Cher
Biography

 60年代(ソニー&シェール)、70年代と各年代でナンバー1ヒットを飛ばしているシェールが、80年代もナンバー1を目指して取り組んだ89年。ご存知の通り90年代は99年に「Believe」が年間ナンバー1を獲得しており、この89年にナンバー1が誕生すれば稀に見る各年代でナンバー1ヒットを記録したアーティストになれるはずだった。87年に久しぶりに音楽の世界に復帰して以来、コンスタントな活動を続け、この年も1年8ヶ月ぶりになるアルバム「Heart Of Stone」を発売。このアルバムはダブルミリオンを記録し、彼女にとって初のTOP10アルバムとなった。全体的にロック色を強め、コマーシャルなナンバーも多くなっていたのが特徴的。(小松)


Hit List

'89 #6 After All (with Peter Cetera)
 バラードライターとして定評のあるトム・スノウとディーン・ピッチフォードの共作。プロデュースはピーター・アッシャーで、映画「Chances Are」(シビル・シェパード、ロバート・ダウニーJr.主演)の愛のテーマとして採用され、アルバムの先行シングルの役回りを果たした。曲は、どちらかというとピーター・セテラが本領発揮するバラードで、個人的には楽曲の良さとデュエット相手に助けられたヒットと思っている(クレジットもピーター・セテラ・デュエット・ウィズ・シェールの方が正しいんじゃないかとさえ)。とはいえ、今までやや際物系の曲が多かったシェールが「あたしだってきちんとしたバラードも歌えるわ」と世に示したと言う点で評価できる。ソロとしては79年の「Take Me Home」以来、5曲目のミリオンセラーとなった。

'89 #3 If I Could Turn Back Time
 多少辛口になった前曲に変わり、この曲はこの時のシェールにぴったりのポップでかつ力強い曲といえる。アルバムと同じに発売されたこの曲は、ミリ・ヴァニリ、ウォレントに阻まれたものの「After All」に続いてミリオンセラー(通算6曲目)を記録。作者は90年代に至って当代随一のソングライターとなるダイアン・ウォーレン。プロデュースもダイアンとガイ・ロッシェ(99年にクリスティーナ・アギレラ等を手がける)。また、この曲はシェールにとって初めてのMTV作品となり「あなたとなんで別れてしまったのでしょう。時間を戻す事が出来たなら」と切々と歌う歌詞を、何故か海軍の空母の上で兵隊を引き連れ、ハイレグのボンテージスタイルで闊歩する姿は“キワモノ女王”としての面目躍如と言え、世の男性の目をくぎ付けにした。

'89 #8 Just Like Jesse James
 アルバム「Heart Of Stone」から3曲目のシングルとして発売された。タイトルの「ジェシ・ジェイムズ」は南北戦争の英雄。「どんなに強がってもあなたの負けよ。今やあなたのハートは炎に包まれるわ。ジェシ・ジェイムズのようにね」と歌われている。曲は、前作と同じダイアン・ウォーレンと90年後半にリッキー・マーティンで再びブレイクしたデズモンド・チャイルド。プロデュースもデズモンド・チャイルドが担当している。楽曲は、スケールの大きなロックバラードで、静かなピアノから始まり、徐々にコーラスと共に盛り上げるというこの手の曲は低音でヴォリューム感のあるシェールにぴったりしている。アルバムからはさらにもう1曲、タイトル曲がカットされ90年にヒットし、アルバムから出されたシングル4曲がいずれもTOP20ヒットとなり80年代最後の年にこの年代のハイライトを作った(90年代も最終年がその年代のピーク)。



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