Aug-Dec, 1985

1985/8/3付 No.8 (4週目でTop10入り) 最高位6位、72週
Theater Of Pain / Motley Crue
ラットと共にLAメタルを代表するバンド、モトリー・クルーの3作目にして初のトップ10ヒット。とは言え前作「Shout At The Devil」も最高位17位、111週チャートインというヒットになっているため、本作で突然ブレイクしたわけではない。
いかにもグラムっぽい退廃的なルックスだが曲はキャッチーで、ヴィンス・ニールの鼻にかかった歌声のちょっと子供っぽいところも親しみを持たせた。そのヴィンスはちょうどこの頃飲酒運転で同乗者を死亡させるという事故を起こしたため、本作のプロモーションには本腰を入れられなかった。60年代ヒットのカバー「Smokin' In The Boys Room」(16位)がヒット。

1985/8/10付 No.10 (10週目でTop10入り) 最高位1位、97週
Brothers In Arms / Dire Straits
ロンドン出身のダイアー・ストレイツの6作目(ライヴ含む)で、デビュー作以来のトップ10入り。アニメCGのビデオが話題になった「Money For Nothing」(1位)の大ヒットに牽引されて900万枚を売る爆発的なヒットとなった。アメリカや日本では本作の売り上げが突出しているが、英本国ではこれまでのアルバムも全て大ベストセラーになっている。他に「Walk Of Life」(7位)「So Far Away」(19位)がヒットしたが、シングル3曲を除くと非常に地味な作品。もちろんそれが彼等の魅力ではある。なおタイトルは“戦友”の意味。まだこの時代はLPが主流だったが、CDも徐々に売れ始め、この頃はビルボードに普通のアルバムチャートとは別に「CDチャート」があった。その上位にずーっと張り付いていたのがピンク・フロイドの「狂気」と、このアルバムだった。

1985/8/24付 No.9 (6週目でTop10入り) 最高位6位、65週
Greatest Hits Volume I & II / Billy Joel
ヒット曲を量産してきたビリー・ジョエルの初のベスト盤。2枚組なのでこの名前であって、「I」と「II」でバラ売りされているわけではない。彼のアルバムのトップ10入りはこれで7枚めで、これに代わる新装ベスト盤のようなものも発売されなかったのでこれがずっと売れ続け、1000万セット以上を売っている。「You're Only Human」(9位)「The Night Is Still Young」(34位)の2曲の新曲もヒットし、文字どおりのグレイテスト・ヒッツとなった。

1985/8/31付 No.9 (23週目でTop10入り) 最高位1位、162週
Whitney Houston
ホイットニー・ヒューストンのデビュー作。ルックスも内容もまだ初々しく、とても爽やかな印象があった。14週1位、1200万枚のセールスで、(「Bodyguard」サントラを除けば)彼女の最大のヒット作。「You Give Good Love」(3位)「Saving All My Love For You」(1位)「How Will I Know」(1位)、ジョージ・ベンソンのカバーで、名曲・名唱「Greatest Love Of All」(1位)がヒット。特にいい曲が揃っているわけでもないが、クリーンで爽やかなイメージから人種を問わずに受け入れられたのが成功の鍵だろう。なおこのジャケではなく、白い水着姿の写真のジャケもある。

1985/9/7付 No.10 (9週目でTop10入り) 最高位1位、92週
Heart
70年代後半が全盛期だったロックバンドが、5年ほどの低迷期間を置いて本作で大復活。彼女たちにとって初のNo.1アルバムとなった。シアトル出身(デビュー当初はカナダ・バンクーバーに拠点を移している)の、アンとナンシーのウィルソン姉妹を中心とするバンド。基本的にはハードロックだが、ポップな曲や王道バラードも臆面なく演ってしまうあたり、いわゆるハードロックバンドよりはジャーニーやスティクスなんかに近い。「What About Love ?」(10位)「Never」(4位)「These Dreams」(1位)「Nothin' At All」(10位)と4曲もトップ10ヒットが生まれた。女性がフロントマンの王道ロック・バンドの成功例はあまりなく、彼女たちは希有な例だろう。当時はビデオなどでナンシー(妹)がやたらと胸の谷間を強調するのが話題だった。

1985/10/5付 No.10 (3週目でTop10入り) 最高位2位、75週
Scarecrow / John Cougar Mellencamp
ジョン・(クーガー・)メレンキャンプのメジャー移籍後5作目。これで3作連続のトップ10入り。インディアナ州の田舎町出身の彼がその事実を背負い、“田舎者”や農民の代弁者としての社会的な意識が高まったのが本作。農民のためのチャリティ・コンサート「ファーム・エイド」も彼が中心人物の一人としてこの頃にスタートさせた。時代を象徴する、アメリカン・ロック史上重要な作品であるだけでなく、内容的にも充実した名作。「Lonely Ol' Night」(6位)「Small Town」(6位)「R.O.C.K. In The U.S.A.」(2位)「Rain On The Scarecrow」(21位)「Rumbleseat」(28位)がヒット。

1985/10/19付 No.7 (2週目でTop10入り) 最高位1位、34週
Miami Vice / Soundtrack
日本でもお馴染み、ドン・ジョンソン主演の刑事物テレビドラマ「マイアミ・ヴァイス」のサントラ。テレビのサントラがこれほど大ヒットするのは非常に珍しく、全米1位になったのは本作だけ。この番組がいかに人気が高かったかを物語る。およそヒット曲らしからぬヤン・ハマー作の番組テーマ曲「Miami Vice Theme」が1位になった他、グレン・フライの「You Belong To The City」(2位)がヒット。他にもヒット曲を含むが、本作からヒットしたというよりはヒット曲を後からこっちに収録したもの。

1985/10/26付 No.9 (2週目でTop10入り) 最高位5位、50週
In Square Circle / Stevie Wonder
孤高のカリスマだったスティービー・ワンダーの音の大衆化が進み、日本でもかなり一般的な知名度が高まった。しかし全盛期が凄すぎる人だっただけに落差は激しく、旧来のファンの多くを失うことになってしまった。軽いディスコ・ポップ調の「Part-Time Lover」(1位)が大ヒットしたが、決して評判は良くない。むしろこの時期の“愛と平和のスティービー”を象徴するような「Overjoyed」(24位)のほうが人気が高いか。他に「Go Home」(10位)がヒット。

1985/11/23付 No.10 (2週目でTop10入り) 最高位4位、70週
Afterburner / ZZ Top
やたらと売れまくった前作を多分に意識した作品で、彼等のいちばん“売れ線”なアルバム。前作には及ばないものの500万枚を売り、チャート順位的には彼等の最大のヒットとなった。ブギ〜ブルーズ系の非常に渋い音楽性がウリの彼らだが、ここではシンセサイザーやデジタルなビートを大胆に取込んだ産業ロック仕様。ということで当時はシングルヒットを連発し、アルバムも売れたが、今となっては“売れ線”だ、“時代に迎合している”と評判はあまり良くない。まあ“楽しめる”アルバムではあるだろう。「Sleeping Bag」(8位)「Stages」(21位)「Rough Boy」(22位)「Velcro Fly」(35位)がヒット。

1985/12/7付 No.10 (29週目でTop10入り) 最高位10位、62週
Rock Me Tonight / Freddie Jackson
ニューヨーク出身のフレディ・ジャクソン。この頃はブラックの新人アーティストがアルバムをヒットさせるのは珍しかった。彼は本作の大ヒットで、今で言うR&B、当時で言うところの「ブラコン(ブラック・コンテンポラリー)」の代表的シンガーとなった。「Rock Me Tonight」(18位)「You Are My Lady」(12位)「He'll Never Love You」(25位)とヒットを連発することで徐々に支持を集め、チャートインから半年以上経ってようやくトップ10入りを果たした。ポップ市場では一発屋っぽい売れ方だったが、黒人市場では熱烈に支持され、この後90年代前半までにR&Bチャートで10曲のNo.1ヒットを生んでいる。

1985/12/14付 No.7 (4週目でTop10入り) 最高位1位、50週
The Broadway Album / Barbra Streisand
バーブラ・ストライザンドが彼女のルーツに戻ってブロードウェイ・ミュージカル作品を歌ったアルバム。国民的歌手の彼女はとりあえず新作を出せばコンスタントに売れるが、これが1位になって400万枚も売れている様子は、日本からはなかなか分かりにくかった。当時はシングルがまったくヒットせずにアルバムだけが売れまくるというパターンは珍しかっただけに尚更。
内容的には“アレンジは酷いが、それを補って余りあるだけのバーブラのボーカルが素晴らしい”というのが定評か。

1985/12/14付 No.10 (6週目でTop10入り) 最高位10位、28週
Power Windows / Rush
ラッシュはこれで6作連続のトップ10入り。かつ、これで4作連続で最高位10位というヘンな記録も作った。シンセの多用など、全体にキンキンした音使いがいかにも80年代的だが、彼らにとってはキャリア中三番目に大きなヒットとなる「The Big Money」(45位)や、原爆について言及した「Manhattan Project」、ドラマチックに盛り上がりまくる「Marathon」など人気の高い曲を含む。しかし76年の「2112」以来ずっと維持してきた100万枚以上のセールスも、トップ10入りも、一旦本作を最後に途切れてしまう。

1985/12/28付 No.9 (13週目でTop10入り) 最高位7位、50週
Knee Deep In The Hoopla / Starship
ジェファーソン・エアプレイン→ジェファーソン・スターシップ、そしてスターシップと二度目の名称変更をしての再スタート作。ジェファーソン・スターシップ時代の79年作以来6年ぶりのトップ10ヒットとなった。非常にポップな作りの、いかにも80年代的な作品で、この時点で20年に及ぶキャリアの中で「We Built This City」が彼らにとって初のNo.1ヒットとなり、続けて「Sara」も連続No.1。ただ、あまりにポップになりすぎてしまってバカにされていた感も否めない。他に「Tomorrow Doesn't Matter Tonight」(26位)がヒット。

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