Enya
Biography
今やすっかり癒し系の大御所となったエニヤ。どちらかと言えばオシャレなイメージのある彼女だが、アイルランドの中でも特に僻地にあたる北西部の小さな村の出身で、今やアイルランドが国を上げて保存運動を展開しなければならないほどに廃れてしまった母国語、ゲール語が未だに日常会話に使われる土地だ。彼女の姉たちはクラナドというバンドを結成し、アイリッシュ・トラッドバンドとしてかなり名の知られた存在となった。もともとクラシック音楽を志し、ちょっと音楽性の違っていたエニヤも自然な流れでこのバンドに参加したが、結局音楽的な方向性の違いから、2年ほどで脱退してしまった。その後ニッキー、ローマのライヤン夫妻に出会うまで、彼女は才能を秘めたまま燻っていた。しかし英BBCのテレビ特番用の音楽を手掛けたことで俄に注目を集め、本格的なデビュー作「Watermark」とシングル「Orinoco Flow」は、この系統の音楽としては異例の世界的大ヒットとなった。その後のアルバムも日英米を始め世界中でベストセラーとなり、その余波でクラナドや、姉のモイヤ・ブレナンなどもメジャーな存在となった。この人の音楽はあまりアイリッシュを感じさせないが、90年代後半のアイリッシュ・ミュージックブームの下地を築いたとは言えるかもしれない。もともとかなり職人的な人なのでよほど納得できる作品が出来ない限りは世に出すつもりはないらしく、この数年は非常に寡作である。(しんかい)
Hit List
'89 #24 Orinoco Flow (Sail Away)
深いエコーが幻想的なムードを醸し出す。決してヒットしそうな曲とは言えないが、たまたまこれが第一弾シングルだったから売れただけであって、他の曲がシングルだったらそれがヒットしていただろう。これは間違いなくアーティストパワーで売れたのだ。何だか神秘的で、今まで聴いたことのない音を出す凄い奴が出てきたぞ、という評判が世界中を駆け巡り、その噂と共にこの曲がラジオから流れてきたのだ。こういう時のお約束としてヨーロッパで最初に火がつき(全英1位)、日本でもレコード協会が“その年最もレコードを売り上げた海外アーティスト”に認定するほどのヒットとなり、最後にアメリカにブームが上陸した。
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