開する大作なのだが、当時荒っぽさが売りであった彼らにしては珍しく、アクセル(Vo)自ら奏でるキーボードが冴える丁寧な構成が魅力のメロディアスなものであった。その為此処日本では、バーン誌の年間人気投票のキーボーディスト部門に、アクセルがエントリーするという現象まで起こしてしまった。しかしロックを「生」で生きている彼らが、売れ線狙いの軟派な曲を演奏するわけも無く、この曲も終盤はヘッドバンギング2分くらい出来る激しさを展開する(これが気持ちいい!!)。そしてスラッシュ(G)が最後にキチガイのように弾きまくるギターと、それ?負けずにシャウトしまくるアクセルの歌は、もう完全にエクスタシーの領域!!素晴らしい。
'89 #4 Patience
すっかり荒っぽいハードロックバンドというイメージが定着した矢先、後のミスター・ビッグの「To Be With You」なんかにも通じるアンプラグド仕様のバラードである。この頃までは、LAメタルあがりのバンドが上手いプロデューサーと組んで創り込んだ奇麗なパワーバラードの方が一般的だったので、こういったバンドのバラードというのは可也新鮮だった。バンドでヴォーカリストだった俺は大学時代、家に遊びに来たギタリスト連中をバックにこの曲をよくジャムった。曲の最初の口笛から始まり、その後低音で囁くように歌い、そして後半部のシャウトは壁一枚で他人の部屋という6畳間では苦しかったのを覚えている。それくらいアクセルというヴォーカリストはレンジが広く、真似しにくい強烈さがあった。恐らく最近洋楽を聴き始めたという若いリスナーがガンズを聴いてみようというなら、何があっても代表曲とは言えないが、この曲から入ってみると良いだろう。取敢えずHM/HRというある種の偏見からは逃れて、曲の美しさに素直に身を任すことが出来るはずだ。ズバリ今の若者こそ必聴!!
その後彼らは先ほど説明したアルバムがロングセールスを続け好調を維持したが、1990年4月にインディアナポリスで開催された「ファーム・エイド4」に出演した後、スティーヴン・アドラー(Ds)が脱退してしまう。しかし6月には後任に元カルトのマット・ソーラムが加入し新作のレコーディングに入った。そして1991年待望の新作が一度に2枚発表される。それが名作「Use Your Illusion I & II」である。ご存知映画「ターミネーター2」挿入歌の「You Could Be Mine (29位)」「Don't Cry (10位)」、ポール・マッカートニーのカヴァー「Live And Let Die(33位)」、超大作バラード「November Rain(3位)」「Yesterdays(72位)」などのヒットシングルを次々に生み、その2枚のアルバムはおよそ2年に渡りチャートインした。そしてその勢いが終わった頃、タイミング良くカヴァー集の「Spaghetti Incident?」が発表される。しかし辛うじてミリオン・セラーという彼ららしくないチャート成績に終わり、その後1999年発表の古い音源のライヴ盤を除くと、彼ら名義の新作は発表されていない上、アクセル以外のメンバーは全員脱退してしまっている。1995年以降の彼らに関する情報といえば、アクセルが何処の空港で逮捕されたとか、誰が脱退とかの類ばかりで、常に噂される新作レコーディングや新メンバー加入の話も現実味の無いものばかりである。一応2000年中にオリジナルメンバーがアクセルだけという新ラインナップでの新作が期待できるという話ではあるが、テクノ系になっているというこれまたインチキ臭い噂もあり、ファンとしてはその内容を期待してはいけないとい?辛さに堪え忍ぶ毎日が続いている。
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