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"Carry On" - Alana Davis
Hot 100 Singles Sales Chart No.30 (2/15/2003)
2003 (Columbia)
ええっと、このEditors' Pick、みんないろんなお題を決めて楽しくやってるみたいだけど、僕の場合、しんかい君の線に近く、できるだけパターンを決めずにその時その時で「これいいねえ」と思ったものを紹介していく、と言う風にしようかと思ってます。それこそシングルでもアルバムでもその他ポップ・カルチャー・アイコンで音楽に関係あるもんだったら、取りあえず分野を限定せずにやりたいですねえ。でもいくつかパターンを決めておくとこういうのは楽だったりするから(笑)、そのひとつとして「セールスチャートのみチャートインシングルの紹介」というのをやってみたいと思ってます。
90年代はHot 100にチャートインしないけど、ラジオではバンバンにかかってるという「エアプレイオンリー・ヒット」というのがやたら出てました。その最たるもんがノー・ダウトの「Don't Speak」とかああいうヒット曲の数々。この辺は今展開中の新コラム「90s: REPLAY」でもこれからカバーしていくけど、この傾向は1998年12月のチャート改編でエアプレイのみのシングルもHot 100にチャ?イン可能となってからぱったりと姿を消し、代わりに増えてきたのはその全く逆のパターンである「セールスのみヒット」。要は全国的なエアプレイがついていかないけど、局地的にシングルが売れるヒットというわけで、あなたももう予想がつくようにチープなホゲホゲラップとか、クラブでしかかからないダンスヒットなんかが結構多い、というのが傾向。でも時に結構あまり日の目を見ないけど結構いい感じの曲が入ってくるので、最近ちょっと注目してます。
で、前置きが長くなったけど、このアラナ・デイヴィスの「Carry On」。アラナというと全米ヒット曲ファンには、1998年にあのアニ・ディフランコの「32 Flavors」をカバーして小ヒット(37位)を飛ばしたちょっと個性的なシンガーソングライターとして記憶されてることと思う。その後長らく名前を聞かなかったんだけど、この間このシングルがひょいとセールス・チャートに登場。と、いっても30位という下の方だからひょっとすると見逃してしまいそうな地味なチャートインだったんだけど、アラナの名前はよく覚えていたので、この「Carry On」ってどんな曲だろうと思っていそいそとシングル購入聴いてみたら...ああ何とあのCSNYの名曲のあの「Carry On」ではないの!オリジナルはCSNYの名盤『デジャ・ヴ』のオープニングを飾るスティーヴン・スティルスの曲で、アコギとCSNYの4人を中心とした分厚いコーラスとちょっと舞い上がった感じのメロディが、あの1970年に出たアルバムの中ではスペイシーな雰囲気を醸し出していたのだけど、このアラナのバージョンも、実にそれに肌合いの近いアレンジで(イントロのところでテープの逆回転なんかを使ってる辺り結構泣かせるのですが)でもそれでいて、女性シンガーソングライターらしい繊細な味わいをうまく曲と融和させたいーい感じに仕上がってるんです。
ジャケには何故か宇宙飛行士の写真が載ってるんだけど、どうもこの曲、ソニーのTVコマーシャルで、宇宙飛行士が登場するCMに使われてたみたい。残念ながら僕はこっちのTVでそのCMを見ることはできなかったんだけど、やはりこの曲の一種独特のスペイシーな雰囲気がそういうCMを作らせたんだろうね。で、人選をアラナに持ってくる辺りも結構渋い人選というか。この曲、彼女のこれまでの2枚のアルバムにも収録されてないし、近い将来に彼女の新作が出るという話も聞いてないから、結局このCMのためのワンオフのプロジェクトだったんだろう。でも、この曲聴いてると、彼女が実に楽しそうに、趣味趣味の世界に浸って音作りしてる、という感じが伝わってきて、結構いいなあ、こういうの、と思ってしまうのでした。
最近TV CMからヒットチャートに登場する曲、というのは最近Hot100でも車のコマーシャルがらみでいくつかあったりするんだけど、セールスチャートに登場する曲にもそういうのが最近ちらほらお目見えしているので、また近々紹介します。
(2003/5/16)
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