HAVE YOU EVER loved
Foster's (or Warren's) hits so much?




90年代のFoster

5-1. 女性ボーカルでの大ヒット量産

90年代は、80年代ほど曲数がないので、一章にまとめました。この時期の彼の活躍ぶりは、80年代に比べると、大ヒットする確率が飛躍的に高まり、そのヒットの規模も遥かに巨大化しています。これをふまえ、90年代こそがFosterの黄金時代と捉える向きがあるのも確かです。ヒット曲総数は、80年代の半分程度なのに、プロデュース作品や書いた作品でのNo1やTOP10ヒットの数は、80年代をはるかに上まわっていますから。それでは、90年代の輝ける全TOP10ヒットをリスト・アップしてみましょう (Fig. 9)。

Fig. 9: 90年代のFoster's TOP10ヒット
No Song Artist Pos Dbt date S P A M
1 Saving Forever For You Shanice 4 92/10/24   P    
2 I Will Always Love You Whitney Houston 1(14) 92/11/14   P A  
3 I Have Nothing Whitney Houston 4 93/02/27 S P A  
4 The Power Of Love Celine Dion 1(4) 93/11/27   P A M
5 I Swear All-4-One 1(11) 94/04/23   P    
6 Childhood(c/w Scream) Michael Jackson 5 95/06/17   P    
7 I Can Love You Like That All-4-One 5 95/06/17   P    
8 You'll See Madonna 6 95/12/09 S P A  
9 Because You Loved Me Celine Dion 1(6) 96/03/09   P A M
10 Un-Break My Heart Toni Braxton 1(11) 96/10/26   P A M
11 I Finally Found Someone Barbra Streisand & Bryan Adams 8 96/11/23   P A  
12 I Believe In You And Me Whitney Houston 4 96/12/28   P    
13 Hard To Say I'm Sorry Az Yet f/Peter Cetera 8 97/02/22 S   A M
14 For You I Will Monica 4 97/03/15   P A M
15 All By Myself Celine Dion 4 97/03/29   P A M
16 Have You Ever? Brandy 1(2) 98/12/05   P A M
17 Music Of My Heart ‘N Sync & Gloria Estefan 2 99/09/04   P A M


この時期、彼はProducerとして、何と6曲のNo1をたたき出しました。この曲数だけでもすごいのですが、さらにそれらの1位滞在週数がすごい。当時の最長記録を更新したWhitneyの14週を筆頭に、ToniとAll-4-Oneがともに11週、Celine が2曲で計10週、Brandy の2週を足すと、計48週。90年代の合計週数521週のうちの約1割は、Fosterの曲がNo1だったことになります。興味のある方は、これを超える記録をぜひ調べてみて下さい。BeatlesやElvisのProducerにはかなわないですが、90年代だけなら、多分トップ・クラスの記録でしょう。
80年代と比べ、もう一つ大きく違うのが、R&B系・Pops系の女性ボーカルの仕事がやたら増えたことです。これは、No1の顔ぶれでも明らかですが、TOP10全体でも、17曲中13曲までが女性ボーカルものと(男女競演2曲含む)、TOP20ヒットですらOliviaの1曲しかなかった80年代のプロデュース歴から、すごい様代わりです。中でも、特に関わりが深いのが、同じカナダ出身のCeline で、英語圏でのデビュー・アルバムから、99年末のベスト盤までの7枚中、2nd以外の6枚で各々複数曲をプロデュースし、特に3rd・4thからは上記のような大ヒットを生みました。またグラミー賞も、3rd収の"When I fall in love"(93年23位)でBest Instrumental Arrangement Accompanying Vocalsを、4thアルバムでAlbum of the yearを受賞しています。

5-2. グラミー賞での活躍と「かため打ち」記録

グラミーといえば、Whitney関係でも、93年に"I will always love you"でRecord of the year、アルバム " Bodyguard"でAlbum of the year、それらの功績でProducer of the yearと、主要部門を荒稼ぎしています(ちなみに"I have nothing"も、前述の"When I fall in love"と同年・同部門にノミネート)。またその前々年にも、Natalie Coleの"Unforgettable"(91年14位)でRecord of the year、同名アルバムでAlbum of the year、それらの功績でProducer of the yearを受賞し、Producer of the year受賞は通算3回となります。74年の同部門発足以来、この部門の複数回受賞者は、他にはQuincy Jones(Q. Jones&M. Jackson名義含み3回)とBabyface (LA Reid&Babyface名義含み4回)だけ。ほんとに国民的Producerとか、音楽ビジネス界の重鎮というべき存在になりました。
その他、彼のヒット・メーカーぶりを示す記録として、96年末〜97年春にかけてのTOP10ヒットかため打ちもすごかった。計7週にわたり、TOP10に同時に3曲も彼の関わった曲を送りこみました。

96/12/28〜97/1/4Un-break my heart, I finally found someone, I believe in you and me
97/3/29〜4/19Un-break my heart, For you I will, All by my self
97/4/26Hard to say I'm sorry, For you I will, All by my self

"Un-break my heart"の長期高値安定(11週No1)がきいてますが、それでも12/28と4/26では全く違う組合せで3曲ずつなのがお見事。尚これら6曲は、3/29-4/5の2週にわたり、同時に全てHOT100にチャート・インし、特に3/29はI finally ..を除く5曲が、同時にTOP40入り(5・7・8・14・37)しています。さらに4/19は、翌週Un-break my heartにかわりTOP10入りする"Hard to say .."が11位につけ、もう一息で4曲同時TOP10というすごいことになるところでした。BeatlesやBeeGeesからみでは、もっとすごい記録もありますが、自分が裏方に徹して様々なアーチストを束ねてこういうかため打ちができるのは、彼とDiane Warrenくらいのものでしょう。

特集;Diane Warrenのヒット・チャート実績

(1)主な特徴
ということで、ここで突然話題をDiane Warrenにうつします。彼女がかかわってHOT100に送り込んだ曲は、私の知る限り、83年のLaura Braniganのスマッシュ・ヒット"Solitaire"(7位)から、Foster プロデュースのつい最近のサントラ・ヒットまでで、計83曲。さてこれらの作品をFosterの作品群と比べると、次のような特徴が見受けられます。

a. クレジットは、基本、Songwriterのみ
例外的にProducerにもクレジットされた数曲も含み、83曲全てがSongwriterクレジット。様々なクレジットが混ざったFosterのヒット総曲数142曲と比べるとその6割弱ですが、Songwriterクレジットに限ればFosterの51曲を大幅に上回り、また彼のProducerクレジット曲84曲に匹敵します。彼のProducerとしての初ヒットが76年なのを考慮すると、彼のプロデュースよりもかなり速いペースでヒット曲を書いていることになります。

b. アーチストの偏りが少ない
Warrenといえば、ポップ・バラードかパワー・バラード。その作風は、80年代から現在まで、見事に一貫していますが、特にここ数年は、ヒット間違いなしのブランド・イメージすらあり、様々なアーチストが、ここ一番の勝負どころの切り札として、彼女の曲をとりあげ大ヒットさせています。アーチスト別のヒット曲数が、3曲以上なのはたった5組で、逆に1、2曲のアーチストが、何十組もいることも、これを裏付けています。

c. ヒット曲数は90年前後がピーク。
Fosterが曲数でピークをきわめた83年に、最初のヒットを出して以来、1年も欠かさずコンスタントに毎年1曲はヒットを出し続けてますが、特にFosterのヒットが殆どなかった90年前後に、まさに彼の穴をうめるかの如くヒットを量産し、BillboardやASCAPのSongwriter部門での年間最多ヒット的な賞も多数獲得しました。そして92年頃からそのペースが落ちてくると、しっかりFosterがヒット・チャート界に復活してるというのも、興味深いものがあります (Fig. 10)。

Fig. 10: 年別Warren'sヒット曲数
83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99
曲数 1 1 2 1 2 4 10 9 12 7 5 4 2 4 8 6 5

<アーチスト別Warren'sヒット曲数(〜1999年12月)>
1位5曲Michael Bolton
2位4曲Cher, Celine Dion, Expose
5位3曲Chicago

(2) Foster を凌ぐ高打率!

さて、それでは彼女の「切り札」ぶりを、Fosterも引き合いに出して、定量的に見てみます。全ヒット曲中、最高位がある種の大台に達した曲の率の計算結果が、下の表です (Fig. 11)。142もの母数の多さで、しかも大御所から新人まで様々なアーチストを手がける中、Fosterのこの打率、なかなかなものです。59%がTOP40、27%がTOP10ですから。そしてWarrenは、Foster以上に様々なアーチストに曲を提供する中、全ての率でFosterを上回ります。特に36%がTOP10、その半分以上がTOP3というのは、驚異的。その彼女のペンによる輝かしいTOP3ヒット全曲リストも、その下につけましたのでご覧下さい (Fig. 12)。良質なオムニバス・アルバムみたい! と、喜んでMDにとって聞いてみたら、曲調に変化がなさすぎて、やや退屈しましたが (笑)、こんな選曲のFM局や有線チャンネルがあっても悪くないでしょう。しかしTOP3ヒットに限定すると、意外なことに91〜95年は完全なブランクになってしまうんですね。91〜94年もひっきりなしにヒットが続いてはいましたが (詳細後述)、4位より上にはいけなかったようで。


Fig. 11: Warren vs. Foster 打率・長打率比較(〜1999年12月)
  Warren Foster
  曲数 曲数
No1 9 11% 12 8%
TOP3 16 19% 21 15%
TOP5 21 25% 31 22%
TOP10 30 36% 39 27%
TOP20 38 46% 62 44%
TOP40 55 66% 84 59%
HOT100 83   142  

Fig. 12: Warren's TOP3 ヒット
No Song Artist Pos Dbt_date
1 Rhythm Of The Night DeBarge 3 85/02/16
2 Nothing’s Gonna Stop Us Now Starship 1 87/01/31
3 I Get Weak Carlisle, Belinda 2 88/01/16
4 I Don’t Wanna Live Without Your Love Chicago 3 88/06/04
5 Look Away Chicago 1 88/09/24
6 If I Could Turn Back Time Cher 3 89/07/08
7 When I See Your Smile Bad English 1 89/09/16
8 Blame It On The Rain Milli Vanilli 1 89/10/07
9 Love Will Lead You Back Dayne, Taylor 1 90/01/27
10 How Can We Be Lovers Bolton, Michael 3 90/03/03
11 Because You Loved Me Dion, Celine 1 96/03/09
12 Un-Break My Heart Braxton, Toni 1 96/10/26
13 How Do I Live Rimes, LeAnn 2 97/06/21
14 I Don't Want To Miss A Thing Aerosmith 1 98/09/05
15 Have You Ever Brandy 1 98/12/05
16 Music Of My Heart ‘N Sync & Gloria Estefan 2 99/09/04
17 I Turn To You Aguilera, Christina 3 00/04/15

(3) 意外に少ないFosterとの共作

さて、Warren, Fosterともに、バラードを得意とし、その曲調にはかなりの共通性があるだけに、二人のコンビによるヒットもたくさんありそうな気がしますが、実際には下表のとおり、まだ11曲しかありません (Fig. 13)。最初のヒットが92年ですから、こんなものなのでしょうが、超特大ヒットを何曲か含むため、実際よりもたくさんヒットを出してるイメージがあるのかもしれません。 Foster は、自分がチャートからご無沙汰してた90年前後に、まさにその数年前の自分のように、様々なアーチストと組んでヒットを連発するWarrenに対し、曲調の共通性もあって、陰ながら親近感を抱いてたのかもしれませんね。そして自分も91年のNatalie Coleとの仕事で復活したところで、満を持してコンビでの仕事を持ち掛けたのでしょうか? このところ、曲がWarren、プロデュースがFosterとくれば、まさに鬼に金棒という気がします。

Fig. 13: Foster・Warrenコンビによるヒット
No Song Artist Pos Dbt_date S P A M
1 Saving Forever For You Shanice 4 92/10/24   P    
2 By The Time This Night Is Over Kenny G w/ Peabo Bryson 25 93/05/22   P    
3 Completely Bolton, Michael 32 94/03/19   P A M
4 Because You Loved Me Dion, Celine 1 96/03/09   P A M
5 Un-Break My Heart Braxton, Toni 1 96/10/26   P A M
6 For You I Will Monica 4 97/03/15   P A M
7 Too Gone, Too Long En Vogue 33 97/10/11   P   M
8 A Smile Like Yours Cole, Natalie 84 97/10/11   P    
9 Have You Ever Brandy 1 98/12/05   P A M
10 Music Of My Heart ‘N Sync & Gloria Estefan 2 99/09/04   P A M
11 I Learned From The Best Houston, Whitney 27 00/02/19   P A M
*クレジット表記はFosterのもので、Warrenのクレジットは全曲Songwriter。


(4)「かため打ち」記録

さてそれでは、注目のWarrenのかため打ち記録の紹介にいきます。Fosterの96年末〜97年春に相当するWarrenの当たり時期は、89年秋から90年初めです。TOP40については、このうち89/12/2〜90/1/6の6週間、4曲同時チャート・インが最高です。4曲の顔ぶれは、ずっと次のとおりでした。
Blame it on the rain, When I see you smile, Just like Jesse James, When the night comes

さらに、 No1を含み3曲をTOP20内に入れた12/2 (上の曲順で順位が1・9・19・37)か、2曲のTOP10を含み4曲全部TOP30内に入れた12/16 (上の曲順で順位が6・24・10・25)が、一つのピークでしょう。このTOP40, TOP10レベルのかためうちだと、先述のFosterの記録に軍配があがりますが、Warrenがすごいのは、下記に示す、"1・2フィニッシュ"と同時7曲HOT100チャート・インです。

89/11/18〜11/25When I see you smile, Blame it on the rainで1・2位独占(しかも、11/18は前者、11/25は後者と、No1が入れ替わった形で)
89/10/28〜11/4When I see you smile, Blame it on the rain, If I could turn back time, Just like Jesse James, When the night comes, If you asked me to, Same love の7曲同時チャート・イン (11/4の順位は、この曲順で5・12・37・51・75・86・87)

また同時6曲HOT 100は、同時期の89/10/21〜11/25の他、90/6/9, 90/6/23, 97/10/11〜10/18と、全然別時期、即ち全く別の顔ぶれでも再度達成しています。この辺は、Fosterもかなわないようです。尚、この種の記録、1・2フィニッシュは、アーチストではElvis, Beatles, Bee Gees、Producer又はSongwriterでは、Bee Gees(Gibb兄弟), Mike Chapman, Princeなど、HOT100同時チャート・インも、Beatlesの14曲、Gibb兄弟の7曲など、先例はありますが、大変希な記録なのは確かですし、Beatles, Bee Geesクラスの超大物しか出してないような記録をWarrenも出していることを、ぜひ皆さんに知っていただきたく、あえて取り上げました。

(5) 長期連続滞在記録
Warrenには、さらに、つい最近まで継続されていた大記録がひとつあります。Warrenの書いた曲が、何と200週以上、満4年以上も連続して、最低1曲はHOT100内にチャート・インしたことです。正確には、95/10/21、 Meat Loafの"I'd lie for you"のチャート・イン以来、99/12/25まで、219週間皆勤! 残念ながらこの記録は、奇しくも2000年1月1日付で、"Music Of My Heart"が姿を消したことで、途切れました。その219週の間、計24曲の彼女の作品がチャートを賑わせてますが、この記録は、実質、次の9曲だけで成り立ってます。

1.I'd lie for you/Meat loaf
2.Because you loved me/Celine Dion
3.Un-break my heart/Toni Braxton
4.How do I live/LeAnn Rimes
5.I don't want to miss a thing/Aerosmith
6.Have you ever/Brandy
7.My first night with you/Mya
8.I could not ask for more/Edwin McCain
9.Music of my heart/'N Sync & Gloria Estefan

LeAnnの超ロング・セラーや、No1に輝いたToniらの大ヒットの貢献は勿論ですが、前の曲がチャートから消える寸前に、又はピッタリ入れ替わるように、次の曲が登場する絶妙なタイミングの繰返しも、ほんとに計算してシングル・カットしてるのではと思えるほど見事です。最近も、最高位が意外とのびなかったMyaがじりじりと下降し、6/19に90位台後半まできて、これでこの記録も途切れると思ったその翌週、Myaと入れ替わりで、Edwinがチャート・インするという手際よさ。彼女はここ4年間以外でも、91.4.27〜94.1.15に、Michael Bolton, Celine Dion, Cher, Exposeらの活躍により、143週連続滞在したのをはじめ、とにかくチャートに顔出してる週が圧倒的に多く、例えばヒットが続き始めた87/8/15から上記の記録の終了の94/1/15までの計333週間(6年5ヶ月)のうち、チャートにいなかったのは、たった18週だけです。その18週も、全て連続5週以下のブランクばかりだから、ほんの些細なタイミングのずれの積み重ね次第では、連続333週皆勤にもなってたわけです。一時期集中のヒット曲量産もすごいですが、丸4年以上皆勤とか、6年数ヶ月で95%近く登場しつづけるというのも、ほんとにすごい!
ちなみに、TOP40内では、96/10/26〜98/8/15の95週連続滞在が彼女の最長記録です。要は、ToniとLeAnnのウルトラ・ヒットが続いた分だけ。尚、98/8/22の、LeAnnが一旦43位におちた週さえ粘ってれば、Aerosmith、Brandyとつないで、99.5.1まで132週連続滞在になるところでした。またFosterでは、95/6/3〜98/2/28にHOT100内に143週連続滞在したのが、最長です。彼もヒットが多いだけに、他にも82年〜、84年〜、92年〜と計3度にわたり、丸2年以上の連続滞在があります。そして、そのうち最初の2度は、その狭間1週(84/4/28)のブランクさえ埋まれば、82/4/17〜86/10/25まで237週(4年6ヶ月)連続となるところでした。量的に最盛期だった80年代前半のFosterならでの活躍ぶりですが、各曲のHOT100滞在週数が今よりかなり短く、よほどの大ヒットでも精々20週前半、30週40週超なんてRe-entry曲かTainted love、I go crazyなど超レア・ケースという時代に、ここまでの実績を残したFoster、ある意味ではWarrenの記録よりもはるかにすごいのかもしれません。
※尚、この種の記録も、調査には相当パワーがかかるので、他にもっとすごい記録があるかも知れませんが (Babyface, Lennon & McCartney, Burt Bacharach, Quincy Jonesあたり、いい線いくかも?)、未確認です。でもアーチストとしての作品が殆どない、又は皆無で、基本、裏方に徹してる人の中では、Warren, Fosterとも、多分トップ・クラスかと思います。興味のある方、ぜひ自分の御贔屓アーチストの記録を調べてみて下さい。

(6) 連続年記録
先ほどの週単位での連続記録ほどシビアではないですが、この毎年コンスタントにヒットを出し続けるという記録も、意外と大変なもの。これに対して、Warren, Fosterがどれだけの実績をあげてるかもチェックしてみました (Fig. 14)。

Fig. 14: Warren vs. Foster 連続年記録比較(〜2000年3月)
  Warren Foster
No1 4年 (87〜90,96〜99) 継続中 2年 (85〜86, 93〜94, 96〜97)
TOP10 8年 (87〜94) 8年 (81〜87, 92〜99) 継続中
TOP40 14年 (87〜00) 継続中 13年 (75〜87)
HOT100 18年 (83〜00) 継続中 14年 (75〜88)

これらも、Eltonの30年連続TOP40や、Mariahの11年連続No1と比べてしまうと当然見劣りしますが、それでも、Warren, Fosterの記録も、アーチスト別記録の上位10アーチスト程度の記録には匹敵しています。最高記録の終了年を見ると、Fosterは88〜90年、Warrenは95年あたりのブランク時期が今となっては惜しまれますが、継続中の記録もありますし、今後の更なる伸びもまだまだ期待できるでしょう。

5-3. Ending : バラード請負人?

さて、またFosterに戻ります。女性ボーカルの仕事がほんとに多い90年代のFoster、そのきっかけが、NatalieやWhitneyの作品を通しての、ヒット・チャート、グラミー両方での、'88-'90の沈黙が嘘のような大成功にあることは想像に難くないですが、残念なのは、それに伴って「とっておきのバラードを1〜2曲彼に頼もう」的な仕事が殆どになってしまったことです。80年代のような、アルバム1枚丸々プロデュースではなく。彼も仕事人だから、そのバラード1曲に渾身の力をこめる。そしてそういう曲って、えてしてシングル・カットされやすく(主に2〜3枚めで。特に1〜2枚めのシングルがこけると、その傾向に一層拍車が..)、かくしてFoster作品は、大甘バラードばかりが世に溢れ、最近の彼しか知らない人には、「Foster = バラード請負人」と映る。そして、バラードなんてそう曲調にバリエーションはないから、みんな同じに聞こえがちで、結果、Fosterはワン・パターンでつまんないと思われるのかもしれません。
このことは、特に昔からのファンの間では賛否両論の話題で、「昔みたいなスリリングでかっこいいサウンドはどこ行ったんだ!」「女と大甘な曲ばかりやって、下心でもあるんじゃねえか?」なんて意見までとびかうほどです。僕自身は、スリリングと大甘どちらのFosterも好きですから、何とかうまくバランスをとってほしいと願いつつ、現実にはやむをえないと思っています。Producerがヒット請負人という受身な側面がある以上、大甘の部分を期待される仕事ならそうするしかないし、Chicagoとの仕事での負の側面(「自分の色に染めすぎ」等々)から、バンドのプロデュースを彼に頼もうという人がいなくなったとしても、それはそれで仕方ないし。勿論彼に意欲があるなら、有望なアマチュア・バンドを自ら発掘し、自分色で染めて世に出したり、自らがアーチストとなって、自らのセンスを世に問うてほしいものですが、今や大手レコード会社の経営の一翼をも担う立場の彼にとって、会社に最も利益をもたらすため、自分が何をすべきか考えると、自ずと今のような活動にならざるをえないのでしょう。僕はそれを否定しません。
ともあれ、僕が洋楽を聞き出した頃と、Fosterがヒット・チャートで頭角を現わし始めた頃が、ちょうど似通っていたため、彼のかかわった様々な作品と、常にリアルタイムで接することができた幸運に感謝するとともに、今後の彼の活躍にも引き続き期待しながら、本文の結びとします。





1. はじめに..
2. 70年代のFoster
3. 80年代前半のFoster
4. 80年代後半のFoster
5. 90年代のFoster
6. 補足
6-1. Foster'sヒット全曲リスト
6-2. Warren'sヒット全曲リスト





copyright (c) 2000 by meantime, all rights reserved.
無断転載を禁じます。