HAVE YOU EVER loved
Foster's (or Warren's) hits so much?




3. 80年代前半のFoster

3-1. 量の拡大とProducerとしての飛躍

かれこれ20年以上もコンスタントに活躍を続ける彼について、黄金時期を定義するのは難しいですが、この時期はヒット曲数では黄金時期といえるかもしれません。この5年間にHOT100入りした曲数、なんと51曲!。特に83年は1年だけで、3曲のTOP10、9曲のTOP40を含む計14曲をチャートに叩き込みました。まさに彼愛用のレコーディング・スタジオの名称Chartmakerどおりの活躍ぶり。また質の観点では、Producerとしての評価を確固たるものにした時期といえます。51曲の約半分の25曲でProducerとしてクレジットされ、うち16曲をTOP40に、さらに6曲をTOP10に送り込みました。それでは年別曲数分布と、その6曲のTOP10をリスト・アップしてみます (Fig. 3, 4)。

Fig. 3: 年別Foster's ヒット曲数
73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99
曲数 1 0 1 8 2 7 4 7 12 10 14 8 13 7 5 2 0 0 3 3 7 3 6 6 7 4 2
※チャート・インした年で区分しています。

Fig. 4: 80年代前半のプロデューサとしてのFoster's TOP10ヒット
No Song Artist Pos Dbt date S P A M
1 Hard To Say I'm Sorry Chicago 1(2) 82/06/05 S P A M
2 We've Got Tonight Kenny Rogers & Sheena Easton 6 83/01/29   P   M
3 She's A Beauty Tubes 10 83/04/09 S P    
4 Twist Of Fate Olivia Newton-John 5 83/11/05   P    
5 Hard Habit To Break Chicago 3 84/08/04   P A  
6 You're The Inspiration Chicago 3 84/11/17 S P A  

Chicagoが多いですが、他はロック、ポップス、カントリーとなかなかバラエティ豊かな顔ぶれ。特にTubesは、先述のAlice Cooperに匹敵する意外性があります。 Chicago とTubesの仕事の共通点といえば、うだつの上がらないバンドに(ファンの方、失礼。でも80年頃のChicagoが、かつての人気が嘘のような凋落・低迷ぶりだったのは、紛れもない事実。)、新鮮なサウンドを導入し、一気に最前線に引っ張り上げた又は復活させたことです。 Average White BandやHall & Oatesとの仕事も、その成果の程度差はさておき、概ね同様なことがいえます。質の高い楽曲と腕利きのゲスト・ミュージシャンの大量投下で、完全にバンドの音を自分の色に染め変えました。バンド・メンバーと何の関わりもない他人の書いた新曲をやらせたり、バンドのギタリストより多分遥かにうまいSteve Lukather(TOTO)らにギターを弾かせたりして、それでもバンドか? という点は、賛否両論ありますが、「もっと売れるようにしてくれ」というバンドからのシンプルな依頼に忠実に、いい仕事をしたのは間違いありません。"再生工場"の異名をとる阪神の野村監督にも通じるものがあるでしょう。
Oliviaとの仕事では、大ヒットはこれだけですが、その後、Foster名義で彼自身のボーカルによる唯一のヒット"The best of me"(86年80位)でOliviaとデュエットしたり、Olivia 74年のNo1ヒット "I honestly love you"のリメイクをプロデュースしたりと(98年67位)、結構深い関係があります。Kenny のヒットでは、やはりテンポラリーな共演もので"What about me"(w/ Kim Carnes & James Ingram 84年15位)も佳曲。

3-2.Chicagoとの仕事

さてChicagoといえば、なんといっても"Hard to say I'm sorry"。70年代の名曲も数あれど、今でもCMで使われる等、世代をこえて彼らの代表曲になった感があるこの曲が、Fosterプロデュース作品初のTOP10ヒットになるとともに、Producer, Songwriter, Musician, Arrangerと全種類のクレジットで、初のNo1ヒットになりました。この曲やアルバム"Chicago16"等への功績で彼は、82年のグラミーにも、Producer of the yearとして初めてノミネートされます。惜しくもこれは逃しましたが、84年、"Chiacago17"からも大ヒットを連発した彼は、遂に同賞を受賞、Producer として押しも押されもしない頂点に立ちます。("Hard habit to break"で、Best intrumental arrangement accompanying vocals も合わせて受賞。この曲のアレンジは、Every Little Thingの"Time goes by"のアレンジの元ネタとしても有名。)Chicago とのコラボレーションは、その後86年の"Chicago18"まで続き、ヒット曲数は8 曲のTOP40を含む合計11曲となりました。この数字、実はアーチスト別Foster'sヒット曲数でダントツの最多記録でもあります。即ちChicagoは、Fosterに最も世話になったアーチストという言い方もできるでしょう。ちなみにPeter Cetera (含w/Az Yet) やBill Champlin のソロを加えると、17曲になります。それではここで、計11曲のChicagoのヒットと、Foster'sヒットの曲数が多いアーチストをリストアップしてみましょう (Fig. 5)。

Fig. 5: Chicago のFoster's ヒット
No Song Album Pos Dbt date S P A M
1 Hard To Say I'm Sorry Chicago 16 1(2) 82/06/05 S P A M
2 Love Me Tomorrow Chicago 16 22 82/09/25 S P    
3 What You're Missing Chicago 16 81 83/01/29   P    
4 Stay The Night Chicago 17 16 84/05/05 S P A  
5 Hard Habit To Break Chicago 17 3 84/08/04   P A  
6 You're The Inspiration Chicago 17 3 84/11/17 S P A  
7 Along Comes A Woman Chicago 17 14 85/02/23   P    
8 25 Or 6 To 4 Chicago 18 48 86/09/06   P    
9 Will You Still Love Me Chicago 18 3 86/11/15 S P    
10 If She Would Have Been Faithful Chicago 18 17 87/03/21   P    
11 Niagara Falls Chicago 18 91 87/07/11   P    

<アーチスト別Foster's ヒット曲数(〜2000年3月)>
1位11曲Chicago
2位5曲Kenny Rogers(含w/S.Easton, w/K.Carnes&J.Ingram, w/D.Parton), Whitney Houston
4位4曲Peter Cetera(含w/Az Yet), Celine Dion, Earth Wind & Fire, Kenny Loggins, Olivia Newton-John(含w/D.Foster), Tubes, Gary Wright
11位3曲George Benson(含w/A.Franklin), James Ingram(含w/P.Austin,w/K.Rogers&K.Carnes),Hall &Oates, Al Jarreau, Boz Scaggs, Dione Warwick(含w/J.Mathis, w/J.Osborne), D.Foster(含w/O.Newton-John)


その後Chicagoも、Foster との共同作業でヒット曲を量産することに、バンドとして疑問を感じたのか、彼と決別します。しかし決別直後の"Chicago19"からこそヒットが続いたものの、その後一線から姿を消してしまったのは、残念でした。そしてChicagoとの仕事を契機にProducerとしての地位を飛躍的に高めたFosterは、今なお紛れもないTop Producerとして、名声を欲しいままにしています。





1. はじめに..
2. 70年代のFoster
3. 80年代前半のFoster
4. 80年代後半のFoster
5. 90年代のFoster
6. 補足
6-1. Foster'sヒット全曲リスト
6-2. Warren'sヒット全曲リスト





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