八亀's Picks - September 2004

過去の八亀's Picks

9.23 Songs From Big Sur - Bobby Darin
9.18 ひばり・チエミ・いづみ 三人娘ソングブック
9.18 アキラの童謡集
9.18 守屋浩の童謡集
9.09 Teenage Crush Volume 4 - VA
9.09 The Sands Collection 1957-1963 - Tommy Sands

Songs From Big Sur

Songs From Big Sur - Bobby Darin
(Varese Sarabande)



 みんな大好きボビー・ダーリン!!「はぁ???」という方はこの先の文章を読んでいただかなくて結構。1950年代〜60年代にかけて数多くのヒットを放った彼はロック史的な重要人物の一人だが、一方で作風のコロコロ変わるアーティストとしても知られていた。

 1936年生まれのWalden Robert Cassottoは58年に自作のR&Rナンバー「Splish Splash(米3位)」でヒットチャートに登場し、兵役で不在のエルヴィスに代わる新しいR&Rスターとしてヒットを連発。しかし翌59年には早くもポピュラーの世界に転身、1920年代のナンバー「Mack The Knife」を全米1位に送り込み“第2のシナトラ”と呼ばれるようになった。この彼の変わり身の早さには理由があって、彼は幼少時に患った病気が原因で心臓に疾患をもっており、30歳まで生きられないのでは?と言われていたため早急なキャリアの展開を目指したのだそうだ。その後60年代後半になると、今度はボブ・ディランに憧れてフォークロック路線を目指し、ティム・ハーディン作の「If I Were A Carpenter(66年米8位)」がヒット。相変わらずスタンダード路線なども歌いつつ、自作のフォークソングを録音するようになる。

 結局彼は37歳まで生き、1973年に受けた心臓手術から生還することなく生涯の幕を閉じたが、そんな彼、そして妻だった女優サンドラ・ディーの人生がケヴィン・スペイシー主演で映画化され「Beyond The Sea(彼の1960年のヒットからとられている)」のタイトルで11月にアメリカで公開されることとなった。37歳で死んだダーリンを、45歳のスペイシーが演じるのは如何なものかなんて話もあるが、その“ヅラ”ぶり(実際ダーリンはステージに上がる際は必ずカツラを着けていたそうだ)も堂にいったスペイシーのなりきり度合いも楽しみなこの作品の、日本公開を祈る気持ちで待ちたいと思っている。

 映画の公開に先立ち、各レーベルからダーリンが遺した音源集が各種発売されはじめているが、その中でも特に珍しいものをここで紹介。「If I Were A Carpenter」の後、シンガーソングライター色を強めていった彼は1968年に自己のレーベル「ディレクション」を設立、そこで2枚のアルバムを残したが、ごく一部を除いてこれまでこの時期の作品がCDにまとめられることはなかった。タキシードからジーンズ・スタイルに変わり、カツラをはずし時には“ボブ・ダーリン(!)”と名乗ってステージに上がったこともあったというこの「ディレクション」時代を中心に、それ以前に在籍したアトランティック時代のお蔵入り曲等も加えた彼の自作曲ばかり18曲と、ライブ音源4曲をボーナスに収録した“自作自演歌手”ダーリンの側面を知ることのできるアルバムになっている。

 聴きどころを上げてみよう。「ディレクション」時代に生まれた唯一のヒット「Long Line Rider(69年米79位)」はブルース・ロック調のナンバー。他にもブルースを基調にした作品が多く、同じくR&R時代のポップシンガーから60年代後半シンガーソングライターに転じたディオンあたりに共通する雰囲気を持った作風と言えるだろうか。但し作品の出来からいえば断然ディオンに軍配が上がるが。他にはグッド・タイムミュージック風の「Jive」、アトランティック時代にリリースされたアシッド・フォーク調の「I Am」といったところも興味をそそられる。当時お蔵入りだった「Route 58」はストレートなR&Rで、タイトルは彼が初めてヒットを放った年にかけられているのかも知れない。

 CD後半にボーナスで収録されたライブ音源の中で注目すべきは「Simple Song Of Freedom」。この曲は「If I Were A Carpenter」をきっかけに親交を深めたティム・ハーディンに、今度は逆にダーリンから贈った作品で、リリースされたシングルはハーディンにとって唯一のHOT100ヒット(69年米50位)を記録した。ダーリン自身は生前発表しなかった曲(註:後で確認したところ70年代に入ってから契約したモータウンでリリースしていたらしい)なので、なかなか貴重。ソングライターとしての彼の才能は、シンガーとしてのそれほど優れたものだったとは思わないが、とにかく前述のような理由で“生き急いだ”彼ならではの衝動が生み出した作品集であり、彼のファンだったら持っておきたい1枚だと思う。逆にこれから彼の作品を聴き始めようという人にとっては、これは最後に入手すべきCDだろう。先に聴く作品は沢山あるので。

The Very Best of Bobby Darin 1966-1969 Hit Singles Collection 

 ということで“先に聴くべき”CDも併せて紹介。彼のフォークロック期の作品は別にベスト盤「The Very Best of Bobby Darin 1966-1969」としてまとめらていて、こちらは是非とも聴いてみていただきたい1枚。特にアシッド・フォーク系の作品に目のない方には強くお薦め。あと彼の数多いTOP40ヒットの殆どを、レーベルをまたいで収録している「Hit Singles Collection」というCDも出ているので、これは入門編としてどうぞ。

 話を映画「Beyond The Sea」に戻すと、スペイシーはこの作品にかなり入れ込んでいるようで、近頃色々な場所で彼が自慢の喉を披露しているというニュースを見かけるが、これは恐らくこの映画のプロモーションのため。しかも公開に合わせ彼がダーリンの唄を歌いまくるという「Evening Celebrating The Music Of Bobby Darin」ツアーも企画されているそうで(観てみたい!)かなり本気。映画のヒット、そして更にボビー・ダーリンブームの到来!なんてことがあったらファンにとっては本当に嬉しいのだが。。この件についてはいずれ続報が書けるかも知れない。

※映画に関する続報はこちら

曲目等詳細(発売元のサイト)

(2004/9/23)

ジャンケン娘。

ひばり・チエミ・いづみ 三人娘ソングブック
(Columbia Family Club)



 「洋楽サイトだろっ!!」という声が聞こえてきそうだが、「Editor's Pick」だけはご勘弁くださいということでこの“重要作”をご紹介。これを洋楽サイトで取り上げる意味も、読んでいただけばわかると思うので。

 まずは我が国戦後初の“アイドル・ユニット”三人娘のお話から。美空ひばりが地元横浜の舞台で歌を披露するようになったのは戦後間もない昭和21年のこと(当時9歳)。天才少女の出現は次第に評判の環を広げ、24年には映画「のど自慢黄金時代」に出演。以降出演作を重ねた彼女は「躍る竜宮城」の挿入歌「河童ブギウギ」でレコード・レビュー、音楽シーンに登場した。

 ひばりが「悲しき口笛」以降ヒットを連発し、すっかり地位を確立した昭和27年になってデビューを果たしたのが江利チエミ。それまで主に米軍キャンプでリアルタイムのポップスを披露していた彼女は、レコード・デビューにあたっても「テネシー・ワルツ」を一番を英語、二番は日本語で歌うというユニークなスタイルでカバー路線を展開。これは当時かなり新鮮に受け止められたようで流行歌として大ヒットを記録したばかりでなく、当時始まって間もない我が国の“洋楽チャート”でもオリジナル録音盤とポジション争いを展開した記録が残されている。続く雪村いづみはチエミが人気アーティストに成長し、米国公演に乗り出すまでになった28年にデビュー(いづみを送り出したビクターは、過去にオーディションでひばりとチエミを門前払いにした過去があった)。彼女も洋楽カバーを得意としており、多くの洋楽曲をシングルリリースしている。

 偶然にも昭和12年生まれだった3人は所属レコード会社が違うとはいえいつしかお互いに存在を意識しあうようになり、この人気者3人の組み合わせで映画を制作しようと思い立ったのが東宝映画。30年に公開されヒットを記録した「ジャンケン娘」を手始めに「ロマンス娘(31年)」「大当たり三色娘(32年)」時間をおいて「三人よれば(39年)」と計4作が制作され、どの作品でも3人の歌が大々的にフィーチャーされていた。今回発売されたCD4枚組は、これら4作用に録音されたサウンドトラックに、ひばり主演の「歌え青春!はりきり娘(30年)」とチエミといづみ主演の「歌う不夜城(32年)」の2作分を追加した貴重な音源集。何が貴重かというと、これが映画のためのみに録音され、当時はレコードとして発売されなかったこと。近年では映画のサウンドトラックとそこからカットされるヒット曲が同じ録音であることは当たり前のように思われているが、ある時期(50年代くらい?)までは映画音源とレコード発売される音源ははっきり違っていた。

 コロムビア所属のひばり、キングのチエミ、ビクターのいづみの3人が一緒にレコードを吹込むことは当時は無理(因みに「ジャンケン娘」は当時いづみのソロとしてシングルが発売されている)。治外法権の映画界でないと実現出来ない組み合わせによる録音が残されたことは、音楽ファンとして感謝しなければならない。収録曲を見ると、主題歌がオリジナルなのは当然として、その他の洋楽カバーの多さに驚かされる。最初の3本の映画が制作されたのは我が国のポップス史的にいうとロカビリー・ブーム直前の3年間で、当時流行していたラテン・リズムのポップスが満載。「ウスクダラ」「スィート・アンド・ジェントル」「マンボ・バカン」「ロック・アンド・ロール・ワルツ」・・。彼女たちの芸達者ぶりと、東宝映画のオーケストラの健闘によって楽しい“ユアー・ヒットパレード”集になっている。

 このアルバムを聴いた3人娘の印象は、まずひばりはこんな映画の中でも「祇園小唄」や「やくざ若衆祭り唄」を歌ってしまうあたり、やはり少々浮いているかな、という印象。勿論彼女の参加があったからこそ価値あるこの共演なのだが。チエミはその歌唱力と愛嬌でどの曲も堂にいったもので、近頃“すっかりチエミ派”な僕には特に楽しめた。「ジャンケン娘」で歌われるアーサ・キットの「ウシュクダラ」が、メロディはそのまま劇中の台詞に移行していく「あんな亀沢女史なんか」には大笑い。いずみはアクの強い姐さん二人に比べ印象はやや弱いが、なかなかの健闘ぶり。それにしても彼女のルックス、スタイル。当時のアイドルとしては完璧でしょう。

 通販のみの販売なので入手する人は限られると思うが、戦争が終わって10年、アメリカの占領政策によってかの国のエンターテインメント漬けとなった日本の芸能が、どのように洋楽文化を消化したのかを窺い知ることのできる興味深いボックスセットになっている。ボーナスとして大量に追加されている東宝オーケストラのインスト(作曲は神津善行)も“よく勉強している”感じが好感もて、とにかく“完璧なお手本”として当時存在したアメリカの音楽や映画を、何処まで模倣できるか?という情熱をひしひしと感じる。

収録曲等詳細(発売元のサイト)

(2004/9/18)

アキラの童謡集

守屋浩の童謡集


アキラの童謡集 (Columbia)
守屋浩の童謡集 (Columbia)



 「三人娘ソングブック」はコロンビア・レコード勤務の友人を通じて購入させていただいたのだが(お手数おかけしました)、その彼女から「これも結構お薦めですよ。」と言われたのが「コロムビア童謡玉手箱」。中から大好きな“アキラ”小林旭編と、特に強く推された守屋浩編をご紹介。

コロムビア童謡玉手箱 「コロムビア童謡玉手箱」は1961年に当時同社所属だった人気歌手5人(美空ひばり、島倉千代子、初代コロムビア・ローズ、小林旭、守屋浩)が童謡を各々10曲ずつ吹込み、10インチ(25センチ)盤5枚組のボックスセットとして発売したというレアな企画もの。収録曲の詳細は下のリンクをご覧いただけばわかる通り現在でもお馴染みの曲が多く、なかなか楽しめる。中には曲の一フレーズだけはよく耳にするけれども、フルコーラスはなかなか聴く機会がないというものもあって「へー、実はこんな曲だったんだー。」という意外な発見もあったりする。

 ものの本によると“童謡”というジャンルにははっきりとした定義があるそうで、特に近年では一括りに語られてしまう記述も見られる“唱歌(こちらは官製)”との違いとか、また“わらべうた”と読み替えると概念がガラっと変わってしまうような気もするし、色々と難しく僕も勉強中なので詳細には触れないことにするが、ここで選ばれている曲の多くはその世界で頻繁に名前の挙がる作家、西条八十、中山晋平、北原白秋、山田耕筰といった音楽の教科書で馴染み深い名前がずらりと並ぶ“名曲選”になっていて、これを童謡の世界を探る手がかり一つとするのもいいのかも知れない(と自分に言い聞かせる)。しかし、このシリーズの本当の楽しみ方は、そういった学究的なことはおいといて当時の人気歌手とバックのミュージシャンたちが童謡を題材に作り上げたユニークな“ポップス”として聴いてみることなのだろう。

アキラッ!! それではまずアキラからいってみましょう。我が国戦後歌謡のある意味“キング”といえる彼に名唱怪唱は多く、それらの多くは一昨年発売された4枚のコンピレーション(個人的にはその年のベスト・コンピの一つ)でたっぷりと楽しむことができるのでそちらも聴いてみていただきたいが、そこでも6曲が選ばれていた童謡集が完全復刻ということで、アキラマニアにはなんとも嬉しい一枚。アキラといえばあの素頓狂なハイトーン・ボイスがまず思い浮かぶが、ここでもそれは存分に聴くことができる。「夕やけ小やけ」は夕空が吹き飛んでしまいそうな勢いだし、陽気な「めんこい子馬」「ちんから峠」はまさに“スットンキョー”。この系統の最高峰といえる「どんぐりころころ」は歴史的名唱と言っていいかも知れない。

 一方でこの人が単なる“人気俳優兼怪シンガー”でないのは、この声質からは想像出来ないほどのボーカル・テクニックの持ち主である点。アルバム冒頭に収録されている5分以上に及ぶ「月の砂漠」の抑制の効いたボーカルといったら!“抑制”なんて言葉とは無縁に思えるアキラだけに、これは多くの人にとって意外だろう。「青い眼の人形」ではセルロイド製の人形が独り異国に送られた心細い心情を見事に歌い切っているし、♪か〜ら〜す〜、何故鳴くの〜、の「七つの子」では、鴉が子を慈しむ親心までをも表現している(本当だって!)。まさに“歌は解釈次第”なんだなー、と改めて思う。詩の内容に合わせ曲の中でもころころリズムが変わる意欲的なアレンジメントにもアキラはまったく動じず、まるで最初からこういう曲であるかのように歌いこなす。やっぱりアキラは凄い歌手です。芸能生活50周年を迎えるという彼、またナマの姿を拝見したくなってしまった。

 それにしても当時特殊な発売方法だっただけに、これらの録音はどれだけの人々に聴かれたのだろうか?と考えなくもない。21世紀の現在の方がよっぽど多くの人に聴かれていたりして。ただ、今から20年ほど前、まだ真っ当な芸人だった時代の片岡鶴太郎が小林旭のマネをする時頻繁に♪どんぐりころころ、どんぶりこ〜、と歌っていた記憶があるので、意外に60年代当時の子供達には、聴かれる機会があったのかも知れないけれども。

 続いては守屋浩編。カントリー〜ロカビリー・シーンから登場した彼は“ハマクラ”浜口庫之助のもと歌謡路線で成功、「僕は泣いちっち」や「有り難や節」などユニークな作品を残したシンガー。このアルバムでもアレンジは恩師であるハマクラ氏が手がけていて、ラテン出身の彼らしいサウンド(演奏はゲイ・スターズ)に彩られた童謡集になっている。このアルバムの魅力はまず守屋の声の持つ明るさ、そしてハマクラ製のラテン・サウンド。有名な曲では♪てんてんてんまり、の「鞠と殿様」はこれまでなんとなく物凄く昔の歌だと思い込んでいたけれども、実は西条八十作詞の立派な“近代曲”であることを初めて知ったし(既にあった曲を採譜しただけかも知れないけど)、♪お山の大将おれひとり〜、の「お山の大将」なんて、このフレーズ以外は現在耳にすることはほとんどないが、その後続くのは「兵どもが夢の後」的な内容であることも、これまた初めて知った。♪ぴっちぴっち、ちゃっぷちゃっぷ、らんらんらんっ!の「あめふり」の詩が生み出す言葉のリズム感には小さい頃から気持ちが高揚させられっぱなしだし、聴きどころは多い。

 日本の流行歌の世界は知れば知るほど魅力ある作品に出逢えるので、今後リサーチが進めばこのような興味深い音源を色々と聴くことができるようになるのだろう(期待してます)。しかし折角の意欲的な企画も人知れず発売されていることが多いので、こういう情報を得られる場所があるといいと思うんだけど。あ、勿論「Editor's Pick」もそんな場所を目指して頑張りますけれども。

曲目等詳細(発売元のサイト)

(2004/9/18)

Teenage Crush Vol.4

Tommy Sands


Teenage Crush Volume 4 - VA (Ace)
Man, Like Wow!: The Sands Collection 1957-1963
- Tommy Sands (Raven)



 できるだけ肩のこらないオールディーズのCDも取り上げていきたいので、今回はこちらを紹介。毎月恒例「今月のエイス・レコード新譜」は「ティーンエイジ・クラッシュ」シリーズの第4集。同社はいくつもテーマ別のシリーズを出していて、各々年に1枚ずつくらいリリースしてくれるのを日々心待ちにしているのだが、この「ティーンエイジ・クラッシュ」のテーマは簡単にいうと“10代の悲劇”。

 1950年代後半から60年代前半、ポップスの世界では一時期「デス・ディスク(Death Disc)」と呼ばれるものが流行って。主人公が事故に遭ったりして死んじゃうやつ。自動車事故で瀕死の重傷を負いながら「あの娘に愛していると伝えてくれ。。」というレイ・ピーターソンの「Tell Laura I Love Her(『ローラに好きと言ってくれ』60年7位)」だとか、結婚式のため飛行機で自分の町にやってくるガールフレンドを空港に迎えに行ったら、飛行機が墜落してて「あの黒い瞳には二度と会えない。。」というエヴァリー・ブラザーズの「Ebony Eyes(61年8位)」とか。さすがにそんなものばっかり集めてたらすぐにネタ切れになっちゃうから10代にとってより身近な悲劇“失恋”やら、そこら辺がテーマのものも併せて各巻28曲ずつ揃え、聴いてみるとこれが“ティーン・ポップの醍醐味”といっていい内容になっているから、もう堪らない。

 そんな訳で(主に僕に)好評のうちに迎えた第4集、今回も片思いやら失恋やら、時には恋愛に対する妄想やら。1956年〜63年という“ゴールデン・ポップス”華やかなりし時代のティーン・ポップが28曲、まず有名どころを挙げてみると

Love Letters In The Sand - Pat Boone ('57 #1)
Why - Frankie Avalon ('59 #1)
Take Good Care Of My Baby - Bobby Vee ('61 #1)
Goodbye Cruel World - James Darren ('61 #3)
Mr. Blue - The Fleetwoods ('59 #1)

 といった歴史的な大ヒットがパラパラと入っていて、ここら辺の曲目を見ただけでかなりいい雰囲気のオールディーズ・コンピであることは、わかる人にはわかるだろう。続いて少々珍しいところをいってみると、まずボイス&ハートを結成する前のトミー・ボイスが歌う「I'll Remember Carol(62年80位)」、そして飛行機事故で亡くなったバディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、ビッグ・ボッパーの3人に捧げたトミー・ディーの「Three Stars(59年11位:コーラスをつけているのは後に伝説的なセッション・ミュージシャンとなるキャロル・ケイ)」などなど。ジョージ・ハミルトン4世の「Why Don't They Understand(57年10位)」やデニー・リードの「A Teenager Feels It Too(60年94位)」みたいな“シミジミ、ホノボノ系”に弱い僕は、それらを聴く度にメロメロ。さらに恐らく初CD化ではないか?と思われるレアなヒット曲

Little Boy Blue - Huelyn Duvall ('59 #88)
Blue Velvet - The Statues ('60 #84)
I'm Not A Fool Anymore - T K Hulin ('63 #92)
Angry - Frank Pizani ('57 #70)
So Young - Clyde Stacy & The Nitecaps ('57 #68)

 あたりはチャートマニアには非常にシビレる選曲。スタチューズの「ブルー・ヴェルヴェット(ムーングロウズやクローヴァーズでお馴染みのあの曲)」以外はどれもロカビリー系なので、ピュアロカ派はチェックしておいた方がいいでしょう。なお「ブルー・ヴェルヴェット」でリードを歌っているのはゲリー・マイルズの名で「Look For A Star(60年16位)」のヒットも放っているジェイムズ“バズ”カーソンで、彼はその後ソングライターとしても成功する。

Teenage Crush Vol.1 Teenage Crush Vol.2 Teenage Crush Vol.3 

 あんまり文章が長くなると読んでる方も疲れると思うのでこれくらいにして。ということでオールディーズの神髄をたっぷり味わえるこのシリーズ、全4枚合計100曲ちょっとを聴けば貴方もちょっとしたティーン・ポップ博士ということで、特に入門者の方にはお薦めしたい。因みにこのシリーズ名はトミー・サンズ1957年の大ヒット(最高2位、このシリーズの第1集に収録)からとられたものだが、偶然先日彼のベスト盤がオーストラリアで発売されたのでこちらも併せて紹介しておこう。サンズは50年代後半から60年代前半にかけて活躍した俳優兼歌手という典型的な“ティーン・アイドル”で、ナンシー・シナトラの元夫としても知られている。彼が当時放った11曲のチャートヒットの大半を収めた「The Sands Collection」は、意外にもハードなロックン・ローラーだった彼の録音を33曲も収録した力作コンピ。彼のバックバンド「レイダース」でドラムを叩いていたのは少年時代のハル・ブレインということで、西海岸ポップス・マニアにはこれまた無視出来ない一枚ではないかと思う。

曲目等詳細(発売元のサイト)
Teenage Crush Volume 4
Man, Like Wow!: The Sands Collection 1957-1963

(2004/9/9)