Nov-Dec, 1994

1994/11/12付 No.9 (2週目でTop10入り) 最高位9位、43週
Hold Me, Thrill Me, Kiss Me / Gloria Estefan
ラテン・ダンス・ポップ・グループとして登場して以降、バラディアー的な色彩を強めつつ大物になっていったグロリア・エステファン。前作で自身のルーツに立ち返ってキューバ音楽に正面から取り組んで“区切り”をつけたのが良かったのか、全曲カバー集の本作は全体に明るいトーンで、非常にラテン色が希薄なところからもふっきれた印象を受ける。通算4作目のトップ10アルバム。「Turn The Beat Around」(13位)「Everlasting Love」(27位)がヒット。

1994/11/19付 No.1 (初登場) 最高位1位、81週
MYV Unplugged In New York / Nirvana
カート・コバーン存命中の93年11月に録音されたアルバム。ライヴ盤としては珍しく500万枚を売る大ヒットとなっている。MTVの名物番組「Unplugged」でのライヴで、もちろん番組のコンセプトに合わせ全編アコースティック。それだけに楽曲そのものの出来が問われるが、もともとその点では定評のあるニルヴァーナだけに、これはうまくハマった企画だった。「About A Girl」(HOT100エアプレイ22位、モダンロック1位)、デイヴィッド・ボウイのカバー「The Man Who Sold The World」(HOT100エアプレイ39位、モダンロック6位)がヒット。

1994/11/19 No.4 (初登場) 最高位4位、23週
Youthanasia / Megadeth
日本で“メガデス・ファン”を名乗る人の大半は初期のスラッシュ・メタル作品のファンだろうから、この作品のことはきっと悪く言うだろう。リフ主体の作りからメロディ主体の作りへ移行し、明かに“スラッシュ・メタル”からの脱却を図った作品。もちろん売れ線狙いだと批判されることは承知の上だったのだろう。決して評価が高いというわけでもないが、この時期のメガデスを支持するファンはアメリカには少なくない。前作に続く2作目のトップ10ヒット。

1994/11/19付 No.6 (初登場) 最高位6位、48週
Big Ones / Aerosmith
“復活後”(正確にはGeffen移籍後)のエアロスミス初のベスト盤。対象となる期間のヒットは漏らさず全部収録してるのがいい。新曲「Blind Man」(アルバムロックチャート3位)「Walk On Water」(同16位)もヒット。後には初期キャリアも全部網羅するベスト盤など何種類かのベスト盤が出ているので本作の影は薄くなっている。裏ジャケには小錦が登場。

1994/11/19付 No.8 (初登場) 最高位8位、53週
Wildflowers / Tom Petty
トム・ペティのソロ名義としては89年以来、ハートブレイカーズ名義を含めても91年以来久しぶりのオリジナルアルバム。ソロ/バンド合わせ通算7作目のトップ10アルバム。これが、非常に肩の力が抜けたアーシーな作品。このところジェフ・リンと組んで緻密な音作りをしていた彼らが、本作ではリック・ルービンをプロデューサーに迎えて音にライブ感が色濃く出ている。「You Don't Know How It Feels」(13位、アルバムロック1位)、「You Wreck Me」(アルバムロック2位)「It's Good To Be King」(同6位)がヒット。

1994/11/26付 No.1 (初登場) 最高位1位、112週
Hell Freezes Over / Eagles
“イーグルス復活”。これがアメリカ人にとってどれほど大きなイベントだったかを、本作の大ヒットが物語る。79年以来の新作とされる本作も、新曲は4曲だけで、残る11曲は過去の曲のライヴ。これが、発売の直後だけ売れるのではなく、丸2年以上チャートインし、700万枚以上を売ってしまった。ツアーでも大成功を納め、純粋な新曲も出るという噂はずっとあったが、結局この後10年を経ても出ていない。
「Get Over It」(31位)「Love Will Keep Us Alive」(エアプレイ22位、アダルトコンテンポラリー1位)がヒット。

1994/11/26付 No.4 (初登場) 最高位3位、115週
No Quarter / Jimmy Page & Robert Plant
レッド・ツェッペリンという巨大な亡霊の影を払いきれずにダラダラと10余年過ごしてきたジミー・ペイジと、ソロでも成功を収めたロバート・プラント。彼らが遂にリユニオンを果たし、過去の亡霊と正面から向き合った。レッド・ツェッペリン時代の曲の再演ライヴ。大半は中近東風のアレンジで味付けされた新たな解釈が加えられている。「Gallows Pole」(アルバムロック・チャート2位)「Thank You」(同8位)がヒット。

1994/11/26付 No.7 (初登場) 最高位7位、38週
Fields Of Gold - The Best Of Sting 1984-1994 / Sting
スティングの初のベスト盤。国によって多少収録曲が違うが、アメリカ盤だと「Love Is The Seventh Wave」以外の全ヒットを収録。但し「We'll Be Together」は新バージョンで収録。非常に地味な新曲「When We Dance」が小ヒット(38位)。この頃はちょっとアーティスト・パワーが落ちているように感じられた時期だったが、後にちゃんと復活している。

1994/11/26付 No.9 (初登場) 最高位9位、80週
Best Of Sade / Sade
デビューから10年、シャーデー初のベスト盤。4枚のアルバムからのヒット曲を順番に収めた手堅い選曲で、新曲やリミックスなどのオマケがないところが、ある意味彼女たちらしい。他のオリジナルアルバムとほぼ同じ水準のヒットとなり、5作連続でトップ10ヒット、本作を含め5作中4作は400万枚以上のセールスとなった。

1994/12/3付 No.4 (初登場) 最高位4位、43週
Tical / Method Man
ウータン・クランのファーストはトップ10入りを逃したため、これがウータン関連で初のトップ10入りとなる。ニューヨーク、スタッテン・アイランド出身のメソッド・マンのソロデビュー作。93年にデビューしてヒップホップ界に旋風を巻き起こした強者揃いのウータン・クランの中でも最もキャラが立ち、実力も評価される彼が最初にソロデビューすることは必然的だった。全編のプロデュースを“ウータンの頭脳”RZAが手掛ける。「All I Need」はメアリーJブライジを迎えて大胆にリミックスされたバージョンとして後に大ヒット(3位)。「Bring The Pain」は名作。

1994/12/3付 No.6 (3週目でTop10入り) 最高位1位、14週
Miracles - The Holiday Album / Kenny G
この頃が商業的な全盛期となるケニーGのクリスマスアルバムは、来シーズン以降も定番として売れ続け、800万を超えるセールスを誇る。選曲も概ね定番曲ばかりで、アレンジもきわめてまっとうなので、このアルバムに対する期待が裏切られることはないだろう。芸がないとかワンパターンだとか言うのは、このアルバムに求めることではない。

1994/12/3付 No.7 (3週目でTop10入り) 最高位3位、13週
Merry Christmas / Mariah Carey
日本でも超定番の、マライアのクリスマスアルバム。デビュー以来5作連続でトップ5入りを達成。スタンダードナンバーが大半だが、オリジナル曲「All I Want For Christmas Is You」(HOT100エアプレイ12位)がヒット。この曲は日本で極めて人気が高く、日本でのコンサートでは(マライア自身が周囲の反対意見を抑えてまで)季節を問わずに演奏される。

1994/12/10付 No.9 (2週目でTop10入り) 最高位9位、18週
Duets II / Frank Sinatra
昨年の「Duets」の商業的大成功に気を良くして作ってしまった続編なのだが、これは「作らないほうが良かった」結果になってしまった。前作もファンの間では評判が悪いが、今回は更に非常に評判の悪い作品。特に、先にシナトラが吹き込んだ録音に合わせてパートナーが“デュエット”を吹き込むという作り方が、“そんなのデュエットじゃないやん”と批判された。これが20世紀最大のスター、シナトラの最後のオリジナル作品となってしまったのは実に残念だ。

1994/12/17付 No.9 (初登場) 最高位7位、46週
My Life / Mary J.Blige
“ヒップホップ・ソウルの女王”メアリーJの2作目。女王とか呼ばれたのは、単に彼女がこの分野で突出した存在だったというだけでなく、何となく彼女に若さに似合わない風格が、貫禄があったからだろう。いっそう貫禄の増した本作からは「Be Happy」(29位)、ド演歌「I'm Goin' Down」(22位)と大きなヒットは出ていないが、全体の品質は高いと評判。アルバムのエグゼクティブ・プロデューサーはアンドレ・ハレルとショーン・パフィ・コムズ(パフ・ダディ)。

1994/12/24付 No.1 (3週目でTop10入り) 最高位1位、55週
Vitalogy / Pearl Jam
90年代、最も巨大なロックバンドとなったパール・ジャムの3作目。アメリカの古い家庭医学書を模して、凝った作りのパッケージ。リードシングルはモロにパンクな「Spin The Black Circle」だったが、全体的にはぐっと腰を落ち着けた感じで、全体に統一感がある。500万枚を売ったアルバムにしてはかなり地味ではあるが。
後々のライヴでも定番となる「Corduroy」(アルバムロック22位)「Better Man」(同1位)「Not For You」(同12位)や、「Immortality」(同10位)などの代表曲を含む。

1994/12/24付 No.3 (初登場) 最高位3位、24週
Live At The BBC / The Beatles
ビートルズのアルバムがAppleレーベルから発売されるのは1973年のシングル集、通称“赤盤”“青盤”以来のこと。これは60年代前半に彼らがBBCでの放送用に録音したスタジオ・ライヴを56曲集めたもので、彼らのオリジナル曲のほか、実は半分以上の29曲をカバー曲が占める。初期の彼らの姿を捉えた貴重な音源であり、内容的にも評判がいい。

1994/12/31付 No.3 (初登場) 最高位1位、110週
The Hits / Garth Brooks
これまで6枚のアルバムを集大成するベスト盤。これで4作目の1位、セールスが1000万枚に達するのは3作目。とにかく桁外れの成功を収めた人で、18曲中14曲はカントリーチャートで1位。この時期はHOT100チャートの集計方法が歪だったので1曲もチャートインしていないが、“90年代のアメリカ”を語る上でこれらの曲を無視するわけにはいかない。
発売当初から限定版という触込みだったこのアルバム、アメリカではプレミアがついており、中古はまだしも、未開封新品だと75ドルの値がついていたりする。

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