序章
第1章 歴史
第2章 作品紹介(1)
作品紹介(2)
作品紹介(3)
第3章 サントラ紹介(1)
サントラ紹介(2)
サントラ紹介(3)
サントラ紹介(4)
サントラ紹介(5)
サントラ紹介(6)
サントラ紹介(7)
written by
Kazuyuki Shinkai,
Oct.1995
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第3章 Black Soundtrax(その3)
The Five Heartbeats (1991)
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Artists : The Dells, Patti LaBelle & Tressa Thomas & Billy Valentine, After 7, U.S.Male, Bird & The Midnight Falcons, Flash & The Five Heartbeats, Eddie Baby Doll & The La Mass Choir
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【全体観】
架空のソウル・ボーカル・グループの活動を描いた映画で、そのモデルになったのはThe Dellsとされる(いや、そんな地味なグループがモデルになるはずはない、本当はTemptationsだ、などという失礼な噂が流れたこともあった)。となると、本家Dellsの過去のヒット曲も含め、新録作品もそういうタイプの曲が多くなる。そういうってどういうんだ、と言われそうだが、簡単に言えば70年代ソウル。しかも非常にディープ。いわゆる「クロい」音だ。
【聴きどころ】
そうなると商業的にはやはりきついものがあり、実際にサントラは全くヒットしなかったが、しかしヒット曲は生まれた。After 7の「Nights Like This」。Babyfaceの兄と従兄弟によるグループということで、Babyfaceに助けられてデビューした当時は「弟の七光」と言われたものだが、Babyfaceの手を放れて初めて真の実力を見せてくれた。まさにオールディーズ。全盛期のTemptationsやFour Topsらの作品と並べても曲の出来、ボーカルともに遜色ない。90年代にこんな曲がヒットしたというのも凄いけど、こいつらの実力も相当なものだ。
ブラックサントラは、その大半がヒップホップ寄りのサウンドである。完全にソウル一色のこのアルバムは、最近のブラックサントラの中では確実に異質だ。しかしだからといって無視したり忘れてしまうのは、ちょっともったいない、地味だけどいい作品だ。
Friday (1995)
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Artists : Ice Cube, Dr.Dre, Scarface, Threat, Cypress Hill, Mack 10, The Isley Brothers, Bootsy Collins & Bernie Worrell, Rick James, Funkdoobiest, The Alkaholiks, E-A-Ski, 2 Live Crew, Roger
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【全体観】
Ice Cube主演の映画だが、なぜかあの顔でコメディだそうだ。で、これが豪華メンツ勢ぞろい、映画も大ヒットということでブラックサントラとしては「Murder Was The Case」以来約1年振りのNo.1アルバムとなった。
【聴きどころ】
「Keep Thier Heads Ringin'」をヒットさせたDr.Dre、メインテーマを手がけたIce Cubeといった連中の作品も悪くないが、意外にも充実しているのがベテランだ。ここ1〜2年でラップのサンプリングネタとしてIsley Brothersが圧倒的な人気を誇り、再評価が進んでいるが、どういうわけかどいつもこいつも彼らのバラードしか評価していない。基本的にはファンクバンドであり、「バラードもうまい」グループだったはずのIsleysが、いつの間にかバラードでしか評価されなくなっていた。本人たちがそれを意識したかどうかは定かではないが、ここに提供されたIsleysの久々の新曲は、ばりばりのファンクである。それも、かなり出来がいい。「Black Music Review」誌では馬鹿なライターが「なんでファンクなんかやるんだ」と不満たらたらの文章を書いていたが、それが君のような「分かってない奴」に対するIsleysの返答なんだよ。
逆に、メンツを見れば絶対ファンクだろうと思ってしまうBootsy Collins & Bernie WorrellというP-Funkコンビは、なんとアルバム中でいちばん素直で分かりやすいバラードである。こういう感じでラップ一色、とかいうわけじゃないので、15年前の作品であるRick Jamesの「Mary Jane」やRose Royceの「I Wanna Get Next To You」なんてのが混在していても、不思議なくらい気にならない。案外、このあたりの曲が好きな人こそ気に入るアルバムではないかと思う。おそらく映画中で使われているのであろう70〜80年代の既発表曲(それもメジャーなのが大半)ばかりを集めた「Old School Friday」という便乗商品?も出ていた。
Higher Learning (1994)
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Artists : Ice Cube, Tori Amos, Mista Grimm, Rage Against The Machine, Me,Shell Ndegeocello, Outkast, Liz Phair, Eve's Plum, The Brand New Heavies, Raphael Saadiq (of Tony! Toni! Tone!), Zhane, Stanley Clarke
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【全体観】
本作はJohn Singletonという黒人若手監督の作品だが、白人も主人公の一人として描かれている。そのせいか、監督自らがExecutive Producerをつとめるサントラの方もおよそ半分は非ブラックの作品が占める。Tori Amosによる「Losing My Religion」(R.E.M.)のカバーなんてのもある(そうと知って聴かないと全然分からない)。
【聴きどころ】
なぜかサントラに参加すると必ずアルバムの1曲目に配置されるIce Cube。それだけ「売り」にされてるってことなのかな。ただ、今回はいつものばしばしファンクじゃなくって、若干おとなし目だけど。
やはり目玉になるのはTony! Toni! Tone! のRaphael Saadiqのソロシングル(どうもこれがきっかけでグループ解散が濃厚らしい)、「上を向いて歩こう」のメロディを引用した「Ask Of You」だろう。しかし本人がどうしてもそうするように主張してるらしいからしょうがないけど、「上を〜」の作詞担当の永六輔がこの曲ソングライターとしてクレジットされるってのはどうかなぁ。メロディが1フレーズ引用されてるだけだぜ。
これは映画自体は非常にシリアスで重いドラマなのだが、タイトル曲担当がThe Brand New Heaviesでは、荷が重すぎた。ファンクに「憧れる」だけでUKクラブ系から脱却しきれないお洒落サウンドでは、いくらメッセージ色の強い歌詞でも説得力半減だ。そんな感じでむしろ非ブラック系の方が充実していて、相変わらず熱血のRage Against The Machineは、なんかLed Zeppelinを引き合いに出してもいいような重心の低いズシッとした縦ノリのファンク・メタル・ラップで、非常に格好いい。
全体的には「高等教育」の場を舞台とした映画だけあって、たしかにカレッジ受けしそうな曲調の作品が多く、明らかに他の「ブラック系サントラ」とは異質だ。どちらかというとブラックのファンよりもオルタナティブ系のファンの方が楽しめると思う。
Jason's Lyric (1994)
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Artists : B.M.U.(Black Men United), The Whitehead Brothers, L.L.Cool J, Mint Condition feat. Albert Collins, Tony! Toni! Tone!, K-Ci Haily of Jodeci, Jamecia, J.Quest, The Five Footer, LSD, DRS, Brian McKnight, Ahmad, The Twinz, Jayo Feiony, Buddy Guy, Spice 1, Scarface, Sovory, Oleta Adams
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【全体観】
印象深いのは、収録曲がバラエティに富んでいることだ。こういうオムニバス形式のサントラは数あれど、Albert Collins、Buddy Guyなんていうブルーズメンの名前は他ではお目にかかれないだろう。
【聴きどころ】
目玉は現在のR&Bシーンの若手男性シンガーのほとんどが名を連ねたB.M.U. (Black Men United)。ブラック版の「We Are The World」だとか言われたが、如何せん曲が平凡すぎた。このプロジェクトを仕切ったBrian McKnightと、ソングライターのD'Angeloは株を上げてその後うまいことやってるけど。ちなみにAaron HallやR.Kelly、Boyz II Men、Keith SweatなんていういかにもR&B然としたメンバーの中で、ギターを弾いているのはレニクラだったりする。
注目されるのはJodeciから初のソロ活動に踏み出したK-Ci Hailyの「If You Think You're Lonely Now」だ。Bobby Womackの最高傑作とされる「The Poet」のハイライトになる曲で、オリジナルは当然素晴しいのだが(82年R&B3位)、このカバーがまたとんでもなく良い。Jodeciは、とくに1stアルバムでは非常に奇麗に完成されたボーカルスタイルだったので、この崩した豪快な歌いっぷりは驚きだが、実に見事だ。ちなみにシングルカットされたのはライブバージョン(アルバム未収録)。Brian McKnightのトップ40目前ヒットとなった「Crazy Love」なんかVan Morrisonのカバーだけど、逆にこっちの方がさわやかポップスしてて、白人であるVan Morrisonのバージョンの方がソウルフルなのが可笑しい。カバーと言えばレゲエの第一人者であるJimmy Cliffの名曲のカバー「Many Rivers To Cross」(Oleta Adams)もなかなか感動的だ。しかし個々の作品としては優れたものがあっても、やはりアルバムをトータルで評価すると弱いのはこの手の作品の宿命か。
Judgement Night (1993)
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Artists : Helmet & House Of Pain, Teenage Fanclub & De La Soul, Living Colour & Run D.M.C., Biohazard & Onyx, Slayer & Ice-T, Faith No More & Boo-Yaa T.R.I.B.E., Sonic Youth & Cypress Hill, Mudhoney & Sir Mix-A-Lot, Dinosaur Jr. & Del The Funky Homosapien, Therapy? & Fatal, Pearl Jam & Cypress Hill
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【全体観】
全曲がオルタナティブ系のバンドと、ラッパーの共演という企画モノ。参加メンツはチャートとは疎遠だがその筋では評価されてる、という感じの連中が中心で、その中にあってはPearl Jam & Cypress Hillというビッグネーム同士の組み合わせが断然目をひく。しかし何か全体的に異種格闘技戦なのだ。両者の共演が何か新たな凄いものを生みだすなんてことに成功している組み合わせは、残念ながら見られない。
【聴きどころ】
中ではSonic Youth & Cypress Hill、Faith No More & Boo-Yaa T.R.I.B.E.がいい味を出してはいる。が、それ以上のものではない。まあ他流試合をやったからといって即そこに「何か凄いもの」を求めてしまうのも変な話ではあるが、でもこれじゃ「やってみました」以上のものではないと思う。どうにかもう一歩踏み込んで欲しかった。
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