しかし90年代の彼らは、全くさえなかった。91年「21」からのシングル「Chasin' The Wind」が、ダイアンの曲にもかかわらず最高39位に留まって以来シングルヒットは皆無。アルバムもその後は結成30周年に便乗したベスト盤が何種類かと、意味不明なビッグバンドのスタンダード集が出ただけで純粋な新作は皆無。実は意欲作を録音したものの、レコード会社との契約トラブルでお蔵入りになったそうで、運もなかった。かくなる上は、金儲け企画の非難の殺到は承知の上でピーターを復帰させ、デビッドとダイアンも一同に会しリユニオンアルバムを作るしかないか。 “マニアにはこたえられない逸品”になることは間違いないし、多分結構ヒットするのでは。(窪田)
Hit List
'89 #10 You're Not Alone
サードシングルも、よくも悪くもファーストやセカンドとあまり代わり映えしないパワーバラード。これはダイアンの曲ではないが、曲調も何だかスターシップの「Nothing's Gonna Stop Us Now」みたいだし、知らずに聞いて彼女の曲だと言われれば、大抵の人は信じるだろうな。そんな感じだから、当然悪い曲じゃないが、それまでの2曲の勢いだけで、TOP10までもっていったという感は否めない。レコード会社側もその辺認識してたのか、前述のこの年発売のベスト盤からも、対象期間のTOP40ヒットのうちこの曲だけが収録から漏れていた。
'89 #5 What Kind Of Man Would I Be?
4曲目のシングル「We Can Last Forever」は流石に飽きられたかTOP40入りを逃した後、実に5番目にカットされ、何と再びTOP10入りした曲。でも、これまた種も仕掛けもないパワーバラードなのだが。正確には「19」からではなく前述のベスト盤からのリードシングルで、「19」とは異なるリミックステイクだが、これがいい。曲の構成もアレンジも基本同じなのに、リズム隊の音の抜けがよくなり、曲の輪郭がくっきり。またギターとブラスの音もよりシャープになり、前面によくでてきた。派手な柄でもなくスタイルもオーソドックスなのに、すごくゴージャスに見えるモノトーンの服といったら大袈裟か。作者にはあのボビー・コールドウェルも名を連ねる。ちょっとネガティブな言い方をすれば、これはもうシカゴの曲というよりは、誰の曲かわからない極上のAORである。
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