Jan-Mar, 2000

2000/1/1付 No.10 (初登場) 最高位10位、26週
Tha G-Code / Juvenile
前作でブレイクし、ニューオーリンズで一番ビッグなラッパーの座に君臨したジュヴニール。まだその勢いが充分にあるうちに出された新作だが、年末商戦の最高潮という発売タイミングが裏目に出て、初登場週で29万枚も売ってるのに順位は10位に甘んじた。前作と違ってヒット曲も出なかったので短命ヒットに終わり、結果的に彼のアーティストとしての勢いを殺いでしまった。作品としての評判は良くも悪くもないといったところだが、そこは全盛期のCA$H MONEY作品、悪かろう筈はない。

2000/1/8付 No.1 (初登場) 最高位1位、74週
...And Then There Was X / DMX
DMXの3作目は発売週に70万枚を売る圧勝で、デビュー作以来3作連続で初登場1位となった。この時点で他にその記録に並ぶのはスヌープ(・ドギー)・ドッグのみ。500万枚を売って彼の最大のヒットになった他、内容的にも彼のベスト作と評価が高い。スウィズ・ビーツ製作のアゲアゲ系「Party Up (Up In Here)」(27位)がヒット。なおこの時期、上のジュヴニールを含むCA$H MONEY軍団とDMXのラフ・ライダーズがジョイントで全米ツアーに出て話題を呼んでいた。

2000/1/8付 No.7 (初登場) 最高位6位、20週
Still I Rise / 2Pac + Outlawz
トゥパック没後の“遺作”第3弾。7位という順位ながら初登場週に40万枚を売る特大ヒット。今回はトゥパックが弟分のグループ、アウトローズと一緒に96年(亡くなった年)にレコーディングした音源。一部は後から手を加えているが、基本的には“一緒に”レコーディングしていた。で、当然予想できる通りの反応ーー「2パックは相変わらずタイトだが、他の連中はいらない」ーーで迎えられた。全体的にミディアムテンポの西海岸っぽいレイドバック音使いが多く、未発表音源としては統一感もあるし質も高い。まったく恐るべきトゥパック。

2000/1/15付 No.1 (初登場) 最高位1位、47週
Vol.3... Life And Times Of S.Carter / Jay-Z
3部作の完結編で、通算4作目。前作に続く1位。初登場週で46万枚の売上げ。曲毎にプロデューサーをとっかえひっかえするのがジェイZの常だが、本作ではティンバランドが最多の4曲を手掛ける。「Big Pimpin'」「Anything」が両面ヒット(18位)。但し“いい曲はいいが、そうでない曲の出来は酷い”として、彼のアルバムの中では最も人気の低い作品のひとつ。正規の発売前に大量に海賊版が出回り、直前で曲の一部入れ替えを余儀なくされた他、正規版の売上げにも悪影響を及ぼしたと言われる。

2000/2/5付 No.8 (初登場) 最高位8位、74週
J.E.Heartbreak / Jagged Edge
男性4人組R&Bグループの2作目。前作は100位にも入っていないのでこれが大ブレイク作となる。「He Can't Love You」(15位)「Let's Get Married」(11位)「Promise」(9位)と必殺スロー3連発が連続ヒット。決して器用なグループではないし、このアルバムも殆どの曲がソフトなスロー系なのでどうしても“軟弱”なグループという印象を残した。

2000/2/12付 No.1 (初登場) 最高位1位、33週
Voodoo / D'Angelo
ディアンジェロのデビュー作以来実に4年半ぶりとなる2作目。ニュー・クラシック・ソウルと呼ばれるジャンルの先駆者とされながらもその4年半の間にエリカ・バドゥやマックスウェルといった後発組がすっかりビッグになってしまい、“本家”の活動再開が待たれた。全体のセールスが低調になるこの時期に初登場週32万枚のセールスと、期待の高さが伺えたが、非常に濃密でディープな作品故に賛否両論で迎えられ、商業的には大きな成功には至らなかった。男性アーティストとしては珍しいぐらいに肉体美をひけらかすビデオも話題になった「Untitled (How Does It Feel)」(25位)がヒット。

2000/2/12付 No.5 (初登場) 最高位5位、16週
We Are The Streets / The Lox
パフィのBad Boyからデビューしたものの、その売れ線全開の音楽性が自分たちには合わないと、移籍を求めて騒ぎを始め、Ruff Rydersへ移籍を果たしたMC3人組、新生ロックスの2作目。その一連の騒動がかなり話題になっていたこともあって多少は売れたが、派手派手系がトレードマークのスウィズ・ビーツがほぼ全編を手掛ける割には控えめな音作りということもあって、シングルヒットも生まれず、商業的には失敗作となった。いつまでも延々とパフィの悪口ばかり言ってる態度も悪印象を与えたか。

2000/2/19付 No.8 (初登場) 最高位8位、31週
Snoop Dogg Presents Tha Eastsidaz / Tha Eastsidaz
No Limit離脱が決まり、いよいよ本格的に独自のファンク路線を驀進し始めたスヌープのサイドプロジェクト。ジャケではスヌープが一番大きく写ってるが、内容的な参加割合はそれほど大きくない。イーストサイダーズとしてはこれがデビュー作だがメンバーは西海岸ローカルでの活動歴は長く(片割れのトレイ・ディーなんかすごくオヤジだ)、スキルは安定している。スヌープのソロ作に近い雰囲気だが、やや地味か。

2000/2/26付 No.7 (初登場) 最高位7位、19週
Supreme Cientele / Ghostface Killah
ウータン・クランのゴーストフェース・キラー、ソロ2作目。ウータン各メンバーたちがソロ2作目で商業的にも内容的にも次々に玉砕していく中で本作は非常に評判が良く、ウータン・ブランドの失墜を食い止めた。この人は声がすごく甲高く、聴きようによっては子供っぽく聴こえるので好き嫌いがあると思うが、MCとしての評価は以前から高かった。インタールードなどはブックレットにクレジットされてないのでブックレット上は14曲となってるが実際は21曲入ってて、何曲目がどの曲かすぐにはわからないので注意。

2000/2/26付 No.10 (11週目でTop10入り) 最高位2位、60週
Unleash The Dragon / Sisqo
ドゥルー・ヒルの一員としてヒットを出した後のソロデビュー作。第1弾シングル「Got To Get It」(40位)が大したヒットにならなかったのでアルバムも当初はトップ10入りを逃したが、「Thong Song」(3位、エアプレイチャートでは7週1位)の大ヒットによって急浮上した。続く「Incomplete」(1位)も大ヒット。“お前のThongを見せてくれ〜”と熱唱する姿がウケて一時期はトップアイドル扱いだったが、すぐに飽きられて急速に熱が冷めてしまった。

2000/3/11付 No.6 (31週目でTop10入り) 最高位4位、89週
On How Life Is / Macy Gray
オハイオ州出身の女性シンガー。アメリカ人だが、イギリスで先に火がつき、ちょうどグラミー賞シーズンに合わせて急速にアメリカでも盛り上がった(結局グラミーは獲ってない)。UKの黒人にありがちな、R&Bともポップスともつかない微妙な音楽性はアメリカでは新鮮で、常人には予測し難い言動や奇抜なファッションセンスなども変人として面白がられた。「I Try」(5位)がヒット。

2000/3/11付 No.9 (3週目でTop10入り) 最高位9位、20週
2000 Grammy Nominees / Various Artists
グラミー賞ノミネート作品集、99年版に続いてトップ10入り。キッド・ロック、ブリトニー、スティング、ルー・ベガ、リッキー・マーティン、アンドレア・ボチェッリ等々が全部一緒くたに並ぶ構成は、何と言うか、凄い。なお、この年に実際に受賞したのはサンタナ。主要部門は全部彼が独占した。

2000/3/18付 No.2 (初登場) 最高位2位、28週
BTNH Resurrection / Bone Thugs-N-Harmony
ボンサグの4作目は初登場週に28万枚を売りながらも、グラミー大量受賞直後のサンタナとは勝負にならず、2位。これまで2作連続1位だったので惜しかった。しかし今回はR&Bチャートでさえもシングルがまったくヒットせず、アルバム自体がこれまでの作品に比べて非常に息の短いヒットで終わってしまった。シングルとなった「Resurrection」や非常にポジティブな響きの「Change The World」などかなり出来のいい曲もあるのだが。

2000/3/18付 No.3 (初登場) 最高位3位、13週
Machina - The Machines Of God / The Smashing Pumpkins
末期スマパンはファンが見ていて胸が痛くなるほどみるみる人気がなくなっていった。進化することを期待されているバンドが“ワンパターン”に陥ってしまった時の突き放され方は空恐ろしいほど冷酷なものだった。ほんの5年前には2枚組大作を500万セット近く売ったバンドは、本作を50万枚しか売ることができず、これをもって解散した。「Stand Inside Your Love」を筆頭に、内容は世間の悪評ほど酷くはない。

2000/3/18付 No.5 (初登場) 最高位5位、16週
The Truth / Beanie Sigel
フィラデルフィア出身のMCのデビュー作。ジェイZのRoc-A-Fellaレーベル所属で、ジェイZも1曲ゲスト参加してるが、全体にあまり彼の色は強くない。非常に通受けする渋いプロデュース陣を迎え、無駄を廃したタイトなトラックと、まっすぐの正統派ライムで勝負する、ヒップホップ的に真面目な作品。イヴと共演した「Remember Them Days」のようなポップな佳曲もあるがヒット曲は出なかった。

2000/3/18付 No.6 (初登場) 最高位6位、30週
Two Against Nature / Steely Dan
1980年末の「Gaucho」以来、実に19年4ヵ月ぶりのオリジナルアルバム。トップ10入りは通算4作目。ポップス、ロックにジャズ的な味付けをして独自の音世界を築く彼らの手法は健在で、20年前の世界をそのまんま再現してオールド・ファンを喜ばせた。しかし翌春のグラミーで最優秀アルバムを受賞したことに対しては流石に否定的な意見が大勢を占めた。

2000/3/18付 No.7 (初登場) 最高位7位、28週
Stiff Upper Lip / AC/DC
オーストラリアのハードロック/ブギ・バンドAC/DC、4年半ぶりの新作。これでトップ10入りは6作め。ワンパターンの美学を体現するバンドとしての地位は不動で、どんなに世間の流行が変わっても見事なまでに変わらないワンパターンぶりを本作で再び見せつけた。4分前後にコンパクトにまとめられた曲が12曲という構成までが、LP時代から変わってないのはご愛嬌。

2000/3/25付 No.2 (初登場) 最高位2位、34週
Latest Greatest Straitest Hits / George Strait
ほとんど毎年新作をコツコツと出し、毎回何曲も(カントリーチャートでは)ヒットが出るので、5年おきにベスト盤を出す、というのがこの人のパターン。94年から99年を網羅する今回は2曲の新曲も含め全部がヒット曲。新曲のうち「The Best Day」(31位)はAOR風でポップチャートでも健闘し、アラン・ジャクソンとのデュエット「Murder On Music Row」はカントリー専門誌などで年間ベストシングルに選ばれるなど高い評価を得た。スト様の数々の記録や賛辞が何ページにも及ぶブックレットの作りも凄い。

2000/3/25付 No.3 (初登場) 最高位3位、19週
Life Story / Black Rob
この頃パフ・ダディはアーティストとしては最低迷期にあったが、それでもこのブラック・ロブやG-デップなど後の彼の一派の中核になる人材を獲得しているのは流石。バックワイルドら外部プロデューサーの力も借りながらタイトに仕上げた本作は、これまでの安直なカバーをメインとしたコマーシャリズム全開路線を改め、新生Bad Boyへと生まれ変わったことを強烈に印象付けた。

2000/3/25付 No.8 (初登場) 最高位8位、28週
G / Gerald Levert
80年代半ばからボーカルグループ・レヴァートの一員として、91年からはソロも平行して合計10枚以上のアルバムをゴールドディスク以上にしているが、アルバムのトップ10入りはこれが初めて。ソロはこれで5作目となるジェラルドは、ポップ市場に比べてR&B市場での人気ぶりが突出した存在として有名で、だからこそ“白人に媚びない奴”として黒人に強く支持される→白人リスナーは引く、という構図が出来ている最近には珍しいタイプのシンガー。本作収録の「Mr. Too Damn Good」など、けっして内容的にとっつきにくいわけではない。

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