LESSON5:
Alannah Myles
Jesus Jones
Tom Cochrane
Prince & The New Power Generation
Da Brat
Weezer
Total
Fiona Apple
Lauryn Hill
Maxwell
Right here, right now,
there is no other place I want to be
Right here, right now,
watching the world wake up from history
- Jesus Jones Right Here, Right Now
"Black Velvet" -Alannah
Myles (#1)
カナダのロック系女Vo.。この人しかり、シャナイアやテリ・クラークにしてもどうもこの国のロック寄りのシンガーは女のくせに非常に男気あふれる歌い方をする。そういうお国柄なのだろうか。曲のほうはブルースっぽい雰囲気のかなり渋い出来で、延々と平打ちされるドラムと時々ポロンポロン鳴るアコギがいい味を出している。89年のエディ・ブリッケルのヒット「What
I Am」とどこか通じるものがある、1回聴いた人の心を捉えて離さない何か不思議な魅力を持った曲。この後「Love
Is」(90/#36)がマイナーヒットした。メドウーサみたいなアルバムジャケが怖い。
"Right Here, Right Now" -Jesus
Jones (#2)
なんていうんだろう、こういうの。ハウス系ロック?UK発のデジタルデジタルしたロックバンドのヒット曲。彼らに続いてEMFという弟分バンドがデビューしてこちらも「Unbelievable」(91/#1)という歴史的名作を残した。この「Right
Here, Right Now」はただのデジロックじゃなくて、PVを見てもわかるとおり移り行く世界情勢を目の当たりにしながら今俺たちは歴史の幕開けにいるんだ!と熱いメッセージを投げかける佳曲。PVにはベルリンの壁崩壊のシーンも登場。皮肉なのはこの曲がアメリカでヒットしてる頃、ちょうど湾岸戦争だったことだろう(曲自体の録音は90年)。時期を同じくしてレニー・クラビッツの湾岸戦争に対する反戦歌「It
Ain't Over,'Til It's Over」(91/#2)がヒット。時代が一巡した今、歴史はまた繰り返されるのだろうか?
"Life Is A Highway" -Tom Cochrane (#6)
カナダ出身のロック系シンガー・ソングライター。アメリカではただの一発屋だが、本国カナダでは70年代から今も尚活動を続けている超ベテラン。ひたすらぶつぶつ歌う1番Aメロ、Bメロを抜けた後のサビでのはじけっぷりがこの曲のすべて。バックの能天気女Vo.コーラス、2番直後の暗転、要所要所で入るハーモニカ、と偉くかっこいい要素が盛りだくさん。痛すぎるほどストレートな歌詞といい、(カナダ人だけど)これ以上アメリカンなロックには仕上げれないだろう、というくらいの極度なアメリカンっぷりが最高。
"7" -Prince &
The New Power Generation (#7)
ビルボードも人がいいよな。タイトルにあわせて最高7位とは。70年代後半から活動を続けてきたプリンスも90年代になるとちょうどこの頃を最期にヒット曲とは無縁の人になってしまう。この後は活字であらわせない謎の記号(Love
Symbolと発音する)に改名して、より孤高な人になってしまった感があるプリンス。この曲は92年に発売されたアルバム(このタイトルも例の記号=Love
Symbol)からの3rdシングル。なんかこういうテーマの映画も過去あったけど、キリスト教の世界で言う7つの災いを歌った曲。でも実際は「フハハハハハ・・」とか悪魔のような声が入っていたりして結構楽しい。それにしても当時個人的にまったく聴くに堪えなかった「Sexy
M.F.」も今聞くとめちゃくちゃかっこよく感じる。。。プリンスはやっぱファンクの王様だ。
"Funkdafied" -Da Brat (#6)
クリス・クロス、エクスケイプ、と順調にヒット作を生み出していたジャーメイン・デュプリが送り出した決定打。当時、女性ラッパーといえばやれMCライトだの、クイーン・ラティファだの、ソルトンペパだの80年代からの遺産しか語られていなかったが、彼女の出現でようやく90年代の女性ラッパー史が幕を開けた。この頃やたらと使われていたアイズリー・ブラザーズの「Between
The Sheets」をそのまんまサンプリングではなく、"弾き直して"使ったメロウラップ。しっかりP-FUNKからのフレーズも取り入れるなど結構抜かりない。
"Buddy Holly" -Weezer
(Air #18)
スーパーグラス「Alright」、ブーラドリーズ「Wake Up
Boo!」あたりとまとめて青春系ロックナイトでかけてやりたいような1曲。カーズのリック・オケイセックがプロデュースしたということで、その辺が好きな人も注目して当時大変な話題となった。「Buddy
Holly」は「Ooo wee ooo, I look just like Buddy Holly,/ Oh oh, and you're Mary Tyler Moore./I don't care what they say about us anyway./
I don't care about that.」なんてサビで歌っちゃうちょっとお馬鹿な曲だが、逆にこのレトロで甘酸っぱい感じの音・メロにこの歌詞がすごくよく合っている。ところでこの曲はラウンジブームのさなかムーグ・クックブックにカバーされたが、ぜひそのバージョンも必聴されたい。名メロはアレンジを選ばないという好例。
"Kissin' You" -Total
(#12)
ショーン・パフィ・コムズ主催のレーベル、バッド・ボーイからデビューした女性ボーカルトリオ。3人のルックスには疑問も残るが、甘ったれたヴォーカルおよび夢見心地なコーラスワークが非常に個性的だった彼女たち。「Kissin'
You」はデビューアルバムからの第3弾シングルで、元トニー!トニー!トニー!のラファエル・サーディクがプロデュース。アコギに絡む彼女たちの至福のヴォーカルが非常に心地よい。当時バッド・ボーイのシングル戦略はまずLPバージョンメインのCDシングルを出して、その後リミックスを入れたCDマキシを出していたのだが、このリミックスがどれもこれも非常に質が高く、結局はみんな2枚買わざるを得ないという状況だった。この曲のリミックスも「Oh
Honey」を使って、"光のどけき春の日((C)紀友則)"を音で見事再現したハイレベルな出来。
"Criminal" -Fiona
Apple (#21)
怖いなぁ、この曲。そして重いよ。重たすぎ。終盤なんかもう完全にネジはずれちゃってるよ、って感じ。幼少の頃から精神に問題を抱え精神科通いもしたという女性シンガーソングライターの、自身のレイプ被経験を元に作られた曲。たぶん日本の椎名林檎はこの人に感化されたのではないか、と個人的に思っている(芸名の林檎はリンゴ・スターから取ったらしいが、フィオナ説のほうが絶対しっくりくるぞ)。いずれも精神的に感化されるか自分も同類じゃないと本当の魅力はわかんないタイプの音楽かな。こんなの中途半端に聴き流せたら感心するなぁ。ちなみにセカンドアルバム『When
The Pawn
(以下省略)』はタイトルが長すぎてギネスブックに載ってしまった(笑)。
"Can't Take My Eyes Off You" -Lauryn
Hill (Air #35)
「Kiling Me Softly」(Air 96/#2)「No Woman No Cry」(Air 96/#38)とヒットを連発、「西半球で最も貧しい国」と言われるカリブの島国ハイチの出身であるフージーズの『The
Score』は全米のみでなく世界中で聴かれ、セールス的にも大成功を収めた。彼らの人気が頂点に達した頃、待ってましたとばかりに他のメンバーに先駆けてグループの紅一点ローリンがソロデビューした。この曲はそのソロアルバムにシークレットトラックとして入っているフランキーバリのスタンダードのカバー。日本ではボーイズ・タウン・ギャングのバージョンが有名なこの「君の瞳に恋してる」、ローリンはこれをヒューマンビートボックスを含むヒップホップスタイルでカバーした。彼女のバージョンは今まで出てきた幾千のこの曲のカバーの中でもかなり個性的な部類に入るものだろう。
"Fortunate" -Maxwell
(#4)
イントロの「ふぅ〜〜ううぅ〜〜〜〜〜〜」でやられた人も多いはず。ディアンジェロ、エリック・ベネイらとともにニュークラシックソウル御三家として語られたマクスウェル。ニュークラシックソウルとは要は古き良き日のソウルミュージックを現代に生き返らせた生音主体のオルタナR&Bのことで、95年〜97年あたりにソウル・ルネッサンスとしてひとつのムーヴメントになった。この曲は、マクスウェルの宙を浮遊するような極上ファルセットを、ケリーのアイズリーオタク度全開なメロウトラック(「Make
Me Say It Again Girl」あたりがお手本。たぶん)に溶かすとどうなるかを試みた、化学実験的な1曲。