Jan-Jul, 1995

1995/1/21付 No.9 (8週目でTop10入り) 最高位3位、99週
CrazySexyCool / TLC
シングルチャートは荒らしたものの、実はデビューアルバムはトップ10入りを逃していた(13位)TLC。この2作目も8週目でようやくトップ10入りと、決して出足は良くなかったが、結果的には1000万枚を売るメガヒットとなった。「Creep」(1位)「Red Light Special」(2位)「Waterfalls」(1位)「Diggin' On You」(5位)とタイプの違う曲で大ヒットを連発。「Waterfalls」などはメッセージ性も高く、オピニオン・リーダーとして同世代の女の子の人気が高かった。

1995/2/11付 No.1 (初登場) 最高位1位、41週
Balance / Van Halen
これでオリジナルアルバムは4作連続の1位。アメリカ最強のロックバンドとしての地位を確固たるものにしていたのだが、本作がサミー・ヘイガーをボーカルに据えた最後の作品となり、彼らの“王者”としての地位も本作を最後に揺らぐことになる。
やけに爽やかな「Can't Stop Loving You」(30位)が久々にシングルヒット。アルバム・ロック・チャートでは他に「Don't Tell Me」(1位)「Amsterdam」(9位)などがヒット。さすがにこのジャケは文句を言う人は言いそうなので、“男の子単独バージョン”も存在する。

1995/2/11付 No.6 (初登場) 最高位6位、20週
Cocktails / Too $hort
3作連続のトップ10入りで、5作連続のプラチナディスク。タイトルはもちろん「Cock-Tales」と解釈すべきだろう。ポップチャートにクロスオーバーするヒットをまったく出さずにこの人気だから、ベイエリアのヒップホップシーンに限定すれば、どれほど圧倒的な人気だったかが窺い知れよう。1曲目からゆる〜いビートで、全体的に音数を抑えたクールな作りながらテンポはかなり遅めで、Pファンクに通じる“緩いファンク”が全編に展開される。いつも通りビッチねたが大半だが、トラックの充実ぶりは半端ではない。

1995/2/25付 No.7 (31週目でTop10入り) 最高位1位、129週
Cracked Rear View / Hootie & The Blowfish
どんくさい田舎者ロックバンド。もったりとしたダリウス・ラッカーのボーカルに、出来は悪くないけれど特にこれといった特色のない楽曲。ルックスも別に良くないし、お世辞にも“かっこいい”存在ではない。そんな彼らがこのアルバムを売りまくり、そのセールスは実に1500万枚に達した。なぜ彼らがこれほど爆発的にウケたのか、当時も色々と分析はされたものの、あまり“ズバリ”という回答はなかった気がする。「Hold My Hand」(10位)「Only Wanna Be With You」(6位)「Let Her Cry」(9位)「Time」(14位)とシングルも連続ヒットとなった。

1995/3/4付 No.8 (43週目でTop10入り) 最高位1位、121週
Throwing Copper / Live
43週かけてトップ10入り、52週かけて1位に到達という超遅咲きの作品は、ペンシルヴァニア出身のロックバンド、ライヴの2作目。この時代に続々と登場した“グランジ”系のバンドに比べるとかなり神経質そうな繊細さをもっており、彼らとは違う表現方法だったが、重さや暗さを感じさせるところはこの時代のバンドとしての共通点だった。そんな中で従来のハードロックからの流れを感じさせる「All Over You」(4位、2位)や、彼らのソングライティング力を見せつける名曲「Selling The Drama」(1位、4位)が光る。他に「I Alone」(6位、6位)「Lightning Crashes」(1位、1位)などがヒット(順位はいずれもモダンロックチャート、アルバムロック・トラックス・チャートの順)。

1995/3/18付 No.1 (初登場) 最高位1位、32週
Greatest Hits / Bruce Springsteen
デビューから20年以上を経てようやく発売された、ブルース・スプリングスティーン初のベスト盤。過去に5枚組(LP。CDでは3枚組)のライヴ盤や、後には4枚組未発表曲集なんてのを出してる人だし、ライヴ盤を別にしてこの時点で10枚のオリジナルアルバムを出してるわけで、それを全部網羅するには明らかにボリューム不足。代表曲というよりは“ヒット曲”重視の選曲は賛否の分かれるところだろう。「Secret Garden」(19位)「The Streets Of Philadelphia」(9位)はサントラからのヒットで、他のオリジナルアルバムには収録されていないので、これが入ってるのはまあ有難い。

1995/4/1付 No.1 (初登場) 最高位1位、65週
Me Against The World / 2Pac
この頃からトゥパックが“カリスマ”になり始めた。一般的には「Dear Mama」(9位)のヒットでスターの仲間入りをした、という位置づけだが、ヒップホップ・ファンの間では彼の詩的に優れたライムと、非常にタイトなフロウが高く評価され、ヒップホップ雑誌の「ベスト・ラッパー投票」のような企画でも首位付近にランクされるようになった。しかし何と言っても最大のきっかけは、94年11月の銃撃事件だろう。スタジオの外で銃撃され、4発を被弾した彼は手術後無理矢理病院を抜け出して包帯グルグルの姿で別件の裁判に登場。この“不死身”で“不屈”のイメージがカリスマ性となり、彼の人気を不動のものにした。「Old School」が「Dear Mama」のB面としてヒット。「It Ain't Easy」は名曲。

1995/4/15付 No.7 (初登場) 最高位7位、21週
Return To The 36 Chambers: The Dirty Version / Ol' Dirty Bastard
ウータン・クランからのソロ波状攻撃、メソッド・マンに続く第2弾は、ブルックリン出身の怪人オール・ダーティ・バスタード。何かと奇行が伝えられがちな彼は、そのラップを聴くだけでも充分に変人ぶりが伝わってくる。大半の曲はRZAがプロデュースを務め、一部の曲をODB自身がプロデュース。個性が強烈なだけに、作品の出来うんぬんよりもODBが好きになれるかどうかで評価が決まるだろう。

1995/4/15付 No.10 (初登場) 最高位5位、65週
John Michael Montgomery
ジョン・マイケル・モンゴメリーの3作目で、1位になった前作と並んで彼の最大のヒット作。前作からは「I Swear」がカバーされ、カバーのほうが大ヒットしたが、なんと今回も本作収録の「I Can Love You Like That」(カントリーチャート1位)を同じオール4ワンがカバーし、カバーのほうがヒットした。ポップス・ファンからはそういうところしか見えないのでこの人もナヨいバラードが得意なのかと思ってしまうが、むしろこっちのほうがいい曲じゃないかというスケールの大きいバラード「No Man's Land」(3位)や「Long As I Live」(4位)、ホンキートンクの「Cowboy Love」(4位、順位はいずれもカントリーチャート)などもヒットさせている。

1995/4/29付 No.2 (初登場) 最高位1位、73週
Friday / Soundtrack
俳優業にハマり、ラッパー稼業がご無沙汰になりつつあったアイス・キューブが、ついに自ら監督・脚本まで手掛けたのがこの「Friday」。これが大ヒットして興行的にも大成功したお陰で、以後彼の映画界での存在感が決定的となった。このサントラはキューブに近い西海岸のラップが中心で、一部“懐かしい”効果を出すためにリック・ジェームスとかザップとかの70年代末ぐらいのヒット曲を収録。しかし1位になった割にはそれほど内容が充実してるわけでもなく、ヒット曲もDr.ドレの「Keep Their Heads Ringin'」(10位)だけ。

1995/4/29付 No.6 (初登場) 最高位6位、88週
Astro-Creep: 2000 Songs Of Love, Destruction And Other Synthetic Delusions Of The Electric Head / White Zombie
ヒゲボサボサのプロレスラーのようなロブ・ゾンビ率いるニューヨーク出身のヘヴィロックバンドの2作目。デジタルビートを基調にしているのでインダストリアル・ロックと言えなくもないが、ビジュアル的なコケ脅しみたいな遊び心があるあたり、存在感はむしろキッスやアリス・クーパーあたりのハードロック/ヘヴィメタルに近い。まともなメロディやリフもなく、コケ脅しの勢いだけでごまかしてるとの声も。「More Human Than Human」(モダンロックチャート7位)がヒット。
このアルバムの曲のリミックス集である「Supersexy Swingin' Sounds」も翌96年に17位のヒットとなった。

1995/6/17付 No.3 (初登場) 最高位3位、18週
Poverty's Paradise / Naughty By Nature
ノーティ・バイ・ネイチャーの3作目。各アルバムから1曲ずつヒットを出す彼らはここからは「Feel Me Flow」(17位)をヒットさせた。が、今までほどの大きなヒットにはならず、アルバムとしても短命ヒットに終わってしまった。基本的には前作、前々作の延長線上にあると言うか、悪く言えばあまり変わり映えのしない作品で、それ故だんだん売上が落ちていってしまうのも仕方のないところか。ミーターズをサンプリングしてピースフルな雰囲気の漂う「Feel Me〜」は名曲なんだけど。

1995/6/17付 No.4 (初登場) 最高位1位、48週
Pocahontas / Soundtrack
The Lion King」「Aladdin」「Beauty & The Beast」に続いて映画+サントラが両方ヒットとなったディズニー作品。ポップス系の曲は2曲しか収録されていないが、それでもサントラが大きなヒットとなったのは、映画自体のヒットのおかげか。ヴァネッサ・ウィリアムスの「Colors Of The Wind」(4位)がヒット。28曲も収録されているが、いかにも映画で使いそうな、1分程度の短い曲が多く、アニメらしいコミカルな曲から90年代のディズニーお得意のバラードまで。

1995/6/24付 No.1 (初登場) 最高位1位、22週
Pulse / Pink Floyd
ロジャー・ウォータース抜きの布陣では2作目となるライヴ盤。彼らにとって通算5作目の1位となった。CDの背表紙の部分に豆電球が仕込まれ、ぴこぴこと点滅する凝りまくったパッケージが話題になった(ちゃんと電池交換もできる仕組み)。やってる曲はさすがにデイヴ・ギルモア主導時代になってからの作品が多いが、ロジャー・ウォータース在籍時代の作品もこだわりなくやっている。しかし、彼らのライヴと言えば、レーザー光線や映像を駆使した大スペクタクル・ショウ。色んなメディアを連動して演出しているが故に、演奏はアドリブなしのアルバム通りのバージョンばかり、ということで、本作は何故わざわざライブ盤として聴く意味があるのか、という批判もある。

1995/6/24付 No.6 (初登場) 最高位6位、21週
Let Your Dim Light Shine / Soul Asylum
前作「Grave Dancers Union」(11位)でブレイクしたミネアポリス出身のロックバンド。長いインディ時代を経てこれが初のトップ10入りだが、もともとはパンクっぽい持ち味のバンドだったのが前作、特に「Runaway Train」での大成功を意識しすぎて“泣き”路線に走ってしまったのが災いし、本作の評判は良くない。“社会派”でいなきゃいけないというプレッシャーが見え隠れする歌詞も痛々しいし、スロー〜ミディアムテンポの曲が多いのも印象が良くない。ただ、1曲1曲をちゃんと聴くとそんなに出来が悪いわけでもなく、印象でだいぶ損をしている作品でもある。「Misery」(20位、メインストリーム・ロック2位)、「Just Like Anyone」(メインストリーム・ロック11位)がヒットした。

1995/6/24付 No.8 (初登場) 最高位8位、19週
Tales From The Punchbowl / Primus
変態ロック・トリオのプライマス、前作に続いてのトップ10入り。キング・クリムゾンからレッチリにまで例えられるひねくれたグルーヴはより深化し、前作と本作がその到達点だろう。さすがにやることをやり尽くしてしまったのと、だんだんインパクトが薄れてしまったことで、次作以降は徐々に商業的な勢いを失っていく。「Wynonna's Big Brown Beaver」(モダンロック12位)がヒット。

1995/7/1付 No.6 (2週目でTop10入り) 最高位5位、34週
Batman Forever / Soundtrack
「バットマン」シリーズ第2弾のサントラ。ブランディからマッシヴ・アタック、オフスプリングまでかなり雑多な内容だが、アーティストのタイプはばらばらながらも全体的にどこか抑え気味の暗い雰囲気が共通しており、そういう意味でアルバムとして評価する意見もある。シールの「Kiss From A Rose」(1位、彼自身の94年のアルバム「Seal」に既収録)とU2の「Hold Me, Thrill Me, Kiss Me, Kill Me」(16位)がヒット。また、実際に映画に使われているのは3曲だけらしい。

1995/7/1付 No.10 (29週目でTop10入り) 最高位8位、96週
Four / Blues Traveler
サンフランシスコ出身のジャム・バンドの4作目。順位は低いながらもこれまでの作品も堅調にゴールドディスク以上にはなってきているが、このアルバムは600万枚以上の、桁違いの成功を収めた。非常に親しみやすくポップで、かつ泥臭さも失っていない「Run-Around」(8位)「Hook」(23位)のヒットに依るところが大きすぎたか、次作以降内容的にはいい作品を出しているにも関わらず、人気を維持することはできなかった。ボーカルのジョン・ポッパーは元コメディアン志望で、ハーモニカの名手としても知られる。

1995/7/8付 No.1 (初登場) 最高位1位、36週
HIStory: Past, Present And Future - Book 1 / Michael Jackson
確かこれが発売された頃、彼本人だったのかレコード会社だったのか、これを1億枚売るとか豪語していたっけ。結果としてアメリカで400万セット弱という、微妙な成績を残した。タイトルはモロにベスト盤だが、実態はベスト盤1枚+新作1枚を抱き合わせた2枚組。1枚のアルバムから7曲をトップ10に送り込むようなことをやってきた人なので1枚モノのベスト盤では彼の近年のヒット曲の半分も網羅できていない。まあ、それだけ密度の濃い中身ではあるのだが。“新作”のほうからは妹・ジャネットとの初デュエット「Scream」(5位)、R.ケリー作品「You Are Not Alone」(1位)、「They Don't Care About Us」(30位)がヒット。
ジャケで自らブロンズ像となってしまったマイケルはブックレット内でも至る所で自らを“King of Pop”であると称し、本作をもってその“伝説”をダメ押しする狙いだったが、むしろ本作リリース後は変人としての話題しか伝わってこなくなり、落ち目感を激しく漂わせるようになった。

<Previous ▲Index >Next