Jul-Oct, 1995

1995/7/8付 No.10 (17週目でTop10入り) 最高位5位、107週
The Woman In Me / Shania Twain
カナダ、オンタリオ州出身のカントリーシンガー、シャナイア・トゥエイン(英語のバイオでは一般にシュナイアが正しい発音だと書いてある)の2作目にして大出世作。HOT100でのヒットらしいヒットは「Any Man Of Mine」(31位)だけだが、カントリーチャートでは「Any〜」(1位)「The Woman In Me」(14位)「Who's Bed Have Your Boots Been Under」(11位)「I'm Outta Here !」(1位)「No One Needs To Know」(1位)「You Win My Love」(1位)など、8曲のヒットを生み、アルバムは超ロングセラー、1200万枚を越えるセールスのメガヒットとなった。後にどぎつい格好をし始めることを思うと、この頃はまだ普通の田舎の純朴なシンガーという感じだった。

1995/7/15付 No.5 (初登場) 最高位5位、13週
Mirror Ball / Neil Young
“グランジの父”として評価されていた時期のニール・ヤングをある意味象徴する本作は、パール・ジャムのシングル「Merkinball」にゲスト参加したのと交換にパール・ジャムをバックバンドとして迎えた作品。その話題性もあり、72年の「Harvest」以来実に23年ぶりのトップ5ヒットとなった。いかにもパール・ジャムらしい、ラフでちょっとバタつくような、非常にライヴ感のある演奏が盛り上がる。「Downtown」がメインストリーム・ロック・チャートで6位。

1995/7/15付 No.9 (初登場) 最高位9位、20週
These Days / Bon Jovi
アメリカではかなり落ち目感が漂っていた時期のボンジョヴィ。それでもトップ10内初登場だから、充分人気はあるのだが、シングルは「This Ain't A Love Song」(14位)がヒットしたのみ。むしろこの辺りからイギリスで人気が高まり、5曲カットされたシングルのうち「This Ain't〜」(6位)「Something For The Pain」(8位)「Lie To Me」(10位)「These Days」(7位)と4曲がトップ10ヒットとなった。ちょっとバラード志向で、AOR化してしまっているきらいはあるが、楽曲の出来はかなりよく、侮れない作品。

1995/8/5付 No.1 (初登場) 最高位1位、49週
Dreaming Of You / Selena
これまでスペイン語で歌っていたため支持層が限られていたが、英語作品をレコーディングしていよいよ全米進出(と言っても彼女もスペイン語コミュニティを対象にしていただけで、実際はアメリカ人)、という矢先に使い込みがバレた経理担当から射殺されるという、弱冠23歳でのあまりにも無念な死を遂げた、セレーナ。ラテンと言ってもイケイケのダンス物ではなく、どこかのんびりした田舎くささがあるのが彼女の親しみやすさ。彼女の訃報が伝わるとスペイン語作品が次々にチャートに登場したが、5か月ほど間を空けてリリースされた本作が爆発的なヒットとなった。「Dreaming Of You」(22位)「I Could Fall In Love」(エアプレイ8位)がヒット。

1995/8/5付 No.2 (初登場) 最高位2位、46週
The Show - The After Party - The Hotel / Jodeci
いよいよ大物感を増したジョデシの3作目。通常のタイミングなら充分1位だっただろう。アルバムタイトルが表す通り全体がストーリー仕立てになっている(たいしたストーリーじゃないけど)。ほとんど円熟の域に達したプロダクションは凄いが、ちょっとやりすぎの感もあり。「Freek'n You」(14位)「Love U 4 Life」(31位)、彼らにとって初めてのアップテンポのヒット曲「Get On Up」(22位)がヒット。本作を最後に彼らは長い活動停止期間に入り、K-Ci & JoJo兄弟だけが順調に活動を続けていく。

1995/8/5付 No.10 (6週目でTop10入り) 最高位1位、113週
Jagged Little Pill / Alanis Morissette
ヒステリックな「You Oughta Know」、おおらかな「Hand In Pocket」という、両極端とも言える2曲で全世界ほぼ同時にブレイクした女性シンガーソングライターの再デビュー作。少女時代は地元カナダでアイドルとして活動していた彼女だが、そんな過去は完全に断ち切っての再デビューだった。型にはまらずに自由な表現をする新世代の女性シンガーソングライター時代の到来を告げるような存在だった。12週間1位という大ヒットで1500万枚以上を売った。「You Oughta〜」(エアプレイ13位)「Hand In〜」(同15位)、名曲「Ironic」(4位)「You Learn」(6位)「Head Over Feet」(エアプレイ3位)と多くのヒットが生まれた。「You Learn」とカップリングで「You Oughta Know」がヒットしているが、これはグラミー賞受賞式でのライヴバージョンで、このシングルでしか聴けない。

1995/8/12付 No.1 (初登場) 最高位1位、104週
E-1999 Eternal / Bone Thugs-N-Harmony
ボンサグはボーン・エンタープライズという名義でのデビュー作を経て前作にあたるミニ・アルバムが12位とヒットしていたものの、フル・アルバムはこれがデビュー作となる。トレードマークである歌うような抑揚をつけた早口ラップと、おどろおどろしい雰囲気が全編に渡って展開され、決して売れ線の作品でもないのだが、物珍しさも手伝って出荷は400万枚に達する大ヒットとなった。自分たちを発掘してくれた恩師イージーEが他界した直後で、「Crossroad」は彼に捧げた曲。シングルカットするにあたりこの曲は「Tha Crossroads」と改題された上に、まったく別の曲と言っていいほど大胆な別バージョンに生まれ変わり、ラップとしては歴史的な大ヒットを記録した(1位。当時はシングルのみの発売だったが、再発版のアルバムにはこっちが収録されている模様)。爽やか路線で新機軸を見出した「1st Of Tha Month」(14位)もヒット。

1995/8/12付 No.9 (2週目でTop10入り) 最高位8位、59週
Games Rednecks Play / Jeff Foxworthy
アトランタ出身のカントリー系コメディアン、ジェフ・フォックスワーシーの2作目。ジェフは自分のテレビ番組も持ってる人で、これは歌ではなく、コメディ・レコード(ボーナストラック扱いで歌も有り)。ジェフのお笑いライヴの模様が収録されてると思えば良い。前作が最高位38位ながら300万枚を売る大ヒットになっていた(本作も300万)。この人は南部の田舎者白人の蔑称である“Redneck”ネタが得意で、南部の風習とかスラングとかで笑いととるので、日本人には笑いのツボが少しわかりにくく、かなりハードルの高い作品だろう。

1995/8/19付 No.4 (初登場) 最高位4位、21週
Only Built 4 Cuban Linx... / Raekwon
メソッド・マンオール・ダーティ・バスタードに続いてウータン・クランから3人目のソロデビュー。ウータンのメンバーがみんなでぎゃーぎゃー騒いでじゃれあっても、一人でその喧騒から離れてるような“硬派”タイプのレイクォン。ばりばりに緊張感の漂うホラーっぽい音が特徴的で、渋いレイクォンと、声の甲高いゴーストフェース・キラー(当時は実の弟だとか噂されたが血縁ではない。ジャケでも一緒に写ってる)が絡む。「Ice Cream」(38位)がヒットしたが、これもおよそヒットしそうな曲ではない(非常にかっこいいが)。シングルはChef Raekwon名義。

1995/8/19付 No.6 (初登場) 最高位6位、17週
Barometer Soup / Jimmy Buffett
前作で商業的な復活を遂げたジミー・バフェット、連続トップ10入り。1曲めからもうすっかり常夏のリゾートの世界でとろける。2曲目以降はやや“普通のポップ・ロック”路線が多いが、なんとなくエルトン・ジョンっぽく聴こえてきたりして、漠然とこの人がアメリカでは国民的シンガーとして人気が高いのが分かるような気にもなる。流行とはまったく無縁の、カントリーとかポップスとかひとつのジャンルに収まらない、アメリカのもうひとつの顔。

1995/8/26付 No.4 (3週目でTop10入り) 最高位1位、52週
Dangerous Minds / Soundtrack
大ヒットした作品だが、サントラ自体が特に凄いというわけではなく、クーリオ&L.V.のシングル「Gangsta's Paradise」(1位)の爆発的なヒットに牽引されてのヒットだろう(これを収録したクーリオのアルバムが11月まで出なかったのが大きい)。これ以外にヒット曲は出ていないし、そもそも参加メンバー中大物と呼べるのはアーロン・ホールとジョデシ関係者ぐらいという、まさに大穴ヒット。訥々と切ないラッピン・4テイの「Problems」など、いい曲もあることはあるのだが。

1995/9/2付 No.4 (初登場) 最高位4位、21週
The Show / Soundtrack
“初のヒップホップ・ドキュメンタリー映画”として話題になった作品のサントラで、もちろんヒップホップ満載。曲数がやたら多く、しかも妙に豪華な顔ぶれが揃っているが、ちゃんと曲をやっているのではなく単にコメントをしゃべってるだけだったりもするので要注意。ラッセル・シモンズ(ニューヨークの人)製作ながら、参加メンバーには妙に西の人々が多いのは、当時いかにウエストコースとが盛り上がっていたかということだろう。シングルとしてはメソッドマン&レッドマンの「How High」(13位)がヒット。

1995/9/16付 No.8 (初登場) 最高位8位、31週
Conspiracy / Junior M.A.F.I.A.
当時大ブレイクしていたノトーリアスB.I.G.の子分という形で紹介された7人組ラップグループのデビュー作。後にリル・キム、リル・シーザーがソロとして巣立った。ビギーも要所に参加するこのアルバムからは恐ろしく下品なリリックの「Player's Anthem」(13位)「Get Money」(17位)がヒット。特に後者はまったく別曲と化したリミックス「Gettin' Money」もウケたことからロングヒットとなった。

1995/9/23付 No.9 (11週目でTop10入り) 最高位9位、48週
Frogstomp / Silverchair
オーストラリア、ニューキャッスル出身の3人組ロックバンドのデビュー作。いかにもこの時代らしいヘヴィな音を出し、ブッシュとかストーン・テンプル・パイロッツあたりと並べられる存在だが、彼らは遠くオーストラリアの出身、しかも当時現役高校生!ということで別の面でも話題になった。ただでさえこのタイプの音は当時“似非グランジ”と馬鹿にされがちだったし、更に弱冠15歳の少年が書く詞・曲だけにツッコミどころ満載なので、評論家的にはかなり叩かれたが、同世代を中心に絶大な支持を集めた。やけにパール・ジャムっぽい「Tomorrow」がメインストリーム・ロック、モダン・ロック両チャートで1位。

1995/9/23付 No.10 (3週目でTop10入り) 最高位10位、46週
Mortal Kombat / Soundtrack
よくこんなのが売れたなあ。その道では有名なバンドは多いが、商業的に成功している人たちは皆無という顔ぶれで、KMFDM、グラヴィティ・キルズといったインダストリアル系を媒介に、ナパーム・デスとかフィア・ファクトリー、タイプ・オー・ネガティブなどのメタル系とユタ・セインツ、オービタルなどのテクノ系が同居する。ナイン・インチ・ネイルズとミニストリーを頂点にインダストリアル系が盛り上がっていた時代ならではのヒットだ。

1995/9/30付 No.4 (初登場) 最高位4位、46週
One Hot Minute / Red Hot Chili Peppers
前作でブレイクしたレッチリが、それまでの“変態ミクスチャーバンド”というイメージを払拭し、4年ぶりの本作ですっかりメインストリームな存在になった。このバンドはギタリストがなかなか定着しないことで知られるが、このアルバムの時はデイヴ・ナヴァロだった。「My Friends」がメインストリーム・ロック、モダン・ロック両チャートで1位の他「Warped」(モダンロック7位)「Aeroplane」(同8位)がヒット。楽曲自体は悪くないが、指向性が絞り込めていないと言われ、あまり評判はよくない。

1995/9/30付 No.10 (初登場) 最高位10位、16週
Circus / Lenny Kravitz
レニクラ4作目にして、実はこれが初のトップ10入り。ただ、前作「Are You Gonna Go My Way」(12位、60週チャートイン)の勢いで売れたのは明らかで、本作自体は短命ヒットに終わった。前作の成功を受けて焼き直しただけだとして、彼の作品中でもいちばん評価が低い本作が(この時点では)唯一のトップ10ヒットだというのも皮肉だが。「Rock And Roll Is Dead」(メインストリーム・ロック4位)がヒットしたが、当時“お前に言われたくない”との声多数だった。

1995/10/7付 No.4 (初登場) 最高位4位、71週
All I Want / Tim McGraw
ティムマグの3作目。ポップチャートでは「I Like It, I Love It」(25位)がヒットしただけだが、カントリーチャートでは「I Like It〜」(1位)「Can't Be Really Gone」(2位)「All I Want Is A Life」(5位)「She Never Lets It Go To Her Heart」(1位)「Maybe We Should Just Sleep On It」(4位)とヒットを連発。ロック色の強い曲が登場したり、メロディのはっきりしたバラードが多かったりと、カントリーファン以外にもかなり聴きやすい作品。

1995/10/7付 No.5 (初登場) 最高位5位、42週
Greatest Hits 1985-1995 / Michael Bolton
マイケル・ボルトン初のベスト盤。かなりキャリアの長い人だが、ここで対象になるのは売れ始めてからの5枚のアルバム。ヒット曲は概ね網羅しているが、何故か「Love Is A Wonderful Thing」(4位)のような大ヒット曲が漏れてたりもする。終盤に新録が5曲収録されており、うち「Can I Touch You... There ?」がヒットしているが(27位)、新曲はいらないからその分他のヒットを入れて完全ベストにして欲しかったとの声も。

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