アルバム「Permanent Vacation ('87)」と「Angel」等の一連のシングルヒットで、70年代の全盛期を超える勢いの大復活をとげた彼ら、その仕掛人となったブルース・フェアバーンを再びプロデューサーに迎えたこの年のアルバム「Pump」で、更なる高みへと到達。アルバム自体、大ヒットした前作をさらに上回る700万超のセールスを記録。シングルも3曲のTOP10を含め、計4曲をTOP40入りさせるというハードロックバンドらしからぬ量産ぶり(尤も当時は、ボン・ジョヴィ等シングルヒットの多いハードロックアルバムが目白押しではあったが)。その後も、「Get A Grip ('93)」「Nine Lives ('97)」のナンバー1アルバムの他、その合間でベスト盤やライブ盤も手堅くヒットさせ、シングルもダイアン・ウォーレン作のサントラ曲(「I Don't Want To Miss A Thing」)でまさかのキャリア初ナンバー1、そしてミレニアムカウントダウンライブを大阪ドームで行うなど、結成30周年を迎える今も現役バリバリで大活躍中。その圧倒的な存在感は今やストーンズをはるかに凌ぎ、世界最強のロックバンドという呼称は彼らが最もふさわしい。(窪田)
Hit List
'89 #5 Love In An Elevator
別の階に移動する間のエレベータの中での情事を歌った詞(スティーブン自身、実際に試したことがあるとかないとか...)といい、そのサウンドといい、まさに典型的なエアロスミス印の曲で、彼ら初のゴールドディスクシングルにもなった。イントロでの雄叫び、歌に入った後もメロディのないシャウトと合いの手を入れる結構分厚いコーラス、ゴリゴリしたフレーズを強引にひきまくる間奏のギターソロ、全編通じてとにかく重くて派手なドラムと、骨太なリフを奏でるギターとベース。彼らのファンなら最初からもう大満足なはず。そしてエンディングは段々バックの音を下げていった挙げ句、サビの部分のヨーデル調のコーラスをほんとに見事にアカペラで聞かせる。そう、イメージ的にわりと見逃されやすいけど奴ら、コーラスかなりうまいんだよな(そういえば、初のTOP40ヒットの「Sweet Emotion」も、コーラスで始まってた)。
'89 #4 Janie's Got A Gun
前曲と一転し、子供の虐待という極めてシリアスなテーマをとりあげている。しかも、父にレイプされた娘が、父を銃で殺してしまうという絶望的な悲劇...。その重い詞のわりには、ポップで明るめなメロディーが逆に暗示的。そして、要所でひしひしと緊張感をかきたてるストリングスや、パトカーのサイレンのような音も交えて狂ったように弾きまくられる間奏のギターソロが戦慄をよぶ。酒とドラッグと女から足を洗った彼らの、その社会的な視点が高く評価されたのか、この曲で彼らは初のグラミーをも、最優秀ロックグループ部門で獲得した。その後、彼らはこの部門の常連となる。
copyright (c) 1997-2004 by meantime, all rights reserved.
無断転載を固く禁じます。