Jan-May, 1993

1993/1/9付 No.10 (5週目でTop10入り) 最高位9位、34週
Hard Or Smooth / Wreckx-N-Effect
NYのラップ・デュオの2作目。メンバーの片割れはテディ・ライリーの弟ということでテディがプロデュースからアレンジ、作曲、更にはゲスト参加まで至れり尽せりの全面バックアップ。既に時代遅れとなっていた“ニュージャックスウィング”な音作りなのはご愛嬌。けっこう質の高い曲が集まっており、二流ラッパーの一発ヒットとバカにはできない。ハネまくるビートのケツ振りソング「Rump Shaker」(2位)が大ヒット。

1993/1/16付 No.8 (2週目でTop10入り) 最高位6位、52週
...If I Ever Fall In Love / Shai
ワシントンDC出身の4人組R&Bボーカルグループ。ほとんどアカペラのデビュー曲「If I Ever Fall In Love」(2位)は非常にインパクトがあった。その後も「Comforter」(10位)「Baby I'm Yours」(10位)とヒットを連発。きれいなハーモニーだが、独特の暗さにかなりクセがある。このアルバム以降目立ったヒットがないせいもあってメンバーの匿名性もかなり高く、実力やヒットの実績の割には“B級”扱いされがちなグループ。

1993/1/16付 No.9 (3週目でTop10入り) 最高位8位、56週
It's Your Call / Reba McEntire
オクラホマ出身の女性カントリーシンガー、これが初のトップ10入り。もちろんチャート集計方法が91年に変わったことの影響であり、70年代から活動を続け、テレビ出演による知名度もあるこの人の人気がここでいきなり高まったわけではない。むしろこのアルバムはポップス系のバラードが多く、リバの力強いキャラが活かされていないとして、前作「For My Broken Heart」(13位)ほど評判は良くない。それでも300万枚売れてるのは凄いが。

1993/1/23付 No.10 (59週目でTop10入り) 最高位10位、153週
Brand New Man / Brooks & Dunn
90年代のカントリー界を代表するヒット・メイカーとなるブルックス&ダンのデビュー作。ルイジアナ出身のキックス・ブルックスとテキサス出身のロニー・ダンはそれぞれソロで細々と活動を続け、お互い30代半ばになってから出会い、このデュオを結成。カントリーチャートではデビューシングルから4曲連続1位という鮮烈なデビューを飾り、このアルバムは500万枚以上を売るベストセラーとなった。特に「Boot Scootin' Boogie」はHOT100でもあと一息でトップ40入りという、この時期のカントリーとしては相当な大ヒットとなった。

1993/1/30付 No.7 (5週目でTop10入り) 最高位3位、86週
The Chronic / Dr.Dre
ヒップホップの歴史を変えた、歴史的超重要作。N.W.A.時代はアイス・キューブやイージーEといった強烈なキャラの影に隠れて主役っぽさはなかったDr.ドレのソロデビュー作。案の定ラップは下手だが、そこをほぼ全曲で登場する新人天才ラッパー、スヌープ・ドギー・ドッグが補う。P-ファンクのサンプリングへの依存度は高いが、ぴ〜ひょろ〜というキーボードを多用する“G-ファンク”スタイルは既にここで完成している。「Nuthin' But A "G" Thang」(2位)「Dre Day」(8位)「Let Me Ride」(34位)がヒット。

1993/2/6付 No.8 (11週目でTop10入り) 最高位6位、74週
Aladdin / Soundtrack
ディスニー映画「アラジン」のサントラ。いわゆる“ディズニー音楽”であり、ヒットチャートに登場するような種類の音楽とはまったく違うが、300万枚を売るベストセラーとなった。メインテーマ曲「A Whole New World」(1位)はピーボ・ブライソンとレジーナ・ベルのデュエットで大ヒットしたが、映画に使われたのは別バージョン(サントラには両バージョンとも収録)。映画で声優を務めたロビン・ウィリアムスが歌う曲もいくつかある。

1993/2/13付 No.10 (33週目でTop10入り) 最高位3位、115週
Pocket Full Of Kryptonite / Spin Doctors
NY出身のロックバンドのデビュー作。500万枚を売る大ヒット。ファンキーなグルーヴ感のあるジャム・バンド的気質はフィッシュやブルース・トラヴェラーなんかの系統に位置づけられるが、「Little Miss Can't Be Wrong」(17位)「Two Princes」(7位)とヒット曲を出したおかげでバンドの性質が誤解され、変に“売れ線”を期待されてしまった面もあり、以後は商業的に苦戦する。

1993/3/13付 No.3 (初登場) 最高位3位、31週
19 Naughty III / Naughty By Nature
ニュージャージー出身の3人組ヒップホップ・グループの2作目。デビュー作も最高位16位とまずまずのヒットだったが、本作で本格的に人気グループの仲間入りを果たした。ヒップホップ讃歌「Hip Hop Hooray」(8位)がヒット。トラックはシンプルな曲が多く、3人のマイクリレー、掛け合いが楽しめないとちょっと辛い、日頃からラップを聴いてる人向けの作品ではある。

1993/3/13付 No.5 (初登場) 最高位5位、23週
Live: Right Here, Right Now / Van Halen
デイヴ・リー・ロス時代とサミー・ヘイガー時代の長さがだいたい同じぐらいになった時期に出た、ヴァン・ヘイレン初のライヴ盤。2枚組24曲(日本盤は+2曲)の大作。連続1位記録こそ途切れさせたものの、4作目以来7作連続でのトップ5入りを果たした。
流石に新しめの曲中心だが、「Jump」「Panama」などデイヴ・リー・ロス時代の曲も披露される。高音を多用する曲が多いが、それを歌いきるサミー・ヘイガーは本当に歌が巧くて感心。ドラムスがやたらシャンシャンとうるさいのもこのバンドらしい。

1993/3/13付 No.7 (初登場) 最高位7位、47週
Duran Duran
80年代を席巻したデュラン・デュランの9年ぶりのトップ10ヒット。80年代の活躍が華やかだったので、その後は過去の人気の余勢で活動しているように見えた。それだけに、本作での突然の復活は驚いた。以前の彼らにはなかった、しっとりした深みの「Ordinary World」(3位)、「Come Undone」(7位)がヒット。デビュー作と同じ「Duran Duran」というタイトルなので、こちらはジャケ写から通称「Wedding Album」と呼ばれる。

1993/3/13付 No.9 (48週目でTop10入り) 最高位7位、76週
3 Years, 5 Months & 2 Day In The Life Of... / Arrested Development
彼らは革命だった。この頃のラップには、NYを中心とする技巧派、LAを中心とするギャングスタ、その他の地域の色モノの3種類しかなかった。そのどれにもまったくあてはまらないアレステッド・ディヴェロップメントはアトランタ出身のスピーチを中心とするラップグループ。音使い、ルックス、詞の内容、いずれにもナチュラル志向が伺える。「Tennessee」(6位)「Mr.Wendal」(6位)「People Everyday」(8位、シングルはアルバムとだいぶ違うバージョン)と3曲ものトップ10ヒットを生んだ。しかしこの後ルーツ志向を強め、説教臭さが鼻につくようになると急速に人気を失った。

1993/3/20付 No.9 (2週目でTop10入り) 最高位9位、99週
Hard Workin' Man / Brooks & Dunn
1ヶ月前にデビュー作がようやくトップ10入りを果たしたばかりだが、いいタイミングで2作目が登場。前作ほどではないがタイトル曲などがカントリーチャートで連続ヒット、こちらも400万枚を売る大ヒットとなった。
前作からの大ヒット曲である「Boot Scootin' Boogie」の6分半に及ぶクラブ・ミックスが最後に収められる。80年代によくあった12インチリミックスみたい。

1993/3/20付 No.10 (11週目でTop10入り) 最高位7位、47週
Lose Control / Silk
ボーイズIIメン以降どんどん登場してきた若手R&Bグループのひとつ。アトランタ出身の5人組であるシルクはキース・スウェットの全面バックアップを得た上に、かなり歌えることや、バラード主体の作りで黒人以外にもアピールしやすかったことから頭ひとつ抜けた人気となった。「Freak Me」(1位)「Girl U For Me」(26位)がヒット。ほとんどピアノだけの伴奏で歌いまくる、R&Bチャートでヒットしたタイトル曲と、唯一のアップ「Happy Days」が絶品。

1993/3/27付 No.2 (初登場) 最高位2位、68週
Ten Summoner's Tales / Sting
スティングのソロ4作目。なかなかソロで1位が取れないスティング、これで4作のうち3枚が最高位2位という不思議な記録。「If I Ever Lose My Faith In You」(17位)「Fields Of Gold」(23位)がヒット。全体にジャジーな雰囲気で、アップテンポの曲ほど“変”なのはこれまでの彼のソロ作品に通じる。「Shape Of My Heart」は後にナスなどに使われサンプリングネタの定番となる。

1993/4/3付 No.5 (初登場) 最高位5位、24週
Coverdale Page
元ディープ・パープル〜ホワイトスネイクのデヴィッド・カヴァーデイルと、元レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジという超豪華な顔合わせ。変に渋いことをやらずに正面からハードな音に取り組んだことが、ツェッペリン解散後何一つまともな作品を残していないペイジがようやくまともな活動を始めたと評価されたが、もちろん“ツェッペリンの出来損ない”と揶揄する声もあった。「Shake My Tree」「Pride And Joy」(アルバムロックチャートで順に1位、3位)あたりはかなりかっこいい出来。

1993/4/3付 No.10 (9週目でTop10入り) 最高位5位、38週
12 Inches Of Snow / Snow
きちんとライムの実力はあるので本質は違うけど、胡散臭さではヴァニラ・アイスと並び称されてしまうスノー。カナダ出身の白人レゲエシンガー。ジャマイカ英語を意識した訛り+超早口ライム、しかもカナダ人で白人!という強烈なインパクトで、「Informer」(1位)が大ヒット。これほどキャッチーな曲は他にはないが、アルバム全編に渡って彼のライムの凄さは堪能できる。ナヨナヨバラードの「Girl, I've Been Hurt」(19位)を2曲目のシングルにしたのがすべての間違い?で、結局彼は一発屋としてのみ記憶されることになった。

1993/4/10付 No.1 (初登場) 最高位1位、29週
Songs Of Faith And Devotion / Depeche Mode
デペッシュ・モードが全米初登場1位。このインパクトは凄まじかった。実は80年代から彼らはアメリカでも人気が高く、前作は彼らにとって最大のヒット作になってはいたのだが。
重厚でヘヴィな作品。円熟とも言える落ち着き方からは貫禄さえ漂う。80年代初頭に登場した数ある“テクノ”バンドの中で唯一10数年も第一線で活躍し続けた彼らだけが出し得る音だ。楽曲の充実ぶりにも目をみはる。アメリカでは「I Feel You」(37位)が小ヒットしたのみだがイギリスでは「Condemnation」「Walking In My Shoes」がトップ10ヒット。

1993/4/17付 No.5 (初登場) 最高位5位、24週
14 Shots To The Dome / LL Cool J
LLクールJの5作目で、これでトップ10入りは3枚目。しかしヒット曲が生まれず、全体的に特に出来がいいわけでもないということで初めてプラチナディスクを逃す作品となってしまった。大半をマーリー・マールとQDIIIという一流どころが製作する。LLもまだ若さをアピールして?甲高い声で怒鳴るようなスタイルを見せる曲もあったりして、決していい加減に作られてるわけではないのだが

1993/5/8付 No.1 (初登場) 最高位1位、92週
Get A Grip / Aerosmith
デビュー20年にして初のNo.1アルバム。700万枚を売る大ヒット。低迷期を克服して“復活”してからの3作目。「Livin' On The Edge」(18位)「Cryin'」(12位)「Crazy」(17位)「Amazing」(24位)と4曲もヒットが生まれた作品はこの時期には珍しい。「Eat The Rich」のように非常に勢いのあるファンキーな曲がある一方で、ヒットしたのはノスタルジックでスローな曲が多い。内容の充実ぶりから彼らのベスト作だとする声もあるが、外部ソングライターがやたら多く迎えられていることなど、“売れ線を狙い過ぎ”との声もある。

<Previous ▲Index >Next