Jul-Oct, 1991

1991/7/6付 No.1 (初登場) 最高位1位、74週
For Unlawful Carnal Knowledge / Van Halen
ヴァン・ヘイレンの通算9作目で、サミー・ヘイガーをボーカルに迎えてからは3作目。これで3作連続の1位。とにかく新作を出せば確実に売れるし、ツアーに出ればチケットは全部売り切れるという、いちばん“大物バンド”らしかった時期だろう。ヒット曲は「Top Of The World」(27位)だけだが、アルバム・ロック・チャートでは4曲が1位または2位の大ヒットとなった。サミー・ヘイガー時代のヴァン・ヘイレンは下らないアルバムタイトルばかりだが、今回も単語の頭文字を取ると“FUCK”になるというアホらしいもの。

1991/7/13付 No.4 (3週目でTop10入り) 最高位1位、110週
Unforgettable With Love / Natalie Cole
70年代にR&Bシンガーとしてステイタスを築き、一旦は人気が落ちたものの、87年ぐらいに復活を果たしたナタリー・コール。彼女が、父・ナット・キング・コールの残した音源と疑似デュエットを吹き込んだのがこの作品。アプローチ自体が物珍しかったのと、うまく“オトナ”市場にはまったこともあり、大ヒット&ロングセラーとなった。ナタリーにとっては77年以来のトップ10ヒットで、彼女にとって最大のヒット。父・ナットにとっては65年以来のトップ10で、1位になるのは57年以来。しかし娘とは言え故人をネタにここまでやるのはエゲツないとして批判する声もあった。「Unforgettable」(14位)がヒット。

1991/7/13付 No.9 (初登場) 最高位2位、120週
Luck Of The Draw / Bonnie Raitt
それまでの最大のヒットだった25位だったベテランのボニー・レイットだが、前作がいきなり1位に輝いて、突然ドル箱スターになってしまった。前作に続いてドン・ウォズがプロデュースを手掛けた本作は、適度に彼女らしい“渋さ”を漂わせながらもしっかりと“売れる”作りに仕上がり、セールスでは彼女にとって最大のヒットとなった(700万枚)。前作からはヒット曲は出ていないが今回は「Something To Talk About」(5位)「I Can't Make You Love Me」(18位)とヒットが出たのも大きい。

1991/7/20付 No.7 (初登場) 最高位5位、45週
Robin Hood : Prince Of Thieves / Soundtrack
ケヴィン・コスナー主演映画のサントラ。ブライアン・アダムスの超特大ヒット「(Everything I Do) I Do It For You」(1位)を収録してるので売れたが、アルバムの他の曲は全部オリジナル・スコアなので決して売れそうな作りではない。

1991/8/3付 No.10 (10週目でTop10入り) 最高位3位、133週
Cooleyhighharmony / Boyz II Men
この頃はR&B界はソロシンガーが中心で、ボーカルグループは少なかった。しかも若手となるとニュー・エディションがその頂点で、トゥループなどいくつかがR&B市場の中だけで活躍しているだけの、お寒い状況だった。そこに華々しく登場してきたのがこのボーイズIIメン(とジョデシ)。圧倒的に歌が巧かったし、曲も良かったし、何と言っても目新しい存在だったのでデビュー作にしてすんなり大ブレイク。決してルックスがいいとは言えない彼らでさえ、当時はアイドルとしても人気が出るほど、“他にいない”状況だった。「Motownphilly」(3位)「It's So Hard To Say Goodbye To Yesterday」(2位)「Uhh Ahh」(16位)がヒット。

1991/8/24付 No.5 (3週目でTop10入り) 最高位3位、77週
C.M.B. / Color Me Badd
「New Jack City」サントラからの「I Wanna Sex You Up」が大ヒットしたカラー・ミー・バッドのデビュー作。白黒混合の4人組ボーカルグループで、ポップ寄りの音ではあるが、R&B市場でも受け入れられた。ここから「I Adore Mi Amore」(1位)「All 4 Love」(1位)「Thinkin' Back」(16位)「Slow Motion」(18位)とシングルヒットを連発。この次のアルバムも出来は良かったが、シングルがあまりヒットしなかったせいか、やや渋い方向に路線変更してしまったせいかあまり売れず、いつの間にかいなくなってしまった。

1991/8/31付 No.1 (初登場) 最高位1位、281週
Metallica
ジャケが真っ黒なことから通称“ブラック・アルバム”。前作での路線変更を経て、本作で“王道”に至った。充分に重く、激しい音ではあるが、初期作品に比べればずっとすっきりした作りになり、「Enter Sandman」(16位)「Nothing Else Matters」(34位)「The Unforgiven」(35位)と3曲もヒットが生まれた。初期のファンからは無条件に受け入れられたわけではないが、これまでヘヴィメタルとは縁のなかったリスナーをさえも力づくで巻き込んだ、圧倒的なパワーの作品。早々に「Led Zeppelin IV」や「Back In Black」と並ぶHR/HMの古典となった。

1991/9/14付 No.7 (初登場) 最高位7位、29週
The Fire Inside / Bob Seger & The Silver Bullet Band
これで7作連続のトップ10入りとなったボブ・シーガー。全盛期の5作品は平均で4〜500万枚を売っていた超ビッグアーティストだけに、このぐらいの規模のヒットでは落ち目感は拭えないが、スプリングスティーンやジョン・メレンキャンプやトム・ペティといった人たちが90年代前半以降はだんだん商業的な第一線を遠のいていったのと同じ、時代の流れなのだろう。「Real Love」(24位)がヒット。

1991/9/21付 No.3 (初登場) 最高位3位、43週
Roll The Bones / Rush
「最新作が常に最高傑作」とさえ言われた“進化するロックバンド”、ラッシュのこの時点での最高順位となるヒット。85年以来のトップ10入りで、通算7作目のトップ10ヒット。いつも通りHOT100チャートではヒット曲は生まれていないが、アルバム・ロック・チャートでは「Dreamline」(1位)「Ghost Of A Chance」(2位)などが大ヒット。あまり評判の芳しくなかったここ数作に比べるとぐっと力強い作品で、評判もいい。彼らのアルバムが40週以上チャートインするのは81年以来、という事実もその評判を裏付ける。

1991/9/28付 No.1(初登場) 最高位1位、132週
Ropin' The Wind / Garth Brooks
ガースの3作目で、初の1位。1、2作目がまだチャートインしていたし、本作が18週もの間1位に居座り、結局1400万枚に及ぶセールスをあげる(前作が1600万)という、嫌になるぐらい売れまくっていた時期。しかしこれだけ売れまくっていても相変わらずHOT100チャートにはかすりもしなかった。カントリーチャートでは「Shameless」「What She's Doing Now」「The River」(いずれも1位)などがヒットした。内容的には前作と並んで彼のベスト作品のひとつとされる。

1991/10/5付 No.1(初登場) 最高位1位、106週
Use Your Illusion II / Guns N' Roses
「Appetite For Destruction」で大ブレイクし、次が待望されていたガンズ。間をミニアルバムでつないだものの、4年間たっぷり待たせて登場したのが2枚同時発売の超大作。発売週のセールス77万枚という数字が、期待の高さを物語る(メタリカでも59万だった)。映画「ターミネーター2」に使われた先行シングル「You Could Be Mine」(29位)を収録しているせいか、こちらの「II」のほうが売れたが、こちらからは他にはシングルヒットは出なかった。

1991/10/5付 No.2 (初登場) 最高位2位、108週
Use Your Illusion I / Guns N' Roses
「II」と同時発売。本作以降、2枚組にしないで2枚別売り(で同時発売)するのがちょっとだけ流行った。最後にやたらと声を伸ばし続けるのが奇妙な「Don't Cry」(10位)、ポール・マッカートニー率いるウイングスのNo.1ヒットのカバー「Live And Let Die」(33位)、ほぼ9分に及ぶ超大作バラード「November Rain」(3位)がヒット。
I、IIとも、初期からのファンの間では荒々しさが失われてしまったと、あまり評判は良くなかったが、何とか期待に応えようと2枚のCDに詰め込まれた、漲る圧倒的なパワーは見事なもの。

1991/10/5付 No.4(初登場) 最高位4位、54週
Emotions / Mariah Carey
マラキャの2作目。「Emotions」(1位)「Can't Let Go」(2位)「Make It Happen」(5位)というシングルの成績は普通に考えれば上出来だけど、デビュー作(4曲連続1位)と比べてしまうと明らかに見劣りする。アルバムのセールスもデビュー作の半分ほど。これは、次作では更に落ち目になり、間もなく消えていくんだろう。...と思わせるスキが、まだこの頃にはあった。ただ日本では全然そんな感じはなく、本作でぐんと存在感を増した。タイトル曲は彼女の音域の広さをアピールしつつ、躍動感があり、楽曲としても優れた佳作。

1991/10/5付 No.7(初登場) 最高位7位、86週
No More Tears / Ozzy Osbourne
オジーはいつ何を出しても売れるんだけど。3年ぶりのオリジナルアルバムで、通算3枚目のトップ10入り。ここから、オジーの長いキャリアで初めてのトップ40ヒット「Mama, I'm Coming Home」(28位)が生まれた(ただ、この前にリタ・フォードとのデュエットでなら40入りは果たしている)。ランディ・ローズが在籍した初期作品ほどの人気はないが、ザック・ワイルド在籍時代のベストアルバムとも言われる。

1991/10/5付 No.8 (4週目でTop10入り) 最高位8位、76週
The Commitments / Soundtrack
アイルランドのなーんにもない田舎町で、ぶらぶらとたむろしてる連中がバンドを結成して活動していく様を描いた映画「コミットメンツ」のサントラ。映画に出演している俳優たち(無名人ばかり)が実際に歌っており、本作はサントラであると同時にコミットメンツというバンドのデビュー作でもある。曲は60年代ソウルの有名曲カバーばかりだが、当時まだティーンエイジャーだったアンドリュー・ヤングのソウルフルな歌いっぷりが素晴らしい。サントラの続編「Vol.2」が製作されるほど評判が良かったがカバーばかりでは流石にそう長続きせず、ソロになったアンドリューも全然売れなかった。

1991/10/12付 No.6 (初登場) 最高位6位、75週
Waking Up The Neighbours / Bryan Adams
ややダウナーな前作でファンを戸惑わせ、そのまま4年以上の沈黙。ここで出かた次第では多くのファンを失うことになったはずだが、「Robin Hood」サントラからの特大ヒットを経て、ヒット仕掛人ロバート・ジョン・マット・ランジを迎えて本作を無事にヒットさせた。「Everything I Do」(1位)のほか「Can't Stop This Thing We Started」(2位)「There Will Never Be Another Tonight」(31位)「Thought I'd Died And Gone To Heaven」(13位)「Do I Have To Say The Words ?」(11位)がヒット。なぜかタイトルの長い曲ばかりがシングルになった。いちばん順位は低いけど「There Will〜」がいちばんいい曲じゃん、という人は多い。


1991/10/19付 No.2 (初登場) 最高位2位、37週
Decade Of Decadance 81-91 / Motley Crue
これで4作連続のトップ10入り。ベスト盤がこれだけ売れるのは珍しいが、今回初登場の新曲が3曲、今回用に新たにリミックスされたのが3曲、ライヴバージョンが1曲と、全体の半分を未発表音源が占めるので、今までのアルバムを全部持ってるファンも買わざるを得ないというちょっとズルい作り。本作までがバンドの全盛期で、この後ボーカルのヴィンス・ニールが喧嘩別れするような形でバンドを離れ、ソロになったヴィンスもモトリー本体も結局勢いを失っていく。
今は「Greatest Hits」というベスト盤が別途出ているせいか、本作は廃盤。

1991/10/19付 No.4 (初登場) 最高位4位、37週
Apocalypse 91... The Enemy Strikes Black / Public Enemy
パブリック・エナミーの4作目で、チャート上は彼らの最大のヒット。“パブリック・エナミーは凄いらしい”という評判がロック・リスナーの間にもじわじわと浸透していった結果、作品を重ねる毎に順位は上がっていったが、既にグループとしてのピークは過ぎており、つまらない作品ほど順位は高いという皮肉な結果になった。本作で初めてPEに接したという人が多いであろう反面、本作でPEを見捨てた人も多いという、分岐点にあたる作品。

1991/10/19付 No.5 (初登場) 最高位3位、45週
Diamonds And Pearls / Prince & The New Power Generation
前作は商業的に苦戦したが、今回また持ち直した。プリンスの通算8作目のトップ10入り。前作から登場した新バックバンド、ニュー・パワー・ジェネレーションを率いた最初のフルアルバムで、これまでの独創的でアクの強い音楽性が、ぐっと“普通のR&B”に歩み寄った感がある。「Gett Off」(21位)「Cream」(1位)「Diamonds And Pearls」(3位)「Money Don't Matter 2 Night」(23位)とヒットが生まれた。1枚のアルバムから4曲(以上)のヒットを出すのは「Purple Rain」以来。

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