Jan-Jul, 1985

1985/1/5付 No.10 (7週目でTop10入り) 最高位1位、83週
Reckless / Bryan Adams
ブライアン・アダムスの4作目。前作に続いてトップ10入りして人気を確立した。日本では本作で急に大ブレイクした感があり、当時はアイドル扱いで雑誌の表紙やグラビアなどに載りまくっていた。「Run To You」(6位)「Somebody」(11位)「Heaven」(1位)「Summer Of '69」(5位)「One Night Love Affair」(13位)「It's Only Love」(15位)と6曲のシングルがすべてトップ20入り。明るく爽やかでストレートなロックは、ひねりや深みに欠けるため評論家からは酷評されることが多く、本作も例外ではないが、1985年当時の空気を本当に反映しているのはこういう作品だろう。

1985/1/26付 No.9 (4週目でTop10入り) 最高位4位、45週
Agent Provocateur / Foreigner
フォリナーのオリジナル5作目。ベスト盤も含め、これまでの全作品がトップ10入りしているが、本作が最後のトップ10ヒットとなってしまった。「ハードロック」の括りに入れられることもあるバンドで、実際にHR/HM系バンドへの影響力は相当強いらしいが、今回はぐっと落ち着いた曲調が目立つ。装飾過多になり過ぎるギリギリのところで踏み止まって上品に盛り上げるバラード「I Want To Know What Love Is」(1位)、「That Was Yesterday」(12位)がヒット。

1985/1/26付 No.10 (12週目でTop10入り) 最高位1位、80週
Make It Big / Wham !
80年代の洋楽と言えば多くの人がまっ先に思い浮かべるであろう、ワム!のアメリカでの初ヒット。デビュー作は本国UKのみでのヒットに止まったが、この2作目で日本も含めて世界中で大ブレイクした。デビュー当初はアンドリュー・リッジリーのほうがルックスで人気が高かったようだが、本作あたりからジョージ・マイケルの存在感が際立ち始めた。「Wake Me Up Bedore You Go-Go」(1位)「Careless Whisper」(1位)「Everything She Wants」(1位)「Freedom」(3位)と大ヒットを連発、一躍時代の嬰児となった。LP時代は左のジャケではなかったが今はこれみたい。

1985/2/2付 No.10 (17週目でTop10入り) 最高位6位、54週
New Edition
この頃のR&B界はどういうわけかバンド形態のグループか、ソロシンガーばかりで、ボーカルグループは非常に少なかった。中でも若手となると皆無で、このニュー・エディションは黒人ローティーン市場の支持を難無くかっさらった。メンバーはみんなまだ10代半ばで声もいかにも子供っぽく、後に全員がソロで成功するとは誰も夢にも思っていなかった。「Cool It Now」(4位)、レイ・パーカーJr.作の「Mr.Telephone Man」(12位)がヒット。

1985/2/9付 No.10 (3週目でTop10入り) 最高位1位、51週
Centerfield / John Fogerty
僅か5年間の活動期間に無数の大ヒットを量産したクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルを解散し、その後は散発的にアルバムを出すだけで、すっかり音楽シーンから遠ざかっていたかと思われたジョン・フォガティの10年ぶりのソロアルバム。CCR時代を含めると15年ぶりのトップ10入り。“懐かしさ”をうまく人気につなげ、「The OId Man Down The Road」(10位)「Rock And Roll Girls」(20位)という、ちょっとこの時期のヒットっぽくない渋い曲をチャートに送り込んだ。この頃の日本の洋楽シーンは高校生ぐらいの若い世代が中心だったため、こういう渋いのは日本ではあまり盛り上がってなかった。タイトルは野球の守備位置“センター”のこと。

1985/3/2付 No.8 (8週目でTop10入り) 最高位1位、62週
Beverly Hills Cop / Soundtrack
エディ・マーフィー主演の人気映画シリーズのサントラ。エディが演じるアクセル・フォーリー刑事のテーマ曲、ハロルド・フォルターマイヤーの「Axel F」がインストとしては珍しい大ヒット(3位)。他にグレン・フライの「You Belong To The City」(2位)、パティ・ラベル「New Attitude」(17位)、ポインター・シスターズ「Neutron Dance」(6位)がヒット。全体的にはR&B系(当時はこういう言い方はせずに“ブラコン”とでも言ったかな)が多い。

1985/3/9付 No.8 (16週目でTop10入り) 最高位7位、49週
Wheels Are Turnin' / REO Speedwagon
長〜い下積み生活を経て前々作「Hi Infidelity」が15週1位と大ブレイク。本作がそれに続く規模のヒットとなる。ケヴィン・クローニンの柔らかい声が映えるバラード「Can't Fight This Feeling」が大ヒットした(1位)ほか、「I Do' Wanna Know」(29位)「One Lonely Night」(19位)「Live Every Moment」(34位)がヒット。明るくポップな曲やバラードが多いため売れ線狙いの産業ロックバンドと揶揄されることも多いが、長年のライヴで鍛えてしっかりと実力のあるバンドである。「Live〜」は隠れた名曲。

1985/3/16付 No.8 (2週目でTop10入り) 最高位1位、123週
No Jacket Required / Phil Collins
フィル・コリンズが売れ線全開のポップおやじになったのはここから。とは言え流石に下地のしっかりした人なので、確実にツボを押さえた作りは見事。アーティスティックでありながら、同時にバリバリ売れ線にも成り得るのだということを証明して見せた傑作。アメリカだけで1200万枚を越えるベストセラー。「One More Night」(1位)「Sussudio」(1位)「Don't Lose My Number」(4位)「Take Me Home」(8位)がヒット。「Take〜」の前に「Separate Lives」(1位)がヒットしているが、これはサントラ収録曲で、本作には収録されていない。

1985/4/20付 No.9 (初登場) 最高位1位、22週
We Are The World / USA For Africa
ポピュラー音楽史に長年刻まれるであろう歴史的なイベント。アフリカ救済のためのチャリティと銘打ち、46人の有名アーティストが一同に会して録音された「We Are The World」(1位)。このシングルは400万枚を売り、当時のどんな大ヒット曲よりも大きなセールスを上げたが、その発展企画であるこのアルバムは3週1位、300万枚のセールスと、それほど爆発的なヒットとはならなかった。あまりにも盛り上がり過ぎてしまった反動で飽きられるのも早かったということか。「We Are〜」の収録には立ち会えなかったプリンス、スティーブ・ペリー、シカゴ、あるいはこのイベントのキーマンであるスプリングスティーンなどが未発表曲を提供するオムニバス。参加するアーティストたちのレーベルがバラバラなので権利関係の調整が大変そうだし、そもそもの目的がチャリティなので再発は難しいようで、一旦はCD化されたがまた廃盤。

1985/4/20付 No.10 (9週目でTop10入り) 最高位5位、81週
Diamond Life / Sade
ナイジェリア生まれのシャーデー・アドゥを中心とするロンドン拠点の4人組のデビュー作。デビュー当時はポップス系のグループと言うよりはジャズ・コンボという紹介のされ方だった。ジャジーでクールな音はこの頃のチャートには他にまったく見当たらず、英本国での大成功とほぼ平行してアメリカでも一気に大ブレイクした。「Smooth Operator」(5位)がヒット。イギリスでは「Your Love Is King」のほうがヒットしており、曲の出来としても出世作・代表曲と呼ぶに相応しい。

1985/4/27付 No.9 (4週目でTop10入り) 最高位7位、32週
Southern Accents / Tom Petty & The Heartbreakers
トム・ペティはこれで4作連続のトップ10ヒット。前作がちょっと期待外れっぽく迎えられたが、本作で持ち直した感が強い。実はこれまであまり田舎者丸出しという感じではなかった彼らがぐっと田舎っぽいイメージを身にまとい始めたのが本作。なんたってタイトルが「南部訛り」だし(バンドはLAで結成されたがトムはフロリダ出身)、初めてトムの写真以外が起用されたジャケは働く農夫のイラストだ。「Don't Come Around Here No More」(13位)で非常に凝ったビデオクリップを作ったあたりから、カーズと並んでMTV的にも注目される。本作でいったんアルバムトップ10は途切れるが、後にまた人気は復活する。

1985/5/18付 No.5 (2週目でTop10入り) 最高位1位、40週
Around The World In A Day / Prince & The Revolution
Purple Rain」の爆発的ヒットの熱も冷めやらないうちに送り込まれた新作で、実は「Purple Rain」と同時期に製作が進んでいたものとされる。ファンクを基調とした本作のほうがプリンスの本来の志向には近いだろう。まさに彼が神憑り的だった絶頂期で、発売から15年以上経った今改めて聴いてみると、他の誰もこんな音楽を作っていないことに驚かされる。「Raspberry Beret」(2位)「Pop Life」(7位)がヒット。本作をプリンスのベスト作品だと推す人もいる。

1985/5/25付 No.9 (9週目でTop10入り) 最高位1位、83週
Songs From The Big Chair / Tears For Fears
UKのニューウェーブ系デュオ。UKで大ヒットしたデビュー作はかなり内省的で暗い印象の作品だったが、この2作目からの大ヒット「Everybody Wants To Rule The World」(1位)でその印象を払拭した。「Head Over Heels」(3位)も親しみやすいポップな曲だが、基本的には「Shout」(1位)「Mothers Talk」(27位)など、どこか神経質さを感じさせる緻密な音作りが得意な、いかにも英国的なバンド。

1985/6/15付 No.10 (10週目でTop10入り) 最高位6位、44週
The Power Station
出す作品すべてが大ヒットのデュラン・デュラン人気に便乗する形のサイドプロジェクトの唯一のアルバム。デュランのアンディ・テイラー、ジョン・テイラー、それに元シックのトニー・トンプソン、英国の中堅シンガー、ロバート・パーマー。プロデュースがこれまた元シックのバーナード・エドワースという布陣。ロバート・パーマーはここへの参加がソロでの大ブレイクへの布石となる。元シックの2人のファンク志向と、他のメンバーのロック志向がうまく融合して非常にタイトでかっこいい仕上がり。「Some Like It Hot」(6位)、T-レックスのカバー「Get It On」(9位)「Communication」(34位)がヒット。

1985/6/29付 No.10 (11週目でTop10入り) 最高位10位、45週
Dream Into Action / Howard Jones
“ニューウェーブ”の代表的アーティストで、シンセの魔術師と言われたハワード・ジョーンズの2作目。これが唯一のトップ10ヒット。明るい色の派手なスーツを着て、金髪をツンツンに立たせるという出で立ちがいかにもニューウェーブっぽい人だった。英本国や日本ではファーストの頃が人気の絶頂で、この頃は既にピークを過ぎていた感がある。「Things Can Only Get Better」(5位)「Life In One Day」(19位)「No One Is To Blame」(4位)がヒット。「No One」にはフィル・コリンズが全面参加。

1985/7/6付 No.10 (7週目でTop10入り) 最高位9位、45週
Be Yourself Tonight / Eurythmics
ユーリズミックスの4作目は前作に続くトップ10入り。前作ではまだちょっと遠慮気味だったアニー・レノックスの才能が開花した作品。デビュー当初はクールに無機質に歌っていた彼女が、実はソウルフルなスゴいシンガーだったのだと気付かされたのが、今までの彼らにないロックでアグレッシブな先行シングル「Would I Lie To You ?」(5位)と、大胆にもアレサ・フランクリンをデュエットに迎えた「Sisters Are Doin' It For Themselves」(18位)。夢見心地の「There Must Be An Angel」(22位、英では1位)は彼らのキャリアを代表する名曲。

1985/7/20付 No.10 (4週目でTop10入り) 最高位7位、42週
Invasion Of Your Privacy / Ratt
LAメタル・バンド、ラットのメジャー2作目で、前作に続くトップ10入り。ツイン・ギターが冴え、バラードなしで疾走する(彼らは“バラード嫌い”だった)本作は前作と並んで80年代メタル、LAメタルを代表する作品とも言われる。まあ、悪い意味も込めて。ちなみにこの辺のメタルは英語では“Hair Metal”と呼ばれる(全員派手な長髪だったから?)。シングルはあまり冴えず、「Lay It Down」(40位)がヒットしたのみ。

1985/7/27付 No.9 (3週目でTop10入り) 最高位2位、58週
The Dream Of The Blue Turtles / Sting
ポリス解散後(当時は正式な解散表明はしていなかった)、スティングの初ソロ作品。ジャズ界に広く呼びかけ、とにかく最高のテクニックを持ったミュージシャンを集めたという本作はズルいぐらいクールでジャジーでオシャレ。それだけに“気取ってる”と批判する声も少なくなかったが、例えば「Shadows In The Rain」の熱演は一流ミュージシャン同士が火花を散しながらぶつかりあうような熱気が漂ってくる。「If You Love Somebody Set Them Free」(3位)「Fortress Around Your Heart」(8位)「Love Is The Seventh Wave」(17位)「Russians」(16位)がヒットしたが、実は非シングル曲のほうが質が高いような気もする。「Russians」は冷戦時代の遺物で、今読むと稚拙な歌詞が笑える。

1985/7/27付 No.10 (8週目でTop10入り) 最高位10位、45週
7 Wishes / Night Ranger
“産業ロック”の典型としてバカにされがちなハードロックバンドの3作目で、唯一のトップ10ヒット。当時のLAメタル系のバンドに比べると曲が格段にキャッチーで、サウンド面でもキーボードの比重が大きいことから、そっち方面よりはラヴァーボーイなんかと同じ系統の“ポップ寄り”の存在だった。それだけにロックバンドとしてはシングルヒットが多く、「Sentimental Street」(8位)「Four In The Morning」(19位)「Goodbye」(17位)がヒット。「Goodbye」は70年代の日本のフォーク〜歌謡曲にインスパイアされてるように思えてしょうがない。メンバーのジャック・ブレイズは後にダム・ヤンキーズの一員として活躍する。

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