'89 #1 I'll Be There For You
1988年にリリースされ、ヒットが続いていたアルバム「New Jersey」から、1989年を迎えての3枚目となるシングルカット。「Bad Medicine (1位)」「Born To Be My Baby (3位)」と、明るい(悪く言うと喧しい)曲が続いた上、過去にバラード系の大ヒットが無いことも手伝い、パワーバラードであるこの曲には随分注目が集まった。その結果、チャート的にも大きな健闘をし、彼らの数多いヒットソングの中でも後に名曲待遇となる一曲である。俺はこの頃高校生(思春期?)だったこともあり、この曲を聴くと当時の言わば青春時代を思い浮かべるのだが、俺と同世代の人ならそういった思い出を、この曲に込めている人も少なくないのではないか。今となってはブルース・フェアバーン(1999年死去)のプロデュースということもあってか、俺の加齢に伴なってなのか、当時感じたより更に寂しい旋律に聴こえるのは気のせいか。
'89 #7 Lay Your Hands On Me
アルバム「New Jersey」の、オープニングナンバーでもある4枚目のカット。如何にもアリーナロックという作りは、メジャー志向のリスナーには大絶賛されたが、ハーコー(ハードコア)な一部のマイナー志向のロックファンからは随分馬鹿にされた感があった曲(そんな事どうでもいいのかも知れないけど、売れない音楽が好きな奴が威張ってるのが納得いかなかった)。この曲の魅力は何と言ってもオープニング(アルバムでもコンサートでも)を飾るには完璧すぎる程の爽快感と、抜群なSEを取り入れた適度な緊張感を醸し出すオープニングがピカイチ!前のアルバムにも「Let It Rock」なるソックリな曲があったけど、こういった作品が何曲かあるとライヴバンドとしては本当に強いと痛感する作品。売れる有名なアリーナロックバンドの勢いを(理屈カマさないで)素直に愛せる人は必聴!!
'89 #9 Living In Sin
キッズをこよなく愛するボン・ジョヴィにしては、珍しくアダルトなミディアム・ナンバーである。俺個人的には、彼らの曲のなかで1位2位を競うフェイバリット・ソングだ。冒頭部などはジョージ・マイケルあたりでも似合いそうなところが好きな理由だが、青春時代の夜明けまで起きていたある日、まぶしすぎる朝日を見ながらこの曲を聴いた時の、何とも言えない感動が今でも忘れられなく、非常に印象深いものとなっている。つまり彼らの曲は景色なんかの「思い出」が染み易いサウンドなんだと思う。だからウォークマンのようなもので旅行の時に聴いたりしても、その時の感動をそのサウンドで保存することができるし、そう言った意味では画期的な音を作るバンドなんだと思う。ところでこの曲の世界は、既にHM/HRの領域からは完全に外れているため「バーン!」な人々からは賛否両論出てしまうが、そういった懐の深さがボン・ジョヴィの素晴らしいところだと思うけど、どうでしょう。さて、これからボン・ジョヴィを聴いてみようと思っているそこの若者!先ずはこの曲から聴きなさい!!本当に素晴らしいから!!
その後彼らは長すぎるツアーを終えると、精神的にも肉体的にもボロボロになってしまい、ツアー最終日のショウを終えるとメンバー全員が何の別れも告げずにそれぞれの方向へ行ってしまったという有名な話があるほど。ビッグになりすぎたバンドで働くということが、メンバー皆辛く思う様になってしまったのだろう。そんなこともあり、その後数年間はバンドとしての活動は停止というより解散状態であった(実際解散説も噂された)。しかし彼らは音楽活動そのものに嫌気が差したはずもなく、ジョンはソロ作として映画「ヤング・ガンズ2」のサントラ「Blaze Of Glory(1990年3位)」を発表し大ヒットさせ、「Blaze Of Glory(1位)」「Miracle(12位)」とヒットシングルにも恵まれた。尚、これらの作品でギターを弾いているのは、ジェフ・ベックやアルド・ノヴァ等というから凄い(実際可也格好良いアルバムだった)。一方リッチーもソロ活動に走り、「Stranger In This Town (91年36位)」を発表し、実はジョンよりも歌が上手いことを周知徹底させる。この作品からはスマッシュヒットで産業ロック調の「Ballad Of Youth(63位)」がある。
バンド本体の方はというと、翌年1992年になりようやく活動を再開し、年末には4年ぶりのアルバム「Keep The Faith(5位)」をリリース。先行シングルでタイトル曲の「Keep The Faith(29位)」がオルタナやミクスチャー系を意識しすぎた内容で反発を買い、彼らにしては小ヒットに終わるが、バラード「Bed Of Roses (10位)」、これぞボン・ジョヴィサウンドの「In These Arms (27位)」など、全盛期ほどのチャートアクションではないにしても、健在振りを示すには充分な内容となり、アルバムも200万枚セールスするヒットとなった。その後94年には彼ら初のベスト盤である「Cross Road(8位)」がリリースされ300万枚を超える大ヒットを記録、その中の新曲でパワー・バラード「Always (4位)」が久々の大ヒットとなり、人気が復活したか?思いきや、翌年勢いに乗って発売された「These Days (95年9位)」からは、やはりバラードの「This Ain't A Love Song (14位)」のヒットがあるもその後が振るわず、アルバムも100万枚を辛うじて売り上げるだけで人気は急降下した。しかし日本では久米宏の「ニュースステーション」に出演したり、横浜スタジアムを満員にさせるなど(俺も行った!)相変わらずの人気で、日米で明暗の分かれる評価となった。
その後も日米での反応はそのまま推移し、再び活動停止状態となったその後にリリースされたジョンのセカンドソロアルバム「Destination Anywhere」(内容は悪くないと思うが、、、)は日本でこそ歓迎されるも、アメリカでは全くと言って良いほど不発であった。そしてジョンは俳優を志して短髪にしたり、リッチーは日本で反町隆史とコラボったりと、あんまり嬉しくない話題ばかりが数年間中聞かされたが、1999年にはサントラ「ED−TV」に久々の新曲を発表し、彼ららしいサウンドでオールドファンを「にやり」とさせた。さて2000年を迎え、遂に彼らの5年ぶりになる新作がレコーディングされているというニュースが聞かれるようになった。悪く言うとアメリカでの「背水の陣」的作品と言わざるを得ないだけに、心配と期待が交差するファン心理だが、今後の活躍を祈りたい。