しんかい's Picks - December 2003

September 2003

12.23 Exitos Eternos / Marc Anthony (CD+DVD)
12.22 Part II / Lil Jon & The East Side Boyz (CD+DVD)





Exitos Eternos / Marc Anthony (CD+DVD)


 何年か前にラテンのスターたちが次々に英語作品を出して、どんどんアメリカ市場でブレイクしていったのは、結局一過性のブームで終わった感がある。ただ、流石だなあと思うのは、みんなちゃんと元の鞘に収まって、スペイン語作品を堅調に出し、それが支持されているところだ。

すっかり印象の薄くなってしまったリッキー・マーティンだって、今年出した新作がラテン・チャートではシングル「Tal Vez」が年間1位、アルバムが年間2位という特大ヒットで、実は大活躍していた。

アメリカ在住者のスペイン語人口は増加する一方だろうし、将来的にはもうちょっとスペイン語作品が全米チャートに占める割合は高くなるんだろうが、今はとにかくきわめてわずかな例外を除けば、英語で歌わなければ全米チャートに登場することはできない。

プエルトリコのリキマ、スペインのエンリケ・イグレシアス、コロンビアのシャキーラ、メキシコのタリア。みんな、スペイン語を母国語とする国の、(アメリカ人から見れば)ガイジンである。まあプエルトリコは微妙としても。彼らはアメリカで売れなくても、母国を始めとするラテン市場に一歩戻れば、相変わらずのトップスターだ。アメリカで惨敗しても日本における地位には何も影響しなかった松田聖子のようなものだろう。

ところが、中にはアメリカ人のラテン・スターもいる。
マーク・アンソニー。彼はニューヨーク出身だ。同じくラテン系のサファイアのデビューに力を貸したり、メヌードのバックボーカルをやったりと、その活動基盤は当初からずっとラテン・マーケットだ。彼の場合も地元の強い支持基盤があり、「ニューヨーク・タイムズ」紙は特に彼をサルサのキングと呼んだり、ニューヨークでもっとも影響力のある10人に選んだりと、相当肩入れしている。

さて、そのマーク・アンソニーのベスト盤が今年発売されていたことはほとんど知る人がいないだろう。
何年か前にスペイン語作品のベスト盤が出ていたが、あれの出し直しのようなもので、ここ数年の作品は網羅されていない。正直、普通なら食指の動くようなものではない。ところが、これが、例のアレなんですよ。ボーナスDVD付き。

日本でビデオクリップを見るのがもっとも難しいジャンルはカントリーとラテンだと思うのだが、とにかくマーク・アンソニーのスペイン語作品のビデオクリップなんてここ以外でお目にかかる機会はあるまい。しかもここに収録されているような初期作品ともなればなおさら。
いちおうどれも1990年代以降の作品なのでこれほど画質が悪いのは不思議だが、とにかく家庭のビデオデッキで3倍て録画したのを元にしたんじゃないかという画質のやつも中にはあるのだが。

この人は踊って見せたりするわけでもないんだけど、流石に映画や舞台の経験もあるだけあって身のこなしがしなやかで実にかっこいい。
ビデオクリップ云々以前にまず、この人は英語作品なんかよりスペイン語のサルサ作品のほうが遙かに素晴らしい、という大前提があるのだけど、それはこのベスト盤であわせて体験してもらうとして。

(2003/12/23)





Part II / Lil Jon & The East Side Boyz (CD+DVD)


 もともとこのコーナーってもっと気軽に、そのときのマイブームを半分自己満足でちょこちょこ書いていくつもりだったんだけど。
いくら仕事が忙しかったとは言え、3ヶ月も更新せずに放っておいてしまったのは本当に申し訳ないです。初心に戻って、何の脈絡もなく「今のお気に入り」を取り上げていきます。

で、復帰第一弾にぴったりの作品が。

リル・ジョン。「Get Low」のヒットには流石に驚いた。年間チャート11位だよおい。あと一歩で、今年の10指に入る大ヒット曲だよ。確かに今までリル・ジョンのことを全然知らなかった人にはすごくインパクトがあっただろうから、面白がられたんだろうけど、はっきり言って今までのリル・ジョンと同じだし、むしろ前作からの小ヒット「Bia Bia」や「Put Yo Hood Up」なんかのほうがハイパー度は高いので、今回突如大ブレイクしてしまったのはあまり納得してなかったりもする私ではある。

が、そんなことを言ってマニアぶっていてもしょうがない。この機会に、多くの人にリル・ジョンの過去作品にも触れておいていただきたい。そのために、うってつけの作品が出たのだ。「Part II」。一体なにがパート2なのか、パート1は何なのかがさっぱりわからないところがいかにも彼ららしい。
本編は7曲入りのリミックス集で、「Get Low」のゲストがわんさか参加したリミックス2種類の他は過去のヒット曲のリミックス。これはこれで楽しいが、もちろんこれが本作を買うべき最大の理由ではない。

最大の理由は、オマケ扱いのDVDのほうだ。僅か6曲ではあるが、彼らのビデオクリップが収録されているのだ。アメリカではあれだけ大ヒットしていたにも関わらず、日本では「Get Low」のビデオクリップを見る機会は非常に限られていたと思う。況や、過去のヒット曲となると日本でそれを見るチャンスはほとんど皆無に等しかった。それが、こうして、まとめて見られてしまうのだ。しかも日本の店頭価格でさえ1600円ぐらい(amazon.co.jpならなんと1294円:12/21時点)、普通のアルバムよりも安く買える。一体これを買わない理由が、あるだろうか。いや、まあ、色々あるでしょうけど。

ついでなので書いておくと、リル・ジョンをここ1、2年でぽっと出てきた馬の骨だと思ってる人は多いだろうが、もともと裏方から出てきた人で、97年には既にイーストサイド・ボーイズと一緒にアルバムを出している。このタイトルが「Get Crunk, Who U Wit - Da Album」。そう、ここ2年ぐらいでようやく一般に認知された「クランク」を、彼は6年前から推進していたのだ。その長年の普及啓蒙活動がようやくここ数年で実ったというわけで、彼はいわばクランク界のヴィンス・マクマホンのような人なのである(謎)。

動くリル・ジョンの勇姿が拝めるこの幸せにをお歳暮代わりにお裾分けしましょう。いやいやまあ遠慮なさらずに。ささ。

(2003/12/22)




September 2003


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